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四百十話 詫びの品
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ゴブリンジェネラル率いる、ゴブリンの集団を潰した後は特に襲撃される事無くソウスケ達はモバールへと到着。
そして一日だけ完全休暇を取ると、ソウスケはトーラスの元へと向かう。
もう顔パスのような存在となったソウスケは何事も起こらず、すんなりと中へ入ってトーラスと面会する。
「少しぶりだね。まぁ、座ってくれ」
「はい、失礼します」
ソウスケがやって来たという事でトーラスは一旦仕事の手を止め、そこそこ値段の張るソファーに腰を下ろす。
「依頼の品を輸送という形で渡すことになってすみません」
「いやいや、こちらとしてはソウスケ君がきっちりと依頼の品を作って貰えれば大丈夫だからね」
「そうかもしれないですけど、でも自分達で運んだ方が何事も無く品を運べるので」
商人の護衛をする冒険者達が弱いとは思わないが、それでも実力はマチマチになる。
一定以上のレベルである冒険者が揃っていない場合、先日遭遇した盗賊団のレベルだと少し厳しいだろうとソウスケは感じだ。
(護衛依頼って一つのパーティーだけが受ける依頼じゃ無いからな。それこそ魔物の討伐も対人戦も慣れたパーティーが受ける事もあるだろうし、魔物の討伐に特化したパーティーが受ける可能性もある)
ソウスケがトーラスに渡す品の価値的に下手な冒険者は受けられないランクで依頼書が出されており、ほぼほぼ問題は無い。
しかしそれでもソウスケは自分達が運んだ方が確実に無傷で品をトーラスに送ることが出来ると思っている。
「はっはっは、流石自信たっぷりだね」
「一緒に行動する仲間たちが優秀なんで」
既にトーラスには自身もある程度戦えるという事はバレているかもしれないが、あくまでミレアナとザハークが強いからというスタンスを崩さない。
それに対してトーラスも突っ込まずに話を続けた。
「あと、これは今回の詫びの品です」
「別に大した事では無いから詫びなんていいのに」
そう言いながらもトーラスはソウスケから渡された箱を受け取り、二を開けて中身を確認する。
箱の中にはシンプルな銀のブレスレットが入っていた。
「これは……耐性系の効果が付与されている腕輪かな?」
「いえ、それはトーラスさんを攻撃から守る腕輪です。敵意を持つ攻撃に反応するんですけど……そうですねぇ、腕輪がばらける形をイメージして貰ってもいいですか」
「腕輪がばらける……分かったよ。こんな感じかな? ……これは、凄いね」
トーラスが腕輪にばらける様に念じると、腕輪は二十の刃に別れた。
「名前はそのままなんですけど、連刃です。そんな感じで基本的には二十まで刃が別れるんですけど、場合によっては形が変形して数が減ったりします」
「いやはや、十分に凄いよ。流石に詫びとはいえこれをタダで貰うのは……」
「いやいや、今回は本当に自分の我儘で輸送という形で送らせて貰ったんで。特に料金を貰おうとは思ってません」
ソウスケとしては自分がこういう魔道具も造れるのだと知れたいい機会でもあった。
それに素材は全て自力で捕ることが出来るので、製作費やらなんやらを気にする必要は一切無い。
「説明を追加させてもらうと、その刃は攻撃にも使えます。ただ、基本的にはトーラスさんの身を守るための盾です。だから相手を攻撃するように念じなければ刃は動きません」
「なるほど。それはとても便利な能力だ」
「でも、一つ注意してもらいたい事があります」
所持者の身を守る事に対して高性能に思える連刃だが、欠点が無い訳ではなかった。
「身を守っている最中の連刃に攻撃するように念じると一斉に刃が敵に向かってしまいます。なので基本数である二十のうちから何刃を攻撃に向かわせるのか正確に念じてください」
「なるほどなるほど、解った。しっかりと覚えておこう」
