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百四十四話殺さない理由が無い
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「ソウスケさん、顔が少し赤いですけど大丈夫ですか?」
「大丈夫大丈夫。昼間でゆっくりと寝たんだから疲れは取れているよ」
実質十三時間・・・・・・半日以上寝たソウスケにまだ寝足りないという感覚は無かった。だが、遠慮がなくなって来たミレアナとの就寝中の距離感を思い出すと、息子が元気になってしまう。
(ローブ着といて良かった。これ着ていなかったら良くない視線が俺に集中するところだった)
ローブによってソウスケの体は膝程まで隠れているので、ソウスケの元気な息子は周囲の人間にバレずに済んでいる。
二人は目的地への到着予定が辺りにが暗くなってきてからな為、焦らずゆっくりと歩きながら街の外へ向かった。
街の外へ出た二人は道を外れて森の中へ入り、モンスターを倒しては解体してミレアナが血抜きをしてアイテムボックスに仕舞うを繰り返していた。
そして予定の時間頃になるまで二人はモンスターを狩り続けたがこれといって珍しいモンスターと遭遇せず、殆ど魔法を使わずに戦いを終わらせた。
辺りが暗くなり丁度良い頃合いだと思ったソウスケは、暗くなる前に上空から確認した盗賊のアジトらしき場所へと向かい始めた。
目的地に着くまでソウスケはこれから戦う相手は、殺さなければならない相手だと自分に言い聞かせ続けた。
(相手は平気で罪も覚悟も無い人を殺す屑だ。奴らは殺しに楽しみを覚えるゴミ共だ。あいつらをここで殺さなければまた罪もない人が犠牲になる。殺せ、相手が何かアクションを起こす前に殺すんだ)
何度も何度も自分に言い聞かせるソウスケの表情を見て、ミレアナは少しソウスケの心境に対して不安を感じていたが、これから冒険者として一つの壁を超える為に集中しているのを邪魔するのは悪いと思い、声を掛ける事無く黙々と走り続けた。
「ストップ・・・・・・見張りが四人。まだこちらに気付いていない」
「四人ですか。一周して見張りがこれ以上いないか、出入り口が他に無いかを確認します」
「頼んだ。殺るための準備をしておく」
ミレアナが音を立てずにその場から離れると、ソウスケは周囲に四つの風の槍を造りだした。
見張りのレベルを確認したソウスケは正面から風の槍を放っても殺せるとは思ったが、声を上げられると面倒だと思い、風の槍を四人の丁度真上に移動させた。
ソウスケの攻撃準備が完了したところで確認を終えたミレアナが戻って来た。
「見張りは四人だけで出入り口も目の前に見えるのだけす」
「そうか・・・・・・俺はこれから見張りを殺したらアジトの中に入る。もしアジトから逃げ出した奴がいたら仕留めておいてくれ」
「分かりました。漏れて来た盗賊は全て始末します」
大きく一つ深呼吸したソウスケは最後にもう一度だけ自分の心に言い聞かせた、目の前の奴らは殺さなければならないと。
(殺す・・・・・・日本にいた時は口にしたことはあっても行動に移さなかった。移したら自分の人生が終わるから。でも、この世界では悪い奴らを殺しても基本的には罪にならない。逆にあいつらを殺さないと罪も無い人の人生が物理的に終わる・・・・・・だから殺す。理由としてはそれで十分だ)
完全に覚悟が決まったソウスケは見張りの真上から風の槍を下ろした。
全くの死角から攻撃を喰らった四人は脳天を貫かれ、ソウスケの予定通り声を上げる事も出来ずに死んだ。
自分で殺した遺体を近くで見たソウスケは一瞬だけ胸を締め付けられたように感じた。
「・・・・・・俺が、殺したんだな」
実際に命を奪った感触などが手に残っているという訳では無い為、今のところ先程決めた覚悟が揺れる事は一切なかった。
