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千百八話 頑張ってね
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「……すいません、ソウスケさん」
「? 急にどうしたんだ、ノックス」
朝食を食べている際、ふと急にソウスケに謝罪の言葉を伝えたノックス。
「何から何まで任せてしまって」
昨夜、流れるように見張りはザハークがやってくれるからと言われ……圧倒的な満腹感もあって、そのまま眠りについてしまった。
当然ながら、学園の外で今回の七人で行動する場合、見張りも自分たちで行っている。
それは今回の様に臨時教師と共に野営を行う際も同じ。
そんなこれまでを思い出し、ハリアルたちも申し訳なさそうな表情を浮かべる。
「気にしなくて良いって言ってるだろ」
「しかし、そこまで甘えてしまうと、自分たちの為にもならないと言いますか」
世話をしてもらってる分際で何を言っているのかと思われるかもしれない。
しかし、過ぎた甘えは自分たちにとって毒になってしまう。
と、そんなノックスたちの思いが何となく伝わったソウスケ。
ただ……ソウスケとしても、ここまで戦闘以外の事はこっちに任せてくれと、彼らの世話をするのには一応理由があった。
「ノックスたちの考えは解るよ。でも、この朝食を食べ終えて、ドラゴニックバレーに入ってから君たちが戦う相手は、全てBランクのドラゴンだ」
「あなた方が、将来的に一人で討伐しなければモンスターですね」
「「「「「「「…………」」」」」」」
ミレアナの言う通り、ノックスたちだけではなく、レイヤーズ学園に在籍しているメンバーの最終目標はそこである。
その最終目標を、ノックスたちはまだ……最終学年に到達していない段階で、その一部を……最低限の要素を、達成しなければならない。
「ソウスケさんと同じく、あなた方が全員であればBランクドラゴンを討伐することが不可能とは言いません。それでも、楽な戦いにはならないでしょう」
「……はい。それは、解ってます」
「今日から、その戦いを何度も何度も行ってもらいます」
「つまり、こいつらにBランクドラゴンと戦うことだけに集中してほしい、という事かミレアナ」
「えぇ、その通りです」
ソウスケは今更予定を変えるつもりはない。
朝食を食べ終えらたら即座に移動し、ドラゴニックバレーに入る。
うろちょろするのは入ったばかりの場所ではあるが、それでも遭遇するモンスターは彼らにとって強敵なりうる存在ばかり。
「二人に全部言われちゃったね……そういう訳だから、遠慮する必要はないんだよ。危なくなれば、割って入るけど……それは、君たちの望むところじゃないだろ」
「「「「「「「っ!!!」」」」」」」
対峙した敵は、自分たちの力だけで倒す。
それは、確かにノックスたちが望む結果である。
「だから、それ以外の部分は僕たちがサポートする。そういう訳だから、頑張ってね」
「「「「「「「はい!!!!」」」」」」」」
同世代からの、頑張れという言葉。
友人からの言葉であれば、背中を押してくれるかもしれない。
しかし、彼らとソウスケはそういった関係ではない。
寧ろ関係は皆無に近いからこそ、イラついても……無責任なことを言うなと感じても、おかしくない。
ただ……ノックスたちは、色んな意味でソウスケは自分たちに「頑張ってね」と伝えた事を把握した。
(頑張らないと、ね)
(へへ、上等だ!!!!)
(望むところだ)
(やってやんよ!!!!)
(頑張る)
(私の、私たちの手だけで!!!)
(お望みの通り、やってみせますわ!!!)
全員の心に、焚き木が配られ……轟々と燃え盛り始めた。
もう、彼らの心には、自分たちはソウスケたちに世話になり過ぎていないかという申し訳なさは消えていた。
「ごちそうさまっと。それじゃあ……行こうか」
いざ、竜の楽園へと……ノックスたちにとっては、一足早い本場の戦場へと足を踏み入れる。
「? 急にどうしたんだ、ノックス」
朝食を食べている際、ふと急にソウスケに謝罪の言葉を伝えたノックス。
「何から何まで任せてしまって」
昨夜、流れるように見張りはザハークがやってくれるからと言われ……圧倒的な満腹感もあって、そのまま眠りについてしまった。
当然ながら、学園の外で今回の七人で行動する場合、見張りも自分たちで行っている。
それは今回の様に臨時教師と共に野営を行う際も同じ。
そんなこれまでを思い出し、ハリアルたちも申し訳なさそうな表情を浮かべる。
「気にしなくて良いって言ってるだろ」
「しかし、そこまで甘えてしまうと、自分たちの為にもならないと言いますか」
世話をしてもらってる分際で何を言っているのかと思われるかもしれない。
しかし、過ぎた甘えは自分たちにとって毒になってしまう。
と、そんなノックスたちの思いが何となく伝わったソウスケ。
ただ……ソウスケとしても、ここまで戦闘以外の事はこっちに任せてくれと、彼らの世話をするのには一応理由があった。
「ノックスたちの考えは解るよ。でも、この朝食を食べ終えて、ドラゴニックバレーに入ってから君たちが戦う相手は、全てBランクのドラゴンだ」
「あなた方が、将来的に一人で討伐しなければモンスターですね」
「「「「「「「…………」」」」」」」
ミレアナの言う通り、ノックスたちだけではなく、レイヤーズ学園に在籍しているメンバーの最終目標はそこである。
その最終目標を、ノックスたちはまだ……最終学年に到達していない段階で、その一部を……最低限の要素を、達成しなければならない。
「ソウスケさんと同じく、あなた方が全員であればBランクドラゴンを討伐することが不可能とは言いません。それでも、楽な戦いにはならないでしょう」
「……はい。それは、解ってます」
「今日から、その戦いを何度も何度も行ってもらいます」
「つまり、こいつらにBランクドラゴンと戦うことだけに集中してほしい、という事かミレアナ」
「えぇ、その通りです」
ソウスケは今更予定を変えるつもりはない。
朝食を食べ終えらたら即座に移動し、ドラゴニックバレーに入る。
うろちょろするのは入ったばかりの場所ではあるが、それでも遭遇するモンスターは彼らにとって強敵なりうる存在ばかり。
「二人に全部言われちゃったね……そういう訳だから、遠慮する必要はないんだよ。危なくなれば、割って入るけど……それは、君たちの望むところじゃないだろ」
「「「「「「「っ!!!」」」」」」」
対峙した敵は、自分たちの力だけで倒す。
それは、確かにノックスたちが望む結果である。
「だから、それ以外の部分は僕たちがサポートする。そういう訳だから、頑張ってね」
「「「「「「「はい!!!!」」」」」」」」
同世代からの、頑張れという言葉。
友人からの言葉であれば、背中を押してくれるかもしれない。
しかし、彼らとソウスケはそういった関係ではない。
寧ろ関係は皆無に近いからこそ、イラついても……無責任なことを言うなと感じても、おかしくない。
ただ……ノックスたちは、色んな意味でソウスケは自分たちに「頑張ってね」と伝えた事を把握した。
(頑張らないと、ね)
(へへ、上等だ!!!!)
(望むところだ)
(やってやんよ!!!!)
(頑張る)
(私の、私たちの手だけで!!!)
(お望みの通り、やってみせますわ!!!)
全員の心に、焚き木が配られ……轟々と燃え盛り始めた。
もう、彼らの心には、自分たちはソウスケたちに世話になり過ぎていないかという申し訳なさは消えていた。
「ごちそうさまっと。それじゃあ……行こうか」
いざ、竜の楽園へと……ノックスたちにとっては、一足早い本場の戦場へと足を踏み入れる。
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