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千二十八話 代償
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「おっ、泣いてしまうのか? まぁ仕方ないか。子供だ……子供だもんな。まだ色々と知らないことが多過ぎる子供だ。貴族の令息と言えど、泣いてしまうのも仕方ないでしょう。でも…………泣けば許してもらえると思うのは、また違うと思いませんか?」
ソウスケはいきなりザハークを寄越せと言ってきた子供、ではなく護衛の騎士たちに言葉を投げた。
「貴族の令息が泣いてしまったのだから、もう許してあげても良いのではないか? 何も状況を知らない人はそう思うでしょうね。そもそもな話、そこの少年は何も対価を用意せずに俺の大切な仲間を寄越せた言ったことが始まりだというのに」
「っ!!!」
語られた事実に、子供はびくりと肩を震わせる。
「個人的に、同世代の子供たちと比べて、それなりに賢い筈の子供が何も対価を提示せずに人の大切な存在を寄越せと言う時点で色々と疑いたくなりますが……それとも、この子は将来人の物を権力を振りかざして奪う人になるのでしょうか?」
「っ、冒険者よ……この方の非礼は詫びる。だから」
「あなたの相手が見るかに平民の冒険者である存在に、非礼を詫びると口に出来る精神は、平民として信頼を感じられます。ですが、一平民としてはその子の様な人物がそのまま大人になられると……全く関係のない平民たちが
迷惑をこうむるんですよ」
先程までまだ子供と言える令息が涙を流し始めたことに同情する通行人たちが居たが、直ぐに大半の者たちはソウスケの考えに賛同し始めた。
「確かに貴族には、騎士には平民には想像出来ない責任、プレッシャー、期待があるかもしれませんけど、だからといって何も迷惑を掛けていない平民から何かを奪って良いわけではないんですよ」
「っ、ぁ……ぁ、っ!!!」
涙が止まらなくなる貴族の令息。
護衛騎士たちは再度、ソウスケにそれ以上何も言わないでくれと伝えたかったが……ザハークとミレアナの鋭い眼光によって、止められていた。
「………………自分が何をしようしたしたのか、その代償を解ってもらえたようでなによりです」
貴族の令息が……子供の我儘が暴走した形とはいえ、Bランクの冒険者ではあるが、平民の男から大切な仲間を奪おうとした。
その事実は決して変わらず、そういった事を実行しようとすれば……民から失望、ゴミを見るような眼を向けられるという事実を、貴族の令息は理解した。
「さて、これ以上は虐めになってしまいますので、これ以上事実を突き付けるのは止めましょう……ところで、護衛騎士の方々。まさかとは思いますが、後で面倒な輩を差し向けてきたりしませんよね」
今度はザハークとミレアナではなく、ソウスケから鋭い眼光が飛ばされる。
「俺はこれでも冒険者です。やられっぱなしというのは性に合わず、どうにかしてやられた分はやりかえそうとしたくなります」
「っ、肝に銘じよう」
全容は解らない。
どういった武器を主に扱うのか、得意な属性魔法は何か……どのような珍しいスキルを有しているのか、細かい戦力までは解らない。
しかし騎士二人は、おおよその戦力と底知れない戦闘力だけは感じ取れていた。
本当に目の前の青年が、言葉通りの行動を起こすのかは解らない。
だとしても……本当に彼らがその気になった場合、自分たちが守らなければならない存在を守り切れると、断言出来なかった。
「それは良かったです。やっぱり話が解かる人との会話は疲れませんね。それでは」
変わらず、普段通りの態度で貴族の令息、護衛騎士たちの前から去っていくソウスケたち。
彼の言っている事は、どれも正しかった。
それでも世の中、その正しい言葉を中々権力者の前で口に出来ないもの。
にもかかわらず、堂々とその正しさを言い切った青年に……野次馬となっていた者たちは拍手を送りたかったが、まだ貴族の令息が居たこともあり、心の中から拍手を送った。
ソウスケはいきなりザハークを寄越せと言ってきた子供、ではなく護衛の騎士たちに言葉を投げた。
「貴族の令息が泣いてしまったのだから、もう許してあげても良いのではないか? 何も状況を知らない人はそう思うでしょうね。そもそもな話、そこの少年は何も対価を用意せずに俺の大切な仲間を寄越せた言ったことが始まりだというのに」
「っ!!!」
語られた事実に、子供はびくりと肩を震わせる。
「個人的に、同世代の子供たちと比べて、それなりに賢い筈の子供が何も対価を提示せずに人の大切な存在を寄越せと言う時点で色々と疑いたくなりますが……それとも、この子は将来人の物を権力を振りかざして奪う人になるのでしょうか?」
「っ、冒険者よ……この方の非礼は詫びる。だから」
「あなたの相手が見るかに平民の冒険者である存在に、非礼を詫びると口に出来る精神は、平民として信頼を感じられます。ですが、一平民としてはその子の様な人物がそのまま大人になられると……全く関係のない平民たちが
迷惑をこうむるんですよ」
先程までまだ子供と言える令息が涙を流し始めたことに同情する通行人たちが居たが、直ぐに大半の者たちはソウスケの考えに賛同し始めた。
「確かに貴族には、騎士には平民には想像出来ない責任、プレッシャー、期待があるかもしれませんけど、だからといって何も迷惑を掛けていない平民から何かを奪って良いわけではないんですよ」
「っ、ぁ……ぁ、っ!!!」
涙が止まらなくなる貴族の令息。
護衛騎士たちは再度、ソウスケにそれ以上何も言わないでくれと伝えたかったが……ザハークとミレアナの鋭い眼光によって、止められていた。
「………………自分が何をしようしたしたのか、その代償を解ってもらえたようでなによりです」
貴族の令息が……子供の我儘が暴走した形とはいえ、Bランクの冒険者ではあるが、平民の男から大切な仲間を奪おうとした。
その事実は決して変わらず、そういった事を実行しようとすれば……民から失望、ゴミを見るような眼を向けられるという事実を、貴族の令息は理解した。
「さて、これ以上は虐めになってしまいますので、これ以上事実を突き付けるのは止めましょう……ところで、護衛騎士の方々。まさかとは思いますが、後で面倒な輩を差し向けてきたりしませんよね」
今度はザハークとミレアナではなく、ソウスケから鋭い眼光が飛ばされる。
「俺はこれでも冒険者です。やられっぱなしというのは性に合わず、どうにかしてやられた分はやりかえそうとしたくなります」
「っ、肝に銘じよう」
全容は解らない。
どういった武器を主に扱うのか、得意な属性魔法は何か……どのような珍しいスキルを有しているのか、細かい戦力までは解らない。
しかし騎士二人は、おおよその戦力と底知れない戦闘力だけは感じ取れていた。
本当に目の前の青年が、言葉通りの行動を起こすのかは解らない。
だとしても……本当に彼らがその気になった場合、自分たちが守らなければならない存在を守り切れると、断言出来なかった。
「それは良かったです。やっぱり話が解かる人との会話は疲れませんね。それでは」
変わらず、普段通りの態度で貴族の令息、護衛騎士たちの前から去っていくソウスケたち。
彼の言っている事は、どれも正しかった。
それでも世の中、その正しい言葉を中々権力者の前で口に出来ないもの。
にもかかわらず、堂々とその正しさを言い切った青年に……野次馬となっていた者たちは拍手を送りたかったが、まだ貴族の令息が居たこともあり、心の中から拍手を送った。
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