Darkness.

ささささのは

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Ⅰ 舞い戻る

#4 実験

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西崎刹那は温厚で、親しみやすい性格である。
しかし、その裏面は闇深く、今までは
暗殺業を生業とし、ずっとそれで稼いできた。そのせいで裏社会では知られており、彼女に協力をする者も現れた。

彼女はどんなにも難しい暗殺でもこなした。どんな警備も掻い潜り、標的を必ず仕留める業があるといわれている。

「能力者」間では、彼女は「能力者」なのではないか、とも噂されている。
それもそのはず、彼女は「死なない体」もっているからだ。この事実は彼女本人と、その側近の者達の一部にしか知られていない。

彼女の暗殺業は、ある目的のために極めてきたものだった。

「復讐」のためだけに人を殺してきたのだ。


復讐を果たした所で、彼女は本当に報われるのか?











ずっと、求めていた標的が見えた。

目の前のこいつが___

私の人生を壊したのが___






堂崎魁斗?






本当に?

でも、この顔は間違いなく……

本当に君なの?




「そろそろ回収時ね」






………びっくりしたぜ……人生で1番。
最も信頼していた人物から殺されかけ、
多分首謀者が刹那を気絶させてから俺も意識が消えて………

刹那はここにはいなかった。そして今、知人と知らん奴が話している。
もう少し死んだフリしておくか…

「起きたか」
「バレたか」
気づくの早いって。ずっと俺の事見てたのか?

「無事に回収できたみたいね。どうだったかしら?今の戦闘。」

こいつ、ずっと見ていたのか?

「やっぱり、君の「改造」はあんまり効果がなさそうだね。」

は?改造?
今、こいつは改造と言ったのか?
あの、人を操れるとかいわれた、あの「能力」のことか?
刹那の様子がおかしいのも?
俺が死にそうになったのも?
刹那が…消えたことも?

手が震える。今すぐにでもこいつを殺したくなっている衝動を抑えながら、少し…冷静になり、相手の情報を頭に入れる。

そうしなければ、勝てない気がする。

「何が目的だ」
「まあまあ、質問したのはこっちが先だから…“答えてくれる?”」

………なんだ、意識が一瞬遠のいた。
なんだ?急にスタンガンを当てられた感じだった…

「……いいぜ、答えてやる
余裕だったな。」
「嘘は吐かないほうがいいわよ?流石にずっと見ていたからそんなことは分かってるわよ。」

ハッタリってあんまり効果がないのか?
結構効いた時もあったんだがなあ…

「私はそんなこと聞きたくないのよ。
「能力」は使えたかしら?」

…………………………………

「言う気がないの?“私に答えなさい”」
「………よ」
「よ?」

「………読めたさ、もちろん…」

「“嘘はつかないで”」
「……!」
「本当は?」

「……よ、め……なかった……」

「……あなたには結構効くようね。言葉じゃやっぱり効果が薄いのかしら?」

「…………今、俺はなんて言った?」
「あなたが知る必要は無いわ。「実験」は終わったから、もう帰っていいわよ」

「お疲れ様とでも言っておこうか。じゃあまたな」

……なんだ?問い詰められていて…口が滑ったのか?
俺が?また?
何を聞かれた?何を言われた?

思い出せねえ…

「ああ、そうだ」
ジュン…!」
「最近どう?hrd」

「よりにもよってここでその名前を出すか?死にたいのか、お前」
「まあまあ…まだの死ぬ訳にはいかないし

盟奈はもう行っちゃったから、またね、hr」

「クソッ…殺してやる」

行ってしまった…殺せばよかった。

ところで…嫌な予感がするな…
刹那を探さなければならんのに…
めんどくさい、今は避けないとな。


「…………か……い………」

目の前には、ボロボロな姿の刹那がいた。




続け
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