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七百七十二話 零れる怒り
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「ふぅ~~~、頭が痛いな」
二人は早急でパルスのギルドマスターと面会。
今回自分たちの身に起こったことを話した。
話を聞き終えたギルドマスターは、非常に頭が痛くなった。
「これが、あいつらが所有していた武器です」
ソウスケは亜空間の中から、同じ紋章が入った短剣を取り出し、テーブルに置いた。
「少し待ってくれ」
ギルドマスターは棚から資料を取り出し、何かを調べ始めた。
「……なるほど。そうだな……クソっ!」
できれば、どこかの組織の者たちが、私怨的な恨みで二人を襲った。
そうであってほしかったが、現実は二人からの話が正しかった。
その事実を受け入れるしかなく、自然と口から怒りが零れた。
「すまない。少々取り乱した。二人とも、情報提供感謝する」
「いえ。しかし、ルクローラ王国とは仲が悪かったのですか?」
ソウスケは転移した国の事について、あまり興味がなく、当然歴史にも興味がない。
「そうだな。最近こそ落ち着いてきたと思っていたが、単に牙を研いでいただけだった。ということになるな」
過去に衝突した歴史があるため、最近は落ち着いてきたとはいっても、全く仲良しではなかった。
「戦争が起こるのも、そう遠くはないか」
「戦争とは、こう……一か所で行われるものですか? それとも、侵略戦争ですか?」
「…………個人的な考えだが、おそらく侵略戦争になるだろう。本格的に王都まで攻め込むような戦争ではないが、完全に領地を超えた戦争になる」
「領地の奪いになる、ということですかあ」
「こちら側が、エイリスト王国のお偉いさんたちがどう考えるか。それ次第だな」
戦争になるのは間違いない。
それが近いうちに起こるという現実に、三人の体に冷や汗が流れる。
「因みにだが、二人はエイリスト王国を裏切る気がないから、輩たちを殺したんだよな」
「おぅ、勿論だ」
「えぇ、そうですよ」
べリウスは、元々そんなつもりが一切ない。
そしてソウスケだが……この国に対し、愛国心など無い。
だが、知人友人はいる。
再びテーブルを囲い、美味い飯を食べて酒を呑みたい。
そう思える者たちがいる。
だからこそ、侵略しようとしてくるルクローラ王国の連中たちは潰す。
ようは、思い入れの差だった。
「そうか。それは良かったぜ。にしても、戦争か……先に言っておくが、戦争が起きればお前らは強制参加だ」
べリウスはBランクで、ソウスケはCランク。
有事の際は必ず駆り出される。
領地の守護なども考えれば、多少は街に残らなければならない者たちもいるが、二人の戦力を考えれば、戦場に出さなければならない。
「やってやりますよ」
「終戦まで何日かかるのか分かりませんが、殺れるだけ殺ります」
これから戦うかもしれない者たちが、今まで自分と命を懸けて戦ってきた者たちとは違う。
それはなんとなく解っているが……だからといって、ソウスケの中に甘さが生まれることはなかった。
「嬉しい言葉だ」
パルスのギルドマスターは、一つの資料として、ソウスケたちの功績が頭の中に入っている。
(高ランクの冒険者たちがガチで挑むダンジョンに、遊び感覚で挑みに行く……面を見て、言葉で表すのが難しい強さを持ってる。それだけは解るな)
元戦闘者であるため、ソウスケが噂以下の人物だと断定することはない。
逆に、そんなパーティーがルクローラ王国に寝返らなくて、心底ホッとしていた。
そして十数分後、ようやく二人は執務室から出て、ロビーへと戻った。
「そ、ソウスケさん、べリウスさん。あの、いったい何が……」
「すまんが、また言えない。時が来たら、ギルドから伝えられる」
それだけ後輩たちに伝え、べリウスはソウスケたちを夕食に誘い、個室がある少々お高いレストランへと向かった。
(そうだよな。一応まだ機密情報だし、簡単に話すわけにはいかないよな)
