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千九十三話 吠えることも出来ない
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「っ!!!!???? ッ、ィアアアアアッ!!!!」
「ふっ……疾ッ!!!!!!!」
「っ!!!????」
緊張感を求め、素手だけで戦えばいつも以上に討伐に時間が掛かる。
ついでに、自分が大ダメージを受ける可能性が高まる……しかも、戦闘時間が長引けば長引くほど相手の方が有利になると言っても過言ではない。
では、一般的な武器を使わず、どういった攻撃を行えば良いのか。
ミレアナがとった選択は、特別奇想天外な方法ではなく、全くもって珍しくない戦法だった。
それは……一度打撃や手刀で切傷を刻んだ個所に、再度攻撃を叩き込むというもの。
一度切傷を刻んだ個所に、手刀に纏う旋風を刃の様に伸ばして突き刺せば……肉の更に奥まで届く。
打撃に関しても鱗を越えて肉にダメージが蓄積し、再度タイミングが合い……腰の入った打撃を叩き込まれれば、そのまま骨に衝撃が通ってしまう。
受けるダメージが大きくなれば、刻まれる攻撃を耐えてカウンターを叩き込むという攻撃も難しくなる。
何故なら、受けるダメージが大きくなればなるほど、ほんの僅かではあるが、痛みで硬直する時間が読めてしまう。
加えて、痛みに耐えてからカウンターを叩き込むという流れ……ミレアナからすれば、どういったカウンター攻撃を叩き込もうとしているのか読みやすかった。
(そろそろ、ですね)
良い感じに更に深くダメージを浸透できるであろう箇所が増えてきたが……既に求めていた緊張感ある強者との戦いを十分得られたミレアナ。
これ以上、雷竜と戦い続けるつもりはなく……ザハークの様に「お前の持てる力を全て振り絞ってみろ!!!」といった、それこそ万が一が発生してしまいかねない展開には興味ない。
「フッ!! 破ッ!!!!!!!!!!」
「っ!!!!!????? ァ、ィ……ギ、ァ…………」
致命傷には至らない首に刻まれていた傷口に、旋風の刃を突き刺した。
そしてそれだけでは終わらせず、ミレアナは突き刺した旋風の刃を爆散させた。
結果、雷竜の首を爆発させる……までには至らなかったが、それでも首の内部はほぼ全壊……見た目には、血が大量に流れているところしか現れていなかった。
「ありがとうございます。貴方のお陰で、次の戦いに向けて整うことが出来ました」
「………………」
既に息絶えた雷竜からの返事は、当然ない。
ただ……仮に返事を返せるのであれば、ふざけるなと……返すであろう。
雷竜にとって、ミレアナとの戦いは文字通り命懸けの戦いだった。
しかし、ミレアナにとっては……本命戦のウォームアップでしかなかった。
勿論、ザハークやソウスケが感じていた通り、ミレアナ自身も雷竜の攻撃が当たれば……仮に腕で防いだとしても盛大な裂傷が刻まれる、もしくはボキっと折れてしまう程の重傷を負うことは解っていた。
それでも……戦いに対する心意気はまるで違っていた。
己のプライドを懸けた戦いではなかったものの、雷竜としてはふざけるなと叫び散らかしたいと思ってもおかしくない。
だが、敵の心意気を知った時には、既に息絶えてしまっていた。
「お疲れ様、ミレアナ」
「良き戦いだった」
「ありがとうございます、ソウスケさん、ザハーク……では、早速解体してしまいましょうか」
「お、おぉう。それは良いんだけど……少し休まなくて良いのか?」
「えぇ、問題ありません」
実際のところ、ミレアナにダメージは殆どなく、魔力量も大きな疲労を感じるほど消費していない。
それでも、Aランクに近い実力を持つ雷竜を相手に素手で挑み続けるという戦闘は、確実にミレアナの精神を削っていた。
