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最終章 それぞれの想い
恋愛成就(本編完結)
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「行くな――」
突然訪れた背後からの力強い抱擁に鼓動が跳ね、甘く魅惑的な香りに力が抜けてゆく。
「……旦那、様?」
私を包み込む彼の体から感じる震えと、胸の辺りから聞こえるドク、ドクという鼓動の音。
そして彼は私の耳元で、囁くようにこう問い掛けた。
「――俺じゃ、ダメか?」
声も少し震えていて、普段のぶっきらぼうな様子からは全く窺い知れない、どこか弱々しいとさえ思える彼の様子。
そして、何より、そんなの彼の口から紡ぎ出された思いがけない言葉に私は息を飲み、思わず「……ぇ?」と、そんな小さな驚嘆が漏れ出た。
そんな私に対して彼は若干の苛立ちを含んだように、
「……リデイン卿ではなく、俺ではダメかと聞いている……こんな事、二度も言わせるな……」
と、少しだけ声のトーンを上げた。
「…………」
対する私はというと、未だ驚きが先行していて言葉が見つからない。
そんな私の無言に旦那様はハッとしたように身を剥がそうとする。
「……そうか、分かった。すまなかっ――!?」
離れようとする彼の体に、私はすかさず身を翻し、ぎゅと、飛び込むようにしてしがみつく。
そして、私は小さく言葉を紡ぎ出した。
「……好きです。大好きです。でも……私、どうすれば良いのか分からなくて……助けて、ください……」
すると彼は再び両腕を私の体へ回し、今度は優しく包み込む。
「……分かった。大丈夫だ。君は何も心配しなくていい。君の居場所はここにある。ずっと、ここに居ればいい。その為に俺がリデイン卿に掛け合おう」
「――駄目なんです。それは……リデイン子爵家は私の娘の嫁ぎ先なので……」
「知っている」
「え?」
意外な彼の反応に私は驚き、視線を上げると、そこには銀髪の美貌があって、切長の青い瞳が私を見つめていた。
「大丈夫だ。君の娘が窮地に立つような事は無い。約束する。だから――」
普段は割と冷徹で無表情な彼。
しかし、時折り見せるこの優しい微笑みが、今の私の胸に広がっていた悲壮感や焦燥感を和らげでいく。
彼の言う根拠のない「大丈夫」が、本当に大丈夫な気がしてきて、強張っていた表情が柔らかくなっていくのが自分でも分かった。
「――俺を選んで欲しい。――君が欲しい。君でなければ駄目なんだ」
この言葉に私の胸の奥は熱くなって、同時にどうしようもない喜びが溢れてくる。
「……はい。私にとっても旦那様じゃなきゃ駄目なんです。……愛しています。旦那様……」
彼の胸に顔を埋め、彼の愛に溺れていく。でも、やはり気になる事はアリアの事で、
「……どうか、娘の事だけは、よろしくお願いします……」
「心配するな。決して無理な運び方はしない。それにだな、リデイン卿と俺は割と仲が良い方なんだ。彼の人となりからして君が不安に思っているような事態には絶対にならない。約束する。ただ、一応釘は刺しておくがな。『エミリアは俺の女』だとな」
かぁーっと全身が熱くなって真っ赤に染まった顔を隠すように彼の胸に再び顔を埋める。
「……あ、ありがとうございます」
爵位の優位性からしても私が旦那様を選ぶ事はある意味説得性のある事。
むしろ、『侯爵』である旦那様を差し置いて私は子爵様を選ぶ事は出来ない。
故に、旦那様からの求愛に応えざる得ないのが今の私の立場だ。
「だから、エミリア――安心して、俺に奪われろ」
「……はい」
旦那様はゆっくりと私へ顔を近づけ――そして、私達はキスを交わした。
その後、私と旦那様は正式に婚約を交わし、私は今、侯爵夫人としての教養として、貴族の慣わしや領地経営についてをクライン様より教授される日々を送っている。
