208 / 1,259
二百七話相性が良い
しおりを挟む
「ミレアナは何か欲しいスキルはあるか」
「そうですねぇ・・・・・・盾術のスキルは持ってないですが私の戦い方では精々円型の小盾を使うぐらいなので、正直持っていても意味が無いですね。強いて言えばですが、槍術のスキルですかね」
ミレアナ自身、接近戦が出来ない訳では無かったが、主に使う武器は短剣なのでリーチが短い。
なので接近戦でも広範囲の攻撃を行う事が出来るスキルが欲しかった。
「分かった。このスキルの書はミレアナが使ってくれ。さて、俺はどれを使おうか・・・・・・うん、こいつを使うか」
「なるほど、それは確かにソウスケさんの戦法の一つと相性が良いですね。私も弓を使う時はそのスキルを
補助として使っています」
ソウスケが手に取ったのは命中を習得できるスキルの書。
投擲だけで倒せる相手にはなるべく石や短剣を使って倒すソウスケにとって、ミレアナと同様に補助として組み合わせる事が出来るスキルだった。
「魔力操作、盾術、脚力強化、風魔法、視力強化は取っておこう」
「それだけあれば何かあった時の交渉材料に使えるかもしれませんね」
「・・・・・・そうかもしれないな。普通の冒険者だと多分欲しいスキルだったらそのまま自分で使うだろうし、特に必要が無かったら売って金に換えるだろうからな」
ソウスケは自身が普通の冒険者では無い事を自覚している。
なので普通の冒険者がどういった行動を取るのかもある程度予想できた。
「まだ日は沈んでないな・・・・・・少し街を見て回るか?」
「そうですね。特徴のあるダンジョンを有する街ですからもしかしたら何か良い発見があるかもしれませんね」
「そうと決まれば直ぐに行くぞ」
アイテムボックスの中へ出した宝箱の中身をしまい、ソウスケ達は宿を出て街の散策へ向かう。
「・・・・・・・・・・・・価値がある、それは分かるけどなんて言えば良いんだろうな。それ以外の事はいまいち解らん。ミレアナから見てここら辺の家具はどう見える?」
「ソウスケさんの言う通りまず価値があります。作品一つで製作者の腕の高さが一目で分かります。基本的には豪商と呼べる商人や貴族向けの商品ですね」
「確かにそうだな。俺はあんまり飾りとかは気にしないタイプだからな。実用性が有れば文句は無い」
ある程度の飾りであればソウスケもあって良いと思うが、あまりゴテゴテした装飾は好みでは無かった。
「その割にはソウスケさん、モンスターのフィギュアには結構細部まで拘りますよね」
「それはそうだろ。あれは何かに使うとかそういうもんじゃなく、見て楽しむ物だからな」
ソウスケの言いたい事がなんとなく解ったミレアナは小さく、なるほどと呟く。
「ところで、店内に置いてある家具は何か買うんですか?」
「いや、俺が持っていたところでな・・・・・・拠点となる家を買うとかなら話は別だが、特に欲しいとは思わない。ただこういった物を見るのは嫌いじゃないからな。良い暇つぶしになった」
「・・・・・・一部の方々が聞けば怒りだしそうな言葉ですね」
ソウスケ達の目の前にある作品を作った人物はこの街ではかなり有名な職人であり、貴族の中でも製作者が作った家具のファンがいる為、ミレアナの言う事はあまり間違ってもいない。
「そう言われてもな、俺は冒険者だからそういった美的センスがある訳でもないんだ。そこら辺は解って貰いたいな」
「・・・・・・まぁ、見た目が冒険者だからこそ入る時に一悶着あったんですけどね」
二人が家具店に入った直後、店員がやって来てここはソウスケ達が来るような場所では無いと言って店から追い出そうとした。
しかしソウスケはポケットから店員だけに見える様に白金貨を見せた。
その白金貨が本物であると瞬時に分かった店員は見事な掌返しを披露し、他の店員達にソウスケとミレアナがこの店の客にふさわしいと伝え周った。
「人を見た目でしか判断できない店員だったけど、話は通じる奴だったから良かったよ」
「以前にも似たような事があったんですか?」
「まぁな。その時も前回と同じように解決したんだよ。・・・・・・要らない誤解を生んだけどな。取りあえず店から出て他の店も周ろう」
「分かりました」
要らない誤解の内容を気にしながらもミレアナはソウスケの後に付いて行く。
第十二回ファンタジー大賞に応募します。
是非投票をお願いします!
後、新作の万分の一の確率でパートナーが見つかる、そんな事あるか? も是非読んでください!!
「そうですねぇ・・・・・・盾術のスキルは持ってないですが私の戦い方では精々円型の小盾を使うぐらいなので、正直持っていても意味が無いですね。強いて言えばですが、槍術のスキルですかね」
ミレアナ自身、接近戦が出来ない訳では無かったが、主に使う武器は短剣なのでリーチが短い。
なので接近戦でも広範囲の攻撃を行う事が出来るスキルが欲しかった。
「分かった。このスキルの書はミレアナが使ってくれ。さて、俺はどれを使おうか・・・・・・うん、こいつを使うか」
「なるほど、それは確かにソウスケさんの戦法の一つと相性が良いですね。私も弓を使う時はそのスキルを
補助として使っています」
ソウスケが手に取ったのは命中を習得できるスキルの書。
投擲だけで倒せる相手にはなるべく石や短剣を使って倒すソウスケにとって、ミレアナと同様に補助として組み合わせる事が出来るスキルだった。
「魔力操作、盾術、脚力強化、風魔法、視力強化は取っておこう」
「それだけあれば何かあった時の交渉材料に使えるかもしれませんね」
「・・・・・・そうかもしれないな。普通の冒険者だと多分欲しいスキルだったらそのまま自分で使うだろうし、特に必要が無かったら売って金に換えるだろうからな」
ソウスケは自身が普通の冒険者では無い事を自覚している。
なので普通の冒険者がどういった行動を取るのかもある程度予想できた。
「まだ日は沈んでないな・・・・・・少し街を見て回るか?」
「そうですね。特徴のあるダンジョンを有する街ですからもしかしたら何か良い発見があるかもしれませんね」
「そうと決まれば直ぐに行くぞ」
アイテムボックスの中へ出した宝箱の中身をしまい、ソウスケ達は宿を出て街の散策へ向かう。
「・・・・・・・・・・・・価値がある、それは分かるけどなんて言えば良いんだろうな。それ以外の事はいまいち解らん。ミレアナから見てここら辺の家具はどう見える?」
「ソウスケさんの言う通りまず価値があります。作品一つで製作者の腕の高さが一目で分かります。基本的には豪商と呼べる商人や貴族向けの商品ですね」
「確かにそうだな。俺はあんまり飾りとかは気にしないタイプだからな。実用性が有れば文句は無い」
ある程度の飾りであればソウスケもあって良いと思うが、あまりゴテゴテした装飾は好みでは無かった。
「その割にはソウスケさん、モンスターのフィギュアには結構細部まで拘りますよね」
「それはそうだろ。あれは何かに使うとかそういうもんじゃなく、見て楽しむ物だからな」
ソウスケの言いたい事がなんとなく解ったミレアナは小さく、なるほどと呟く。
「ところで、店内に置いてある家具は何か買うんですか?」
「いや、俺が持っていたところでな・・・・・・拠点となる家を買うとかなら話は別だが、特に欲しいとは思わない。ただこういった物を見るのは嫌いじゃないからな。良い暇つぶしになった」
「・・・・・・一部の方々が聞けば怒りだしそうな言葉ですね」
ソウスケ達の目の前にある作品を作った人物はこの街ではかなり有名な職人であり、貴族の中でも製作者が作った家具のファンがいる為、ミレアナの言う事はあまり間違ってもいない。
「そう言われてもな、俺は冒険者だからそういった美的センスがある訳でもないんだ。そこら辺は解って貰いたいな」
「・・・・・・まぁ、見た目が冒険者だからこそ入る時に一悶着あったんですけどね」
二人が家具店に入った直後、店員がやって来てここはソウスケ達が来るような場所では無いと言って店から追い出そうとした。
しかしソウスケはポケットから店員だけに見える様に白金貨を見せた。
その白金貨が本物であると瞬時に分かった店員は見事な掌返しを披露し、他の店員達にソウスケとミレアナがこの店の客にふさわしいと伝え周った。
「人を見た目でしか判断できない店員だったけど、話は通じる奴だったから良かったよ」
「以前にも似たような事があったんですか?」
「まぁな。その時も前回と同じように解決したんだよ。・・・・・・要らない誤解を生んだけどな。取りあえず店から出て他の店も周ろう」
「分かりました」
要らない誤解の内容を気にしながらもミレアナはソウスケの後に付いて行く。
第十二回ファンタジー大賞に応募します。
是非投票をお願いします!
後、新作の万分の一の確率でパートナーが見つかる、そんな事あるか? も是非読んでください!!
156
あなたにおすすめの小説
異世界生活〜異世界に飛ばされても生活水準は変えません〜 番外編『旅日記』
アーエル
ファンタジー
カクヨムさん→小説家になろうさんで連載(完結済)していた
【 異世界生活〜異世界に飛ばされても生活水準は変えません〜 】の番外編です。
カクヨム版の
分割投稿となりますので
一話が長かったり短かったりしています。
虹色のプレゼントボックス
紀道侑
ファンタジー
安田君26歳が自宅でカップ麺を食ってたら部屋ごと異世界に飛ばされるお話です。
安田君はおかしな思考回路の持ち主でわけのわからないことばっかりやります。
わけのわからない彼は異世界に転移してからわけのわからないチート能力を獲得します。
余計わけのわからない人物に進化します。
作中で起きた事件の真相に迫るのが早いです。
本当に尋常じゃないほど早いです。
残念ながらハーレムは無いです。
全年齢対象で男女問わず気軽に読めるゆるいゆる~いストーリーになっていると思いますので、お気軽にお読みください。
未公開含めて30話分くらいあったのですが、全部行間がおかしくなっていたので、再アップしています。
行間おかしくなっていることに朝の4時に気づいて右往左往して泣く泣く作品を削除しました。
なかなかに最悪な気分になりました。
お気に入りしてくださった方、申し訳ありません。
というかしょっちゅう二行も三行も行間が空いてる小説をよくお気に入りしてくださいましたね。
お気に入りしてくださった方々には幸せになってほしいです。
本の知識で、らくらく異世界生活? 〜チート過ぎて、逆にヤバい……けど、とっても役に立つ!〜
あーもんど
ファンタジー
異世界でも、本を読みたい!
ミレイのそんな願いにより、生まれた“あらゆる文書を閲覧出来るタブレット”
ミレイとしては、『小説や漫画が読めればいい』くらいの感覚だったが、思ったよりチートみたいで?
異世界で知り合った仲間達の窮地を救うキッカケになったり、敵の情報が筒抜けになったりと大変優秀。
チートすぎるがゆえの弊害も多少あるものの、それを鑑みても一家に一台はほしい性能だ。
「────さてと、今日は何を読もうかな」
これはマイペースな主人公ミレイが、タブレット片手に異世界の暮らしを謳歌するお話。
◆小説家になろう様にて、先行公開中◆
◆恋愛要素は、ありません◆
追放されたお荷物記録係、地味スキル《記録》を極めて最強へ――気づけば勇者より強くなってました
KABU.
ファンタジー
「お前の《記録》なんて役に立たない。もうついてくるな」
勇者パーティの“お荷物”扱いに耐えてきたライトは、
ついにダンジョン最深部で置き去りにされる。
追放すらできない規約のせいで、
“事故死”に見せかけて排除しようとしたのだ。
だがその死地で、ライトのスキル《記録》が進化した。
《超記録》――
敵のスキルや魔法、動きまですべてを記録し、即座に使えるようになる最強格の能力。
生き延びたライトはレグナの街で冒険者として再出発。
努力で《成長》スキルを獲得し、
記録したスキルや魔法は使うほど強化されていく。
やがて《超記録》は最終進化《アカシックレコード》へ。
対象を見ただけでステータスや行動パターンが分かり、
記録した力を即座に上位化し、さらに合成して新たな力まで生み出す究極スキル。
一方、勇者パーティはライトを失った途端に依頼成功率が大幅に低下。
さらに魔王軍四天王の暗躍によって状況は悪化し、ついには洗脳されてライトに牙をむく。
街を襲うドラゴン、仲間それぞれの過去、四天王との連戦。
優しく努力家のライトは、出会った仲間と共に確実に強くなっていく。
捨てられた記録係が、世界最強へと進化する。
爽快無双×成長ドラマの大長編ファンタジー開幕。
神樹の里で暮らす創造魔法使い ~幻獣たちとののんびりライフ~
あきさけ
ファンタジー
貧乏な田舎村を追い出された少年〝シント〟は森の中をあてどなくさまよい一本の新木を発見する。
それは本当に小さな新木だったがかすかな光を帯びた不思議な木。
彼が不思議そうに新木を見つめているとそこから『私に魔法をかけてほしい』という声が聞こえた。
シントが唯一使えたのは〝創造魔法〟といういままでまともに使えた試しのないもの。
それでも森の中でこのまま死ぬよりはまだいいだろうと考え魔法をかける。
すると新木は一気に生長し、天をつくほどの巨木にまで変化しそこから新木に宿っていたという聖霊まで姿を現した。
〝この地はあなたが創造した聖地。あなたがこの地を去らない限りこの地を必要とするもの以外は誰も踏み入れませんよ〟
そんな言葉から始まるシントののんびりとした生活。
同じように行き場を失った少女や幻獣や精霊、妖精たちなど様々な面々が集まり織りなすスローライフの幕開けです。
※この小説はカクヨム様でも連載しています。アルファポリス様とカクヨム様以外の場所では公開しておりません。
レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~
喰寝丸太
ファンタジー
異世界に転移した山田(やまだ) 無二(むに)はポーターの仕事をして早6年。
おっさんになってからも、冒険者になれずくすぶっていた。
ある日、モンスター無限増殖装置を誤って作動させたパーティは無二を囮にして逃げ出す。
落とし穴にも落とされ絶体絶命の無二。
機転を利かせ助かるも、そこはダンジョンボスの扉の前。
覚悟を決めてボスに挑む無二。
通販能力でからくも勝利する。
そして、ダンジョンコアの魔力を吸出し大幅レベルアップ。
アンデッドには聖水代わりに殺菌剤、光魔法代わりに紫外線ライト。
霧のモンスターには掃除機が大活躍。
異世界モンスターを現代製品の通販で殴る快進撃が始まった。
カクヨム、小説家になろう、アルファポリスに掲載しております。
【薬師向けスキルで世界最強!】追放された闘神の息子は、戦闘能力マイナスのゴミスキル《植物王》を究極進化させて史上最強の英雄に成り上がる!
こはるんるん
ファンタジー
「アッシュ、お前には完全に失望した。もう俺の跡目を継ぐ資格は無い。追放だ!」
主人公アッシュは、世界最強の冒険者ギルド【神喰らう蛇】のギルドマスターの息子として活躍していた。しかし、筋力のステータスが80%も低下する外れスキル【植物王(ドルイドキング)】に覚醒したことから、理不尽にも父親から追放を宣言される。
しかし、アッシュは襲われていたエルフの王女を助けたことから、史上最強の武器【世界樹の剣】を手に入れる。この剣は天界にある世界樹から作られた武器であり、『植物を支配する神スキル』【植物王】を持つアッシュにしか使いこなすことができなかった。
「エルフの王女コレットは、掟により、こ、これよりアッシュ様のつ、つつつ、妻として、お仕えさせていただきます。どうかエルフ王となり、王家にアッシュ様の血を取り入れる栄誉をお与えください!」
さらにエルフの王女から結婚して欲しい、エルフ王になって欲しいと追いかけまわされ、エルフ王国の内乱を治めることになる。さらには神獣フェンリルから忠誠を誓われる。
そんな彼の前には、父親やかつての仲間が敵として立ちはだかる。(だが【神喰らう蛇】はやがてアッシュに敗れて、あえなく没落する)
かくして、後に闘神と呼ばれることになる少年の戦いが幕を開けた……!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる