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五百六十二話 金を用意すれば造る
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「あ、あともう一つ聞きたいことがあるんですけど、良いですか」
「……そろそろ移動しないとあれだから、手短に頼むぞ」
「は、はい!! あの……ソウスケさんたちが自分たちで造った武器を売っていたと聞いたんですけど、それって本当なんですか?」
噂というのは本人が知らないところで広がるもの。
ソウスケとザハークが造った武器はそれなりに品質が高く、値段も同じ性能で売られている武器よりも安い。
露店で商売をした回数は殆どないが、それでも客はいったいどういった人物が武器を売っていたのかは覚えている。
「……まぁ、そうだな。本当だ。俺とザハークは偶に鍛冶場で武器を造って売ってるんだよ」
本人の口から本当だと証言する言葉を聞き、生徒たちはソウスケとザハークがどれほど不思議で多才な冒険者のかを思い知らされた。
「そ、それでは……お金を払えば、私たちにも武器を造ってくれるのですか?」
生徒たちは期待する目をソウスケとザハークに向けた。
尊敬している教師が造る武器、それを是非とも欲しいと思うのは当然の流れだろう。
「そうだな……ちゃんと金を持ってきたなら、お客さんなんだし武器を造ってやるよ。ただ、金額に応じた武器しか造らないからな。あと、素材を自分で用意すれば金額はその分安くしてやるよ。じゃあな」
そろそろ次の教室に移動しなければならない。
お金を用意すれば造ってやっても良い。それだけ伝えてSクラスの教室から出て行った。
「ソウスケさん、あんな約束をしても良かったのですか?」
「だって、ちゃんと金を用意したんだったら客として扱わなきゃ失礼だろ。それに、この街にはまだまだ滞在する予定だし、生徒たちの武器を造る時間ぐらいはあるだろ」
「それはそうかもしれませんが……ザハークも造るのですか」
「頼まれたらな。ただ、俺は杖とかは造れない。その辺りはミレアナやソウスケの領域だからな」
杖であれば、ソウスケだけではなくミレアナも造ることが出来る。
Sクラスの中には魔法をメインにして戦う者もいるので、ソウスケたちが杖を造れるなら杖を買いたいと思ってる生徒もいた。
「ミレアナは木工も出来るんだし、杖やワンドも造れるだろ」
「……おそらく造れると思いますが、それなりに回数をこなす必要があります」
「三人が物造りに集中する期間があっても良さそうだな」
特に何処か別の街に行く目的はなく、あと一年ほど学術都市に居ても問題はない。
ただ、上級者向けのダンジョンをクリアして留まる必要がなくなり、この街に行きたいという目標ができれば出て行く。
「さて、Aクラスの生徒もビシバシしごいていくぞ」
「「了解」」
妙に気合が入った三人。
その気合が授業に影響を及ぼし、いつもより宙を舞って飛ばされる生徒が増えた。
「それでは、私たちは生徒たちの相手をしてきますので」
「分かった。また食堂でな」
授業でボコボコにされても生徒たちのやる気は消えず、二人は先日と同じく昼休みの間、使用できる訓練場で生徒たちの相手次々こなしいく。
その間ソウスケも先日同じく、二人のお言葉に甘えて食堂で貴族仕様のランチを楽しんでいた。
「よう、一緒に飯を食っても良いか」
「ダイアスか。勿論良いぞ」
仕事を一段落終えたダイアスはソウスケの目の前の席に座り、三つの肉料理を食べ始めた。
「量が多いくないか?」
「それはソウスケも同じだと思うぞ」
全力で動いてはいないが、軽く動いたのでそれなりに腹が減っている。
それに加えて、食堂の料理はどれも美味い。
健康を考えて野菜料理も頼んでいるが、ダイアスと同じく肉料理メインのランチ。
「かもな」
「そういえば授業が終わった後にチラッと聞いたんだが……鍛冶が出来るって本当か?」
「あぁ、本当だ。ついでに錬金術のスキルも持ってるぞ」
「……とんでもないな。お前が持ってるスキルは冒険者の域を完全に超えてるぞ」
武器や魔法を一通り使え、鍛冶や錬金術も行える。
そんな多才過ぎる冒険者をダイアスは今まで一度も聞いたことがない。
「なぁ、俺にも武器を造ってくるか」
「勿論構わないぞ。料金はきっちり頂くけどな」
「払うに決まってるだろ。素材はこっち持ちか?」
「いや、金に余裕があるんだったらこっちで用意するぞ」
亜空間の中には多くの素材や魔石が入っているので、大抵の武器はわざわざ狩りに行かずとも造ることが出来る。
「……そろそろ移動しないとあれだから、手短に頼むぞ」
「は、はい!! あの……ソウスケさんたちが自分たちで造った武器を売っていたと聞いたんですけど、それって本当なんですか?」
噂というのは本人が知らないところで広がるもの。
ソウスケとザハークが造った武器はそれなりに品質が高く、値段も同じ性能で売られている武器よりも安い。
露店で商売をした回数は殆どないが、それでも客はいったいどういった人物が武器を売っていたのかは覚えている。
「……まぁ、そうだな。本当だ。俺とザハークは偶に鍛冶場で武器を造って売ってるんだよ」
本人の口から本当だと証言する言葉を聞き、生徒たちはソウスケとザハークがどれほど不思議で多才な冒険者のかを思い知らされた。
「そ、それでは……お金を払えば、私たちにも武器を造ってくれるのですか?」
生徒たちは期待する目をソウスケとザハークに向けた。
尊敬している教師が造る武器、それを是非とも欲しいと思うのは当然の流れだろう。
「そうだな……ちゃんと金を持ってきたなら、お客さんなんだし武器を造ってやるよ。ただ、金額に応じた武器しか造らないからな。あと、素材を自分で用意すれば金額はその分安くしてやるよ。じゃあな」
そろそろ次の教室に移動しなければならない。
お金を用意すれば造ってやっても良い。それだけ伝えてSクラスの教室から出て行った。
「ソウスケさん、あんな約束をしても良かったのですか?」
「だって、ちゃんと金を用意したんだったら客として扱わなきゃ失礼だろ。それに、この街にはまだまだ滞在する予定だし、生徒たちの武器を造る時間ぐらいはあるだろ」
「それはそうかもしれませんが……ザハークも造るのですか」
「頼まれたらな。ただ、俺は杖とかは造れない。その辺りはミレアナやソウスケの領域だからな」
杖であれば、ソウスケだけではなくミレアナも造ることが出来る。
Sクラスの中には魔法をメインにして戦う者もいるので、ソウスケたちが杖を造れるなら杖を買いたいと思ってる生徒もいた。
「ミレアナは木工も出来るんだし、杖やワンドも造れるだろ」
「……おそらく造れると思いますが、それなりに回数をこなす必要があります」
「三人が物造りに集中する期間があっても良さそうだな」
特に何処か別の街に行く目的はなく、あと一年ほど学術都市に居ても問題はない。
ただ、上級者向けのダンジョンをクリアして留まる必要がなくなり、この街に行きたいという目標ができれば出て行く。
「さて、Aクラスの生徒もビシバシしごいていくぞ」
「「了解」」
妙に気合が入った三人。
その気合が授業に影響を及ぼし、いつもより宙を舞って飛ばされる生徒が増えた。
「それでは、私たちは生徒たちの相手をしてきますので」
「分かった。また食堂でな」
授業でボコボコにされても生徒たちのやる気は消えず、二人は先日と同じく昼休みの間、使用できる訓練場で生徒たちの相手次々こなしいく。
その間ソウスケも先日同じく、二人のお言葉に甘えて食堂で貴族仕様のランチを楽しんでいた。
「よう、一緒に飯を食っても良いか」
「ダイアスか。勿論良いぞ」
仕事を一段落終えたダイアスはソウスケの目の前の席に座り、三つの肉料理を食べ始めた。
「量が多いくないか?」
「それはソウスケも同じだと思うぞ」
全力で動いてはいないが、軽く動いたのでそれなりに腹が減っている。
それに加えて、食堂の料理はどれも美味い。
健康を考えて野菜料理も頼んでいるが、ダイアスと同じく肉料理メインのランチ。
「かもな」
「そういえば授業が終わった後にチラッと聞いたんだが……鍛冶が出来るって本当か?」
「あぁ、本当だ。ついでに錬金術のスキルも持ってるぞ」
「……とんでもないな。お前が持ってるスキルは冒険者の域を完全に超えてるぞ」
武器や魔法を一通り使え、鍛冶や錬金術も行える。
そんな多才過ぎる冒険者をダイアスは今まで一度も聞いたことがない。
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「払うに決まってるだろ。素材はこっち持ちか?」
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