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五百四十七話 教室で授業
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「さて、これから授業を始める。とはいっても、そんな堅苦しい感じで話はしない。楽にして聞いててくれ」
二限目が始まり、今度は教室で授業を行う。
話すのは主にソウスケとミレアナ。
ザハークは二人から会話に入って欲しいと頼まれた時のみ。
「それじゃあ……まずは何から話そうか」
「ソウスケさん、この街には折角ダンジョンがあるのですから、ダンジョン関係の話は良いのでは?」
「そうか、それもそうだな。なら……同業者が敵ってことを教えるか」
同業者が敵。
楽にして聞いてくれと言われ、少々気が緩んでいた生徒たちの気が引き締まる。
もうこのクラスにはソウスケの強さに嫉妬している者はいても、実力を認めていない生徒は一人もいない。
「全員が敵って訳ではないぞ。一緒に協力して多数のモンスターを倒すこともある。なっ、ダイアス」
「そうだな。根が良い人であれば、一緒にモンスターと戦うケースがある」
「でもな、ダイアスが言ったケースの他に、悪いケースもある。えっと……貴族の令嬢、令息の人は手を上げてくれ」
言われた通りの生徒たちは手を上げ、ソウスケは数を確認する。
「だいたい半分ちょいってところか、ありがとな。今なんでこんな質問をしたかというと、ダンジョンの中で良い装備を身に着けてるであろう貴族の子供が狙われやすい」
自分たちがダンジョン内で襲われやすいと聞き、恐怖を感じた者と返り討ちにしてやると思た生徒が半々。
ソウスケは返り討ちにしてやると思っているであろう生徒の表情を見逃さなかった。
「お前ら、あまり現役でベテランの域に入りそうな冒険者を嘗めるなよ」
敢えて低い声で話し、生徒たちに緊張感を与えた。
「確かにお前らはプロから直々に戦い方を教わっている。でもな、それは死の危機が無い状態での訓練や実戦だ。もしかしたら先生方に内緒でダンジョンに潜っている生徒がいるかもしれないが……てかいないよな? 街の外でモンスターを倒す分にはあれだが、生徒がダンジョンに潜るには冒険者の同行者がいなければダンジョンに入れないよな、ダイアス」
「あぁ、その通りだ。もしそんな生徒がいれば……停学、もしかしたら退学になるかもな」
二人の……特にダイアスの言葉が耳に入った生徒たちの心温が数度ほど下がった。
勿論このクラスにはそんな不良生徒はいないが、停学や退学は生徒たちにとって絶対に避けたい。
「俺は少し前に貴族の子息と一緒にダンジョンに潜ったことがある。その子息は勿論冒険者だ。それで一緒に潜ってると四人ぐらいだったか? いかにも手慣れた冒険者たちが金目の物目当てで俺とその冒険者を襲ってきた」
実際に体験した者の言葉は生徒たちに、特に令息や令嬢の肩に重く圧し掛かる。
「そいつらは全員殺したが、その令息だけなら確実に殺されて装備品は全て剥ぎ取られていただろうな」
「……これに関しては女性が襲われる傾向が高い。理由は言わなくても解るな」
その理由に怯える者が七割、絶対にぶっ潰してやると表情に現れる者が三割。
「ダイアスが言ってることは正しい。変態で屑な奴はダンジョンとか関係無しにそういうことをするだろう。だから動くなら常に四人ぐらいで行動した方が良い」
「ソウスケさんの言う通りですね。一時、他の女性冒険者と一緒に行動していましたが、私たちの後ろをずっと付いて来る男性だけのパーティーがいました。全員無事でしたが、慣れている方は慣れているでしょう。決して慢心しないことを心がけましょう」
淡々とした説明を聞き、女子生徒たちの表情が引き締まる。
「まぁ……こういうこともあるから、冒険者になってからはダンジョンや街の外では……いや街の中でも多少は気を付けておいた方が良いか。何が起こるのか解らないのが人生だ。頭が回る屑は怪我人を罠として使う……何が言いたいのか大体解かるよな」
他人を絶対に信用するな、とは言わない。
しかし、軽々と相手の言葉や状況を信用してしまったせいで最悪な状況に発展する可能性は大いにある。
二限目が始まり、今度は教室で授業を行う。
話すのは主にソウスケとミレアナ。
ザハークは二人から会話に入って欲しいと頼まれた時のみ。
「それじゃあ……まずは何から話そうか」
「ソウスケさん、この街には折角ダンジョンがあるのですから、ダンジョン関係の話は良いのでは?」
「そうか、それもそうだな。なら……同業者が敵ってことを教えるか」
同業者が敵。
楽にして聞いてくれと言われ、少々気が緩んでいた生徒たちの気が引き締まる。
もうこのクラスにはソウスケの強さに嫉妬している者はいても、実力を認めていない生徒は一人もいない。
「全員が敵って訳ではないぞ。一緒に協力して多数のモンスターを倒すこともある。なっ、ダイアス」
「そうだな。根が良い人であれば、一緒にモンスターと戦うケースがある」
「でもな、ダイアスが言ったケースの他に、悪いケースもある。えっと……貴族の令嬢、令息の人は手を上げてくれ」
言われた通りの生徒たちは手を上げ、ソウスケは数を確認する。
「だいたい半分ちょいってところか、ありがとな。今なんでこんな質問をしたかというと、ダンジョンの中で良い装備を身に着けてるであろう貴族の子供が狙われやすい」
自分たちがダンジョン内で襲われやすいと聞き、恐怖を感じた者と返り討ちにしてやると思た生徒が半々。
ソウスケは返り討ちにしてやると思っているであろう生徒の表情を見逃さなかった。
「お前ら、あまり現役でベテランの域に入りそうな冒険者を嘗めるなよ」
敢えて低い声で話し、生徒たちに緊張感を与えた。
「確かにお前らはプロから直々に戦い方を教わっている。でもな、それは死の危機が無い状態での訓練や実戦だ。もしかしたら先生方に内緒でダンジョンに潜っている生徒がいるかもしれないが……てかいないよな? 街の外でモンスターを倒す分にはあれだが、生徒がダンジョンに潜るには冒険者の同行者がいなければダンジョンに入れないよな、ダイアス」
「あぁ、その通りだ。もしそんな生徒がいれば……停学、もしかしたら退学になるかもな」
二人の……特にダイアスの言葉が耳に入った生徒たちの心温が数度ほど下がった。
勿論このクラスにはそんな不良生徒はいないが、停学や退学は生徒たちにとって絶対に避けたい。
「俺は少し前に貴族の子息と一緒にダンジョンに潜ったことがある。その子息は勿論冒険者だ。それで一緒に潜ってると四人ぐらいだったか? いかにも手慣れた冒険者たちが金目の物目当てで俺とその冒険者を襲ってきた」
実際に体験した者の言葉は生徒たちに、特に令息や令嬢の肩に重く圧し掛かる。
「そいつらは全員殺したが、その令息だけなら確実に殺されて装備品は全て剥ぎ取られていただろうな」
「……これに関しては女性が襲われる傾向が高い。理由は言わなくても解るな」
その理由に怯える者が七割、絶対にぶっ潰してやると表情に現れる者が三割。
「ダイアスが言ってることは正しい。変態で屑な奴はダンジョンとか関係無しにそういうことをするだろう。だから動くなら常に四人ぐらいで行動した方が良い」
「ソウスケさんの言う通りですね。一時、他の女性冒険者と一緒に行動していましたが、私たちの後ろをずっと付いて来る男性だけのパーティーがいました。全員無事でしたが、慣れている方は慣れているでしょう。決して慢心しないことを心がけましょう」
淡々とした説明を聞き、女子生徒たちの表情が引き締まる。
「まぁ……こういうこともあるから、冒険者になってからはダンジョンや街の外では……いや街の中でも多少は気を付けておいた方が良いか。何が起こるのか解らないのが人生だ。頭が回る屑は怪我人を罠として使う……何が言いたいのか大体解かるよな」
他人を絶対に信用するな、とは言わない。
しかし、軽々と相手の言葉や状況を信用してしまったせいで最悪な状況に発展する可能性は大いにある。
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