「そうだな・・・・・・なるべく手足を使って殺すか」
盗賊のアジトの中に入って行くソウスケの眼には殆ど感情が無かった。
「大丈夫大丈夫。昼間でゆっくりと寝たんだから疲れは取れているよ」
実質十三時間・・・・・・半日以上寝たソウスケにまだ寝足りないという感覚は無かった。だが、遠慮がなくなって来たミレアナとの就寝中の距離感を思い出すと、息子が元気になってしまう。
(ローブ着といて良かった。これ着ていなかったら良くない視線が俺に集中するところだった)
ローブによってソウスケの体は膝程まで隠れているので、ソウスケの元気な息子は周囲の人間にバレずに済んでいる。
二人は目的地への到着予定が辺りにが暗くなってきてからな為、焦らずゆっくりと歩きながら街の外へ向かった。
街の外へ出た二人は道を外れて森の中へ入り、モンスターを倒しては解体してミレアナが血抜きをしてアイテムボックスに仕舞うを繰り返していた。
そして予定の時間頃になるまで二人はモンスターを狩り続けたがこれといって珍しいモンスターと遭遇せず、殆ど魔法を使わずに戦いを終わらせた。
辺りが暗くなり丁度良い頃合いだと思ったソウスケは、暗くなる前に上空から確認した盗賊のアジトらしき場所へと向かい始めた。
目的地に着くまでソウスケはこれから戦う相手は、殺さなければならない相手だと自分に言い聞かせ続けた。
(相手は平気で罪も覚悟も無い人を殺す屑だ。奴らは殺しに楽しみを覚えるゴミ共だ。あいつらをここで殺さなければまた罪もない人が犠牲になる。殺せ、相手が何かアクションを起こす前に殺すんだ)
何度も何度も自分に言い聞かせるソウスケの表情を見て、ミレアナは少しソウスケの心境に対して不安を感じていたが、これから冒険者として一つの壁を超える為に集中しているのを邪魔するのは悪いと思い、声を掛ける事無く黙々と走り続けた。
「ストップ・・・・・・見張りが四人。まだこちらに気付いていない」
「四人ですか。一周して見張りがこれ以上いないか、出入り口が他に無いかを確認します」
「頼んだ。殺るための準備をしておく」
ミレアナが音を立てずにその場から離れると、ソウスケは周囲に四つの風の槍を造りだした。
見張りのレベルを確認したソウスケは正面から風の槍を放っても殺せるとは思ったが、声を上げられると面倒だと思い、風の槍を四人の丁度真上に移動させた。
ソウスケの攻撃準備が完了したところで確認を終えたミレアナが戻って来た。
「見張りは四人だけで出入り口も目の前に見えるのだけす」
「そうか・・・・・・俺はこれから見張りを殺したらアジトの中に入る。もしアジトから逃げ出した奴がいたら仕留めておいてくれ」
「分かりました。漏れて来た盗賊は全て始末します」
大きく一つ深呼吸したソウスケは最後にもう一度だけ自分の心に言い聞かせた、目の前の奴らは殺さなければならないと。
(殺す・・・・・・日本にいた時は口にしたことはあっても行動に移さなかった。移したら自分の人生が終わるから。でも、この世界では悪い奴らを殺しても基本的には罪にならない。逆にあいつらを殺さないと罪も無い人の人生が物理的に終わる・・・・・・だから殺す。理由としてはそれで十分だ)
完全に覚悟が決まったソウスケは見張りの真上から風の槍を下ろした。
全くの死角から攻撃を喰らった四人は脳天を貫かれ、ソウスケの予定通り声を上げる事も出来ずに死んだ。
自分で殺した遺体を近くで見たソウスケは一瞬だけ胸を締め付けられたように感じた。
「・・・・・・俺が、殺したんだな」
実際に命を奪った感触などが手に残っているという訳では無い為、今のところ先程決めた覚悟が揺れる事は一切なかった。
「そうだな・・・・・・なるべく手足を使って殺すか」
盗賊のアジトの中に入って行くソウスケの眼には殆ど感情が無かった。
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