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六百二十七話 やはりおかしい光景
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「当然、並んでるよな」
二日目の昼過ぎ頃に三人は十層のボス部屋前へと到着。
そしてボス部屋の前にはいつも通り、数組の冒険者が順番待ちしていた。
「昼飯は食べたし……大人しく順番待ちしてるか」
そう言いながらソウスケは亜空間の中から木材を取り出し、モンスターのフィギュアを作り始めた。
「そうですね」
ミレアナもソウスケを見習い、中級者向けダンジョンに潜る度に採集していた薬草を使ってポーションを造り始めた。
「「「「「……………」」」」」
二人の突然の行動を見た順番待ちしている冒険者たちの顔が固まった。
(ふむ、やはりそういった顔になるのか)
順番待ちしている冒険者たちはボス部屋に出現するモンスターがロックゴーレム三体と、上級者向けダンジョンに潜る冒険者たちからすれば比較的倒しやすい相手なので、そこまで緊張はしてない。
だが、念の為の確認といった感じで討伐の流れについて話し合っているパーティーもいる。
地上にいる間に、ボス部屋の前で錬金術の作業を行う珍しい冒険者がいるというのは耳に挟んでいたが、それでも実際その光景を見ると目を何度もパチパチとしてしまう。
「二人ともこういった時に時間を潰せる趣味を持っていて良いな」
「……ザハークの鍛冶はこの場では行えませんからね。いっそ、木工か錬金術でも始めてみますか?」
これは決して軽い冗談ではない。
ザハークほど知能が高いモンスターであれば、木工や錬金術も行えるのではとミレアナは本気で思っていた。
少しの間真剣にザハークは悩んだ。
悩んだ結果、やめておくことにした。
「無理だな。今は鍛冶の腕を上げるので手一杯だ。俺はソウスケさんの様に器用ではないからな」
「いや、俺の場合は……まぁ、多少器用ではあるかもしれないけど」
鍛冶、木工、錬金術。
この三つのスキルはソウスケが冒険者としての生活以外にも、異世界生活を楽しもうと思い、欲しいと望んだスキル。
だが、この三つのスキルをそれなりに使っているので、少しずつではあるが三つとも腕が上がり始めている。
「とりあえず、俺は今鍛冶だけに集中する。他に手を出すのは無理だ」
「であれば、仕方ありませんね。そこまで時間は掛からないと思うので、のんびり待っていてください」
「そうするしかないようだな」
挑む冒険者が全員ベテランかそれ以上ということもあり、ボスたちはそれなりに短時間で倒されていく。
そして十分程度でソウスケたちの番が回ってきた。
「意外と早かったな」
「それだけ中のモンスターがあまり強くなかったってことだろ。視た感じ、並んでた冒険者たちはそれなりの実力を持ってたしな」
ソウスケの見た目を考えればどれだけ上から目線で生意気な発言をしてるんだと思われるかもしれないが、本人の実力は先に並んでいた冒険者……そして後ろに並んでいる冒険者を含めても一対一では絶対に倒せない力を持っている。
「そういえば、誰が戦うか決めてませんでしたね」
ミレアナの声が聞こえた後ろの冒険者たちはギョッとした表情になる。
一人で戦うつもりなのか?
