35 / 1,259
三十四話仕方ない・・・・・・だよな?
しおりを挟む
「さてと、手ごろな依頼はないかな~~~~」
ソウスケは依頼書が貼ってあるボードを見ながら、自分のランクにあっている依頼を探した。
「まぁ、もう昼だから常時依頼しか残っていないんだけどな。・・・・・・これとこれとこれにするか」
ソウスケはボードから、ホーンラビット五体、スライム十体、ポンズマウ三体の討伐の依頼賞を、受付嬢の所に持って行った。
「すみません、これとこれとこれお願いします」
「はい、かしこまり、ま・・・・・・」
依頼書を完全に一枚だと思っていた受付嬢の表情が固まった。
「えっと・・・・・・ギルドカードを見せてください」
「わかりました」
ソウスケはポケットの中からギルドカードを取り出し、受付嬢に見せた。
ソウスケのギルドカードに載っているランクを見た受付嬢は、困った表情をしていた。
「その、Hランクですと、街中の依頼や採集の依頼を受けた方が良いと思いますよ。それに討伐の依頼を受けるとしても、一つだけの方がよろしいかと」
Hランクと言う事で、ソウスケがまだ冒険者として素人同然だと思っている受付嬢は、他の簡単な依頼をソウスケに勧めた。
前回と似たような出来事が起き、ソウスケはどうしようかと悩んだ。
(見ためのせいで、余計に強く見えないんだろうな。でも、強さを見せて、変に目立ちたいわけじゃないからな・・・・・・そうだ)
考えが思いついたソウスケは、先ずギルドに来る前に買ったバックの中から、昨日採取した薬草の三種類を出した。
「すみません、先に先日受けた依頼の、薬草の採取の依頼完了の確認をしてもらっていいですか? それと・・・・・・」
薬草を出した後に、ソウスケはバックの中からすかさず六つの魔石、ゴブリンの魔石を取り出した。
「それと、これって換金できますか?」
「こ、これは、ゴブリンの魔石・・・・・・どうやってこれを?」
(どうやってて・・・・・・普通に倒したんだけど。まさか、どこかから魔石を買ったとか思ってるのか)
そんな面倒なことをするはずがないだろ、と声に出そうになったが、ソウスケはぐっと我慢して事実を述べた。
「どうやってと言われても、普通に倒したんですけど。それ以外になにかあるんですか?」
如何にも、それ以外の方法を知らない、といった表情を取って対応した。
「そ、そうですか。失礼なことを聞いてすみませんでした。魔石の分も含めてお金を用意しますので、少々お待ちください」
「分かりました」
受付嬢をいそいそと奥へ向かった。
(あまり目立ちたくないし、一気にランクを上げたいと思わないから、強いって印象を持たれないのはいいんだけど、毎回こんな反応されると面倒だな。優しさはありがたいけど、ちょっとな・・・・・・まぁ、何回も依頼を受けていたら、今回みたいなやり取りも減るだろう。パーティーメンバーに頼りになりそうな奴がいたら・・・・・・いや、まだパーティーメンバーはいいや。パーティーメンバーより奴隷の方が良いな)
受付嬢が奥に向かってから三分程が経ち、銅貨を持ってきた。
「お待たせしました。薬草の採取の依頼の分が銅貨三十枚、ゴブリンの魔石六つで銅貨六十枚になります」
ソウスケは受け取った銅貨を、一瞬アイテムボックスの中にしまいそうになったが、踏みとどまりバックにしまうことが出来た。
「それで、この三つの依頼を受けたいんですけどいいですか?」
「あ、はい。大丈夫です。スライムが十体、ホーンラビットが五体、ポンズマウスが三体の依頼を受理します。これから討伐に向かうんですか?」
「はい。ちょっと遅いですけど、今から行けばそこまで遅くはならないと思うんで。ああ、安心してください。冒険者は全て自己責任、って事ぐらいは分かってるんで」
ソウスケは、大丈夫だから子供だからと言って、心配する必要はないと、少しオブラートに包んで言った。
「わ、分かりました。お気をつけて」
受付嬢に礼をした後、ソウスケは速足でギルドをでて、門に向かった。
ソウスケの依頼を受理した受付嬢は、すこし不安そうな顔をしていた。
(つい、依頼を受理してしまったけど良かったのかな? Hランクって事はまだ本当に新人の筈。でもゴブリンの魔石を持ってるって事は、ゴブリンを倒せるだけに実力は持ってる。いや、まぐれだっていう可能性も・・・・・・いや、まぐれで六体も倒せるはずはないよね。でも・・・・・・)
