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三百六十七話 本能が囁く
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冒険者のギルドカードと遺品を届けたソウスケはギルド職員に感謝されたあと、特に何もする事無くギルドを出た。
「ある意味運が良かったですね」
「そうだな。本当にある意味だ。募っていたイライラが吹き飛んだ」
ブリザードリザードの素材の殆どが武器や防具の、錬金術の素材として使用出来る。
「ここ数日は不機嫌だったからな。それで、明日からは採掘に戻るのか?」
「そうだな。適当に依頼を受けながら鉱石を集めるつもりだ」
ようやく本来の目的の半分を再開出来る。
チェスのオリジナルイメージ象に関しては何となく仕上がっている。
(チェスはキング、クイーン、ビジョップ、ルーク、ナイト、ポーンの六種類。ならそれをしっかり表せば良いだけだ)
何も難しくは無い注文だった。
後はそこそこの鉱石を使って作ればトーラスから依頼は終わる。
「ソウスケさん、また新しい武器は作らないのか?」
「またって、スパイロードは武器じゃないからな」
「そんな事は無いと思うがな。それで、こんな武器を造ってみたいというイメージはあるのか?」
「・・・・・・あるっちゃ、あるな。でも普通に存在する武器だと思うぞ」
この世界に存在する全ての武器を知っている訳では無い。
しかしソウスケは自分が考える武器・・・・・・もしくは魔道具は既に存在すると考えていた。
(針みたいな細剣の方がよっぽど珍しい武器だろ。あれは別に作るのはそんなに難しくない気がするけど、やっぱり頑丈な糸が欲しいんだよな。あのダンジョン探索で蜘蛛系のモンスターもそこそこ倒したし、試作品として作ってみるのもありか)
元々作ろうと思っていた武器のイメージが何故か今固まってきてしまった。
「何か良い案でも思い付いたのか?」
「いや、元々作ろうと思っていた武器の案が固まっただけ」
「元々・・・・・・針の様な剣の事か?」
「それそれ」
ザハークはソウスケが作ろうと考えている武器のイメージを頭の中で浮かべる。
(針の様な剣・・・・・・絶対に自分には扱えないような繊細な武器なのだろう。ソウスケはもっとこう、デカい武器を造らないのか?)
ソウスケが造ろうとする物はザハークにとってとても興味深い。
しかし扱うのに技術が必要なのではと思う物が多い気がする。
(スパイロードは何とか扱えるようになったが、そこそこ苦労したからな)
才能あふれるザハークであっても即座に使いこなせるようになった訳では無い。
そこでザハークは気が付いた。ならば俺が扱えるような武器を考え、ソウスケに造れるかどうかを聞けば良い話だと。
(人に任せてばかりでは意味が無い。俺も少しは自分で考えないとな)
ソウスケばかりに、リーダーばかりに頼るのは止めようとザハークは決めた。
「ソウスケさん、採掘をしたり新しい武器を考えるのも良いですが、一度休息をとってはどうですか?」
「そういえばこっちに来てから連日で採掘したりアイスリザードを探していたな。よし、とりあえず明日は休もう」
ソウスケの気分は 朝と比べて格段に良くなっていた。
気分が良いソウスケは初日と同等レベルの料理店に入り、贅沢に料理を食った。
「うむ、上手いな。あのままソウスケさんと出会わずダンジョンの中で生きていたらこのような料理を食べることは叶わなかった。そこも感謝すべきところだな」
流石に鬼人に近い容姿を持つとはいえ、種族的にはオーガのザハークは店の中に入る事が出来ないのでいつも通り従魔用の小屋で料理を食べていた。
「いつか・・・・・・いつか、自分の力だけで倒し、喰らってみたいものだ」
ブリザードリザードと対面した時の感覚を思い出し、思わず涎を垂らしてしまう。
ブリザードリザードの肉は竜種の肉なだけあって美味いが、それが理由では無い。
己の力で上等な竜種を倒し、その血肉を喰らえば何かが変わる。
本能的にそう思えた。
「無理かもしれないが、相談してみない事には分からないか」
ソウスケは自身の趣味の為にモンスターの素材や魔石は出来るだけ無傷で残しておきたいと考えている。