だが、ミレアナは毅然とした態度を崩さず、ザハークに見張りを頼み、ソウスケと共に雷竜の血抜き作業を行った。
「ふっ……疾ッ!!!!!!!」
「っ!!!????」
緊張感を求め、素手だけで戦えばいつも以上に討伐に時間が掛かる。
ついでに、自分が大ダメージを受ける可能性が高まる……しかも、戦闘時間が長引けば長引くほど相手の方が有利になると言っても過言ではない。
では、一般的な武器を使わず、どういった攻撃を行えば良いのか。
ミレアナがとった選択は、特別奇想天外な方法ではなく、全くもって珍しくない戦法だった。
それは……一度打撃や手刀で切傷を刻んだ個所に、再度攻撃を叩き込むというもの。
一度切傷を刻んだ個所に、手刀に纏う旋風を刃の様に伸ばして突き刺せば……肉の更に奥まで届く。
打撃に関しても鱗を越えて肉にダメージが蓄積し、再度タイミングが合い……腰の入った打撃を叩き込まれれば、そのまま骨に衝撃が通ってしまう。
受けるダメージが大きくなれば、刻まれる攻撃を耐えてカウンターを叩き込むという攻撃も難しくなる。
何故なら、受けるダメージが大きくなればなるほど、ほんの僅かではあるが、痛みで硬直する時間が読めてしまう。
加えて、痛みに耐えてからカウンターを叩き込むという流れ……ミレアナからすれば、どういったカウンター攻撃を叩き込もうとしているのか読みやすかった。
(そろそろ、ですね)
良い感じに更に深くダメージを浸透できるであろう箇所が増えてきたが……既に求めていた緊張感ある強者との戦いを十分得られたミレアナ。
これ以上、雷竜と戦い続けるつもりはなく……ザハークの様に「お前の持てる力を全て振り絞ってみろ!!!」といった、それこそ万が一が発生してしまいかねない展開には興味ない。
「フッ!! 破ッ!!!!!!!!!!」
「っ!!!!!????? ァ、ィ……ギ、ァ…………」
致命傷には至らない首に刻まれていた傷口に、旋風の刃を突き刺した。
そしてそれだけでは終わらせず、ミレアナは突き刺した旋風の刃を爆散させた。
結果、雷竜の首を爆発させる……までには至らなかったが、それでも首の内部はほぼ全壊……見た目には、血が大量に流れているところしか現れていなかった。
「ありがとうございます。貴方のお陰で、次の戦いに向けて整うことが出来ました」
「………………」
既に息絶えた雷竜からの返事は、当然ない。
ただ……仮に返事を返せるのであれば、ふざけるなと……返すであろう。
雷竜にとって、ミレアナとの戦いは文字通り命懸けの戦いだった。
しかし、ミレアナにとっては……本命戦のウォームアップでしかなかった。
勿論、ザハークやソウスケが感じていた通り、ミレアナ自身も雷竜の攻撃が当たれば……仮に腕で防いだとしても盛大な裂傷が刻まれる、もしくはボキっと折れてしまう程の重傷を負うことは解っていた。
それでも……戦いに対する心意気はまるで違っていた。
己のプライドを懸けた戦いではなかったものの、雷竜としてはふざけるなと叫び散らかしたいと思ってもおかしくない。
だが、敵の心意気を知った時には、既に息絶えてしまっていた。
「お疲れ様、ミレアナ」
「良き戦いだった」
「ありがとうございます、ソウスケさん、ザハーク……では、早速解体してしまいましょうか」
「お、おぉう。それは良いんだけど……少し休まなくて良いのか?」
「えぇ、問題ありません」
実際のところ、ミレアナにダメージは殆どなく、魔力量も大きな疲労を感じるほど消費していない。
それでも、Aランクに近い実力を持つ雷竜を相手に素手で挑み続けるという戦闘は、確実にミレアナの精神を削っていた。
だが、ミレアナは毅然とした態度を崩さず、ザハークに見張りを頼み、ソウスケと共に雷竜の血抜き作業を行った。
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