ソウスケに、もしものことがあったらと、受付嬢が考え込んでいると、肩にポンっと手を置かれた。
「ひゃっ」
「どうしたの? ぼーとして。気になる人でも見つけたの?」
「せ、セーレさん!? い、いや、そう言うんじゃなくて、その・・・・・・」
受付嬢はセーレに、さっきまで何があったのかと、自分の判断が間違っていなかったのかという、不安を話した。
受付嬢の話を聞いたセーレは、直ぐに受付嬢の話の中に出てきた少年が、ソウスケだと分かった。
「あなたがそんなに気にする事はないわ。その少年は、人を見た目で判断するなという言葉が、ぴったり当てはまる人よ。さぁ、仕事にもどりましょ」
「は、はい」
この受付嬢が、セーレの言葉の意味を理解するのはもう少し先だった。
ソウスケは依頼書が貼ってあるボードを見ながら、自分のランクにあっている依頼を探した。
「まぁ、もう昼だから常時依頼しか残っていないんだけどな。・・・・・・これとこれとこれにするか」
ソウスケはボードから、ホーンラビット五体、スライム十体、ポンズマウ三体の討伐の依頼賞を、受付嬢の所に持って行った。
「すみません、これとこれとこれお願いします」
「はい、かしこまり、ま・・・・・・」
依頼書を完全に一枚だと思っていた受付嬢の表情が固まった。
「えっと・・・・・・ギルドカードを見せてください」
「わかりました」
ソウスケはポケットの中からギルドカードを取り出し、受付嬢に見せた。
ソウスケのギルドカードに載っているランクを見た受付嬢は、困った表情をしていた。
「その、Hランクですと、街中の依頼や採集の依頼を受けた方が良いと思いますよ。それに討伐の依頼を受けるとしても、一つだけの方がよろしいかと」
Hランクと言う事で、ソウスケがまだ冒険者として素人同然だと思っている受付嬢は、他の簡単な依頼をソウスケに勧めた。
前回と似たような出来事が起き、ソウスケはどうしようかと悩んだ。
(見ためのせいで、余計に強く見えないんだろうな。でも、強さを見せて、変に目立ちたいわけじゃないからな・・・・・・そうだ)
考えが思いついたソウスケは、先ずギルドに来る前に買ったバックの中から、昨日採取した薬草の三種類を出した。
「すみません、先に先日受けた依頼の、薬草の採取の依頼完了の確認をしてもらっていいですか? それと・・・・・・」
薬草を出した後に、ソウスケはバックの中からすかさず六つの魔石、ゴブリンの魔石を取り出した。
「それと、これって換金できますか?」
「こ、これは、ゴブリンの魔石・・・・・・どうやってこれを?」
(どうやってて・・・・・・普通に倒したんだけど。まさか、どこかから魔石を買ったとか思ってるのか)
そんな面倒なことをするはずがないだろ、と声に出そうになったが、ソウスケはぐっと我慢して事実を述べた。
「どうやってと言われても、普通に倒したんですけど。それ以外になにかあるんですか?」
如何にも、それ以外の方法を知らない、といった表情を取って対応した。
「そ、そうですか。失礼なことを聞いてすみませんでした。魔石の分も含めてお金を用意しますので、少々お待ちください」
「分かりました」
受付嬢をいそいそと奥へ向かった。
(あまり目立ちたくないし、一気にランクを上げたいと思わないから、強いって印象を持たれないのはいいんだけど、毎回こんな反応されると面倒だな。優しさはありがたいけど、ちょっとな・・・・・・まぁ、何回も依頼を受けていたら、今回みたいなやり取りも減るだろう。パーティーメンバーに頼りになりそうな奴がいたら・・・・・・いや、まだパーティーメンバーはいいや。パーティーメンバーより奴隷の方が良いな)
受付嬢が奥に向かってから三分程が経ち、銅貨を持ってきた。
「お待たせしました。薬草の採取の依頼の分が銅貨三十枚、ゴブリンの魔石六つで銅貨六十枚になります」
ソウスケは受け取った銅貨を、一瞬アイテムボックスの中にしまいそうになったが、踏みとどまりバックにしまうことが出来た。
「それで、この三つの依頼を受けたいんですけどいいですか?」
「あ、はい。大丈夫です。スライムが十体、ホーンラビットが五体、ポンズマウスが三体の依頼を受理します。これから討伐に向かうんですか?」
「はい。ちょっと遅いですけど、今から行けばそこまで遅くはならないと思うんで。ああ、安心してください。冒険者は全て自己責任、って事ぐらいは分かってるんで」
ソウスケは、大丈夫だから子供だからと言って、心配する必要はないと、少しオブラートに包んで言った。
「わ、分かりました。お気をつけて」
受付嬢に礼をした後、ソウスケは速足でギルドをでて、門に向かった。
ソウスケの依頼を受理した受付嬢は、すこし不安そうな顔をしていた。
(つい、依頼を受理してしまったけど良かったのかな? Hランクって事はまだ本当に新人の筈。でもゴブリンの魔石を持ってるって事は、ゴブリンを倒せるだけに実力は持ってる。いや、まぐれだっていう可能性も・・・・・・いや、まぐれで六体も倒せるはずはないよね。でも・・・・・・)
ソウスケに、もしものことがあったらと、受付嬢が考え込んでいると、肩にポンっと手を置かれた。
「ひゃっ」
「どうしたの? ぼーとして。気になる人でも見つけたの?」
「せ、セーレさん!? い、いや、そう言うんじゃなくて、その・・・・・・」
受付嬢はセーレに、さっきまで何があったのかと、自分の判断が間違っていなかったのかという、不安を話した。
受付嬢の話を聞いたセーレは、直ぐに受付嬢の話の中に出てきた少年が、ソウスケだと分かった。
「あなたがそんなに気にする事はないわ。その少年は、人を見た目で判断するなという言葉が、ぴったり当てはまる人よ。さぁ、仕事にもどりましょ」
「は、はい」
この受付嬢が、セーレの言葉の意味を理解するのはもう少し先だった。
241
あなたにおすすめの小説
異世界生活〜異世界に飛ばされても生活水準は変えません〜 番外編『旅日記』
アーエル
ファンタジー
カクヨムさん→小説家になろうさんで連載(完結済)していた
【 異世界生活〜異世界に飛ばされても生活水準は変えません〜 】の番外編です。
カクヨム版の
分割投稿となりますので
一話が長かったり短かったりしています。
虹色のプレゼントボックス
紀道侑
ファンタジー
安田君26歳が自宅でカップ麺を食ってたら部屋ごと異世界に飛ばされるお話です。
安田君はおかしな思考回路の持ち主でわけのわからないことばっかりやります。
わけのわからない彼は異世界に転移してからわけのわからないチート能力を獲得します。
余計わけのわからない人物に進化します。
作中で起きた事件の真相に迫るのが早いです。
本当に尋常じゃないほど早いです。
残念ながらハーレムは無いです。
全年齢対象で男女問わず気軽に読めるゆるいゆる~いストーリーになっていると思いますので、お気軽にお読みください。
未公開含めて30話分くらいあったのですが、全部行間がおかしくなっていたので、再アップしています。
行間おかしくなっていることに朝の4時に気づいて右往左往して泣く泣く作品を削除しました。
なかなかに最悪な気分になりました。
お気に入りしてくださった方、申し訳ありません。
というかしょっちゅう二行も三行も行間が空いてる小説をよくお気に入りしてくださいましたね。
お気に入りしてくださった方々には幸せになってほしいです。
【完結】すまない民よ。その聖騎士団、実は全員俺なんだ
一終一(にのまえしゅういち)
ファンタジー
俺こと“有塚しろ”が転移した先は巨大モンスターのうろつく異世界だった。それだけならエサになって終わりだったが、なぜか身に付けていた魔法“ワンオペ”によりポンコツ鎧兵を何体も召喚して命からがら生き延びていた。
百体まで増えた鎧兵を使って騎士団を結成し、モンスター狩りが安定してきた頃、大樹の上に人間の住むマルクト王国を発見する。女王に入国を許されたのだが何を血迷ったか“聖騎士団”の称号を与えられて、いきなり国の重職に就くことになってしまった。
平和に暮らしたい俺は騎士団が実は自分一人だということを隠し、国民の信頼を得るため一人百役で鎧兵を演じていく。
そして事あるごとに俺は心の中で呟くんだ。
『すまない民よ。その聖騎士団、実は全員俺なんだ』ってね。
※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しています。
追放されたお荷物記録係、地味スキル《記録》を極めて最強へ――気づけば勇者より強くなってました
KABU.
