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七百十八話 自覚はしている。だが止まれない
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(装備が随分と整ってる一団だな……もしかして冒険者じゃないのか?)
三人の前で、赤毛で通常の個体よりも体が大きいグレートウルフと、それに付き従うレッドウルフがとある一団を襲っていた。
(……時間を掛ければ倒せそうな雰囲気だけど、一人か二人ぐらいは死にそうなんだよな……)
自分が手を貸す必要はないかもしれないと思いながらも、やはりこういった場面は見過ごせない。
それをザハークとミレアナも解っているので、ソウスケの後に付いて行き……レッドウルフたちを速攻で仕留めていく。
「加勢します!!!」
既に加勢しているが、一応敵ではない事を伝える。
「ありがとう!!!」
一団のリーダーである騎士が代表して感謝の言葉を述べ、群れのボスである通常種とは異なるグレートウルフの元へと向かった。
レッドウルフの対処をソウスケたちに任せ、脅威であるリーダーのグレートウルフを潰す。
その判断は間違っていないが、感謝の言葉を述べた騎士だけで倒せるのか少々不安に思ったソウスケだが……彼の戦いぶりを見て、それは要らない心配だったと確信した。
(この階層まで来ただけあって、かなり強いな)
一団は十数名いるが全員が騎士ではなく、中には魔法使いも混ざっている。
全員が実力者ではあるが、ダンジョンに潜り始めてからの疲労やダメージが残っており、殆どがCランクのモンスターとはいえ、少々危ない状況だった。
「はぁぁああああああッ!!!!!」
大将である赤毛のグレートウルフと戦闘が始まってから一分も経たず、一団のリーダーである騎士はバスターソードで見事、首を斬り落とした。
(……あのグレートウルフ、ランクはBみたいだな。そんなグレートウルフの……亜種? を相手にあっさりと勝った。実力的には、Aランククラスかな?)
見た目から冒険者ではないと判断。
だが、今までの経験上……冒険者以外もダンジョンに潜ることは知っているので、特に驚きはない。
「君たち、助けくれてありがとう」
「いえいえ、偶々見かけたらちょっと危なそうだったんで」
「……そうだな。普段なら危ない状況になることもないんだが、今回は君たちが助けてくれなかった、誰かが殺られていたかもしれなかった」
あまりコンディションはよろしくない。
それはリーダーである騎士も自覚していた。
一団のメンバーも同じく、自分たちがかなり無茶をしている自覚はある。
(?? この人たちは、訓練的な意味合いでダンジョンを探索してる訳じゃない……みたいだな)
素人目でも、彼らのひゅじょうから疲れが溜まっているのが解る。
だが……表情から全員がそれを自覚していることも解り……だからといって、止まれないという意思も感じ取れる。
「その……全く面識がない身ではありますけど、少し休まれた方が良いかと。ダンジョンの中で注意散漫になっていると、うっかりミスで死ぬこともあります」
「プロの助言をありがとう。だが、我々には時間がないのだ」
時間がない……そのワードだけで、ソウスケとミレアナはなんとなく事情を察した。
思い浮かんだ考えが正しければ、彼らを無理には止まった方が良いと言えない。
しかし、さすがに目の見えて疲労が溜まっているにも関わらず、無茶をしようとしている者を見捨てられない。
「……自分は、冒険者です。もしお困りであれば、報酬さえ払って頂ければ仕事は必ず完遂します」
とはいえ、慈善事業ではないので……しっかりとそこは線引きしなければならない。
リーダーである騎士はソウスケの真剣な眼を見て、少しの間悩み……仲間の表情を見て、もう一度ソウスケに視線を戻した。
「君は……ソウスケ君で、あってるかな」
「は、はい。そうです」
自分のことを目の前の騎士が知っていることに驚き、理由が気になったがそれは後回し。
