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七百三十話 その思いは、ぐっと飲み込む
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「ふぅ、とりあえず無駄にせず済んだな……解体する時、一旦大きな箱? か何かに入れた方が良いな」
真っ二つに切断されたガルムの血などは、ソウスケがスーパーダッシュで向かい、アイテムボックスの中に入れたので無駄にせずに済んだ。
そして、ガルムの超高火力の一点集中型ブレスを迎え撃つために放ったソウスケの斬撃は……ガルムを切断した後も後方を切り裂いていったが、幸いにも他の探索者が斬撃に斬られ、命を落とすという悲劇に遭遇するという事件は起きなかった。
「勝ったぞ」
「あぁ、しっかりと観ていた。ただ……最後の攻撃は、少しオーバーキルだったのではないか?」
「あっ、やっぱり」
ミレアナの方にチラッと顔を向けると、ザハークの考えに同意するように軽く頷いた。
(だよな……自分でも後から思ったけど、避けるって選択肢を取れなかったからさ)
一点集中型のブレス故に、中途半端な攻撃では対抗出来ない。
「でもさ、あのブレスに生半可な攻撃は通じないだろ」
「それはそうだな……それを考えれば、仕方ないか」
「そうだろそうだろ、仕方なかったんだよ」
ザハークが自分の行動に仕方ないと納得してくれ、安心したソウスケ。
しかし、ミレアナにはあの状況で……あそこまで超高切れ味な斬撃を放たずとも、なんとか出来た案が浮かんだ。
「その……ソウスケさん」
「なんだ?」
「それなりの魔力を込めた斬撃刃であれば、水龍の蒼剣の性能もあって、ガルムが放ったブレスを数秒ほど耐えることは出来たかと」
「……あぁ~~~~……うん、そうだな」
そこまでの言葉だけで、ソウスケはミレアナが何を言いたいのか納得した。
そしてそのアイデアを実行していれば、もしかしたら関係無い同業者を殺してしまったかもしれないような斬撃放つこともなかった。
(数秒さえ時間を稼げれば、回避することは出来たよな……全然頭回ってなかったな)
仮に放った斬撃が一点集中型ブレスに焼かれてしまっても、確実に時間は稼げた。
そのほんの数瞬さえあれば、ソウスケなら確実に回避できた。
「全然頭が回ってなかったわ」
「あ、いえ、ソウスケさんの判断が悪かった訳ではありませんから」
「……そうだよな。ありがとう」
ミレアナのフォローは虚しく、ソウスケは自分の行動を反省した。
(ダンジョンだからといって、ちょっと張り切り過ぎたか……あんな危険な攻撃を出してしまうなら、蛇腹剣だけで戦ってた方が良かったかもな)
蛇腹剣や、普段からソウスケが使用しているグラディウスも業物。
ガルムを相手にするのに不足はないが……それでも、ガルムと対峙した瞬間のソウスケは、水龍の蒼剣を使っても文句ない相手だと思えた。
その判断自体は決して間違ってはいなかった。
ただ……威力の調整と、扱う際の考えが足りなかった。
ガルムの毛皮は見た目以上に堅く、水龍の蒼剣を使うに相応しい相手ではあったが、そこにソウスケの身体能力などが加われば……先程の様な結果になるのは目に見えていた。
「なぁ、俺が斬撃刃を放った時、悲鳴とかは聞こえなかったよな」
「はい、聞けませんでした」
「聞こえなかったな。だからソウスケさん、その事に関しては気にしなくても大丈夫だぞ」
「良かった……いや、本当に良かった」
今回の一件で罪なき人を殺してしまっていたら、ソウスケは強い後悔に襲われただろう。
いくらチートなソウスケでも、失った命までは回復できない。
「やっぱり危なっかしい、ってのは俺の技術や経験不足か」
扱い辛い代物であるのは確かだが、戦闘者がそれを口にしては自分の駄目な部分を愚痴っているのと同じ。
そういった思いを飲み込み、ソウスケは最下層に到着するまで、もう少し水龍の蒼剣を使ってみようと決めた。
勿論、モンスターと戦う際には周囲に人がいないかを絶対に確認してから戦闘を始めている。
真っ二つに切断されたガルムの血などは、ソウスケがスーパーダッシュで向かい、アイテムボックスの中に入れたので無駄にせずに済んだ。
そして、ガルムの超高火力の一点集中型ブレスを迎え撃つために放ったソウスケの斬撃は……ガルムを切断した後も後方を切り裂いていったが、幸いにも他の探索者が斬撃に斬られ、命を落とすという悲劇に遭遇するという事件は起きなかった。
「勝ったぞ」
「あぁ、しっかりと観ていた。ただ……最後の攻撃は、少しオーバーキルだったのではないか?」
「あっ、やっぱり」
ミレアナの方にチラッと顔を向けると、ザハークの考えに同意するように軽く頷いた。
(だよな……自分でも後から思ったけど、避けるって選択肢を取れなかったからさ)
一点集中型のブレス故に、中途半端な攻撃では対抗出来ない。
「でもさ、あのブレスに生半可な攻撃は通じないだろ」
「それはそうだな……それを考えれば、仕方ないか」
「そうだろそうだろ、仕方なかったんだよ」
ザハークが自分の行動に仕方ないと納得してくれ、安心したソウスケ。
しかし、ミレアナにはあの状況で……あそこまで超高切れ味な斬撃を放たずとも、なんとか出来た案が浮かんだ。
「その……ソウスケさん」
「なんだ?」
「それなりの魔力を込めた斬撃刃であれば、水龍の蒼剣の性能もあって、ガルムが放ったブレスを数秒ほど耐えることは出来たかと」
「……あぁ~~~~……うん、そうだな」
そこまでの言葉だけで、ソウスケはミレアナが何を言いたいのか納得した。
そしてそのアイデアを実行していれば、もしかしたら関係無い同業者を殺してしまったかもしれないような斬撃放つこともなかった。
(数秒さえ時間を稼げれば、回避することは出来たよな……全然頭回ってなかったな)
仮に放った斬撃が一点集中型ブレスに焼かれてしまっても、確実に時間は稼げた。
そのほんの数瞬さえあれば、ソウスケなら確実に回避できた。
「全然頭が回ってなかったわ」
「あ、いえ、ソウスケさんの判断が悪かった訳ではありませんから」
「……そうだよな。ありがとう」
ミレアナのフォローは虚しく、ソウスケは自分の行動を反省した。
(ダンジョンだからといって、ちょっと張り切り過ぎたか……あんな危険な攻撃を出してしまうなら、蛇腹剣だけで戦ってた方が良かったかもな)
蛇腹剣や、普段からソウスケが使用しているグラディウスも業物。
ガルムを相手にするのに不足はないが……それでも、ガルムと対峙した瞬間のソウスケは、水龍の蒼剣を使っても文句ない相手だと思えた。
その判断自体は決して間違ってはいなかった。
ただ……威力の調整と、扱う際の考えが足りなかった。
ガルムの毛皮は見た目以上に堅く、水龍の蒼剣を使うに相応しい相手ではあったが、そこにソウスケの身体能力などが加われば……先程の様な結果になるのは目に見えていた。
「なぁ、俺が斬撃刃を放った時、悲鳴とかは聞こえなかったよな」
「はい、聞けませんでした」
「聞こえなかったな。だからソウスケさん、その事に関しては気にしなくても大丈夫だぞ」
「良かった……いや、本当に良かった」
今回の一件で罪なき人を殺してしまっていたら、ソウスケは強い後悔に襲われただろう。
いくらチートなソウスケでも、失った命までは回復できない。
「やっぱり危なっかしい、ってのは俺の技術や経験不足か」
扱い辛い代物であるのは確かだが、戦闘者がそれを口にしては自分の駄目な部分を愚痴っているのと同じ。
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