放置された公爵令嬢が幸せになるまで

騎士様が残ってくれる事になりました

　その後、色々話をしてから騎士団の皆様は一旦帰っていった、一人を除いて。

「アイネス様、よろしくお願いします」

「こちらこそよろしくお願いします」

　エリオット様が護衛として残ってくださる事になった。

「でも、屋敷は見ての通り空っぽですし小屋には私の物しかないですが」

「大丈夫ですよ、騎士団は野宿をする時もありますから常備しているんです」

　なるほど……。

「それじゃあお食事の準備をしますか」

　私とエリオット様は小屋に戻り夕食の準備をする。

　まず夕食用の野菜を収穫する事に。

「そこがキャベツ、その隣が大根です」

「わかりました、ってデカっ！？」

　キャベツの大きさにエリオット様は驚いていた。

「そんなに大きいですか？」

「王都でもこの大きさのキャベツは見た事ありませんよっ！」

「マジですか……」

　大根も引っこ抜くとその大きさにエリオット様は驚いていた。

　野菜を収穫した後、保存庫にあるお肉を取ってきて夕食の準備はオッケー。

　後は切ったり炒めたり焼いたりするだけ。

「火魔法も使えるんですね」

「へ？火魔法？」

「しかも無詠唱で指を鳴らすだけで……、流石は聖女様ですね」

　え？確かに指をパチンとすれば小さな火玉が出るけどこれって魔法だったの？

「これも普通は訓練をしないと出来ない筈なんですよ」

「そうなんですか……」

　今日一日で私の当たり前がだんだんと崩れていく……。