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千五十話 安全が確保されてるから?
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「疾ッ!!!!!」
「ッ!!!??? ッ…………」
ソウスケと双頭の火竜との戦闘が始まってから約五分後、ソウスケの旋風を纏ったグラディウスが火竜の首を切断。
一つ目の首が切断された段階ではまた動いていたものの、もう一つの首まで斬られては……さすがに双頭の火竜といえど、命を落としてしまう摂理には逆らえない。
「ふぅ~~~~、結構強かったな」
双頭の火竜との戦闘中、ソウスケは敢えて攻撃魔法などを使わず、遠距離攻撃は斬撃波や刺突などのみに制限を行い、戦っていた。
結果的にソウスケは無傷で勝利を収めたものの、あと数十センチ攻撃がズレていれば火傷を負っていた場面は何度もあった。
「お疲れ様です、ソウスケさん。早速解体を行いますか?」
「そうだな。頼むよ」
ミレアナは既に大型風竜の焼肉を食べ終えており、結界の外に出て火竜の血抜きを始めた。
「どうだった、ソウスケさん」
「強かったし、楽しかったよ。やっぱり、視界が広いモンスターは強いね」
急激に視界が広くなったわけではなく、既に双頭の火竜は現在の状態で約十年ほど戦い続けている。
故に、広い視界の扱い方に慣れており、どの位置で相手を見つければ、どういった攻撃を行えば一番効果的かも、本能で把握していた。
「攻撃魔法を使わない様に動いていたが、それでもか?」
「そうだね。正直、久しぶりにワクワクしてたから、つい縛って戦った。でも、ザハークだってよくするでしょう」
「……まぁ、そうだな」
ザハークは自身の手札の一部を制限するだけではなく、デバフ攻撃が得意な相手の攻撃を避けられるのに避けず、嬉々として食らって戦う……頭がおかしいどころの話ではないバトル大好きオーガである。
「…………」
「? なんか顔に付いてるか?」
「いや……ソウスケさんは変なプライドなど持っていない顔をしてるなと思ってな」
「???」
いきなり何の話なのかと混乱するソウスケに、ザハークは先程までミレアナとどういった会話をしていたのかを伝えた。
「な~るほどね。同じ職業だからこそ、変というか……冒険者としては一応持っていた方が良いであろうプライドを持ってるから、いつまで経っても面倒なバカたちが絡んでくると」
「あぁ……それなりに理解出来たとは思うが、全ては納得出来なかった。結果、心が発達していると、そういった馬鹿が増えるのだなと思った」
「心の発達…………面白いこと考えるな、ザハーク。心の発達、か……そこに関しては、確かに人間がモンスターよりも優れている明確な部分かもな」
優れているからといって、戦闘で勝つ要素になるかといえば……微妙なところである。
だが、ソウスケはザハークが口にした心の発達という言葉に関して、強い興味を示した。
「……ザハークが全てを理解出来ないのは、人間が野性の中で生きてないからっていうのもあるかもしれないな」
「ふむ、それはそうだな」
基本的に人間たちは村、街といった場所で日々の生活を送っている。
モンスターや盗賊と戦う者たちであっても、仕事が終われば拠点にしている村や街へ戻る。
ソウスケは、一応安全がある場所で生活しているからこそ、絶対に利益になると確定しているわけではない行動を起こしてしまうと思った。
「野性の中で生活してるモンスターの強さにもよると思うけど、基本的にあいつの事が気に入らないから嫌がらせしてやろうとかしないだろ」
「………………あぁ、そうだな。俺も……俺の周りにいた者たちも、そういった行動はしていなかったな」
ザハークはまだソウスケの従魔となる前の、ダンジョンでの生活を思い出した。
ダンジョンで生まれたザハークは、地上で誕生したモンスターと比べて多少の違いはあれど、嫉妬心などから嫌がらせを行うおうなど、そんな考えは一度も浮かんだことがなかった。
(なるほど……そういった点を含めると、改めて一部の冒険者たちがソウスケさんに絡んでしまうのは、致し方ないこと? なのだな)
一つ、ザハークは人間とモンスターの違いを学び、賢くなった?