故に、私はメイドとしては除籍されてしまい、それはそれで残念に思うところもある。
だけれど、かつての同僚達はそんな私へ敬称、敬語こそ使いはするものの以前とさほど変わらずにフランクに接してくれる事が私としては何よりも嬉しい。
そして子爵様との関係性についてだが、あの後旦那様と子爵様との間で私を巡った話し合いがなされたそうだ。
その時、子爵様は私と旦那様との間での相思相愛を知って、自ら納得した上で身を退く旨を旦那様へ伝えたとの事。
その時の子爵様の様子からして、私が心配しているような事態にはならないだろうと、旦那様は言う。
こうして私の中での憂慮は全て霧散する事となり、晴れて私は旦那様との結婚式を迎える事が出来た。
領内に建つたったひとつの教会。その中、神聖な静寂の中を神父の声が響く。
「新郎ウイリアム。あなたはエミリアを妻とし、健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、妻を愛し、敬い、慰め合い、共に助け合い、その命ある限り真心を尽くすことを誓いますか?」
「あぁ、誓う」
「新婦エミリア。あなたはウイリアムを夫とし、健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、夫を愛し、敬い、慰め合い、共に助け合い、その命ある限り真心を尽くすことを誓いますか?」
「はい。誓います」
神聖な雰囲気の中、神父を前に誓いを立てる。
私達にとっての一部の近しい人達に見守らられながら誓いのキスを交わし、教会から出るとそこには、幸せを絵に描いたような景色が広がっていた。
澄み渡るような青い空が視界に広がり、頭上には桃色の花びらが舞っている。その花びらを空高く投げているのは私達を祝う為に集まった多くの領民達だ。
領民達の歓声とその幸せな景色に思わず頬が緩む。
「エミリア。とても綺麗だ」
旦那様は私のウエディングドレス姿に目を細める。
「ありがとうございます。旦那様もとても素敵です」
「君の事はこの命にかえてでも必ず幸せにする。この誓いは領民達へ対するものと同等のものだ」
私への愛をひしひしと感じると同時に、彼の領民へ対する誠実な姿勢に感銘を受け、やはり、旦那様は素晴らしい人だと改めて実感する。
自分が貧民だったからこそ、旦那様のそういったところが私は好きなのだ。
私と同じくらい、いや、私の事以上に領民達の事を大事に思ってて欲しいと、心からそう思う。
そんな誠実な旦那様の悲願でもあるギルバード領に住む全ての領民達の幸せ。これを実現しようと、これからも旦那様は挑み続けるだろう。
私は私で、そんな旦那様の事を支えていこうと心に誓うのだった。
「……とても素敵なお言葉、大変嬉しく思います」
「エミリア、愛している。この気持ちは君だけに対するものだ」
「分かっています。私もです。旦那様」
結婚後、旦那様と私の間には子供が2人、男の子と女の子が産まれ、私は再び子育てに奮闘する事となる。そして、私は旦那様から受ける甘くとろけるような溺愛に対して困り顔で応えながらも、内心では幸せを噛み締めるのだった。
そして、問題の領地経営はというと、旦那様が根気強く試行錯誤を繰り返しながら取り組んだ政策の甲斐あって、領内の金の循環は段々と良くなり始め、貧困に苦しむ領民も少なくなっていった。
「全ては君のお陰だ。君がいるから俺は頑張れるんだ。俺はもはや君無しでは生きられない。一生、死ぬまで君の事を……いや、死んでも尚、俺は君の事を愛し続ける。だから君もまた永遠に俺の妻であってくれ」
「もちろんです。地獄でもどこへでも私は旦那様の、後を追い続けます。いつか、お互いに死んでしまう日が来ても、私は来世で旦那様の事を探し求めます。だから、旦那様も私の事を探して捕まえて下さいね」
「ふっ。言われなくても、そうするさ」
完
―― ―― ―― ―― ―― ―― ―― ―― ――
本編完結です!ご愛読ありがとうございました!
