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千百二十五話 可能性はあった
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(さて……どうしようか)
結果として、ヴァレードタイガーを討伐したのはザハークである。
ただ、元々戦っていたのはクラン深紅に属するバラスタたちであり、戦況が方向いてしまったからこそ助けに入ったが、それでも……勝てる可能性自体は秘めていた。
「……ザハーク。何が欲しい?」
「? ……あぁ、そういう事か。俺としては爪や牙を使えればそれで良い。後は……まぁ、肉の味も気になるな」
「オッケー」
討伐者であるザハークに確認を取り、ソウスケはバラスタたちの方に振り返る。
「バラスタさん」
「なんだ」
「ヴァレードタイガーの取り分に関してですが、魔石はそちらに譲るので、他の素材は自分たちの物ということで良いでしょうか」
「っ! ソウスケ君……ヴァレードタイガーを討伐したのは、君の従魔であるザハークだ」
バラスタとしては、非常に嬉しい提案である。
ドラゴニックバレーでの探索で、全く成果を得られてない訳ではない。
元々は実力がある若い者たちにBランクドラゴンとの戦闘を経験させるのが主な目的。
その体験を与えることに成功し、幸いにも心臓を潰すことなく討伐に成功。
ただ、ヴァレードタイガーとの戦闘でパーティーメンバーが所有するいくつかの武器が修復するよりも新しい武器を造った方が早い。質の高いポーションを使ってしまったこともあり、金になる素材はいくらあっても困らない。
そんな中でも、基本的にモンスターの素材の中で一番価値が高い魔石を……Aランクモンスターの魔石は非常に高額で取引される。
「そうですね。ただ、助けに入るまで、バラスタさんたちが戦っていました。俺たちが見た限り、犠牲を払えば倒せると思いました」
「っ、褒めてくれている、と思って良いのかな」
「そんなところです。なので、先に戦っていたことなどを考えると、妥当な報酬ではあるかと」
「…………気遣い、感謝するよ」
結局三人はその場で解体を行い、ソウスケは直ぐに魔石をバラスタたちに渡した。
「俺たちはこれからドラゴニックバレーを出て、レイウルに戻りますけど、バラスタさんたちも一緒に戻りますか?」
「そうだな……お言葉に甘えさせてもらおう」
バラスタの判断に、反対する者はいなかった。
まだソウスケたちに対し、敵意は抱いていないが、それでも好意は抱けない若い者たちも……結局倒したのはザハークという従魔であるにもかかわらず、ヴァレードタイガーの魔石を貰えるというのが、どれだけ有難い事なのか解らない程バカではなかった。
そして、元々の目的も終えており、道中で再びヴァレードタイガー並みの怪物と戦うのは……正直なところ、遠慮したかった。
それでも、最悪の場合、ヴァレードタイガー以上の怪物と遭遇してしまう可能性を考えれば、ソウスケたちと共に街まで戻る方が最善の選択である。
「良いのか、食事まで一緒にして」
「一緒に行動してるんだから、当然じゃないですか」
野営中、相変わらずドラゴンの肉を使って豪快に料理していくソウスケ。
それならばと、自分が倒していないにもかかわらずヴァレードタイガーの魔石を貰ってしまった負い目もあり、バラスタたちもBランクドラゴンの肉を提供。
匂いで他のモンスターが寄ってくるかもしれないと心配になるほど、食欲を刺激する。
「それじゃあ、食べましょうか」
その一言で、バラスタたちは一気にドラゴンのステーキにかぶり付いた。
勿論、バラスタたちだけではなく、ソウスケやザハークも同じだった。
そして全員が腹八分目、九分目程に達したところで、ソウスケはポロっとある事を零した。
「そういえば、今度ドラゴンの心臓を食べてみようと思ったるんですよ」
「……はっ!?」
「「「「「っ!!!!????」」」」」
ソウスケが何を言ったのか理解したバラスタは思わず果実水が入った杯を落しそうになり、他のメンバーたちは……あまりにも常識外れ過ぎる言葉に衝撃を受け、リバースしてしまう者もいた。