「ッ!!!??? ッ…………」
ソウスケと双頭の火竜との戦闘が始まってから約五分後、ソウスケの旋風を纏ったグラディウスが火竜の首を切断。
一つ目の首が切断された段階ではまた動いていたものの、もう一つの首まで斬られては……さすがに双頭の火竜といえど、命を落としてしまう摂理には逆らえない。
「ふぅ~~~~、結構強かったな」
双頭の火竜との戦闘中、ソウスケは敢えて攻撃魔法などを使わず、遠距離攻撃は斬撃波や刺突などのみに制限を行い、戦っていた。
結果的にソウスケは無傷で勝利を収めたものの、あと数十センチ攻撃がズレていれば火傷を負っていた場面は何度もあった。
「お疲れ様です、ソウスケさん。早速解体を行いますか?」
「そうだな。頼むよ」
ミレアナは既に大型風竜の焼肉を食べ終えており、結界の外に出て火竜の血抜きを始めた。
「どうだった、ソウスケさん」
「強かったし、楽しかったよ。やっぱり、視界が広いモンスターは強いね」
急激に視界が広くなったわけではなく、既に双頭の火竜は現在の状態で約十年ほど戦い続けている。
故に、広い視界の扱い方に慣れており、どの位置で相手を見つければ、どういった攻撃を行えば一番効果的かも、本能で把握していた。
「攻撃魔法を使わない様に動いていたが、それでもか?」
「そうだね。正直、久しぶりにワクワクしてたから、つい縛って戦った。でも、ザハークだってよくするでしょう」
「……まぁ、そうだな」
ザハークは自身の手札の一部を制限するだけではなく、デバフ攻撃が得意な相手の攻撃を避けられるのに避けず、嬉々として食らって戦う……頭がおかしいどころの話ではないバトル大好きオーガである。
「…………」
「? なんか顔に付いてるか?」
「いや……ソウスケさんは変なプライドなど持っていない顔をしてるなと思ってな」
「???」
いきなり何の話なのかと混乱するソウスケに、ザハークは先程までミレアナとどういった会話をしていたのかを伝えた。
「な~るほどね。同じ職業だからこそ、変というか……冒険者としては一応持っていた方が良いであろうプライドを持ってるから、いつまで経っても面倒なバカたちが絡んでくると」
「あぁ……それなりに理解出来たとは思うが、全ては納得出来なかった。結果、心が発達していると、そういった馬鹿が増えるのだなと思った」
「心の発達…………面白いこと考えるな、ザハーク。心の発達、か……そこに関しては、確かに人間がモンスターよりも優れている明確な部分かもな」
優れているからといって、戦闘で勝つ要素になるかといえば……微妙なところである。
だが、ソウスケはザハークが口にした心の発達という言葉に関して、強い興味を示した。
「……ザハークが全てを理解出来ないのは、人間が野性の中で生きてないからっていうのもあるかもしれないな」
「ふむ、それはそうだな」
基本的に人間たちは村、街といった場所で日々の生活を送っている。
モンスターや盗賊と戦う者たちであっても、仕事が終われば拠点にしている村や街へ戻る。
ソウスケは、一応安全がある場所で生活しているからこそ、絶対に利益になると確定しているわけではない行動を起こしてしまうと思った。
「野性の中で生活してるモンスターの強さにもよると思うけど、基本的にあいつの事が気に入らないから嫌がらせしてやろうとかしないだろ」
「………………あぁ、そうだな。俺も……俺の周りにいた者たちも、そういった行動はしていなかったな」
ザハークはまだソウスケの従魔となる前の、ダンジョンでの生活を思い出した。
ダンジョンで生まれたザハークは、地上で誕生したモンスターと比べて多少の違いはあれど、嫉妬心などから嫌がらせを行うおうなど、そんな考えは一度も浮かんだことがなかった。
(なるほど……そういった点を含めると、改めて一部の冒険者たちがソウスケさんに絡んでしまうのは、致し方ないこと? なのだな)
一つ、ザハークは人間とモンスターの違いを学び、賢くなった?
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