転移したらダンジョンの下層だった

Gai

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六百八十五話 仕事はしましょう

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「はっはっは! マジで三人とも頼もしいな!!」

「ラップの言う通りだぜ。三人だけで全滅させちまいそうな勢いだもんな」

「ミレアナさんたちを褒めるのは良いですけど、一応私達の方が先輩なんですから、きっちり仕事はしましょう」

「へいへい、分かってるよ!!!」

アイリからしっかりと仕事はしろと指摘され、ラップはソウスケが造った炎の魔剣と、ダンジョンの宝箱から手に入れた火の魔剣の二刀を使い、襲い掛かってくる盗賊たちを荒々しく斬り裂いていく。

「ぐぁあああ!!」

「あ、ぢぃいいい!!??」

「さすがソウスケ君が造ってくれた魔剣だ! 良い火力だ!!!!」

ダンジョンの宝箱から手に入れた魔剣もラップにとっては頼りになる相棒だが、ソウスケが造った一品である炎の魔剣も実戦で使ってみると、どれだけ頼りになるのか身に染みて解る。

(あの歳でこんな上等な魔剣を造れるなんて……やっぱり超人過ぎるぜ、ソウスケ君!)

多才であるソウスケに対し、決して妬むような感情は出てこない。
寧ろ、こんなにも上等な魔剣を造り、販売してくれたことに感謝しかない。

テンションが上がってきたラップは味方との連携を崩さない程度に、トップの何かしらの効果によって強化された下っ端連中を燃やして斬っていく。

「ラップ……随分と楽しそうね」

「そりゃソウスケ君から買った魔剣が自分にピッタリで、扱いやすいからテンション上がってるんだろ。実際に、ソウスケ君が造ってる武器はマジですげぇしな」

ジャンはソウスケからメインの武器こそ購入していないが、使い捨ての手投げナイフを購入しており、今回の盗賊討伐戦で早速使用している。

(毒とか麻痺の効果が付いたナイフはマジでそれなりに効くし、氷の効果が付与されたナイフとか、マジでありがてぇ)

氷の属性が付与されたナイフは、敵に刺さると一定の箇所まで敵を氷漬け。
対処の使用はあるが、ジャンが使うナイフの属性を見極めていなければ、即座に対処するのは難しい。

それにプロの斥候というだけあり、ジャンの投擲スキルのレベルはそれなりに高く、乱戦の状況では中々躱せない。

そして相手の動きを妨害した後、自慢の瞬発力を活かして相棒の双剣を盗賊の首にぶち込む。

「そうだな。ソウスケ君や、ザハークが造った武器に関しては、ふん!!!! 凄いという感想に、同意だ!!!」

盗賊の攻撃を大盾防ぎつつ、大斧で敵を蹴散らす巨人族のラッソ。

ラッソは先日ソウスケが開く露店に立ち寄った際に、武器こそ買わなかったが、二人が造る武器に興味を持った。

(ラップの魔剣や、ジャンが購入した使い捨てナイフの性能を考えれば、間違いなく一流鍛冶師としての技量を持っているに違いない……もし、可能であれば後日特注で武器を造ってもらえるか相談しよう)

二人が冒険者、従魔として戦っている光景を見て……何故か尚更彼らが造った武器や防具が欲しいと思えてしまった。

そしてラップたちと一緒に盗賊の討伐に勤しむフォルクスとジープは……最前線で盗賊を次々に殺していくソウスケとザハークの姿を見て、改めて自分たちとは格が違う。

(獣人族でもないのに、なんてスピードだよ……もしかして、実は人族じゃなかったり?)

ソウスケの身体能力の高さを考えれば、ジープがそんな疑問を持ってしまうのは仕方ないだろう。

(クソ、クソ、クソ!!!! なんで、あいつはあんなに強いんだ!!!!!)

自分とは格が……次元が違うと認めた。
認めながらも、一般人よりも少しプライドが高いフォルクスはそう簡単に嫉妬心が消えることはない。

ただ、それでも自分とは次元が違う強さを持っているということは認識しているので、後ろから邪魔してソウスケの評価を落としてやろう……なんて馬鹿な行動は起こさなかった。

そしてソウスケたちが徐々に盗賊たちの数を減らしていると、ようやく特殊な力を持つ盗賊団の頭が現れた。
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