結果として、ヴァレードタイガーを討伐したのはザハークである。
ただ、元々戦っていたのはクラン深紅に属するバラスタたちであり、戦況が方向いてしまったからこそ助けに入ったが、それでも……勝てる可能性自体は秘めていた。
「……ザハーク。何が欲しい?」
「? ……あぁ、そういう事か。俺としては爪や牙を使えればそれで良い。後は……まぁ、肉の味も気になるな」
「オッケー」
討伐者であるザハークに確認を取り、ソウスケはバラスタたちの方に振り返る。
「バラスタさん」
「なんだ」
「ヴァレードタイガーの取り分に関してですが、魔石はそちらに譲るので、他の素材は自分たちの物ということで良いでしょうか」
「っ! ソウスケ君……ヴァレードタイガーを討伐したのは、君の従魔であるザハークだ」
バラスタとしては、非常に嬉しい提案である。
ドラゴニックバレーでの探索で、全く成果を得られてない訳ではない。
元々は実力がある若い者たちにBランクドラゴンとの戦闘を経験させるのが主な目的。
その体験を与えることに成功し、幸いにも心臓を潰すことなく討伐に成功。
ただ、ヴァレードタイガーとの戦闘でパーティーメンバーが所有するいくつかの武器が修復するよりも新しい武器を造った方が早い。質の高いポーションを使ってしまったこともあり、金になる素材はいくらあっても困らない。
そんな中でも、基本的にモンスターの素材の中で一番価値が高い魔石を……Aランクモンスターの魔石は非常に高額で取引される。
「そうですね。ただ、助けに入るまで、バラスタさんたちが戦っていました。俺たちが見た限り、犠牲を払えば倒せると思いました」
「っ、褒めてくれている、と思って良いのかな」
「そんなところです。なので、先に戦っていたことなどを考えると、妥当な報酬ではあるかと」
「…………気遣い、感謝するよ」
結局三人はその場で解体を行い、ソウスケは直ぐに魔石をバラスタたちに渡した。
「俺たちはこれからドラゴニックバレーを出て、レイウルに戻りますけど、バラスタさんたちも一緒に戻りますか?」
「そうだな……お言葉に甘えさせてもらおう」
バラスタの判断に、反対する者はいなかった。
まだソウスケたちに対し、敵意は抱いていないが、それでも好意は抱けない若い者たちも……結局倒したのはザハークという従魔であるにもかかわらず、ヴァレードタイガーの魔石を貰えるというのが、どれだけ有難い事なのか解らない程バカではなかった。
そして、元々の目的も終えており、道中で再びヴァレードタイガー並みの怪物と戦うのは……正直なところ、遠慮したかった。
それでも、最悪の場合、ヴァレードタイガー以上の怪物と遭遇してしまう可能性を考えれば、ソウスケたちと共に街まで戻る方が最善の選択である。
「良いのか、食事まで一緒にして」
「一緒に行動してるんだから、当然じゃないですか」
野営中、相変わらずドラゴンの肉を使って豪快に料理していくソウスケ。
それならばと、自分が倒していないにもかかわらずヴァレードタイガーの魔石を貰ってしまった負い目もあり、バラスタたちもBランクドラゴンの肉を提供。
匂いで他のモンスターが寄ってくるかもしれないと心配になるほど、食欲を刺激する。
「それじゃあ、食べましょうか」
その一言で、バラスタたちは一気にドラゴンのステーキにかぶり付いた。
勿論、バラスタたちだけではなく、ソウスケやザハークも同じだった。
そして全員が腹八分目、九分目程に達したところで、ソウスケはポロっとある事を零した。
「そういえば、今度ドラゴンの心臓を食べてみようと思ったるんですよ」
「……はっ!?」
「「「「「っ!!!!????」」」」」
ソウスケが何を言ったのか理解したバラスタは思わず果実水が入った杯を落しそうになり、他のメンバーたちは……あまりにも常識外れ過ぎる言葉に衝撃を受け、リバースしてしまう者もいた。
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