163 / 1,259
百六十二話漏れた殺気
しおりを挟む
肩に向かって魔力を纏い振り下ろされる大剣に対し、ミレアナの本能が警報を鳴らした。
(これは絶対に受けない方が良さそうですね!!)
コボルトウォーリア―はただ大剣を振り下ろしたのではなく、パワースラッシュという大剣術のスキルを覚え、スキルのレベルを上げる事で扱える技。
大剣を振り下ろす時に刃の切れ味、と技を放つ者の腕力を上昇させる。
身体強化を使い、魔力で体を防御しても体が切れない可能性は低い。
それに相手も身体強化を使って大剣に魔力を纏って切れ味を上げている。条件的には相手がやや有利。
所々刃が欠けているのにも関わらず、硬度が高い鉱石すら両断出来そうな迫力を放つ。
ミレアナは左手に持ち替えたミスリルの短剣に即座に魔力を纏わせる。
そして振り下ろされる大剣にほんの・・・・・・ほんの少しの瞬間だけ刃を合わせると大剣の軌道を逸らした。
攻撃を逸らす事に成功したミレアナは即座に後ろに跳ぶ。
大剣が振り下ろされた地面は綺麗に切断されている。まるで豆腐を切ったかのように切断面が荒れていない。
コボルトファイターがブロードストレートを放ち、続いてコボルトウォーリア―が大剣に魔力を纏ってパワースラッシュを放ってきた。
次はコボルトジェネラル仕掛けてくるとミレアナは予測していたが、正面にはいない。
両側面からも気配はない。上からも感じられない。残された選択肢は・・・・・・。
(後ろっ、ですか!!!)
気配を殺してミレアナの背後からコボルトジェネラルは右手に雷の魔力を纏い、真相に目掛けて抜き手を放った。
しかし背後から急激に膨れ上がる殺意を感じてミレアナはバク宙で空中に逃れる。
(最後まで気配を殺されていたら・・・・・・かなり危なかったですね)
最後の最後で気配を殺す事に気を緩めてしまい殺気が漏れてしまったのと、右手に纏っている雷から聞こえる小さなバチバチという音によってミレアナは致命傷を与える事が出来る攻撃を躱す事に成功する。
しかし躱しはしたが焦りは感じる。そしてまずは一体に狙いを定め、並行詠唱を始める。
この戦いの中で錬度が上がったため、詠唱の速度は速くなりミレアナは地面に着地するときには既に風の槍を作り終えていた。
そしてそれを右手で掴み、斜め下から投げる。
狙われたコボルトファイターはミレアナの肘打ちを喰らった影響がないとは言えないが、態勢を立て直す事は出来ており、ミレアナが放った風の槍の速度を考えると余裕を持って・・・・・・とはいかなくても回避する事が出来た。
コボルトファイターは即座に右に跳んで避ける。
「・・・・・・ふふ、少し判断が速過ぎましたね」
普段のミレアナからは想像出来ない悪女の様な笑みを浮かべ、人差し指を左に動かす。
その動きにつられて風の槍の速度が増して軌道が変わる。
コボルトファイターの足は片足が伸びきっていて、もう片足が屈んだ状態になっている。
片足で跳ぶ事は出来る。ただ、膝を曲げないと跳ぶ事が出来ない。
右足を地面に届かせる時間は無い。なら左足?
左足は伸びきっており飛ぶためには膝を曲げる必要がある。指だけでは飛べない。
そして途中で軌道が変わった事に加えて速さが増した風の槍。
これからが原因でコボルトファイターは風の槍を回避する事は不可能。
なら腕をクロスさせて防ぐ?
魔力を腕に纏っている。ただ、それでも本当に防げるのか。
そもそも腕を曲げるだけの時間があるのか?
可能性がどんどん狭まる中でコボルトファイターが取った行動を腕をクロスする。
腕に関しては捨てる。ただ、まだ死ぬ訳にはいかない。
(これは絶対に受けない方が良さそうですね!!)
コボルトウォーリア―はただ大剣を振り下ろしたのではなく、パワースラッシュという大剣術のスキルを覚え、スキルのレベルを上げる事で扱える技。
大剣を振り下ろす時に刃の切れ味、と技を放つ者の腕力を上昇させる。
身体強化を使い、魔力で体を防御しても体が切れない可能性は低い。
それに相手も身体強化を使って大剣に魔力を纏って切れ味を上げている。条件的には相手がやや有利。
所々刃が欠けているのにも関わらず、硬度が高い鉱石すら両断出来そうな迫力を放つ。
ミレアナは左手に持ち替えたミスリルの短剣に即座に魔力を纏わせる。
そして振り下ろされる大剣にほんの・・・・・・ほんの少しの瞬間だけ刃を合わせると大剣の軌道を逸らした。
攻撃を逸らす事に成功したミレアナは即座に後ろに跳ぶ。
大剣が振り下ろされた地面は綺麗に切断されている。まるで豆腐を切ったかのように切断面が荒れていない。
コボルトファイターがブロードストレートを放ち、続いてコボルトウォーリア―が大剣に魔力を纏ってパワースラッシュを放ってきた。
次はコボルトジェネラル仕掛けてくるとミレアナは予測していたが、正面にはいない。
両側面からも気配はない。上からも感じられない。残された選択肢は・・・・・・。
(後ろっ、ですか!!!)
気配を殺してミレアナの背後からコボルトジェネラルは右手に雷の魔力を纏い、真相に目掛けて抜き手を放った。
しかし背後から急激に膨れ上がる殺意を感じてミレアナはバク宙で空中に逃れる。
(最後まで気配を殺されていたら・・・・・・かなり危なかったですね)
最後の最後で気配を殺す事に気を緩めてしまい殺気が漏れてしまったのと、右手に纏っている雷から聞こえる小さなバチバチという音によってミレアナは致命傷を与える事が出来る攻撃を躱す事に成功する。
しかし躱しはしたが焦りは感じる。そしてまずは一体に狙いを定め、並行詠唱を始める。
この戦いの中で錬度が上がったため、詠唱の速度は速くなりミレアナは地面に着地するときには既に風の槍を作り終えていた。
そしてそれを右手で掴み、斜め下から投げる。
狙われたコボルトファイターはミレアナの肘打ちを喰らった影響がないとは言えないが、態勢を立て直す事は出来ており、ミレアナが放った風の槍の速度を考えると余裕を持って・・・・・・とはいかなくても回避する事が出来た。
コボルトファイターは即座に右に跳んで避ける。
「・・・・・・ふふ、少し判断が速過ぎましたね」
普段のミレアナからは想像出来ない悪女の様な笑みを浮かべ、人差し指を左に動かす。
その動きにつられて風の槍の速度が増して軌道が変わる。
コボルトファイターの足は片足が伸びきっていて、もう片足が屈んだ状態になっている。
片足で跳ぶ事は出来る。ただ、膝を曲げないと跳ぶ事が出来ない。
右足を地面に届かせる時間は無い。なら左足?
左足は伸びきっており飛ぶためには膝を曲げる必要がある。指だけでは飛べない。
そして途中で軌道が変わった事に加えて速さが増した風の槍。
これからが原因でコボルトファイターは風の槍を回避する事は不可能。
なら腕をクロスさせて防ぐ?
魔力を腕に纏っている。ただ、それでも本当に防げるのか。
そもそも腕を曲げるだけの時間があるのか?
可能性がどんどん狭まる中でコボルトファイターが取った行動を腕をクロスする。
腕に関しては捨てる。ただ、まだ死ぬ訳にはいかない。
153
あなたにおすすめの小説
異世界生活〜異世界に飛ばされても生活水準は変えません〜 番外編『旅日記』
アーエル
ファンタジー
カクヨムさん→小説家になろうさんで連載(完結済)していた
【 異世界生活〜異世界に飛ばされても生活水準は変えません〜 】の番外編です。
カクヨム版の
分割投稿となりますので
一話が長かったり短かったりしています。
無属性魔法使いの下剋上~現代日本の知識を持つ魔導書と契約したら、俺だけが使える「科学魔法」で学園の英雄に成り上がりました~
黒崎隼人
ファンタジー
「お前は今日から、俺の主(マスター)だ」――魔力を持たない“無能”と蔑まれる落ちこぼれ貴族、ユキナリ。彼が手にした一冊の古びた魔導書。そこに宿っていたのは、異世界日本の知識を持つ生意気な魂、カイだった!
「俺の知識とお前の魔力があれば、最強だって夢じゃない」
主従契約から始まる、二人の秘密の特訓。科学的知識で魔法の常識を覆し、落ちこぼれが天才たちに成り上がる! 無自覚に甘い主従関係と、胸がすくような下剋上劇が今、幕を開ける!
【完結】すまない民よ。その聖騎士団、実は全員俺なんだ
一終一(にのまえしゅういち)
ファンタジー
俺こと“有塚しろ”が転移した先は巨大モンスターのうろつく異世界だった。それだけならエサになって終わりだったが、なぜか身に付けていた魔法“ワンオペ”によりポンコツ鎧兵を何体も召喚して命からがら生き延びていた。
百体まで増えた鎧兵を使って騎士団を結成し、モンスター狩りが安定してきた頃、大樹の上に人間の住むマルクト王国を発見する。女王に入国を許されたのだが何を血迷ったか“聖騎士団”の称号を与えられて、いきなり国の重職に就くことになってしまった。
平和に暮らしたい俺は騎士団が実は自分一人だということを隠し、国民の信頼を得るため一人百役で鎧兵を演じていく。
そして事あるごとに俺は心の中で呟くんだ。
『すまない民よ。その聖騎士団、実は全員俺なんだ』ってね。
※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しています。
本の知識で、らくらく異世界生活? 〜チート過ぎて、逆にヤバい……けど、とっても役に立つ!〜
あーもんど
ファンタジー
異世界でも、本を読みたい!