ファンタジー
「お前の《記録》なんて役に立たない。もうついてくるな」
勇者パーティの“お荷物”扱いに耐えてきたライトは、
ついにダンジョン最深部で置き去りにされる。
追放すらできない規約のせいで、
“事故死”に見せかけて排除しようとしたのだ。
だがその死地で、ライトのスキル《記録》が進化した。
《超記録》――
敵のスキルや魔法、動きまですべてを記録し、即座に使えるようになる最強格の能力。
生き延びたライトはレグナの街で冒険者として再出発。
努力で《成長》スキルを獲得し、
記録したスキルや魔法は使うほど強化されていく。
やがて《超記録》は最終進化《アカシックレコード》へ。
対象を見ただけでステータスや行動パターンが分かり、
記録した力を即座に上位化し、さらに合成して新たな力まで生み出す究極スキル。
一方、勇者パーティはライトを失った途端に依頼成功率が大幅に低下。
さらに魔王軍四天王の暗躍によって状況は悪化し、ついには洗脳されてライトに牙をむく。
街を襲うドラゴン、仲間それぞれの過去、四天王との連戦。
優しく努力家のライトは、出会った仲間と共に確実に強くなっていく。
捨てられた記録係が、世界最強へと進化する。
爽快無双×成長ドラマの大長編ファンタジー開幕。
神樹の里で暮らす創造魔法使い ~幻獣たちとののんびりライフ~
あきさけ
ファンタジー
貧乏な田舎村を追い出された少年〝シント〟は森の中をあてどなくさまよい一本の新木を発見する。
それは本当に小さな新木だったがかすかな光を帯びた不思議な木。
彼が不思議そうに新木を見つめているとそこから『私に魔法をかけてほしい』という声が聞こえた。
シントが唯一使えたのは〝創造魔法〟といういままでまともに使えた試しのないもの。
それでも森の中でこのまま死ぬよりはまだいいだろうと考え魔法をかける。
すると新木は一気に生長し、天をつくほどの巨木にまで変化しそこから新木に宿っていたという聖霊まで姿を現した。
〝この地はあなたが創造した聖地。あなたがこの地を去らない限りこの地を必要とするもの以外は誰も踏み入れませんよ〟
そんな言葉から始まるシントののんびりとした生活。
同じように行き場を失った少女や幻獣や精霊、妖精たちなど様々な面々が集まり織りなすスローライフの幕開けです。
※この小説はカクヨム様でも連載しています。アルファポリス様とカクヨム様以外の場所では公開しておりません。
レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~
喰寝丸太
ファンタジー
異世界に転移した山田(やまだ) 無二(むに)はポーターの仕事をして早6年。
おっさんになってからも、冒険者になれずくすぶっていた。
ある日、モンスター無限増殖装置を誤って作動させたパーティは無二を囮にして逃げ出す。
落とし穴にも落とされ絶体絶命の無二。
機転を利かせ助かるも、そこはダンジョンボスの扉の前。
覚悟を決めてボスに挑む無二。
通販能力でからくも勝利する。
そして、ダンジョンコアの魔力を吸出し大幅レベルアップ。
アンデッドには聖水代わりに殺菌剤、光魔法代わりに紫外線ライト。
霧のモンスターには掃除機が大活躍。
異世界モンスターを現代製品の通販で殴る快進撃が始まった。
カクヨム、小説家になろう、アルファポリスに掲載しております。
【薬師向けスキルで世界最強!】追放された闘神の息子は、戦闘能力マイナスのゴミスキル《植物王》を究極進化させて史上最強の英雄に成り上がる!
こはるんるん
ファンタジー
「アッシュ、お前には完全に失望した。もう俺の跡目を継ぐ資格は無い。追放だ!」
主人公アッシュは、世界最強の冒険者ギルド【神喰らう蛇】のギルドマスターの息子として活躍していた。しかし、筋力のステータスが80%も低下する外れスキル【植物王(ドルイドキング)】に覚醒したことから、理不尽にも父親から追放を宣言される。
しかし、アッシュは襲われていたエルフの王女を助けたことから、史上最強の武器【世界樹の剣】を手に入れる。この剣は天界にある世界樹から作られた武器であり、『植物を支配する神スキル』【植物王】を持つアッシュにしか使いこなすことができなかった。
「エルフの王女コレットは、掟により、こ、これよりアッシュ様のつ、つつつ、妻として、お仕えさせていただきます。どうかエルフ王となり、王家にアッシュ様の血を取り入れる栄誉をお与えください!」
さらにエルフの王女から結婚して欲しい、エルフ王になって欲しいと追いかけまわされ、エルフ王国の内乱を治めることになる。さらには神獣フェンリルから忠誠を誓われる。
そんな彼の前には、父親やかつての仲間が敵として立ちはだかる。(だが【神喰らう蛇】はやがてアッシュに敗れて、あえなく没落する)
かくして、後に闘神と呼ばれることになる少年の戦いが幕を開けた……!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる