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二百四十二話怖いもの知らず
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ソウスケは目の前の光景を理解するのに数秒程時間が掛かった。
「・・・・・・・・・・・・ザハーク、いったいどういう状況だ?」
「そ、ソウスケさん!? えっと、これはですね・・・・・・」
「このお兄ちゃんに遊んで貰っていたんだ!!!」
ザハークの腕にぶら下がっていた一人の男の子がソウスケの元へやって来てどういう状況なのかを伝えた。
ただしそれだけでは明確には解らないのでザハークから詳細を訊いた。
(オーガのザハークを見た従魔が珍しくて子供がやって来た。その子供にザハークが優しく接した事で子供達はザハークが怖いモンスターでは無いと判断してわらわらと集まって来たって事か)
予想外の出来事ではあったが、面倒事になってはいないと分ったソウスケはホッと一安心した。
「ってな事でこいつが従魔のザハークです。見た目は一般的なオーガより小さいですけどオーガには変わりないです」
(希少種ではあるけどな)
これ以上余計な事は言いたくないソウスケだった。
しかし解る冒険者には解る情報である為、いつまでも隠し通せるものでは無い。
「そ、そのようですね。それでは従魔の輪を持ってきますので少々お待ちください」
受付嬢はソウスケの従魔が本当にオーガなのだと確認し終えるとギルドの奥へと走っていた。
後ろで地面に何かがぶつかる音と小さな悲鳴が聞こえたがソウスケは無視する。
「ねぇねぇお兄ちゃん! このオーガの・・・・・・ザハーク? ともうちょっと遊んで良い?」
「俺もこいつともっと遊びたい!!」
「私も!!」
ソウスケ達の会話が終わったタイミングで子供達はザハークともっと遊びたいと願い出て来た。
(別に今日何か用事がある訳じゃないから構わないっちゃ構わないんだよ。でも遊んでる時に子供に怪我でもされたら面倒なんだよな)
たたでさえ面倒事は御免なソウスケにとって、悪い噂が流れるのは勘弁して欲しい状況。
「・・・・・・俺達も俺達で用事があるからな。とりあえず受付嬢の人が帰ってくるまでは遊んでいて良いぞ」
「「「わーーーい!!!」」」
ソウスケからザハークと遊ぶ許可を貰った子供たちは嬉しそうに笑い、ザハークの周りを駆け、体によじ登ろうとしていた。
「・・・・・・あれだな。子供って結構怖いもの知らずなんだな」
「ソウスケさんにもそういった経験は無いのですか?」
「俺は・・・・・・まぁ、確かに子供の頃は色々な物に興味は持っていたか。でも本当に目の前の子供ぐらいの歳の時は結構ビビりだった記憶がある」
(特撮物を見てる時だって怖いシーンになったら部屋から出てドアの隙間からこっそり見てたからな。今思えばそんな事しても何も変わらない気がするが・・・・・・うん、やっぱり良く解らん)
十年ほど前の事など、ほとんど記憶になかったソウスケはその時に心境を思い出す事を諦めた。
「ソウスケさんにもそんな時代があったんですね」
「俺だって子供時代は・・・・・・って今も半分ガキだけど、怖い物は怖いって思う時期があったんだよ」
「でも、今はその怖いを楽しんでいたりしませんか?」
ミレアナからの問いにソウスケは頭を悩ませる。
(怖いが楽しいねぇ・・・・・・正直ワイバーン戦は余裕が無かった。コボルトキングは自分の思い通り事が運んだ時は確かに楽しんでいたかもしれないな。間違いなく口角は上がっていた筈だ)
それでも自身と同じ、もしくは自分以上の実力者と対峙した時、その状況を楽しめるかといえばそうでは無いなと率直に思った。
「摸擬戦とかならば自分の力を試せるって感じでそう思わなくもないかもしれないけど、命がけの戦いでは楽しんでいる余裕なんてないよ」
「そうでしたか。ただ、いずれはそう思う様になるかもしれませんよ」
「・・・・・・バトルジャンキーにはならないと思うんだがな」
その後受付嬢から従魔の証である輪を受け取り、子供達と別れたソウスケ達は腹を満たす為に美味い飯を探し始めた。
「・・・・・・・・・・・・ザハーク、いったいどういう状況だ?」
「そ、ソウスケさん!? えっと、これはですね・・・・・・」
「このお兄ちゃんに遊んで貰っていたんだ!!!」
ザハークの腕にぶら下がっていた一人の男の子がソウスケの元へやって来てどういう状況なのかを伝えた。
ただしそれだけでは明確には解らないのでザハークから詳細を訊いた。
(オーガのザハークを見た従魔が珍しくて子供がやって来た。その子供にザハークが優しく接した事で子供達はザハークが怖いモンスターでは無いと判断してわらわらと集まって来たって事か)
予想外の出来事ではあったが、面倒事になってはいないと分ったソウスケはホッと一安心した。
「ってな事でこいつが従魔のザハークです。見た目は一般的なオーガより小さいですけどオーガには変わりないです」
(希少種ではあるけどな)
これ以上余計な事は言いたくないソウスケだった。
しかし解る冒険者には解る情報である為、いつまでも隠し通せるものでは無い。
「そ、そのようですね。それでは従魔の輪を持ってきますので少々お待ちください」
受付嬢はソウスケの従魔が本当にオーガなのだと確認し終えるとギルドの奥へと走っていた。
後ろで地面に何かがぶつかる音と小さな悲鳴が聞こえたがソウスケは無視する。
「ねぇねぇお兄ちゃん! このオーガの・・・・・・ザハーク? ともうちょっと遊んで良い?」
「俺もこいつともっと遊びたい!!」
「私も!!」
ソウスケ達の会話が終わったタイミングで子供達はザハークともっと遊びたいと願い出て来た。
(別に今日何か用事がある訳じゃないから構わないっちゃ構わないんだよ。でも遊んでる時に子供に怪我でもされたら面倒なんだよな)
たたでさえ面倒事は御免なソウスケにとって、悪い噂が流れるのは勘弁して欲しい状況。
「・・・・・・俺達も俺達で用事があるからな。とりあえず受付嬢の人が帰ってくるまでは遊んでいて良いぞ」
「「「わーーーい!!!」」」
ソウスケからザハークと遊ぶ許可を貰った子供たちは嬉しそうに笑い、ザハークの周りを駆け、体によじ登ろうとしていた。
「・・・・・・あれだな。子供って結構怖いもの知らずなんだな」
「ソウスケさんにもそういった経験は無いのですか?」
「俺は・・・・・・まぁ、確かに子供の頃は色々な物に興味は持っていたか。でも本当に目の前の子供ぐらいの歳の時は結構ビビりだった記憶がある」
(特撮物を見てる時だって怖いシーンになったら部屋から出てドアの隙間からこっそり見てたからな。今思えばそんな事しても何も変わらない気がするが・・・・・・うん、やっぱり良く解らん)
十年ほど前の事など、ほとんど記憶になかったソウスケはその時に心境を思い出す事を諦めた。
「ソウスケさんにもそんな時代があったんですね」
「俺だって子供時代は・・・・・・って今も半分ガキだけど、怖い物は怖いって思う時期があったんだよ」
「でも、今はその怖いを楽しんでいたりしませんか?」
ミレアナからの問いにソウスケは頭を悩ませる。
(怖いが楽しいねぇ・・・・・・正直ワイバーン戦は余裕が無かった。コボルトキングは自分の思い通り事が運んだ時は確かに楽しんでいたかもしれないな。間違いなく口角は上がっていた筈だ)
それでも自身と同じ、もしくは自分以上の実力者と対峙した時、その状況を楽しめるかといえばそうでは無いなと率直に思った。
「摸擬戦とかならば自分の力を試せるって感じでそう思わなくもないかもしれないけど、命がけの戦いでは楽しんでいる余裕なんてないよ」
「そうでしたか。ただ、いずれはそう思う様になるかもしれませんよ」
「・・・・・・バトルジャンキーにはならないと思うんだがな」
その後受付嬢から従魔の証である輪を受け取り、子供達と別れたソウスケ達は腹を満たす為に美味い飯を探し始めた。
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