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第二章
第46話 聖女アリス
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魔術の才に恵まれ、聖女に選出された私ことアリスは、平民出身ながらフェリクス・ハーデン第一王子に見初められ、婚約者となった。
ここだけの話、私は欲望の塊だ。私は誰よりも幸せになりたいし、誰よりも上に立ちたい。欲しいものも全て手に入れたい。
その為に手段は選ばないし、私が幸せになる為に邪魔になる存在は全て排除する……っと、いけない、いけない。聖女である私がこんな汚い言葉を並べるなんて。とはいえ、私だって人間。
持っているのよ? 聖女の私でも例外なく、嫉妬心や嗜虐心といった人間らしいドロドロとした心を。
人間である以上、多少なりの穢れがあるのは致し方ない事。
最小の穢れに対して最大の清らかさを併せ持つ事が私が聖女である所以。
でも、そんな清らかな心と美貌を兼ね備えた聖女の私の身分は平民。 こんな事があって良いと思う? 良くないよね?
この貴族中心の世知辛い世の中で、平民出身の私が幸せを掴む為に、綺麗事なんて言ってられないと思うの。
私は貴族じゃないし、貧しい平民に生まれた時点で不利なんだから、その差を埋める為の行動が多少なりとも卑劣だったり、猟奇的だったとしてもそれは仕方のない事。 ね? そうでしょう?
だから私は私の欲望を満たす為に頑張ったの。すごく努力したの。
お陰で今の私は幸せだわ。
まぁ、すこーしだけ過激なやり口だったかもしれないけれど、平民出身の私が貴族令嬢相手に手加減は無用だと思うの。 ね? そう思わなくて?
ふふふ。 それにしても、あの女の最期……いつ思い出しても笑えるわ。
『私は絶対にあなたを許さないっ!! 何が聖女よ!!あなたは化け物よ!! いつか絶対に地獄へ落ち――』
ふふ……あはははは!
無様な最期だったわ!あの女――フェリクス王子の元婚約者の地に落ちた生首が今でも私の脳裏に焼き付いているわ!
可哀想に。でも悪いのはあの女よ。
私が欲した男……フェリクス王子の隣りで幸せそうにしていたのだから万死に値して当然の事。
私より幸せな女なんて絶対に許さない!!
――あ。そうだ。 それと私は化け物なんかじゃないから。
だって私はこんなにも美しくて何より聖女なんですもの。
更に言ってしまえば、私の前世はあの『大聖女イリアス』なのよ? 皆が神と崇める存在、それが私で、私が神なの!
そんな私が平民で終わっていいわけ無いじゃない。そうでしょ?
私は誰よりも美しく、誰よりも優れ、誰よりも高貴な存在なの。
あぁ、またあの時みたいに世界中から称賛されるようになりたいわ。
その節は私の踏み台になってくれてどうもありがとね。
――破滅の魔女、シャルナちゃん。
ここだけの話、私は欲望の塊だ。私は誰よりも幸せになりたいし、誰よりも上に立ちたい。欲しいものも全て手に入れたい。
その為に手段は選ばないし、私が幸せになる為に邪魔になる存在は全て排除する……っと、いけない、いけない。聖女である私がこんな汚い言葉を並べるなんて。とはいえ、私だって人間。
持っているのよ? 聖女の私でも例外なく、嫉妬心や嗜虐心といった人間らしいドロドロとした心を。
人間である以上、多少なりの穢れがあるのは致し方ない事。
最小の穢れに対して最大の清らかさを併せ持つ事が私が聖女である所以。
でも、そんな清らかな心と美貌を兼ね備えた聖女の私の身分は平民。 こんな事があって良いと思う? 良くないよね?
この貴族中心の世知辛い世の中で、平民出身の私が幸せを掴む為に、綺麗事なんて言ってられないと思うの。
私は貴族じゃないし、貧しい平民に生まれた時点で不利なんだから、その差を埋める為の行動が多少なりとも卑劣だったり、猟奇的だったとしてもそれは仕方のない事。 ね? そうでしょう?
だから私は私の欲望を満たす為に頑張ったの。すごく努力したの。
お陰で今の私は幸せだわ。
まぁ、すこーしだけ過激なやり口だったかもしれないけれど、平民出身の私が貴族令嬢相手に手加減は無用だと思うの。 ね? そう思わなくて?
ふふふ。 それにしても、あの女の最期……いつ思い出しても笑えるわ。
『私は絶対にあなたを許さないっ!! 何が聖女よ!!あなたは化け物よ!! いつか絶対に地獄へ落ち――』
ふふ……あはははは!
無様な最期だったわ!あの女――フェリクス王子の元婚約者の地に落ちた生首が今でも私の脳裏に焼き付いているわ!
可哀想に。でも悪いのはあの女よ。
私が欲した男……フェリクス王子の隣りで幸せそうにしていたのだから万死に値して当然の事。
私より幸せな女なんて絶対に許さない!!
――あ。そうだ。 それと私は化け物なんかじゃないから。
だって私はこんなにも美しくて何より聖女なんですもの。
更に言ってしまえば、私の前世はあの『大聖女イリアス』なのよ? 皆が神と崇める存在、それが私で、私が神なの!
そんな私が平民で終わっていいわけ無いじゃない。そうでしょ?
私は誰よりも美しく、誰よりも優れ、誰よりも高貴な存在なの。
あぁ、またあの時みたいに世界中から称賛されるようになりたいわ。
その節は私の踏み台になってくれてどうもありがとね。
――破滅の魔女、シャルナちゃん。
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