転移したらダンジョンの下層だった

Gai

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四百六十三話 寝る前に湯船に浸かってのんびりと

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「そんじゃ、ゆっくりご飯も食べれたし……明日に備えて寝よっか」

「そうですね、睡眠は大事です。それで、見張りの順番はどうなさいますか?」

「見張り……あぁ~~、それはザハークがやってくれるから問題無いよ。ミレアナの結界だってあるし」

基本的にソウスケ達が野営をする場合、長時間活動出来るザハークが襲ってくるモンスターや盗賊を対処している。

「そ、そうなのですか? しかし一人では流石にザハークさんも辛いのでは?」

「俺は全く問題無い。俺はモンスターだから長時間の活動は大した支障にならない」

睡眠欲が無い訳ではないのだが、それでも一般的な冒険者よりも長時間起きることが出来る。

(というか、見張りの時は半分寝ているのだがな)

実際のところ、気配感知のスキルが反応すれば自動的に目が覚める。
なので睡眠はちゃっかり取っているのだ。

「私が風の結界を張っておきましょう」

「それなら俺は雷の地雷でも設置しておくか」

普段通りの動きで二人はモンスターのや盗賊の襲撃を防ぐ設備を設置する。
その慣れた動きに三人は感心じながら、ソウスケが慣れた様子で雷の魔力を使用していることに少々驚く。

「ソウスケさんは雷魔法をお使いできるのですね」

「あぁ、一応な。雷魔法って結構便利なんだよ。攻撃は勿論出来るし、相手の動きを封じるのにも適しているからな」

雷魔法は光魔法や闇魔法と同じぐらい使い手が少ない。
なので三人の周りにも雷魔法の使い手は限られている。

スキル書を使用すれば覚えられるが、適性が無ければ使う時に他の適性属性魔法を使う時と比べ、少々不具合が発生する。

「そんじゃ、明日昼前には起きて出発しような」

「はい、分かりました」

「よし……あっ、ちょっと待った。三人共タオルは持ってる?」

「は、はい。勿論持ってますが」

「そんじゃ、お風呂入ろうぜ」

「「「……え???」」」

ソウスケが何を言っているのか解らない。
そう言いたげな声が三人の口から洩れた。

三人が固まっているのを放っておき、ソウスケはせっせと準備を進めていく。

「……こんなもんかな。ミレアナは三人と一緒に入ってもらって良いか?」

「分かりました。私も慣れてきましたか問題ありません」

ソウスケは三つの風呂を用意し、ミレアナ達が入る風呂は大きく作られており、壁も用意されている。
そしてもう二つ、ソウスケとザハーク様に用意され、湯が入っている。

「あ、暖かい……も、もしかしてソウスケさんは水の魔力と火の魔力を混ぜて使用したのですかっ!!!???」

「お、おぉう。そうだけど……そ、そんなに驚くか?」

普通は三人の様に驚く。
ソウスケがもしかしたら自分達が思っているより規格外な人物なのではと思っていた三人も、これには驚いた。

風と水の魔法スキルを持つ者が氷属性の魔法スキルを覚える適性はあっても、風と水の魔力だけを使用して氷を生み出す事を高レベルなセンスと才が無ければ出来ない。

「ソウスケさんの感覚異常なのですよ。彼女達の反応が普通なのです」

「……みたいだな。とりあえず、ミレアナも同じことが出来るから髪はそっちで洗ってくれ」

そこから分かれて髪を洗い、体を洗う。
ザハークに髪は無いが、体はしっかりと濡らして洗う。

「これは便利だな」

「お湯の塊に穴を幾つか空けて、そこからお湯を出しているだけだ。そんな難しい事じゃ無いけどな」

その塊を二つ生み出して操っている時点で十分に難しい。
ただ、そんな事をお構いなしに二人を自分の体を洗う。

「このボディーシャンプー? というのも売れば、大量に金が入ってくるのではないか?」

「あぁ~~~……そうかもな。でも、無い訳じゃないんだよ。高過ぎて庶民はあんまり使えて無いだろうけど」

蜜や特定の薬草を配合することで、実用的なボディーシャンプーとリンスとシャンプーを造った。

(……どうせなら顔のスキンケア商品でも造ってみるか?)

自身が冒険者なので素材集めに関しては問題無い。
そして特に何かに向かって活動している訳では無いので、じっくりと素材集めと実験に集中出来る。

(錬金術は鍛冶と同じくやってて面白いし……今後の目標に入れておいても有りだな)

髪と体を全て洗い終えたソウスケは湯船に浸かりながら今後の事について、のんびり考えた。
考えたが……星空が綺麗な空間で湯船に浸かっていたこともあり、碌に考えることが出来ず……殆どボケーっと過ごしてしまった。
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