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八百五十四話 条件はまだある
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「一応最低限の上限? 的なのを提示したけど、実際のところどうするんだ?」
朝食後、一旦部屋に戻った二人はミレアナが淹れた紅茶を飲んでゆったりとしていた。
「そうですね……今ソウスケさんが言った通り、Bランクモンスターをソロで倒せるというのは、最低条件です。それを本当に乗り越えることが出来れば、次はソロでAランクモンスターを倒せる否か。そこが要点となります」
「え、Aランクモンスターをソロで倒す、か……中々無茶を言うな」
自身が色々と特別であることは重々承知している為、Aランクモンスターをソロで倒すことが、どれだけ凄いのかしっかりと理解している。
仮に三人が第一の条件を突破し、次の条件を聞いたときに浮かべる表情が容易に想像出来てしまう。
「えぇ、そうですね。とても無茶だと思います。しかし、そこは外せません」
「厳しいなぁ~~~。まぁでも、ミレアナの横に立つってなると、それぐらいの実力がないと無理な話ではあるもんな」
パラデットスコーピオンの亜種、赤毛のアシュラコングに溶岩竜、ガルム、クリムゾンリビングナイトにオールドオーガなどのAランクモンスターを今まで倒してきた三人。
どれも決して楽な戦いではなかった。
その厳しさを忘れたわけではないが、それでもミレアナは第二条件として外せない。
「それを達成出来たのであれば、最後の条件を提示します」
「ッ!? ま、まだあるのか!!??」
今度はSランクモンスターをソロで倒せるか否か、とでも言うつもりなのか。
それは流石に可哀想過ぎないかと思い始めたソウスケ。
「はい、これで最後です……ソウスケさんと一対一で勝つことが出来れば、真剣に考えます」
「ッ!!!!????」
最後の最後に自分を条件として出され、完全に予想外過ぎて固まってしまった本人。
「……えっ、俺を倒せるか否かがラインになる、のか?」
「はい、そうです。二人残ったのであれば、ソウスケさんとザハークを相手に二対二で倒せるかでも良いのですが」
「それはそれで無茶な気がするんだが……って、ミレアナ。仮に……仮にだけど、あの三人の中で誰か一人でも第一、第二の条件をクリアしたやつを相手に……俺はこいつを使っても良いのか?」
ソウスケが指を刺した物は、指輪状の蛇腹剣。
「ッ、それは考えていませんでしたね」
本当に考えていなかったため、今一度真剣に考え始めた。
「……………………そうですね。蛇腹剣の使用はなしという状態でのタイマン勝負、ですね」
「そ、そうか」
とりあえずホッとした。良かったと、何故か安心した。
ソウスケが持っていないスキルを、蛇腹剣が喰らっていれば発動することが出来る。
これぐらいであれば、まだそこそこ常識外れなマジックアイテムに収まる。
しかし、実際の効果はソウスケが有しているスキルであれば、重複発動が可能となる。
それはもう完全に反則過ぎる切り札。
(蛇腹剣を使うのが有りだったら、正直負ける気しないからな)
とはいえ、蛇腹剣の使用はなしとなっても、ミレアナを想って頑張る野郎たちが不幸であることに変わりはない。
「まぁ、まだまだ先の話にはなると思うけど……他に縛りはないのか?」
「……レヴァルグ、水龍の蒼剣は使用禁止にした方が良いかもしれませんね」
「それはそうだな。Aランクモンスターをソロで倒せるぐらい強くなったとしても、簡単に手に入れられる武器ではないからな」
Aランクモンスターを無事に何体も倒せる実力があれば、倒した際に手に入れた素材などを一流の鍛冶師に渡して造ってもらえば、レヴァルグや水龍の蒼剣並みの得物が出来上がるかもしれないが……それはそれで難しいという話である。
「というか、結局あれなんだ。俺を倒せたとしても、考えるで留まるんだな」
「はい。そうなりますね。ただ、先程言った通り真剣に考えます」
真剣に考える。
そう口にしたミレアナの目に嘘はなく、心の底からそこまで彼らが努力を続ければ、失礼だと判断したのだ。
(……あのミレアナが真剣に考えるってのは、ちゃんと彼らの気持ちに向き合うことになるのか……)
先の条件を知ってしまったソウスケだが、あまりにも内容が内容であるため、こっそり彼らに伝えようなどと一ミリも考えなかった。
朝食後、一旦部屋に戻った二人はミレアナが淹れた紅茶を飲んでゆったりとしていた。
「そうですね……今ソウスケさんが言った通り、Bランクモンスターをソロで倒せるというのは、最低条件です。それを本当に乗り越えることが出来れば、次はソロでAランクモンスターを倒せる否か。そこが要点となります」
「え、Aランクモンスターをソロで倒す、か……中々無茶を言うな」
自身が色々と特別であることは重々承知している為、Aランクモンスターをソロで倒すことが、どれだけ凄いのかしっかりと理解している。
仮に三人が第一の条件を突破し、次の条件を聞いたときに浮かべる表情が容易に想像出来てしまう。
「えぇ、そうですね。とても無茶だと思います。しかし、そこは外せません」
「厳しいなぁ~~~。まぁでも、ミレアナの横に立つってなると、それぐらいの実力がないと無理な話ではあるもんな」
パラデットスコーピオンの亜種、赤毛のアシュラコングに溶岩竜、ガルム、クリムゾンリビングナイトにオールドオーガなどのAランクモンスターを今まで倒してきた三人。
どれも決して楽な戦いではなかった。
その厳しさを忘れたわけではないが、それでもミレアナは第二条件として外せない。
「それを達成出来たのであれば、最後の条件を提示します」
「ッ!? ま、まだあるのか!!??」
今度はSランクモンスターをソロで倒せるか否か、とでも言うつもりなのか。
それは流石に可哀想過ぎないかと思い始めたソウスケ。
「はい、これで最後です……ソウスケさんと一対一で勝つことが出来れば、真剣に考えます」
「ッ!!!!????」
最後の最後に自分を条件として出され、完全に予想外過ぎて固まってしまった本人。
「……えっ、俺を倒せるか否かがラインになる、のか?」
「はい、そうです。二人残ったのであれば、ソウスケさんとザハークを相手に二対二で倒せるかでも良いのですが」
「それはそれで無茶な気がするんだが……って、ミレアナ。仮に……仮にだけど、あの三人の中で誰か一人でも第一、第二の条件をクリアしたやつを相手に……俺はこいつを使っても良いのか?」
ソウスケが指を刺した物は、指輪状の蛇腹剣。
「ッ、それは考えていませんでしたね」
本当に考えていなかったため、今一度真剣に考え始めた。
「……………………そうですね。蛇腹剣の使用はなしという状態でのタイマン勝負、ですね」
「そ、そうか」
とりあえずホッとした。良かったと、何故か安心した。
ソウスケが持っていないスキルを、蛇腹剣が喰らっていれば発動することが出来る。
これぐらいであれば、まだそこそこ常識外れなマジックアイテムに収まる。
しかし、実際の効果はソウスケが有しているスキルであれば、重複発動が可能となる。
それはもう完全に反則過ぎる切り札。
(蛇腹剣を使うのが有りだったら、正直負ける気しないからな)
とはいえ、蛇腹剣の使用はなしとなっても、ミレアナを想って頑張る野郎たちが不幸であることに変わりはない。
「まぁ、まだまだ先の話にはなると思うけど……他に縛りはないのか?」
「……レヴァルグ、水龍の蒼剣は使用禁止にした方が良いかもしれませんね」
「それはそうだな。Aランクモンスターをソロで倒せるぐらい強くなったとしても、簡単に手に入れられる武器ではないからな」
Aランクモンスターを無事に何体も倒せる実力があれば、倒した際に手に入れた素材などを一流の鍛冶師に渡して造ってもらえば、レヴァルグや水龍の蒼剣並みの得物が出来上がるかもしれないが……それはそれで難しいという話である。
「というか、結局あれなんだ。俺を倒せたとしても、考えるで留まるんだな」
「はい。そうなりますね。ただ、先程言った通り真剣に考えます」
真剣に考える。
そう口にしたミレアナの目に嘘はなく、心の底からそこまで彼らが努力を続ければ、失礼だと判断したのだ。
(……あのミレアナが真剣に考えるってのは、ちゃんと彼らの気持ちに向き合うことになるのか……)
先の条件を知ってしまったソウスケだが、あまりにも内容が内容であるため、こっそり彼らに伝えようなどと一ミリも考えなかった。
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