転移したらダンジョンの下層だった

Gai

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千百八十九話 次元が違う

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「ふ~~~、食った食った」

朝食? を食べ終えたソウスケのテーブルには、大量の皿が重ねられていた。

先日、体力を使い果たした状態と爆睡が重なり、ソウスケのエネルギーはすっからかんな状態となっており、朝から爆食した。

「そうですね。少々食べ過ぎてしまいました」

それはソウスケだけではなく、ミレアナも同じ。
ソウスケやザハークほど食べるタイプではないが、ミレアナも冒険者。

それなりに食べるタイプではあったが、あまりにも燃料が空であったため、普段以上に燃料を腹にぶち込むこととなった。

因みにザハークも既に目を覚ましており、様子を見にきた従業員を捕まえ、勝手に料理を注文していた。

その代金が起きたソウスケに届けられるが、従魔の食いっぷりに対して特に驚くことはなく、値段通りの代金を支払った。

「さて、ノックスたちを探すか」

「はい」

既に満腹になっていたザハークを連れ、ノックスたちを探す。

「まさか三人とも同じ日に納得のいく武器を造り上げるとはな」

「七人がこの街に滞在し続けられる期限を考えれば、私たちの本能がそれまでにはと働いてもおかしくないでしょう」

「……そういう風にも考えられるか。ところで、ミレアナ。お前はどういった杖と弓を造り上げられたんだ」

「ザハーク」

ミレアナが答える前にソウスケが遮った。

「別に今回の製作に勝ち負けを付けるもんじゃないし、付ける意味はないと思ってる。でも、仮に勝敗を付けるとしたら、俺とザハークの負けだよ」

「っっっ……それほどの物か」

「そ、ソウスケさん。そうと決まったわけでは」

ソウスケが自分の作品を褒めてくれるのは非常に嬉しい。

ただ、それはそれとして二人の実力が確かだと知っているからこそ、断言されるのは困る。

「いいや、今回ばかりは断言する。ミレアナが造った武器は俺たちが造ったロングソードや大剣を越えている。少なくとも、俺はあぁいった武器を造れる気がしない」

「ふむ…………特殊な効果が付与されている、ということか」

その効果が圧倒的なまでの特殊な内容であれば、ザハークとしてもソウスケが自分たちが造った武器よりも、ミレアナが造った武器の方が上だと断言するのも解る。

「武器が持つ効果が特殊なんじゃなくて、存在そのものが特殊なんだよ」

「ほ~~お。存在そのものが特殊、か」

「そうそう。なんて言うか……ある種、武器の次元が違うって感じかな」

「あ、あの、ソウスケンさん。もうそのへんで」

ミレアナも自身が造った武器が普通の武器ではないことはなんとなく解っていた。

ソウスケの言う武器の次元が違う、という言葉も理解できなくはない。
しかし、それはそれとして、これ以上持ち上げられるのは色々と恥ずかしいため、止めてもらいたかった。

「そうか? 俺としては事実を言ってただけなんだけど……まぁ、解ったよ。けどな、アスレアとネイトが手に取れば同じような反応になると思うぞ」

「…………そうなれば、ある程度のところで止めます」

良質な武器を貰えれば喜ぶ。
それは当たり過ぎることであり、ミレアナとしても渡した相手が喜んでくれるのは嬉しい。

だが、ソウスケのパーティーメンバーとして……気持ち、ソウスケの従者のように生きてる身としては、ある程度のところで抑えてほしかった。

「はは、そうか。さて、着いたな」

ソウスケはとりあえず冒険者ギルドにやって来た。

ここ最近、彼らは対人戦の訓練をよく行っている。
であれば、冒険者ギルドの訓練場にいる可能性が高い。

訓練場にいなくとも、街の外に出ているのであればギルド内で情報が得られるかもしれない。

「……ん~~~、どうやらここにはいないみたいだな」

「あの、ソウスケさん」

「ん?」

「もしかして、ノックスさんたちをお探しですか?」

「はい、そうなんですけど、もしかしてあいつらがいる場所を知ってるんですか?」

何かを探しているソウスケに気付き、声を掛けてきた受付嬢は七人がいる場所を知ってはいないが、ギルドの訓練場にいなければ何処にいるのかある程度推測出来た。

「ありがとうございます」

礼代わりに金貨一枚放り投げ、ソウスケは受付嬢の「さすがに高すぎます!!!!!」という声を無視し、彼らがいるかもしれない場所へと向かった。
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