あっさりと初恋が破れた俺、神からのギフトで倒して殺して奪う

Gai

文字の大きさ
184 / 890

魔法剣士の更に上

「目標の対象を倒し、解体も終えた……どうする、もう直ぐに帰るのか?」

「ん~~、どうしようか」

普通なら即座に帰り、休息をとる。
だが、風の結界を張っていたことで先日はゆっくりと寝れたので、あまり体は疲れていない。

「俺は正直、あんまり疲れていない。ラストはどうだ?」

「同じだ。マスターが風の結界を張ってくれたお陰で、昨夜はゆっくり寝られた。体に疲れは殆ど残っていない。先程の戦いでは神経を削ったが、大きなダメージを負った訳ではない。このまま探索を続けて、夕方ごろに帰るのもありだと思うが」

ラストもティールと同じく、安心して寝れた恩恵が大きく、まだまだ探索を続けることは可能だった。

「それじゃ、せっかくヤドラスの遺跡に来たんだし、もう少し探索してから帰るか」

「了解」

キラータイガーの討伐を終えた二人は夕方になる前まで探索すると決め、気を引き締めて探索を始める。

ただ、そう簡単にキラータイガーの様なモンスターとは遭遇しない。

「先程のキラータイガーと比べれば、容易いモンスターだな」

「あいつは地の利もあったけど、それ以上に厄介なスキルを持ってたからな」

二人の足元にはセンチピード、ムカデのモンスターが転がっていた。
空間を縦横無尽に動き回る。
しかし体が長いので、二人からすれば的が大きいだけの狩りやすい獲物でしかない。

甲殻は鎧や盾の素材として使える。
中身は食用として食べられるが、虫の肉なんて絶対に食べられないという人は残念ながらその味を堪能することは出来ない。

「センチピードって確か食べられるんだったよな」

「肉は少し固いが、噛み切れない堅さではない。外見はあれだが、それなりに美味い。ハマってしまう者もいたな」

「へぇ~~~、それはそれは……ふふ、後で楽しませてもらうか」

虫の肉ということで一瞬躊躇しそうになったが、ラストの説明を聞いて直ぐに食欲がそそられたティールは嬉しそうな表情で解体していく。

「……この遺跡、遺跡というわりにはあまり罠などはないな」

二人が探索している最中に、罠が発動したのは一回のみ。
矢がそれなりの速さで跳んでくるというものだが、ラストはそれを見極めて素手でキャッチした。

ダンジョンで罠として飛んでくるような矢には毒が塗られている可能性があるので、安易に素手でキャッチしてはならない。

「ここは遺跡だ。ダンジョンの様に罠が再生するってことはないんだろ。いや、高度な文明を持っていた遺跡なら、罠が再生する可能性もあるか? とにかく、俺たちよりも先に入った冒険者たちがうっかり発動させてしまったんだろ。だから俺たちが気にするのはモンスターの存在だけで十分ってことだ。さっき戦ったキラータイガーみたいなモンスターがもういないとは限らないからな」

遺跡には明かりが少ない。
故に、モンスターたちは同じモンスターや探索に来る冒険者に奇襲し慣れている。

現在解体しているセンチピードも気配遮断のスキルを習得しており、なるべく二人に気付かれないように近づいてきた。

「……あぁいった個体はあまり好きではないな。倒せるようにならなければならないのは解るが。というよりも、マスターはやはりあれだな。魔導戦士という言葉が似合うな」

「ま、魔導戦士? それはちょっと仰々しいんじゃないのか」

「いや、仰々しくない。マスターにピッタリな言葉だ。魔法剣士の更に上に位置する魔導戦士……マスターの武器や体術の練度。そして先程の魔法……魔法剣士という枠には収まらない」

魔導戦士という言葉はあまり一般的ではないが、その言葉を知っている人物は皆魔法剣士の上の存在だと認識している。

「マスターは先程のキラータイガーを空中に追い詰めた攻撃が普通だと思うか?」

「……いや、まぁ普通ではないだろうな」

リースから魔法に関してはそれなりの才能を持っている。
特に無詠唱や詠唱の破棄に関しては常人よりも遥かに大きな才能を持つと伝えられたのを覚えている。

「もしかしたら、二つ名が魔導戦士になるかもしれないな」

「二つ名か……ダサくなかったらなんでも良いかな」
感想 125

あなたにおすすめの小説

呪われた娘と蔑まれてきましたが実は大公女で皇帝の孫娘でした。

こもれびの空
ファンタジー
アルフェ大陸には4つの王国があり、平和であった。しかしごくまれに異能の力を持つものが生まれる。 彼らは呪われし者として、大陸の中央。広大な砂漠に追放されるのだった。 しかし、今から300年前、偉大な魔法使いは広大な砂漠をオアシスへと変えると、そこにアストラル皇国を設立。瞬くまに4つの王国を支配下に置いた。 しかし人の心は変わらない。見えざる力は厭わしいものとされ、アストラル帝国を悪とするミゼラブル教団は、地下深くしかし確実に人々の信仰を集めていた。 アストラル歴304年 大公の一人娘がミゼラブル教団によって攫われる事件が起きた。 関係者はことごとく処刑されたが、リゼ アストラルの消息はつかめないまま5年がたった。 そのころセレスティア王国の辺境にある孤児院では、ひとりの少女がたくましく生き抜いていた。 これは大公女リゼと彼女を溺愛するシオン アストラル。そして孫娘の前では好々爺になってしまうアストラル皇帝の物語である。

十八年前の赤子の取り違え——婚約破棄された「養女」が、公爵家のただ一人の正統な令嬢だと判明した日

歩人
ファンタジー
メリルは、レイクハート公爵家に引き取られた「遠縁の養女」として育った。社交界に出ることも許されず、領地の治療院で病人の世話に明け暮れる日々。義姉ソフィアが王家に嫁ぐまでの「つなぎ」として第二王子の仮の婚約者に立てられても、メリルは「いずれ退く身代わり」と承知していた。 けれど治療院に通う第二王子リオネルと、メリルは本当に心を通わせてしまう。義姉ソフィアと後見人ライラは「養女が分を超えた」と激怒し、婚約を破棄してメリルを治療院ごと辺境へ追放した。 だが、辺境で疫病が広がったとき、王都は気づく。病を癒せる「聖癒」の力を持つ者が、もう一人も残っていないことに。 十八年前、ひとつの嘘があった。公爵令嬢の赤子と、後見人の娘の赤子がすり替えられていたのだ。社交界の令嬢ソフィアではなく——治療院の「養女」メリルこそが、公爵家のただ一人の正統な令嬢だった。 日陰で生きてきた手が、王国を救う。

【老化返却】聖女の若さは俺の寿命だった〜回復魔法の代償を肩代わりしていた俺を追放した報いだ。回復のたびに毛が抜け、骨がスカスカになるが良い〜

寝て起きたら異世界じゃなくて会議室だった
ファンタジー
「寿命を削って回復してやってたのに……感謝すらしないんだな」 聖女パーティの荷物持ち兼回復術師だった俺は、ある日突然パーティを追放された。 理由は「回復魔法のコストが寿命で、もうすぐ死ぬ無能はいらない」という勝手な思い込み。 だが、彼らは知らなかった。 俺の正体が、この世界の生命を司る**【世界樹の根源】**そのものだったことを。 俺の寿命は無限であり、俺がパーティにいたからこそ、彼らは「若さ」と「健康」を維持できていたのだ。 「俺がいなくなったら、誰が君たちの老化を止めるの?」 俺がいなくなった途端、聖女たちの身体に異変が起きる。 回復魔法を唱えるたびに、自慢の金髪はバサバサと抜け落ち、肌は土色に。 若さに溺れていた彼女たちは、骨がスカスカになり、杖なしでは歩けない老婆のような姿へと変わり果てていく。 一方、解放された俺は隣国の美少女皇女に拾われ、世界樹の力で枯れた大地を森に変える「現人神」として崇められていた。 「今さら戻ってきて? ……悪いけど、そのハゲ散らかした老婆、誰だっけ?」 すべてを失ってから「俺」の価値に気づいても、もう遅い。 これは、恩を仇で返した連中が、自らの美容と健康を代償に破滅していく物語。

会社をクビになった俺、深夜ダンジョンでゴミ拾いしてたら【鑑定】が覚醒して配信界のトップになった

小狐
ファンタジー
会社を理不尽にクビになった真壁遼(31歳)のスキルは、戦闘では役に立たないとされる【鑑定】だけ。 再就職までの生活費を稼ぐため、深夜ダンジョンで廃品回収の仕事を始めた彼は、そこで自分の【鑑定】がゴミとみなされた廃品の本当の価値を見抜くほどの性能を持っていることに気付く。それだけでなく、魔物の弱点や危険物の正体まで見抜けることにまで気付いてしまう。 探索者たちが捨てたガラクタは、真壁にとっては宝の山。 他者では見抜けない本当の価値を自分だけが見抜くことができる。 ひっそりと、だが実利だけは得るはずの真壁はとある配信事故をきっかけに、無名の『フードの男』として注目を集め始め………。 戦えない男が、見る目だけで生きていく話です。

【挿絵あり】聖輪女神教団の司祭

ドヨ破竹
ファンタジー
聖輪女神教団所属の一般出身司祭クロードの話 ※小説家になろう様でも掲載しています。

捨て子の僕が公爵家の跡取り⁉~喋る聖剣とモフモフに助けられて波乱の人生を生きてます~

伽羅
ファンタジー
 物心がついた頃から孤児院で育った僕は高熱を出して寝込んだ後で自分が転生者だと思い出した。そして10歳の時に孤児院で火事に遭遇する。もう駄目だ! と思った時に助けてくれたのは、不思議な聖剣だった。その聖剣が言うにはどうやら僕は公爵家の跡取りらしい。孤児院を逃げ出した僕は聖剣とモフモフに助けられながら生家を目指す。

ゲームコインをザクザク現金化。還暦オジ、田舎で世界を攻略中

あ、まん。
ファンタジー
仕事一筋40年。 結婚もせずに会社に尽くしてきた二瓶豆丸。 定年を迎え、静かな余生を求めて山奥へ移住する。 だが、突如世界が“数値化”され、現実がゲームのように変貌。 唯一の趣味だった15年続けた積みゲー「モリモリ」が、 なぜか現実世界とリンクし始める。 化け物が徘徊する世界で出会ったひとりの少女、滝川歩茶。 彼女を守るため、豆丸は“積みゲー”スキルを駆使して立ち上がる。 現金化されるコイン、召喚されるゲームキャラたち、 そして迫りくる謎の敵――。 これは、還暦オジが挑む、〝人生最後の積みゲー〟であり〝世界最後の攻略戦〟である。

本の知識で、らくらく異世界生活? 〜チート過ぎて、逆にヤバい……けど、とっても役に立つ!〜

あーもんど
ファンタジー
異世界でも、本を読みたい! ミレイのそんな願いにより、生まれた“あらゆる文書を閲覧出来るタブレット” ミレイとしては、『小説や漫画が読めればいい』くらいの感覚だったが、思ったよりチートみたいで? 異世界で知り合った仲間達の窮地を救うキッカケになったり、敵の情報が筒抜けになったりと大変優秀。 チートすぎるがゆえの弊害も多少あるものの、それを鑑みても一家に一台はほしい性能だ。 「────さてと、今日は何を読もうかな」 これはマイペースな主人公ミレイが、タブレット片手に異世界の暮らしを謳歌するお話。 ◆小説家になろう様でも、公開中◆ ◆恋愛要素は、ありません◆