放置された公爵令嬢が幸せになるまで

こうじ

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同じ貴族でも……

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「そういえば私のお兄様が騎士学院に入っている、と聞いたんですが」

 夕飯が出来上がりエリオット様と食べている時、ふと気になったので聞いてみた。

「あぁ、確か彼なら停学処分を受けてますよ」

「停学っ!?」

「学院内で暴力事件を起こしたそうです」

 えぇ~……、チラッと見た時はカッコいいなぁ、と思ったんだけど。

「なんでも恋愛関係のトラブルだそうです。人様の恋人を寝取ったとか」

 ……クズじゃないですか。

「じゃあ騎士なんてなれないですね」

「まぁ騎士団と言っても色々ありますから、国営は無理だとしても私営なら腕が立つならなれるでしょうけど彼等は騎士とは名ばかりのゴロツキですからね」

「……もしかして私の家族ってクズなんですか?」

「う~ん……、ただ自分達を過大評価してるのではないでしょうか。でもそんな貴族は他にもいますからね。貴族というだけで『選ばれた人間』だと勘違いしてる輩が」

「結構ハッキリ言うんですね」

「貴族の嫌な部分は見てきてますからね、勿論そんな貴族ばっかりではなくて尊敬できる貴族もいますよ、カリーナ様が正にそれです」

「カリーナ様は貴族なんですか?」

「貴族というか神官職ですね、父親が教会のお偉いさんで貴族や王族と対等の立場だと聞いています。ただカリーナ様自体は身分とか関係なく接してくれるので騎士団内での評判はいいです」

 カリーナ様と私の家族、同じ貴族でもこうまで違うのか。

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