ミレイのそんな願いにより、生まれた“あらゆる文書を閲覧出来るタブレット”
ミレイとしては、『小説や漫画が読めればいい』くらいの感覚だったが、思ったよりチートみたいで?
異世界で知り合った仲間達の窮地を救うキッカケになったり、敵の情報が筒抜けになったりと大変優秀。
チートすぎるがゆえの弊害も多少あるものの、それを鑑みても一家に一台はほしい性能だ。
「────さてと、今日は何を読もうかな」
これはマイペースな主人公ミレイが、タブレット片手に異世界の暮らしを謳歌するお話。
◆小説家になろう様にて、先行公開中◆
◆恋愛要素は、ありません◆
私の薬華異堂薬局は異世界につくるのだ
柚木 潤
ファンタジー
薬剤師の舞は、亡くなった祖父から託された鍵で秘密の扉を開けると、不思議な薬が書いてある古びた書物を見つけた。
そしてその扉の中に届いた異世界からの手紙に導かれその世界に転移すると、そこは人間だけでなく魔人、精霊、翼人などが存在する世界であった。
舞はその世界の魔人の王に見合う女性になる為に、異世界で勉強する事を決断する。
舞は薬師大学校に聴講生として入るのだが、のんびりと学生をしている状況にはならなかった。
以前も現れた黒い影の集合体や、舞を監視する存在が見え隠れし始めたのだ・・・
「薬華異堂薬局のお仕事は異世界にもあったのだ」の続編になります。
主人公「舞」は異世界に拠点を移し、薬師大学校での学生生活が始まります。
前作で起きた話の説明も間に挟みながら書いていく予定なので、前作を読んでいなくてもわかるようにしていこうと思います。
また、意外なその異世界の秘密や、新たな敵というべき存在も現れる予定なので、前作と合わせて読んでいただけると嬉しいです。
以前の登場人物についてもプロローグのに軽く記載しましたので、よかったら参考にしてください。
追放されたお荷物記録係、地味スキル《記録》を極めて最強へ――気づけば勇者より強くなってました
KABU.
ファンタジー
「お前の《記録》なんて役に立たない。もうついてくるな」
勇者パーティの“お荷物”扱いに耐えてきたライトは、
ついにダンジョン最深部で置き去りにされる。
追放すらできない規約のせいで、
“事故死”に見せかけて排除しようとしたのだ。
だがその死地で、ライトのスキル《記録》が進化した。
《超記録》――
敵のスキルや魔法、動きまですべてを記録し、即座に使えるようになる最強格の能力。
生き延びたライトはレグナの街で冒険者として再出発。
努力で《成長》スキルを獲得し、
記録したスキルや魔法は使うほど強化されていく。
やがて《超記録》は最終進化《アカシックレコード》へ。
対象を見ただけでステータスや行動パターンが分かり、
記録した力を即座に上位化し、さらに合成して新たな力まで生み出す究極スキル。
一方、勇者パーティはライトを失った途端に依頼成功率が大幅に低下。
さらに魔王軍四天王の暗躍によって状況は悪化し、ついには洗脳されてライトに牙をむく。
街を襲うドラゴン、仲間それぞれの過去、四天王との連戦。
優しく努力家のライトは、出会った仲間と共に確実に強くなっていく。
捨てられた記録係が、世界最強へと進化する。
爽快無双×成長ドラマの大長編ファンタジー開幕。
レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~
喰寝丸太
ファンタジー
異世界に転移した山田(やまだ) 無二(むに)はポーターの仕事をして早6年。
おっさんになってからも、冒険者になれずくすぶっていた。
ある日、モンスター無限増殖装置を誤って作動させたパーティは無二を囮にして逃げ出す。
落とし穴にも落とされ絶体絶命の無二。
機転を利かせ助かるも、そこはダンジョンボスの扉の前。
覚悟を決めてボスに挑む無二。
通販能力でからくも勝利する。
そして、ダンジョンコアの魔力を吸出し大幅レベルアップ。
アンデッドには聖水代わりに殺菌剤、光魔法代わりに紫外線ライト。
霧のモンスターには掃除機が大活躍。
異世界モンスターを現代製品の通販で殴る快進撃が始まった。
カクヨム、小説家になろう、アルファポリスに掲載しております。
アルフレッドは平穏に過ごしたい 〜追放されたけど謎のスキル【合成】で生き抜く〜
芍薬甘草湯
ファンタジー
アルフレッドは貴族の令息であったが天から与えられたスキルと家風の違いで追放される。平民となり冒険者となったが、生活するために竜騎士隊でアルバイトをすることに。
ふとした事でスキルが発動。
使えないスキルではない事に気付いたアルフレッドは様々なものを合成しながら密かに活躍していく。
⭐︎注意⭐︎
女性が多く出てくるため、ハーレム要素がほんの少しあります。特に苦手な方はご遠慮ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる