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第一章
第22話 決意
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うぅ~……疲れた。
案外気丈に振る舞えているように見えて実はめちゃくちゃ緊張している私はこの屋敷へ到着してからずっと肩に変な力が入っている。
いくら孤独が嫌いな私でも、今だけは一人になりたい気分だ。
しかし、そんな私の希望も虚しく次なる婚約イベントがルイスさんの口からもたらされる。
「では、屋敷の案内はここまでとして、この後は庭園を2人で散歩して頂きます」
それは、お馴染み『庭園散歩』だった。 本来であれば――
ようやくヴィルドレット様との2人きりの時間がやってきた!
なんて事を考えて気合いを入れ直すところだが、
……はぁ。 もう限界……さすがに落ち込む。
ヴィルドレット様のこれまでの言動から察するに、やはりこの結婚に対しても、消極的である事は明らか。
それは対面した直後から感じていた。
自分自身に対して「それは分かっていた事でしょ?」と、何とか言い聞かせて敢えて悲観的に捉えないよう努めていたけれど……。
いくらなんでも屋敷巡りの間、一言も声を発さないなんてあんまりじゃない? それに、すっごく気怠そうな表情してたし。
分かっていた事とはいえ、ここまで顕著に態度で示されるとさすがの私もへこんでしまう。
例え『愛』のない結婚だったとしても、長い時を共に過ごしてさえいれば、おのずと『愛』は育まれていくもの――
結婚とは、そういうものだとずっと信じてきた。いや、違う。
結婚=愛してもらえる。
そう信じ込む事で折り合いをつけていた。
せっかく好きな人と結婚出来るのにその人から愛されないなんて恐くて考えられなかったのだ。
でも実際にヴィルドレット様と会ってみてその懸念は現実味を帯びてきた。
とはいえ、今更この結婚を取り消す事など出来ない。
もしも愛してくれないならば、努力しよう。
努力してヴィルドレット様から愛される女になろう。
こうして私は『結婚』=『愛し、愛される事』の間違った固定概念をようやく改め、これからは『愛される女』を目指していく事を心に決めた。
案外気丈に振る舞えているように見えて実はめちゃくちゃ緊張している私はこの屋敷へ到着してからずっと肩に変な力が入っている。
いくら孤独が嫌いな私でも、今だけは一人になりたい気分だ。
しかし、そんな私の希望も虚しく次なる婚約イベントがルイスさんの口からもたらされる。
「では、屋敷の案内はここまでとして、この後は庭園を2人で散歩して頂きます」
それは、お馴染み『庭園散歩』だった。 本来であれば――
ようやくヴィルドレット様との2人きりの時間がやってきた!
なんて事を考えて気合いを入れ直すところだが、
……はぁ。 もう限界……さすがに落ち込む。
ヴィルドレット様のこれまでの言動から察するに、やはりこの結婚に対しても、消極的である事は明らか。
それは対面した直後から感じていた。
自分自身に対して「それは分かっていた事でしょ?」と、何とか言い聞かせて敢えて悲観的に捉えないよう努めていたけれど……。
いくらなんでも屋敷巡りの間、一言も声を発さないなんてあんまりじゃない? それに、すっごく気怠そうな表情してたし。
分かっていた事とはいえ、ここまで顕著に態度で示されるとさすがの私もへこんでしまう。
例え『愛』のない結婚だったとしても、長い時を共に過ごしてさえいれば、おのずと『愛』は育まれていくもの――
結婚とは、そういうものだとずっと信じてきた。いや、違う。
結婚=愛してもらえる。
そう信じ込む事で折り合いをつけていた。
せっかく好きな人と結婚出来るのにその人から愛されないなんて恐くて考えられなかったのだ。
でも実際にヴィルドレット様と会ってみてその懸念は現実味を帯びてきた。
とはいえ、今更この結婚を取り消す事など出来ない。
もしも愛してくれないならば、努力しよう。
努力してヴィルドレット様から愛される女になろう。
こうして私は『結婚』=『愛し、愛される事』の間違った固定概念をようやく改め、これからは『愛される女』を目指していく事を心に決めた。
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