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八百五十七話 感服、そして昇天
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ソウスケは戦時中、基本的に遭遇して不利と解ると否や、逃げようとする戦闘者たちを逃がさなかった。
ここで彼らを逃がせば、エイリスト王国側から参加している仲間たちが死ぬ要因になるかもしれない。
幸いにも何名か生き延びた者はいたが、ソウスケに背を向けて逃げようものなら……滅炎の餌食となる。
その恐ろしいまでの殲滅っぷりはルクローラ王国の方に伝わっており、殺された戦闘者たちの親族がソウスケを憎むようになるのは至極当然。
(言えない……絶対にそんな事はあり得ませんなんて、言えない)
スカウトとしてやって来たソフィアでさえ、上から言われて仕方なくスカウトとしに来ただけであり、元々はソウスケたちのスカウトなど反対。
「俺は、自分たちに危害を加えてくるような連中を気軽に許す程、できた人間ではありません」
「私とザハークは、ソウスケさんの陰口を叩くような者がいれば、その場で叩き潰します」
どういう条件を出されても、お前たちに従うことはない。
そういう意志を示す為、珍しく過激な発言を口にしたミレアナ。
(ぅ、嘘を言ってるようには、思えない、わね)
とはいえ、これで上の者たちに対して丁度良い良い訳ができた。
ソウスケ、ミレアナ、ザハーク。この三人を手に入れることが出来れば、国の戦闘力が爆上がりするのは間違いない。
しかし……その三人はルクローラ王国にとって、核爆弾に近い存在なる。
扱い方を間違えれば、ルクローラ王国が吹っ飛んでもおかしくない。
騎士、貴族たちなどの事情を考えれば、万が一上手く囲むことに成功したとしても、今度は内側から崩れていくのが目に見えている。
「……分かりました。今日はこちらの都合に付き合って頂き、ありがとうございます」
「いえいえ、美味しいご飯を奢って貰ったんで、全然大丈夫ですよ」
その後は堅苦しい話をすることなく、エイリスト王国やルクローラ王国など関係無く食事と会話を楽しんだ。
だが……そんな中、ソフィアは思わず一つ、普通に考えてソウスケに聞く様な内容ではない質問をしてしまった。
「その、どうすればソウスケさんたちの様に強くなれるのですか?」
「…………」
ソフィアは質問を言葉にしてしまってから「しまった!!」と思ったが、ソウスケは彼女の問いに関して真剣に考え込んだ。
(……今まで教師の真似事はそれなりにしてきたけど、多分彼女が求めてる答えは、今まで教えてきた内容じゃないんだよな……多分)
目の前の料理を黙々と食べながら数分間、じっくりと考え込み、結論を出した。
「戦闘を楽しめる人であれば、可能だと思います」
「つ、つまり戦闘狂でなければ、ソウスケさんたちの様に強くなるのは不可能だと」
「戦闘狂と言いますか……どこまでも強くなることに対して貪欲な人なら可能性はあるかもしれません。勿論、血統や才能も重要だとは思いますけど」
ソウスケには血統こそないものの、その才能は紛れもなく神から授かった才能。
そしてミレアナはハイ・エルフという超超超貴重な血統を有しており、その才は一族の中でもトップクラス。
従魔であるザハークはダンジョンで生まれた希少種という、中々に奇想天外な特殊個体。
そんな三人は……ミレアナだけ少々怪しいが、非常に冒険を……戦闘を楽しんでいる。
「でも、これは本当に俺の個人的な意見なんで、あまり参考にはならないと思いますよ。というか、上の人たちに話したら可哀想な子供が増えると思うんで、出来れば上の人たちには伝えないでくれると嬉しいです」
「ッ…………分かりました。その優しさ、しかと胸に刻んでおきます」
「?? ど、どうも???」
ソフィアの言葉に若干戸惑うソウスケ。
(全く関係無い、私たちの国子供たちの為を思って……当たり前のことですが、悪い人ではありませんでしたね)
ソウスケの考え方に感服したのも束の間……食事の合計金額を見て、ソフィアはその場で昇天しかけた。
ここで彼らを逃がせば、エイリスト王国側から参加している仲間たちが死ぬ要因になるかもしれない。
幸いにも何名か生き延びた者はいたが、ソウスケに背を向けて逃げようものなら……滅炎の餌食となる。
その恐ろしいまでの殲滅っぷりはルクローラ王国の方に伝わっており、殺された戦闘者たちの親族がソウスケを憎むようになるのは至極当然。
(言えない……絶対にそんな事はあり得ませんなんて、言えない)
スカウトとしてやって来たソフィアでさえ、上から言われて仕方なくスカウトとしに来ただけであり、元々はソウスケたちのスカウトなど反対。
「俺は、自分たちに危害を加えてくるような連中を気軽に許す程、できた人間ではありません」
「私とザハークは、ソウスケさんの陰口を叩くような者がいれば、その場で叩き潰します」
どういう条件を出されても、お前たちに従うことはない。
そういう意志を示す為、珍しく過激な発言を口にしたミレアナ。
(ぅ、嘘を言ってるようには、思えない、わね)
とはいえ、これで上の者たちに対して丁度良い良い訳ができた。
ソウスケ、ミレアナ、ザハーク。この三人を手に入れることが出来れば、国の戦闘力が爆上がりするのは間違いない。
しかし……その三人はルクローラ王国にとって、核爆弾に近い存在なる。
扱い方を間違えれば、ルクローラ王国が吹っ飛んでもおかしくない。
騎士、貴族たちなどの事情を考えれば、万が一上手く囲むことに成功したとしても、今度は内側から崩れていくのが目に見えている。
「……分かりました。今日はこちらの都合に付き合って頂き、ありがとうございます」
「いえいえ、美味しいご飯を奢って貰ったんで、全然大丈夫ですよ」
その後は堅苦しい話をすることなく、エイリスト王国やルクローラ王国など関係無く食事と会話を楽しんだ。
だが……そんな中、ソフィアは思わず一つ、普通に考えてソウスケに聞く様な内容ではない質問をしてしまった。
「その、どうすればソウスケさんたちの様に強くなれるのですか?」
「…………」
ソフィアは質問を言葉にしてしまってから「しまった!!」と思ったが、ソウスケは彼女の問いに関して真剣に考え込んだ。
(……今まで教師の真似事はそれなりにしてきたけど、多分彼女が求めてる答えは、今まで教えてきた内容じゃないんだよな……多分)
目の前の料理を黙々と食べながら数分間、じっくりと考え込み、結論を出した。
「戦闘を楽しめる人であれば、可能だと思います」
「つ、つまり戦闘狂でなければ、ソウスケさんたちの様に強くなるのは不可能だと」
「戦闘狂と言いますか……どこまでも強くなることに対して貪欲な人なら可能性はあるかもしれません。勿論、血統や才能も重要だとは思いますけど」
ソウスケには血統こそないものの、その才能は紛れもなく神から授かった才能。
そしてミレアナはハイ・エルフという超超超貴重な血統を有しており、その才は一族の中でもトップクラス。
従魔であるザハークはダンジョンで生まれた希少種という、中々に奇想天外な特殊個体。
そんな三人は……ミレアナだけ少々怪しいが、非常に冒険を……戦闘を楽しんでいる。
「でも、これは本当に俺の個人的な意見なんで、あまり参考にはならないと思いますよ。というか、上の人たちに話したら可哀想な子供が増えると思うんで、出来れば上の人たちには伝えないでくれると嬉しいです」
「ッ…………分かりました。その優しさ、しかと胸に刻んでおきます」
「?? ど、どうも???」
ソフィアの言葉に若干戸惑うソウスケ。
(全く関係無い、私たちの国子供たちの為を思って……当たり前のことですが、悪い人ではありませんでしたね)
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