転移したらダンジョンの下層だった

Gai

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二百五十六話他と同じと考えてはいけない

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初日からソウスケはフォルスと軽い摸擬戦を行っていた。
といってもまず風の魔力は使わず、蹴り技メインでの摸擬戦。

内容はまずソウスケはフォルスの技を躱さずに全て防御する。
レベル差もあってソウスケにそこまでのダメージは無いが、痛い事に変わりはないので硬化のスキルを使って少しだけ体の硬度を上げる。

摸擬戦を始めてから三時間、休憩を挟みながら延々と摸擬戦を繰り返していた。
勿論ソウスケも場面場面でアドバイスをし、フォルスは技の修正を行う。

「中々様になったんじゃないか? パンチの方も結構いい感じに放つし」

蹴り技だけでは体術として不十分だと思ったソウスケは軽いパンチの種類を教えていたが、それすらもフォルスは戦いの中でまだ拙いとはいえ自分の物にし始めていた。

(・・・・・・裏拳とか肘とかを教えたら面白うそうだな)

ソウスケはフォルスの呑み込みの速さからどれだけ自分が教えた事を扱えるようになるのかとワクワクしていた。
だが、他の子供達がフォルスの様に自分が教えた事をスポンジの様に吸収出来るとは思っていない。

「いや、そんな事無いですよ。まだ始めたばかりですし」

「始めたばかりでそれだから凄いんだよ」

この世界はレベルという概念により、身体能力を向上する事が容易に出来る。

(レベル、スキルが有るから自身の力や速さを向上させる事は出来る本人の才能やセンスは別だ。フォルスは間違いなく体術の才能が有る。まっ、俺が呑み込みの速さと勘違いしてるだけかもしれないけど)

しかしそれはそれで確かな武器なのでソウスケは全く文句が無い。

「ソウスケさんはレベル差があるとはいえ、自分の攻撃を全てガードしていて少し痛みは感じないのですか?」

「いや、そんな事は無いぞ。ただ硬化のスキルを使ってるからそこまで痛くは無いんだよ」

「そうなんですか。・・・・・・あの、ソウスケさんはどれ程スキルを持っているんですか?」

自分がどれだけのス数のスキルを持っているのか。それはソウスケが簡単に言う事が出来ない秘密の一つだった。

「それは内緒だ。まぁ・・・・・・俺と同ランクの奴よりは持っているのは確かだろうな」

「自分より冒険者ランクは下なのにあそこまで強いんですからそれはそうでしょうね。何かスキルを覚えるコツでもあるんですか?」

「スキルを覚えるコツかぁ・・・・・・・・・・・・覚えたいスキルの理をしっかりと捉える事が重要なんじゃないか?」

明確な事は解らない。そもそも自身も剣や蛇腹剣に体術の理を理解しているとソウスケは思っていない。
しかしそれがどの様な武器でどのような場面で使い、それを扱う為にどのような基礎が出来なければいけないのか等は考えている。

「スキルの理、ですか」

「いや、理ってのは少しかっこつけ過ぎたな。なんて言ったらいいのか難しいな・・・・・・そのスキルを習得するのにそのスキルの事をしっかりと理解し、それを実行する事が大事、な筈だ。悪いが俺もしっかりとした確証は無いんでな」

蛇腹剣がモンスターを喰らって得たスキルを含めれば、ソウスケの所有スキル数は常人のそれを遥かに超える。
だが、ソウスケ自身がこの世界に来てから習得したスキルは少ない。
神が最初から習得済みにしてくれたスキルが殆どだった。しかもレベルは全て五。

「む、難しいですがソウスケさんが言いたい事は何となくですが解りました」

「それは有難い。教えている身としては安心出来る言葉だ。・・・・・・そういえば、フォルスは短剣を扱えるのか?」

「短剣ですか? いえ、扱った事は無いですが短剣も扱えるようになった方が良いのですか?」

「別に強制する訳じゃない。それに短剣の方は完全にサブとして考えている。大きくないから場所を取らなく邪魔にならない。もし剣が手元から離れてしまった場合、あった方が少しは良いんじゃないかと思ってな」

鍛冶師に投擲用とはいえ、折角コボルトの上位種の牙や爪などを材料にした短剣が有るので、ソウスケは空いてる時間に短剣の訓練をしている事もある。

「とりあえず今はいいや。頭の片隅にでも置いといて体術の事を考えていよう。明日はダンジョンに潜って実戦だ」

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