そう思う者が多数いた。
確かに十層のボスモンスターはそれなりのランクを持つ冒険者であれば、一人で倒せないことはない。
だが、体力や魔力……道具の消費量を抑えるのであれば、パーティー全員で戦うのが得策であるのは間違いない。
「……とりあえず、中に入ってから考えようぜ」
ソウスケの言葉を聞き、更にギョっとし……呆れた表情になる者がいた。
確かにプロからすれば呆れるような言葉かもしれないが、ロックゴーレム三体など……三人からすれば遊び相手にもならない雑魚。
「資料に乗ってある通り、ロックゴーレがム三体だな」
ソウスケはちょっとだけダンジョンイレギュラーが起き、ワンランク上のモンスターがいるかと期待していたが、全くそんなイレギュラーは起きなかった。
「俺が終わらせてくる」
「頼んだ」
二日目の昼過ぎ頃に三人は十層のボス部屋前へと到着。
そしてボス部屋の前にはいつも通り、数組の冒険者が順番待ちしていた。
「昼飯は食べたし……大人しく順番待ちしてるか」
そう言いながらソウスケは亜空間の中から木材を取り出し、モンスターのフィギュアを作り始めた。
「そうですね」
ミレアナもソウスケを見習い、中級者向けダンジョンに潜る度に採集していた薬草を使ってポーションを造り始めた。
「「「「「……………」」」」」
二人の突然の行動を見た順番待ちしている冒険者たちの顔が固まった。
(ふむ、やはりそういった顔になるのか)
順番待ちしている冒険者たちはボス部屋に出現するモンスターがロックゴーレム三体と、上級者向けダンジョンに潜る冒険者たちからすれば比較的倒しやすい相手なので、そこまで緊張はしてない。
だが、念の為の確認といった感じで討伐の流れについて話し合っているパーティーもいる。
地上にいる間に、ボス部屋の前で錬金術の作業を行う珍しい冒険者がいるというのは耳に挟んでいたが、それでも実際その光景を見ると目を何度もパチパチとしてしまう。
「二人ともこういった時に時間を潰せる趣味を持っていて良いな」
「……ザハークの鍛冶はこの場では行えませんからね。いっそ、木工か錬金術でも始めてみますか?」
これは決して軽い冗談ではない。
ザハークほど知能が高いモンスターであれば、木工や錬金術も行えるのではとミレアナは本気で思っていた。
少しの間真剣にザハークは悩んだ。
悩んだ結果、やめておくことにした。
「無理だな。今は鍛冶の腕を上げるので手一杯だ。俺はソウスケさんの様に器用ではないからな」
「いや、俺の場合は……まぁ、多少器用ではあるかもしれないけど」
鍛冶、木工、錬金術。
この三つのスキルはソウスケが冒険者としての生活以外にも、異世界生活を楽しもうと思い、欲しいと望んだスキル。
だが、この三つのスキルをそれなりに使っているので、少しずつではあるが三つとも腕が上がり始めている。
「とりあえず、俺は今鍛冶だけに集中する。他に手を出すのは無理だ」
「であれば、仕方ありませんね。そこまで時間は掛からないと思うので、のんびり待っていてください」
「そうするしかないようだな」
挑む冒険者が全員ベテランかそれ以上ということもあり、ボスたちはそれなりに短時間で倒されていく。
そして十分程度でソウスケたちの番が回ってきた。
「意外と早かったな」
「それだけ中のモンスターがあまり強くなかったってことだろ。視た感じ、並んでた冒険者たちはそれなりの実力を持ってたしな」
ソウスケの見た目を考えればどれだけ上から目線で生意気な発言をしてるんだと思われるかもしれないが、本人の実力は先に並んでいた冒険者……そして後ろに並んでいる冒険者を含めても一対一では絶対に倒せない力を持っている。
「そういえば、誰が戦うか決めてませんでしたね」
ミレアナの声が聞こえた後ろの冒険者たちはギョッとした表情になる。
一人で戦うつもりなのか?
そう思う者が多数いた。
確かに十層のボスモンスターはそれなりのランクを持つ冒険者であれば、一人で倒せないことはない。
だが、体力や魔力……道具の消費量を抑えるのであれば、パーティー全員で戦うのが得策であるのは間違いない。
「……とりあえず、中に入ってから考えようぜ」
ソウスケの言葉を聞き、更にギョっとし……呆れた表情になる者がいた。
確かにプロからすれば呆れるような言葉かもしれないが、ロックゴーレム三体など……三人からすれば遊び相手にもならない雑魚。
「資料に乗ってある通り、ロックゴーレがム三体だな」
ソウスケはちょっとだけダンジョンイレギュラーが起き、ワンランク上のモンスターがいるかと期待していたが、全くそんなイレギュラーは起きなかった。
「俺が終わらせてくる」
「頼んだ」
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