だが、ザハークの本能を倒したモンスターは全て喰うんだと囁いて来る。
「ある意味運が良かったですね」
「そうだな。本当にある意味だ。募っていたイライラが吹き飛んだ」
ブリザードリザードの素材の殆どが武器や防具の、錬金術の素材として使用出来る。
「ここ数日は不機嫌だったからな。それで、明日からは採掘に戻るのか?」
「そうだな。適当に依頼を受けながら鉱石を集めるつもりだ」
ようやく本来の目的の半分を再開出来る。
チェスのオリジナルイメージ象に関しては何となく仕上がっている。
(チェスはキング、クイーン、ビジョップ、ルーク、ナイト、ポーンの六種類。ならそれをしっかり表せば良いだけだ)
何も難しくは無い注文だった。
後はそこそこの鉱石を使って作ればトーラスから依頼は終わる。
「ソウスケさん、また新しい武器は作らないのか?」
「またって、スパイロードは武器じゃないからな」
「そんな事は無いと思うがな。それで、こんな武器を造ってみたいというイメージはあるのか?」
「・・・・・・あるっちゃ、あるな。でも普通に存在する武器だと思うぞ」
この世界に存在する全ての武器を知っている訳では無い。
しかしソウスケは自分が考える武器・・・・・・もしくは魔道具は既に存在すると考えていた。
(針みたいな細剣の方がよっぽど珍しい武器だろ。あれは別に作るのはそんなに難しくない気がするけど、やっぱり頑丈な糸が欲しいんだよな。あのダンジョン探索で蜘蛛系のモンスターもそこそこ倒したし、試作品として作ってみるのもありか)
元々作ろうと思っていた武器のイメージが何故か今固まってきてしまった。
「何か良い案でも思い付いたのか?」
「いや、元々作ろうと思っていた武器の案が固まっただけ」
「元々・・・・・・針の様な剣の事か?」
「それそれ」
ザハークはソウスケが作ろうと考えている武器のイメージを頭の中で浮かべる。
(針の様な剣・・・・・・絶対に自分には扱えないような繊細な武器なのだろう。ソウスケはもっとこう、デカい武器を造らないのか?)
ソウスケが造ろうとする物はザハークにとってとても興味深い。
しかし扱うのに技術が必要なのではと思う物が多い気がする。
(スパイロードは何とか扱えるようになったが、そこそこ苦労したからな)
才能あふれるザハークであっても即座に使いこなせるようになった訳では無い。
そこでザハークは気が付いた。ならば俺が扱えるような武器を考え、ソウスケに造れるかどうかを聞けば良い話だと。
(人に任せてばかりでは意味が無い。俺も少しは自分で考えないとな)
ソウスケばかりに、リーダーばかりに頼るのは止めようとザハークは決めた。
「ソウスケさん、採掘をしたり新しい武器を考えるのも良いですが、一度休息をとってはどうですか?」
「そういえばこっちに来てから連日で採掘したりアイスリザードを探していたな。よし、とりあえず明日は休もう」
ソウスケの気分は 朝と比べて格段に良くなっていた。
気分が良いソウスケは初日と同等レベルの料理店に入り、贅沢に料理を食った。
「うむ、上手いな。あのままソウスケさんと出会わずダンジョンの中で生きていたらこのような料理を食べることは叶わなかった。そこも感謝すべきところだな」
流石に鬼人に近い容姿を持つとはいえ、種族的にはオーガのザハークは店の中に入る事が出来ないのでいつも通り従魔用の小屋で料理を食べていた。
「いつか・・・・・・いつか、自分の力だけで倒し、喰らってみたいものだ」
ブリザードリザードと対面した時の感覚を思い出し、思わず涎を垂らしてしまう。
ブリザードリザードの肉は竜種の肉なだけあって美味いが、それが理由では無い。
己の力で上等な竜種を倒し、その血肉を喰らえば何かが変わる。
本能的にそう思えた。
「無理かもしれないが、相談してみない事には分からないか」
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だが、ザハークの本能を倒したモンスターは全て喰うんだと囁いて来る。
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