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四百十八話 性格や向上心等は関係無く
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「俺は今の生活に十分満足している。これ以上望む物は無いのになんで昇格する必要があるんだよ」
「冒険者にとって、昇格を蹴るとか……普通はあり得ねぇーーーだろッ!!! 何考えてんだよお前はッ!!!!」
「だから何度も言ってるだろ面倒だなぁ……俺は別に上を目指すつもりは無いんだよ」
実力、装備、仲間、金。冒険者として活動するに必要な物が揃っているソウスケとしてはこの先ランクアップすることがあっても、それは今では無い。
「それに対してミレアナもザハークも反対していない。だから俺達は今回の件をギルドには報告しようとは思わない。昇格試験無しにランクアップとかも望まない」
「なんで……なんでそんなどうでも良さそうな表情で蹴れるんだよ!!! お前は、なんで冒険者になったんだよ」
昇格すれば受けられる依頼が増え、報酬額が高い依頼を受けられるようになる。
そうなれば今よりも良い生活が出来るようになる。
全員理由は何であれ、アーガスは冒険者の中に上を目指さない者はいないと思っていた。
確かに年をとればその気力が無くなるかもしれない。
だが、それでも自分達の様な歳の冒険者がランクアップのチャンスを蹴るなんて愚行は考えられなかった。
「なんでって言われてもなぁ……なんとなくそれが合ってると思ったからだ。兵士や騎士なんてガラじゃないからな。傭兵もなんか違うし。それなら冒険者が一番合ってると思ったんだよ。冒険者じゃ無かったら関わらなかった人も多くいたしな」
冒険者という道を選んだからこそ関わった人達。
良し悪しは置いておき、多くの人とソウスケは関わって来た。
そんな道をソウスケは失敗したと思っておらず、寧ろ退屈しない日々を送れて満足している。
こうしてアーガスと口論するような無駄に思えるかもしれない時間も、ソウスケとしては退屈しない時間に入る。
「別に、俺にとって冒険者は成り上がるために職業じゃない。だから昇格のチャンスとかは正直どうでも良いんだよ。それで……これ以上俺の考えが気に入らないならどうする? 納得しろとは言って無い。ただ、俺には明確にその気持ちが無いと伝えた。それでも気に入らないなら……もう一度俺と勝負でもするか?」
「ッ!!!!! どこまでも、見下しやがって」
ソウスケとしてはゴブリンパラディンとの一戦を終えた後だが、アーガスと模擬戦をすることに特に抵抗は無い。
だが、前回の模擬戦とは違ってのんびりせず一瞬で終わらせるつもりだ。
そしてアーガスの脳裏にも少し間の一戦がよぎる。
一切表情が変わる事がなく余裕が消えない。
(クソ、クソ、クソッ! クソったれッ!!!!! なんで、なんでこんな奴があそこまでの強さを持ってるんだよ!!!!!)
自分達が望みに望んでいる昇格のチャンスを簡単に蹴るような奴。
そんな冒険者が何故自分達より圧倒的に強いのか?
もちろんソウスケに戦闘のセンスや才能があるかは別として最初から得ていたスキルがあった。
それらを駆使し、ダンジョンの下層という死地から更に下ってダンジョンのボスを倒して地上へと戻った。
だが、そもそもな話……戦闘に関してのセンスや才能に個人の性格や向上心はそこまで影響しない。
どんなに怠慢な人でも、屑の様な性格をした人間であっても強い奴は強い。
そして目の前に冒険者としてのランクアップに対し、特に興味を持っていないのにも関わらずBランクのモンスターを相手にタイマンで倒してしまう男がいる。
「……ッ、クソが!!! 勝手にしやがれ」
「おう、勝手にさせてもらうよ」
今の自分ではどう足掻いても勝てないという現実を受け入れたアーガスは、無謀にもソウスケに挑むことは無く……その矛を収めた。
そして二人の口論が終わったレアレス達はまだ夜が明けていない事もあり、ソウスケ達にしっかりと休むように伝える。
「冒険者にとって、昇格を蹴るとか……普通はあり得ねぇーーーだろッ!!! 何考えてんだよお前はッ!!!!」
「だから何度も言ってるだろ面倒だなぁ……俺は別に上を目指すつもりは無いんだよ」
実力、装備、仲間、金。冒険者として活動するに必要な物が揃っているソウスケとしてはこの先ランクアップすることがあっても、それは今では無い。
「それに対してミレアナもザハークも反対していない。だから俺達は今回の件をギルドには報告しようとは思わない。昇格試験無しにランクアップとかも望まない」
「なんで……なんでそんなどうでも良さそうな表情で蹴れるんだよ!!! お前は、なんで冒険者になったんだよ」
昇格すれば受けられる依頼が増え、報酬額が高い依頼を受けられるようになる。
そうなれば今よりも良い生活が出来るようになる。
全員理由は何であれ、アーガスは冒険者の中に上を目指さない者はいないと思っていた。
確かに年をとればその気力が無くなるかもしれない。
だが、それでも自分達の様な歳の冒険者がランクアップのチャンスを蹴るなんて愚行は考えられなかった。
「なんでって言われてもなぁ……なんとなくそれが合ってると思ったからだ。兵士や騎士なんてガラじゃないからな。傭兵もなんか違うし。それなら冒険者が一番合ってると思ったんだよ。冒険者じゃ無かったら関わらなかった人も多くいたしな」
冒険者という道を選んだからこそ関わった人達。
良し悪しは置いておき、多くの人とソウスケは関わって来た。
そんな道をソウスケは失敗したと思っておらず、寧ろ退屈しない日々を送れて満足している。
こうしてアーガスと口論するような無駄に思えるかもしれない時間も、ソウスケとしては退屈しない時間に入る。
「別に、俺にとって冒険者は成り上がるために職業じゃない。だから昇格のチャンスとかは正直どうでも良いんだよ。それで……これ以上俺の考えが気に入らないならどうする? 納得しろとは言って無い。ただ、俺には明確にその気持ちが無いと伝えた。それでも気に入らないなら……もう一度俺と勝負でもするか?」
「ッ!!!!! どこまでも、見下しやがって」
ソウスケとしてはゴブリンパラディンとの一戦を終えた後だが、アーガスと模擬戦をすることに特に抵抗は無い。
だが、前回の模擬戦とは違ってのんびりせず一瞬で終わらせるつもりだ。
そしてアーガスの脳裏にも少し間の一戦がよぎる。
一切表情が変わる事がなく余裕が消えない。
(クソ、クソ、クソッ! クソったれッ!!!!! なんで、なんでこんな奴があそこまでの強さを持ってるんだよ!!!!!)
自分達が望みに望んでいる昇格のチャンスを簡単に蹴るような奴。
そんな冒険者が何故自分達より圧倒的に強いのか?
もちろんソウスケに戦闘のセンスや才能があるかは別として最初から得ていたスキルがあった。
それらを駆使し、ダンジョンの下層という死地から更に下ってダンジョンのボスを倒して地上へと戻った。
だが、そもそもな話……戦闘に関してのセンスや才能に個人の性格や向上心はそこまで影響しない。
どんなに怠慢な人でも、屑の様な性格をした人間であっても強い奴は強い。
そして目の前に冒険者としてのランクアップに対し、特に興味を持っていないのにも関わらずBランクのモンスターを相手にタイマンで倒してしまう男がいる。
「……ッ、クソが!!! 勝手にしやがれ」
「おう、勝手にさせてもらうよ」
今の自分ではどう足掻いても勝てないという現実を受け入れたアーガスは、無謀にもソウスケに挑むことは無く……その矛を収めた。
そして二人の口論が終わったレアレス達はまだ夜が明けていない事もあり、ソウスケ達にしっかりと休むように伝える。
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