今後は番外編です。是非番外編もよろしくお願いします!
突然訪れた背後からの力強い抱擁に鼓動が跳ね、甘く魅惑的な香りに力が抜けてゆく。
「……旦那、様?」
私を包み込む彼の体から感じる震えと、胸の辺りから聞こえるドク、ドクという鼓動の音。
そして彼は私の耳元で、囁くようにこう問い掛けた。
「――俺じゃ、ダメか?」
声も少し震えていて、普段のぶっきらぼうな様子からは全く窺い知れない、どこか弱々しいとさえ思える彼の様子。
そして、何より、そんなの彼の口から紡ぎ出された思いがけない言葉に私は息を飲み、思わず「……ぇ?」と、そんな小さな驚嘆が漏れ出た。
そんな私に対して彼は若干の苛立ちを含んだように、
「……リデイン卿ではなく、俺ではダメかと聞いている……こんな事、二度も言わせるな……」
と、少しだけ声のトーンを上げた。
「…………」
対する私はというと、未だ驚きが先行していて言葉が見つからない。
そんな私の無言に旦那様はハッとしたように身を剥がそうとする。
「……そうか、分かった。すまなかっ――!?」
離れようとする彼の体に、私はすかさず身を翻し、ぎゅと、飛び込むようにしてしがみつく。
そして、私は小さく言葉を紡ぎ出した。
「……好きです。大好きです。でも……私、どうすれば良いのか分からなくて……助けて、ください……」
すると彼は再び両腕を私の体へ回し、今度は優しく包み込む。
「……分かった。大丈夫だ。君は何も心配しなくていい。君の居場所はここにある。ずっと、ここに居ればいい。その為に俺がリデイン卿に掛け合おう」
「――駄目なんです。それは……リデイン子爵家は私の娘の嫁ぎ先なので……」
「知っている」
「え?」
意外な彼の反応に私は驚き、視線を上げると、そこには銀髪の美貌があって、切長の青い瞳が私を見つめていた。
「大丈夫だ。君の娘が窮地に立つような事は無い。約束する。だから――」
普段は割と冷徹で無表情な彼。
しかし、時折り見せるこの優しい微笑みが、今の私の胸に広がっていた悲壮感や焦燥感を和らげでいく。
彼の言う根拠のない「大丈夫」が、本当に大丈夫な気がしてきて、強張っていた表情が柔らかくなっていくのが自分でも分かった。
「――俺を選んで欲しい。――君が欲しい。君でなければ駄目なんだ」
この言葉に私の胸の奥は熱くなって、同時にどうしようもない喜びが溢れてくる。
「……はい。私にとっても旦那様じゃなきゃ駄目なんです。……愛しています。旦那様……」
彼の胸に顔を埋め、彼の愛に溺れていく。でも、やはり気になる事はアリアの事で、
「……どうか、娘の事だけは、よろしくお願いします……」
「心配するな。決して無理な運び方はしない。それにだな、リデイン卿と俺は割と仲が良い方なんだ。彼の人となりからして君が不安に思っているような事態には絶対にならない。約束する。ただ、一応釘は刺しておくがな。『エミリアは俺の女』だとな」
かぁーっと全身が熱くなって真っ赤に染まった顔を隠すように彼の胸に再び顔を埋める。
「……あ、ありがとうございます」
爵位の優位性からしても私が旦那様を選ぶ事はある意味説得性のある事。
むしろ、『侯爵』である旦那様を差し置いて私は子爵様を選ぶ事は出来ない。
故に、旦那様からの求愛に応えざる得ないのが今の私の立場だ。
「だから、エミリア――安心して、俺に奪われろ」
「……はい」
旦那様はゆっくりと私へ顔を近づけ――そして、私達はキスを交わした。
その後、私と旦那様は正式に婚約を交わし、私は今、侯爵夫人としての教養として、貴族の慣わしや領地経営についてをクライン様より教授される日々を送っている。
故に、私はメイドとしては除籍されてしまい、それはそれで残念に思うところもある。
だけれど、かつての同僚達はそんな私へ敬称、敬語こそ使いはするものの以前とさほど変わらずにフランクに接してくれる事が私としては何よりも嬉しい。
そして子爵様との関係性についてだが、あの後旦那様と子爵様との間で私を巡った話し合いがなされたそうだ。
その時、子爵様は私と旦那様との間での相思相愛を知って、自ら納得した上で身を退く旨を旦那様へ伝えたとの事。
その時の子爵様の様子からして、私が心配しているような事態にはならないだろうと、旦那様は言う。
こうして私の中での憂慮は全て霧散する事となり、晴れて私は旦那様との結婚式を迎える事が出来た。
領内に建つたったひとつの教会。その中、神聖な静寂の中を神父の声が響く。
「新郎ウイリアム。あなたはエミリアを妻とし、健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、妻を愛し、敬い、慰め合い、共に助け合い、その命ある限り真心を尽くすことを誓いますか?」
「あぁ、誓う」
「新婦エミリア。あなたはウイリアムを夫とし、健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、夫を愛し、敬い、慰め合い、共に助け合い、その命ある限り真心を尽くすことを誓いますか?」
「はい。誓います」
神聖な雰囲気の中、神父を前に誓いを立てる。
私達にとっての一部の近しい人達に見守らられながら誓いのキスを交わし、教会から出るとそこには、幸せを絵に描いたような景色が広がっていた。
澄み渡るような青い空が視界に広がり、頭上には桃色の花びらが舞っている。その花びらを空高く投げているのは私達を祝う為に集まった多くの領民達だ。
領民達の歓声とその幸せな景色に思わず頬が緩む。
「エミリア。とても綺麗だ」
旦那様は私のウエディングドレス姿に目を細める。
「ありがとうございます。旦那様もとても素敵です」
「君の事はこの命にかえてでも必ず幸せにする。この誓いは領民達へ対するものと同等のものだ」
私への愛をひしひしと感じると同時に、彼の領民へ対する誠実な姿勢に感銘を受け、やはり、旦那様は素晴らしい人だと改めて実感する。
自分が貧民だったからこそ、旦那様のそういったところが私は好きなのだ。
私と同じくらい、いや、私の事以上に領民達の事を大事に思ってて欲しいと、心からそう思う。
そんな誠実な旦那様の悲願でもあるギルバード領に住む全ての領民達の幸せ。これを実現しようと、これからも旦那様は挑み続けるだろう。
私は私で、そんな旦那様の事を支えていこうと心に誓うのだった。
「……とても素敵なお言葉、大変嬉しく思います」
「エミリア、愛している。この気持ちは君だけに対するものだ」
「分かっています。私もです。旦那様」
結婚後、旦那様と私の間には子供が2人、男の子と女の子が産まれ、私は再び子育てに奮闘する事となる。そして、私は旦那様から受ける甘くとろけるような溺愛に対して困り顔で応えながらも、内心では幸せを噛み締めるのだった。
そして、問題の領地経営はというと、旦那様が根気強く試行錯誤を繰り返しながら取り組んだ政策の甲斐あって、領内の金の循環は段々と良くなり始め、貧困に苦しむ領民も少なくなっていった。
「全ては君のお陰だ。君がいるから俺は頑張れるんだ。俺はもはや君無しでは生きられない。一生、死ぬまで君の事を……いや、死んでも尚、俺は君の事を愛し続ける。だから君もまた永遠に俺の妻であってくれ」
「もちろんです。地獄でもどこへでも私は旦那様の、後を追い続けます。いつか、お互いに死んでしまう日が来ても、私は来世で旦那様の事を探し求めます。だから、旦那様も私の事を探して捕まえて下さいね」
「ふっ。言われなくても、そうするさ」
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