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五百十九話 探索に初日から……
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ミレアナが学生達からナンパされ、それを撃退した翌日。
三人はいつも通りの様子で中級者向けダンジョンへと向かい、二十一階層へと転移した。
ダンジョンの前にやって来た三人に声を掛けようと思った冒険者はいたが、三人が自分達だけでダンジョンに挑もうとしているという話が広まり、結局誰も三人に声を掛けることはなかった。
「……誰も声を掛けようとしなかったのは珍しいな」
「ようやく自分達の実力ではソウスケと組むに値しないと解ったのでしょう」
「だろうな。そもそも俺達とあいつらでは進む速さが違い過ぎる、組んで行動しても足手まといになるのは確実だ」
他の同業者がソウスケ達に声を掛けて来なくなった理由は違うが、二人の言葉は間違っていない。
三人と他の同業者には大きな差があり、一緒に組んで探索しても探索スピードが違い過ぎる。
本当に一時的に組むことはあっても、継続的に組んで階層を降りていくことはない。
(二人共……容赦なく他の冒険者達をディスるよな。確かに二人の実力は飛び抜けてるけど……いや、一応時と場所、声量は選んでるか)
周囲に他の冒険者がいるかどうかを確認すると、三人の声が聞こえる範囲では同業者が一人もいない。
二人もしっかりと確認しているからこそ、遠慮なしに他の冒険者達をディスっていた。
「さて……ソウスケさん、一気に降りていくか?」
「そうだな。下層に降りてきたとはいっても、生息しているモンスターがそこまで強くはない。なるべくいつも通りのスピードで降りていこう」
三人の実力であれば、大半のモンスターを急所を狙ってワンパンで倒せる。
空を飛んでいるモンスター、地中を移動しているモンスターであっても正確に狙えば倒せない敵はいない。
攻略を始めてから三時間が経ち、遭遇したモンスターを全て倒した。
数は五十を超えたが、三人は無傷の状態を保っている。
「ふむ……少し歯応えが足りないな」
「まだニ十階層台だからな……でも、イレギュラーが起こればザハークが満足出来る相手、が……ミレアナ」
「えぇ、どうやらイレギュラーが起きたようですね。ただ……ザハークが望んでいるイレギュラーとは少し違いますが」
「俺が望むイレギュラーではない……あぁ、なるほどそういう事か」
聴力を強化して周囲を探った結果、確かに自身が望むイレギュラーではないことが分かった。
だが、ザハークにとってつまらないイレギュラーではない。
「周りに他の冒険者いないようだな」
「そうみたいだな。ある程度は暴れても問題無いぞ」
「そうか……それならお言葉に甘えて、暴れるとしようか」
ダンジョンで稀に発生するモンスターパーティー。
大量のモンスターが一時的に大量発生し、なぜか集団で動いて冒険者達に襲い掛かる。
(今更だけど、やっぱりダンジョン産のモンスターは野生のモンスターと比べて思考回路が違うよな)
レベルが高ければ、ダンジョン産のスライムは果敢にソウスケ達に襲い掛かる。
「俺達も暴れて気分爽快になろう」
「……そうですね」
という訳で、三人は四肢に魔力を纏って素手でモンスターの軍団と戦い始めた。
モンスターの軍団には防御力が個体もいるのだが、容赦なく砕き、貫いて討伐していく。
三人の姿を他人が見れば、まるで踊っている様に見える。
全員がモンスターパーティーに遭遇したという現実に後悔している表情はなく、一人は嬉々とした表情で相手をし、もう一人は淡々と作業をこなすように潰し、最後の一人はアトラクションを楽しむように倒し続ける。
ソウスケ達と見つけたモンスターの軍団は他の冒険者を探さず、まずは目の前にいる獲物を喰らおうと全個体が三人を殺しに掛かる。
(恐怖心がぶっ壊れてる……いや、そもそもな話、その感情がないのかもしれないな」
恐怖心という感情がないからこそ、実力差が圧倒的に開いているソウスケ達を全力で倒そうと襲い掛かれる。
そんな可能性があるかもしれないと考えながら、手刀でグリーンウルフの首を斬り、踵落しでフォレストグリズリーの脳天を潰す。
そして……たった五分足らずで三人とモンスターパーティーとの戦いは幕を閉じた。
三人はいつも通りの様子で中級者向けダンジョンへと向かい、二十一階層へと転移した。
ダンジョンの前にやって来た三人に声を掛けようと思った冒険者はいたが、三人が自分達だけでダンジョンに挑もうとしているという話が広まり、結局誰も三人に声を掛けることはなかった。
「……誰も声を掛けようとしなかったのは珍しいな」
「ようやく自分達の実力ではソウスケと組むに値しないと解ったのでしょう」
「だろうな。そもそも俺達とあいつらでは進む速さが違い過ぎる、組んで行動しても足手まといになるのは確実だ」
他の同業者がソウスケ達に声を掛けて来なくなった理由は違うが、二人の言葉は間違っていない。
三人と他の同業者には大きな差があり、一緒に組んで探索しても探索スピードが違い過ぎる。
本当に一時的に組むことはあっても、継続的に組んで階層を降りていくことはない。
(二人共……容赦なく他の冒険者達をディスるよな。確かに二人の実力は飛び抜けてるけど……いや、一応時と場所、声量は選んでるか)
周囲に他の冒険者がいるかどうかを確認すると、三人の声が聞こえる範囲では同業者が一人もいない。
二人もしっかりと確認しているからこそ、遠慮なしに他の冒険者達をディスっていた。
「さて……ソウスケさん、一気に降りていくか?」
「そうだな。下層に降りてきたとはいっても、生息しているモンスターがそこまで強くはない。なるべくいつも通りのスピードで降りていこう」
三人の実力であれば、大半のモンスターを急所を狙ってワンパンで倒せる。
空を飛んでいるモンスター、地中を移動しているモンスターであっても正確に狙えば倒せない敵はいない。
攻略を始めてから三時間が経ち、遭遇したモンスターを全て倒した。
数は五十を超えたが、三人は無傷の状態を保っている。
「ふむ……少し歯応えが足りないな」
「まだニ十階層台だからな……でも、イレギュラーが起こればザハークが満足出来る相手、が……ミレアナ」
「えぇ、どうやらイレギュラーが起きたようですね。ただ……ザハークが望んでいるイレギュラーとは少し違いますが」
「俺が望むイレギュラーではない……あぁ、なるほどそういう事か」
聴力を強化して周囲を探った結果、確かに自身が望むイレギュラーではないことが分かった。
だが、ザハークにとってつまらないイレギュラーではない。
「周りに他の冒険者いないようだな」
「そうみたいだな。ある程度は暴れても問題無いぞ」
「そうか……それならお言葉に甘えて、暴れるとしようか」
ダンジョンで稀に発生するモンスターパーティー。
大量のモンスターが一時的に大量発生し、なぜか集団で動いて冒険者達に襲い掛かる。
(今更だけど、やっぱりダンジョン産のモンスターは野生のモンスターと比べて思考回路が違うよな)
レベルが高ければ、ダンジョン産のスライムは果敢にソウスケ達に襲い掛かる。
「俺達も暴れて気分爽快になろう」
「……そうですね」
という訳で、三人は四肢に魔力を纏って素手でモンスターの軍団と戦い始めた。
モンスターの軍団には防御力が個体もいるのだが、容赦なく砕き、貫いて討伐していく。
三人の姿を他人が見れば、まるで踊っている様に見える。
全員がモンスターパーティーに遭遇したという現実に後悔している表情はなく、一人は嬉々とした表情で相手をし、もう一人は淡々と作業をこなすように潰し、最後の一人はアトラクションを楽しむように倒し続ける。
ソウスケ達と見つけたモンスターの軍団は他の冒険者を探さず、まずは目の前にいる獲物を喰らおうと全個体が三人を殺しに掛かる。
(恐怖心がぶっ壊れてる……いや、そもそもな話、その感情がないのかもしれないな」
恐怖心という感情がないからこそ、実力差が圧倒的に開いているソウスケ達を全力で倒そうと襲い掛かれる。
そんな可能性があるかもしれないと考えながら、手刀でグリーンウルフの首を斬り、踵落しでフォレストグリズリーの脳天を潰す。
そして……たった五分足らずで三人とモンスターパーティーとの戦いは幕を閉じた。
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