騎士が何故疲労が思いっきり表情に現れるまで無茶をしているのか、その理由を話し始め、ソウスケは聞き漏らさない様に意識を集中した。
三人の前で、赤毛で通常の個体よりも体が大きいグレートウルフと、それに付き従うレッドウルフがとある一団を襲っていた。
(……時間を掛ければ倒せそうな雰囲気だけど、一人か二人ぐらいは死にそうなんだよな……)
自分が手を貸す必要はないかもしれないと思いながらも、やはりこういった場面は見過ごせない。
それをザハークとミレアナも解っているので、ソウスケの後に付いて行き……レッドウルフたちを速攻で仕留めていく。
「加勢します!!!」
既に加勢しているが、一応敵ではない事を伝える。
「ありがとう!!!」
一団のリーダーである騎士が代表して感謝の言葉を述べ、群れのボスである通常種とは異なるグレートウルフの元へと向かった。
レッドウルフの対処をソウスケたちに任せ、脅威であるリーダーのグレートウルフを潰す。
その判断は間違っていないが、感謝の言葉を述べた騎士だけで倒せるのか少々不安に思ったソウスケだが……彼の戦いぶりを見て、それは要らない心配だったと確信した。
(この階層まで来ただけあって、かなり強いな)
一団は十数名いるが全員が騎士ではなく、中には魔法使いも混ざっている。
全員が実力者ではあるが、ダンジョンに潜り始めてからの疲労やダメージが残っており、殆どがCランクのモンスターとはいえ、少々危ない状況だった。
「はぁぁああああああッ!!!!!」
大将である赤毛のグレートウルフと戦闘が始まってから一分も経たず、一団のリーダーである騎士はバスターソードで見事、首を斬り落とした。
(……あのグレートウルフ、ランクはBみたいだな。そんなグレートウルフの……亜種? を相手にあっさりと勝った。実力的には、Aランククラスかな?)
見た目から冒険者ではないと判断。
だが、今までの経験上……冒険者以外もダンジョンに潜ることは知っているので、特に驚きはない。
「君たち、助けくれてありがとう」
「いえいえ、偶々見かけたらちょっと危なそうだったんで」
「……そうだな。普段なら危ない状況になることもないんだが、今回は君たちが助けてくれなかった、誰かが殺られていたかもしれなかった」
あまりコンディションはよろしくない。
それはリーダーである騎士も自覚していた。
一団のメンバーも同じく、自分たちがかなり無茶をしている自覚はある。
(?? この人たちは、訓練的な意味合いでダンジョンを探索してる訳じゃない……みたいだな)
素人目でも、彼らのひゅじょうから疲れが溜まっているのが解る。
だが……表情から全員がそれを自覚していることも解り……だからといって、止まれないという意思も感じ取れる。
「その……全く面識がない身ではありますけど、少し休まれた方が良いかと。ダンジョンの中で注意散漫になっていると、うっかりミスで死ぬこともあります」
「プロの助言をありがとう。だが、我々には時間がないのだ」
時間がない……そのワードだけで、ソウスケとミレアナはなんとなく事情を察した。
思い浮かんだ考えが正しければ、彼らを無理には止まった方が良いと言えない。
しかし、さすがに目の見えて疲労が溜まっているにも関わらず、無茶をしようとしている者を見捨てられない。
「……自分は、冒険者です。もしお困りであれば、報酬さえ払って頂ければ仕事は必ず完遂します」
とはいえ、慈善事業ではないので……しっかりとそこは線引きしなければならない。
リーダーである騎士はソウスケの真剣な眼を見て、少しの間悩み……仲間の表情を見て、もう一度ソウスケに視線を戻した。
「君は……ソウスケ君で、あってるかな」
「は、はい。そうです」
自分のことを目の前の騎士が知っていることに驚き、理由が気になったがそれは後回し。
騎士が何故疲労が思いっきり表情に現れるまで無茶をしているのか、その理由を話し始め、ソウスケは聞き漏らさない様に意識を集中した。
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