481 / 1,259
四百六十話 探索開始
しおりを挟む
「ふぅーーー……にしても、学生だけでこんな危ないところに来るか?」
火山付近に生息するモンスターはルーキーが相手に出来るような強さでは無い。
三人の実力を考えればルーキーに劣るとは思っていない。
ただ、三人にDランクやCランクのモンスターと戦えるだけの実戦経験があるのかどうか。
そこがソウスケとしては心配な点だった。
「まぁ、俺達がいるからそこまで心配する必要は無いか」
通常のモンスターならば三人でも戦うことが出来る。
そして三人が探すモンスターと遭遇することが出来れば戦いはソウスケ達が行い、リアス達にはそのモンスターと特徴等を纏めるのに専念してもらう。
(三人とも貴族なんだし、装備には余裕があるからランクの低いモンスターの討伐は任せても問題無いだろう)
今日は三人共武器を携帯していなかったが、身に着けていたマジックアイテムは上等な物。
それだけで彼女達がどれだけ戦力になるのか、だいたい把握することが出来た。
「……明日のことを今どれだけ考えても仕方ない、直ぐに寝よう」
宿に戻ったソウスケは寝間着に着替えると直ぐにベッドに入った。
アルコールが入っていたこともあり、いつもよりも短時間で深い眠りにつくことが出来た。
そして翌日、朝食を食べ終えたソウスケ達は早速ギルドへと向かう。
お互いに時間前に着こうという意識が強かったのか、十分前には集合した。
「えっと……そちらの方が、ザハーク、さん……ですか?」
「そうだ。こいつが希少種のオーガ、ザハークだ」
ザハークは軽く三人に頭を下げる。
それに釣られて三人も慌てて頭を下げた。
「その、想像していたよりも……あれですね」
「からだが小さい、だろ」
「は、はい。それは希少種だからでしょうか?」
「どうだろうな? 俺はザハーク以外のオーガの希少種に出会ったことが無いからな」
「俺もいまいち解らん。そこら辺は個体によって変わってくるだろう」
ザハークが口を開いて人の言葉を喋ったのに三人は驚く。
事前に聞いていた情報だったが、それでも目の前でモンスターが喋る様子を見て驚くなというのは無理な話だった。
「……ソウスケさん、三人共口をパクパクとさせているが大丈夫か?」
「あ、あぁ。戦闘に関しては問題無いと思うぞ。単にザハークが人の言葉を喋っているのを生で見て驚いてるんだろう」
「そうか。普通のモンスターは人の言葉を喋らないから、驚くのは当然か」
「そういう事だ。今から一緒に火山付近に移動する訳だけど、そこで俺達もモンスターと戦うからその目で実力を確認してくれ」
「わ、分かりました」
三人は既に火山付近で活動する準備が出来ているので、準備に時間が掛かることなく出発。
ソウスケ達だけで火山付近に向かうのであれば大した時間は掛からない。
しかし今回はリアス達、貴族の令嬢三人を連れての行動。
スタミナが自分達より劣るという事は解かりきっているので、歩いて目的の場所に進んで行く。
当然、道中ではソウスケ達を襲おうとするモンスターに遭遇する。
「「ブモォォオオオァァ……」」
二体のオークと遭遇した瞬間、リアス達とミレアナの表情が歪む。
(……うん、オークやゴブリンを見つけた瞬間、女性達が不快な表情になるのは共通しているんだろうな。というか、俺もゴブリンやオークのメスに貞操を狙われたら絶対に背筋が凍ると思う)
ゴブリンやオークにも稀ではあるが、雌が存在する。
殆ど雄しかいないゴブリンやオークの中に存在する雌は特殊な個体であり、下手をすればキングよりも統率力がある可能性がある。
「一体は俺が相手をしよう」
「そんじゃ、もう一体は俺が相手するよ」
二体のオークはミレアナ達四人を完全にロックオンしており、ソウスケとザハークはお邪魔虫でしかなかった。
そんな存在が四人の前に立ったことで、オーク達は苛立ち始める。
「さて、ササっと終わらせようか」
「了解した。ササっと終わらせる」
その言葉通り二人と二体の戦いはササっと終わってしまった。
戦いが始まった瞬間、ソウスケは魔力の斬撃を飛ばし、ザハークはその場で拳を全力で突き出して拳圧を放つ。
その二つの攻撃によって一体の首が刎ねられ、もう一体の心臓が潰されて戦いは終わる。
圧倒的な速さで終了した戦いにミレアナを除く三人は目が点になってしまう。
「肉ゲット~」
「通常種はやはり呆気無いな」
火山付近に生息するモンスターはルーキーが相手に出来るような強さでは無い。
三人の実力を考えればルーキーに劣るとは思っていない。
ただ、三人にDランクやCランクのモンスターと戦えるだけの実戦経験があるのかどうか。
そこがソウスケとしては心配な点だった。
「まぁ、俺達がいるからそこまで心配する必要は無いか」
通常のモンスターならば三人でも戦うことが出来る。
そして三人が探すモンスターと遭遇することが出来れば戦いはソウスケ達が行い、リアス達にはそのモンスターと特徴等を纏めるのに専念してもらう。
(三人とも貴族なんだし、装備には余裕があるからランクの低いモンスターの討伐は任せても問題無いだろう)
今日は三人共武器を携帯していなかったが、身に着けていたマジックアイテムは上等な物。
それだけで彼女達がどれだけ戦力になるのか、だいたい把握することが出来た。
「……明日のことを今どれだけ考えても仕方ない、直ぐに寝よう」
宿に戻ったソウスケは寝間着に着替えると直ぐにベッドに入った。
アルコールが入っていたこともあり、いつもよりも短時間で深い眠りにつくことが出来た。
そして翌日、朝食を食べ終えたソウスケ達は早速ギルドへと向かう。
お互いに時間前に着こうという意識が強かったのか、十分前には集合した。
「えっと……そちらの方が、ザハーク、さん……ですか?」
「そうだ。こいつが希少種のオーガ、ザハークだ」
ザハークは軽く三人に頭を下げる。
それに釣られて三人も慌てて頭を下げた。
「その、想像していたよりも……あれですね」
「からだが小さい、だろ」
「は、はい。それは希少種だからでしょうか?」
「どうだろうな? 俺はザハーク以外のオーガの希少種に出会ったことが無いからな」
「俺もいまいち解らん。そこら辺は個体によって変わってくるだろう」
ザハークが口を開いて人の言葉を喋ったのに三人は驚く。
事前に聞いていた情報だったが、それでも目の前でモンスターが喋る様子を見て驚くなというのは無理な話だった。
「……ソウスケさん、三人共口をパクパクとさせているが大丈夫か?」
「あ、あぁ。戦闘に関しては問題無いと思うぞ。単にザハークが人の言葉を喋っているのを生で見て驚いてるんだろう」
「そうか。普通のモンスターは人の言葉を喋らないから、驚くのは当然か」
「そういう事だ。今から一緒に火山付近に移動する訳だけど、そこで俺達もモンスターと戦うからその目で実力を確認してくれ」
「わ、分かりました」
三人は既に火山付近で活動する準備が出来ているので、準備に時間が掛かることなく出発。
ソウスケ達だけで火山付近に向かうのであれば大した時間は掛からない。
しかし今回はリアス達、貴族の令嬢三人を連れての行動。
スタミナが自分達より劣るという事は解かりきっているので、歩いて目的の場所に進んで行く。
当然、道中ではソウスケ達を襲おうとするモンスターに遭遇する。
「「ブモォォオオオァァ……」」
二体のオークと遭遇した瞬間、リアス達とミレアナの表情が歪む。
(……うん、オークやゴブリンを見つけた瞬間、女性達が不快な表情になるのは共通しているんだろうな。というか、俺もゴブリンやオークのメスに貞操を狙われたら絶対に背筋が凍ると思う)
ゴブリンやオークにも稀ではあるが、雌が存在する。
殆ど雄しかいないゴブリンやオークの中に存在する雌は特殊な個体であり、下手をすればキングよりも統率力がある可能性がある。
「一体は俺が相手をしよう」
「そんじゃ、もう一体は俺が相手するよ」
二体のオークはミレアナ達四人を完全にロックオンしており、ソウスケとザハークはお邪魔虫でしかなかった。
そんな存在が四人の前に立ったことで、オーク達は苛立ち始める。
「さて、ササっと終わらせようか」
「了解した。ササっと終わらせる」
その言葉通り二人と二体の戦いはササっと終わってしまった。
戦いが始まった瞬間、ソウスケは魔力の斬撃を飛ばし、ザハークはその場で拳を全力で突き出して拳圧を放つ。
その二つの攻撃によって一体の首が刎ねられ、もう一体の心臓が潰されて戦いは終わる。
圧倒的な速さで終了した戦いにミレアナを除く三人は目が点になってしまう。
「肉ゲット~」
「通常種はやはり呆気無いな」
125
あなたにおすすめの小説
虹色のプレゼントボックス
紀道侑
ファンタジー
安田君26歳が自宅でカップ麺を食ってたら部屋ごと異世界に飛ばされるお話です。
安田君はおかしな思考回路の持ち主でわけのわからないことばっかりやります。
わけのわからない彼は異世界に転移してからわけのわからないチート能力を獲得します。
余計わけのわからない人物に進化します。
作中で起きた事件の真相に迫るのが早いです。
本当に尋常じゃないほど早いです。
残念ながらハーレムは無いです。
全年齢対象で男女問わず気軽に読めるゆるいゆる~いストーリーになっていると思いますので、お気軽にお読みください。
未公開含めて30話分くらいあったのですが、全部行間がおかしくなっていたので、再アップしています。
行間おかしくなっていることに朝の4時に気づいて右往左往して泣く泣く作品を削除しました。
なかなかに最悪な気分になりました。
お気に入りしてくださった方、申し訳ありません。
というかしょっちゅう二行も三行も行間が空いてる小説をよくお気に入りしてくださいましたね。
お気に入りしてくださった方々には幸せになってほしいです。
【完結】すまない民よ。その聖騎士団、実は全員俺なんだ
一終一(にのまえしゅういち)
ファンタジー
俺こと“有塚しろ”が転移した先は巨大モンスターのうろつく異世界だった。それだけならエサになって終わりだったが、なぜか身に付けていた魔法“ワンオペ”によりポンコツ鎧兵を何体も召喚して命からがら生き延びていた。
百体まで増えた鎧兵を使って騎士団を結成し、モンスター狩りが安定してきた頃、大樹の上に人間の住むマルクト王国を発見する。女王に入国を許されたのだが何を血迷ったか“聖騎士団”の称号を与えられて、いきなり国の重職に就くことになってしまった。
平和に暮らしたい俺は騎士団が実は自分一人だということを隠し、国民の信頼を得るため一人百役で鎧兵を演じていく。
そして事あるごとに俺は心の中で呟くんだ。
『すまない民よ。その聖騎士団、実は全員俺なんだ』ってね。
※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しています。
私の薬華異堂薬局は異世界につくるのだ
柚木 潤
ファンタジー
薬剤師の舞は、亡くなった祖父から託された鍵で秘密の扉を開けると、不思議な薬が書いてある古びた書物を見つけた。
そしてその扉の中に届いた異世界からの手紙に導かれその世界に転移すると、そこは人間だけでなく魔人、精霊、翼人などが存在する世界であった。
舞はその世界の魔人の王に見合う女性になる為に、異世界で勉強する事を決断する。
舞は薬師大学校に聴講生として入るのだが、のんびりと学生をしている状況にはならなかった。
以前も現れた黒い影の集合体や、舞を監視する存在が見え隠れし始めたのだ・・・
「薬華異堂薬局のお仕事は異世界にもあったのだ」の続編になります。
主人公「舞」は異世界に拠点を移し、薬師大学校での学生生活が始まります。
前作で起きた話の説明も間に挟みながら書いていく予定なので、前作を読んでいなくてもわかるようにしていこうと思います。
また、意外なその異世界の秘密や、新たな敵というべき存在も現れる予定なので、前作と合わせて読んでいただけると嬉しいです。
以前の登場人物についてもプロローグのに軽く記載しましたので、よかったら参考にしてください。
本の知識で、らくらく異世界生活? 〜チート過ぎて、逆にヤバい……けど、とっても役に立つ!〜
あーもんど
ファンタジー
異世界でも、本を読みたい!
ミレイのそんな願いにより、生まれた“あらゆる文書を閲覧出来るタブレット”
ミレイとしては、『小説や漫画が読めればいい』くらいの感覚だったが、思ったよりチートみたいで?
異世界で知り合った仲間達の窮地を救うキッカケになったり、敵の情報が筒抜けになったりと大変優秀。
チートすぎるがゆえの弊害も多少あるものの、それを鑑みても一家に一台はほしい性能だ。
「────さてと、今日は何を読もうかな」
これはマイペースな主人公ミレイが、タブレット片手に異世界の暮らしを謳歌するお話。
◆小説家になろう様にて、先行公開中◆
◆恋愛要素は、ありません◆
追放されたお荷物記録係、地味スキル《記録》を極めて最強へ――気づけば勇者より強くなってました
KABU.
ファンタジー
「お前の《記録》なんて役に立たない。もうついてくるな」
勇者パーティの“お荷物”扱いに耐えてきたライトは、
ついにダンジョン最深部で置き去りにされる。
追放すらできない規約のせいで、
“事故死”に見せかけて排除しようとしたのだ。
だがその死地で、ライトのスキル《記録》が進化した。
《超記録》――
敵のスキルや魔法、動きまですべてを記録し、即座に使えるようになる最強格の能力。
生き延びたライトはレグナの街で冒険者として再出発。
努力で《成長》スキルを獲得し、
記録したスキルや魔法は使うほど強化されていく。
やがて《超記録》は最終進化《アカシックレコード》へ。
対象を見ただけでステータスや行動パターンが分かり、
記録した力を即座に上位化し、さらに合成して新たな力まで生み出す究極スキル。
一方、勇者パーティはライトを失った途端に依頼成功率が大幅に低下。
さらに魔王軍四天王の暗躍によって状況は悪化し、ついには洗脳されてライトに牙をむく。
街を襲うドラゴン、仲間それぞれの過去、四天王との連戦。
優しく努力家のライトは、出会った仲間と共に確実に強くなっていく。
捨てられた記録係が、世界最強へと進化する。
爽快無双×成長ドラマの大長編ファンタジー開幕。
神樹の里で暮らす創造魔法使い ~幻獣たちとののんびりライフ~
あきさけ
ファンタジー
貧乏な田舎村を追い出された少年〝シント〟は森の中をあてどなくさまよい一本の新木を発見する。
それは本当に小さな新木だったがかすかな光を帯びた不思議な木。
彼が不思議そうに新木を見つめているとそこから『私に魔法をかけてほしい』という声が聞こえた。
シントが唯一使えたのは〝創造魔法〟といういままでまともに使えた試しのないもの。
それでも森の中でこのまま死ぬよりはまだいいだろうと考え魔法をかける。
すると新木は一気に生長し、天をつくほどの巨木にまで変化しそこから新木に宿っていたという聖霊まで姿を現した。
〝この地はあなたが創造した聖地。あなたがこの地を去らない限りこの地を必要とするもの以外は誰も踏み入れませんよ〟
そんな言葉から始まるシントののんびりとした生活。
同じように行き場を失った少女や幻獣や精霊、妖精たちなど様々な面々が集まり織りなすスローライフの幕開けです。
※この小説はカクヨム様でも連載しています。アルファポリス様とカクヨム様以外の場所では公開しておりません。
レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~
喰寝丸太
ファンタジー
異世界に転移した山田(やまだ) 無二(むに)はポーターの仕事をして早6年。
おっさんになってからも、冒険者になれずくすぶっていた。
ある日、モンスター無限増殖装置を誤って作動させたパーティは無二を囮にして逃げ出す。
落とし穴にも落とされ絶体絶命の無二。
機転を利かせ助かるも、そこはダンジョンボスの扉の前。
覚悟を決めてボスに挑む無二。
通販能力でからくも勝利する。
そして、ダンジョンコアの魔力を吸出し大幅レベルアップ。
アンデッドには聖水代わりに殺菌剤、光魔法代わりに紫外線ライト。
霧のモンスターには掃除機が大活躍。
異世界モンスターを現代製品の通販で殴る快進撃が始まった。
カクヨム、小説家になろう、アルファポリスに掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる