転移したらダンジョンの下層だった

Gai

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千七十七話 それは無理だと解っている

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(ん~~~~……どこで手を出すか悩みどころね~~)

(……こ、ここからはいったいどうすれば、良いのでしょうか)

ソウスケの監視員として選ばれた二人、ロゼアとシャスティは共にソウスケを挟みながら、ここからどう攻めようかを考えていた。

レイウルの冒険者ギルドとロゼアが所属しているクランも、ソウスケをどうにかこうして留めようと……繋げる事はほぼほぼ無理であろうことは理解している。

ただ……上手くやれば、その血は残せるのではないかと考えた。

血を残すという事はつまり……ソウスケとの子を産むこと。
当然、冒険者ギルドとロゼア所属のクランのトップも、その子を利用してソウスケを繋げようとすれば、碌な事にならないことは解っている……ただ、その血を残したい。

その選考基準の元から、大手クランからはロゼアが……冒険者ギルドからはシャスティが選ばれた。

「後、やっぱり冒険者を辞める気がないっていうのもあって、そういった事を申し込まれる機会というのはやっぱりないですね」

「あぁ~~、なるほどね~~~~。貴族としては……というか、親としてもそこはネックな問題でしょうね~~」

サクッと致したいところだが、二人ともソウスケとの会話にそこそこ楽しさを感じており、中々そういう雰囲気に持っていけないでいた。

(……ねぇ、協力しましょう)

(…………その方が、良さそうですね)

のんびりと話しながら風呂を楽しむのも悪くはないが、本日以降はドラゴニックバレーに入る。
となれば、殆ど周囲を警戒しなくても良いという都合の良いチャンスがなくなる。

「ねぇ、ソウスケ君。そろそろ上がらないかしら」

「え、えっと……その、俺はもう少し浸かってるので」

「あらそう? それなら、折角だし私ももう少し浸かっていようかしら」

「私も同じく」

あっさりと別々のタイミングで湯船から出るのを防がれ、結局ソウスケは二人と同じタイミングで風呂から上がった。

自分で体を拭こうとするも、どこからかタオルを取り出した二人に拭かれ……そのままマジックテントの中へ。

「そういう事だから、恥をかかせないでね」

「……よろしく、お願いします」

ソウスケもバカではないので、二人が自分に好意を持っているから迫っている訳ではないことは解っている。

ただ……二人の態度、雰囲気から自分を嵌めようと……殺そうとしている訳ではないことも、なんとなく解っていた。

(こんな切っ掛けでって思われるかもしれないけど、何かあれば……あの二人に、頼らせてもらおう)

どれだけ強くとも、金を持っていようとも……ソウスケはまだ十代半ば男子。
ハニートラップではないと解れば、美女からの誘惑には……勝てなかった。






「………………ふぅーーーーーーー」

翌朝、目が覚めたソウスケは両脇からぬくもりを感じ取った。

(……冒険者として、中々にバカな事したよな~~~~~~)

基本的にモンスターが行き来しない地帯にプラス、ソウスケが張った結界があるとはいえ、野営中にハッスルしてしまうのは……とりあえず普通ではない。

(とはいえ………………うん、無理だって。だって……俺、出家した坊主じゃないんだもん)

どうにかして自分の行動を正当化しようとするも、冒険者として罪悪感を感じる行為を行った事実に変わりはない。

「ん……あら、もう起きてたのね」

「は、はい」

「ふふ。昨日あれだけ交わったんだから、そんなに照れなくても良いじゃない」

昨夜、ソウスケは途中から指輪状態である蛇腹剣を使い、精力増強を発動していた。

結果……食べる筈だった二人が食べられる事となり、ロゼアとしては少々予想外の出来事であったが、結果として悪くはなかった。

「う、ん…………っ!!!!!!」

「おはよう、シャスティ。昨日は楽しかったわね」

「~~~~~~~~~~~っ!!!!!!!」

朝から色々と思い出してしまい、顔がトマト以上に真っ赤になるシャスティだった。
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