「あと、刃が傷ついても魔力を流してもらえば問題無く回復するんで」
連刃について完全に説明を終えたソウスケは数十分ほどトーラスと世間話を続けた。
そして一日だけ完全休暇を取ると、ソウスケはトーラスの元へと向かう。
もう顔パスのような存在となったソウスケは何事も起こらず、すんなりと中へ入ってトーラスと面会する。
「少しぶりだね。まぁ、座ってくれ」
「はい、失礼します」
ソウスケがやって来たという事でトーラスは一旦仕事の手を止め、そこそこ値段の張るソファーに腰を下ろす。
「依頼の品を輸送という形で渡すことになってすみません」
「いやいや、こちらとしてはソウスケ君がきっちりと依頼の品を作って貰えれば大丈夫だからね」
「そうかもしれないですけど、でも自分達で運んだ方が何事も無く品を運べるので」
商人の護衛をする冒険者達が弱いとは思わないが、それでも実力はマチマチになる。
一定以上のレベルである冒険者が揃っていない場合、先日遭遇した盗賊団のレベルだと少し厳しいだろうとソウスケは感じだ。
(護衛依頼って一つのパーティーだけが受ける依頼じゃ無いからな。それこそ魔物の討伐も対人戦も慣れたパーティーが受ける事もあるだろうし、魔物の討伐に特化したパーティーが受ける可能性もある)
ソウスケがトーラスに渡す品の価値的に下手な冒険者は受けられないランクで依頼書が出されており、ほぼほぼ問題は無い。
しかしそれでもソウスケは自分達が運んだ方が確実に無傷で品をトーラスに送ることが出来ると思っている。
「はっはっは、流石自信たっぷりだね」
「一緒に行動する仲間たちが優秀なんで」
既にトーラスには自身もある程度戦えるという事はバレているかもしれないが、あくまでミレアナとザハークが強いからというスタンスを崩さない。
それに対してトーラスも突っ込まずに話を続けた。
「あと、これは今回の詫びの品です」
「別に大した事では無いから詫びなんていいのに」
そう言いながらもトーラスはソウスケから渡された箱を受け取り、二を開けて中身を確認する。
箱の中にはシンプルな銀のブレスレットが入っていた。
「これは……耐性系の効果が付与されている腕輪かな?」
「いえ、それはトーラスさんを攻撃から守る腕輪です。敵意を持つ攻撃に反応するんですけど……そうですねぇ、腕輪がばらける形をイメージして貰ってもいいですか」
「腕輪がばらける……分かったよ。こんな感じかな? ……これは、凄いね」
トーラスが腕輪にばらける様に念じると、腕輪は二十の刃に別れた。
「名前はそのままなんですけど、連刃です。そんな感じで基本的には二十まで刃が別れるんですけど、場合によっては形が変形して数が減ったりします」
「いやはや、十分に凄いよ。流石に詫びとはいえこれをタダで貰うのは……」
「いやいや、今回は本当に自分の我儘で輸送という形で送らせて貰ったんで。特に料金を貰おうとは思ってません」
ソウスケとしては自分がこういう魔道具も造れるのだと知れたいい機会でもあった。
それに素材は全て自力で捕ることが出来るので、製作費やらなんやらを気にする必要は一切無い。
「説明を追加させてもらうと、その刃は攻撃にも使えます。ただ、基本的にはトーラスさんの身を守るための盾です。だから相手を攻撃するように念じなければ刃は動きません」
「なるほど。それはとても便利な能力だ」
「でも、一つ注意してもらいたい事があります」
所持者の身を守る事に対して高性能に思える連刃だが、欠点が無い訳ではなかった。
「身を守っている最中の連刃に攻撃するように念じると一斉に刃が敵に向かってしまいます。なので基本数である二十のうちから何刃を攻撃に向かわせるのか正確に念じてください」
「なるほどなるほど、解った。しっかりと覚えておこう」
「あと、刃が傷ついても魔力を流してもらえば問題無く回復するんで」
連刃について完全に説明を終えたソウスケは数十分ほどトーラスと世間話を続けた。
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