とはいえ、二人の表情には表情にの機微に鈍感な者でなければ、気付ける不安が現れていた。
二人は早急でパルスのギルドマスターと面会。
今回自分たちの身に起こったことを話した。
話を聞き終えたギルドマスターは、非常に頭が痛くなった。
「これが、あいつらが所有していた武器です」
ソウスケは亜空間の中から、同じ紋章が入った短剣を取り出し、テーブルに置いた。
「少し待ってくれ」
ギルドマスターは棚から資料を取り出し、何かを調べ始めた。
「……なるほど。そうだな……クソっ!」
できれば、どこかの組織の者たちが、私怨的な恨みで二人を襲った。
そうであってほしかったが、現実は二人からの話が正しかった。
その事実を受け入れるしかなく、自然と口から怒りが零れた。
「すまない。少々取り乱した。二人とも、情報提供感謝する」
「いえ。しかし、ルクローラ王国とは仲が悪かったのですか?」
ソウスケは転移した国の事について、あまり興味がなく、当然歴史にも興味がない。
「そうだな。最近こそ落ち着いてきたと思っていたが、単に牙を研いでいただけだった。ということになるな」
過去に衝突した歴史があるため、最近は落ち着いてきたとはいっても、全く仲良しではなかった。
「戦争が起こるのも、そう遠くはないか」
「戦争とは、こう……一か所で行われるものですか? それとも、侵略戦争ですか?」
「…………個人的な考えだが、おそらく侵略戦争になるだろう。本格的に王都まで攻め込むような戦争ではないが、完全に領地を超えた戦争になる」
「領地の奪いになる、ということですかあ」
「こちら側が、エイリスト王国のお偉いさんたちがどう考えるか。それ次第だな」
戦争になるのは間違いない。
それが近いうちに起こるという現実に、三人の体に冷や汗が流れる。
「因みにだが、二人はエイリスト王国を裏切る気がないから、輩たちを殺したんだよな」
「おぅ、勿論だ」
「えぇ、そうですよ」
べリウスは、元々そんなつもりが一切ない。
そしてソウスケだが……この国に対し、愛国心など無い。
だが、知人友人はいる。
再びテーブルを囲い、美味い飯を食べて酒を呑みたい。
そう思える者たちがいる。
だからこそ、侵略しようとしてくるルクローラ王国の連中たちは潰す。
ようは、思い入れの差だった。
「そうか。それは良かったぜ。にしても、戦争か……先に言っておくが、戦争が起きればお前らは強制参加だ」
べリウスはBランクで、ソウスケはCランク。
有事の際は必ず駆り出される。
領地の守護なども考えれば、多少は街に残らなければならない者たちもいるが、二人の戦力を考えれば、戦場に出さなければならない。
「やってやりますよ」
「終戦まで何日かかるのか分かりませんが、殺れるだけ殺ります」
これから戦うかもしれない者たちが、今まで自分と命を懸けて戦ってきた者たちとは違う。
それはなんとなく解っているが……だからといって、ソウスケの中に甘さが生まれることはなかった。
「嬉しい言葉だ」
パルスのギルドマスターは、一つの資料として、ソウスケたちの功績が頭の中に入っている。
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元戦闘者であるため、ソウスケが噂以下の人物だと断定することはない。
逆に、そんなパーティーがルクローラ王国に寝返らなくて、心底ホッとしていた。
そして十数分後、ようやく二人は執務室から出て、ロビーへと戻った。
「そ、ソウスケさん、べリウスさん。あの、いったい何が……」
「すまんが、また言えない。時が来たら、ギルドから伝えられる」
それだけ後輩たちに伝え、べリウスはソウスケたちを夕食に誘い、個室がある少々お高いレストランへと向かった。
(そうだよな。一応まだ機密情報だし、簡単に話すわけにはいかないよな)
とはいえ、二人の表情には表情にの機微に鈍感な者でなければ、気付ける不安が現れていた。
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