転移したらダンジョンの下層だった

Gai

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四百九十六話 何故鍛冶は良いのか

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翌日、朝食を食べ終えたソウスケ達は早速ギルドに向かっていた。
とはいっても、時間はギルドが混む時間を既に超えていたので、割の良い依頼は取られている。

「ソウスケさん、いったいどんな依頼を受けるつもりなんですか?」

「えっと……そこら辺はあんまり決めてなかったな」

自分の直感的に面白いと感じる内容。
そんなものであれば受けようと思っている。

なので具体的にどんな依頼を受けたいとは考えていなかった。

「学習都市と呼ばれているのだから、それなりに面白そうな依頼があるだろう」

ザハークとしてはダンジョンで暴れる方を選びたいが、ソウスケが面白いと思った依頼を受けるのもそれはそれでありだとなと思っているので、数日ぐらい地上で働いても不快には感じない。

「ソウスケさんの技量なら、討伐系の依頼だけではなく他の依頼も受けられそうですが」

「例えばどんなだ?」

「単純に錬金術や鍛冶の腕が周りと比べて頭一つ抜けている筈です。それに冒険者としての実力であれば飛び抜けてます。ひよっこたちの訓練相手などの依頼もあるかもしれません」

「……錬金術の依頼は内容によるが、その他の依頼に関しては受けてみても良いかもな」

鍛冶の依頼であればソウスケだけでなく、ザハークも受けられる。
制作にしろ、素材集めにしろザハークも気分良く受けられる依頼だ。

ひよっこたちの訓練相手。
ザハークは既による接近戦の相手。
ミレアナは魔法や弓を使用した遠距離攻撃。
ソウスケは武器を使用した接近戦。

それぞれに役割が生まれ、ひよっこたちの訓練相手には申し分ない。
ソウスケに関しては見た目に似合わない実力を持っているので、実力は見た目で決まらない。見た目だけで実力を決めつけてはならないと良い教訓になるだろう。

「錬金術の依頼で制作あれば私が受けましょうか?」

冒険者ギルドに制作、どこかに届けて欲しいという依頼は多くないが、ゼロという訳ではない。

「……そう、だな。それなら俺の名前が広がることもないし……ありだな」

確かにソウスケの名は広まることはない……だが、ミレアナがソウスケの仲間という事実は変わらない。
なので、結局はソウスケの名が広まるのは時間の問題となる。

そして残念なことに……依頼のマジックアイテムをミレアナが造ったと知り渡れば、ソウスケはますますヒモだと思われてしまう。
というか、確実にその類の噂が広まるだろう。だが、今のソウスケにそんな考えはなかった。

「……ソウスケさん、一つ疑問に思っていたのだが鍛冶師としての噂が広まるのは問題無いのか?」

錬金術で生み出した品はエアーホッケー以外は一般的に販売していない。
だが、鍛冶で生み出した武器に関しては露店で一般の客に販売している。

結局は珍しい冒険者という形でソウスケの名が広まってしまうのは間違いない。

「だって錬金術で造ってる物はポーション以外、他に造っている人がいないから名が広まりやすいだろ。それに対して武器ならそこまで規格外な物を造ってない。冒険者が鍛冶をしてるって時点で珍しいかもしれないけど、別にそれに関しては良いかもなって思ってる……なんとなくだけど」

ソウスケが露店で売る武器はランクが二から最高で六の武器や防具。
ランク六の武器はかなり珍しい物だが、店で売られていないほど高価で希少ではない。

だが……ソウスケの場合は、まず年齢が問題なのだ。
実力にしろ、鍛冶や錬金術に木工の腕前。

仮にその道の才能に溢れていたとしても、十五で才能が全て開花され、センスが磨き終わることはない。

「私としてはソウスケさんの偉大さが広まるのは良い事だと思いますが……あまりやり過ぎはよくありませんよ」

「解ってるよ」

ソウスケ達が狩っているモンスターの素材や魔石がそこそこ上等という事もあり、ある程度上等な作品を作れてしまう。

それに素材集めは自力で行えるので、売り上げの事を考えると売値は低くても全く問題無いと本人は考えている。
ただ、ソウスケやザハークが造りだすそこそこ上等な武器が通常の売値よりも安く買えたことに、今までの客達はとても感謝している。

「さて、どんな依頼が残っているのやら」
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