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千三百十九話 見渡せる範囲
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(確実に、一人は潰さないと、いけない!!!!)
アラッド、スティーム、ガルーレ、フローレンス。
自分たちが死ぬとしても、ただで死ぬのではなく、確実に一人は削っておきたい。
可能であればアラッドを削りたい。
アルバース王国から参戦する猛者たちの内、何名かは戦争終了後に交渉として使えるという理由で、捕獲が推奨されている。
アラッドに関しても……勧誘に応じれば戦う必要はないが、敵対するのであれば確実に殺せという命が下っていた。
ただ、フローレンスに関してはその見た目や強さ、公爵家の令嬢という立場から、捕虜としての価値が非常に高い。
そのため、最初は可能ならば捕えようと考えられていた。
しかし実際に戦ってみれば、その強さが普通でないことが判明。
捕えようという動きでは死者が増えるだけと判断。
そして……アラッドを除くメンバーの中では総合的な戦闘力が一番高く、その高い戦闘力の持続性が高いと判断され、一人の冒険者がモノクルタイプのマジックアイテムを発動。
(っっっっ、よし!!!)
そのモノクルは発動すれば、対象の数秒先の未来が見える。
ただし、発動者の魔力を九割ほど消費し、再発動するまでには一日のリキャストタイムが必要となる。
燃費や使い勝手が悪そうに思えるが、彼らほどの実力者たちが行う戦いとなれば、その数秒が大きなアドバンテージとなる。
そして発動した冒険者、事前にセットの通信マジックアイテムを装備していた騎士に、これから数秒先の未来を伝えた。
(了解ッ!!!)
冒険者から未来を伝えられていた騎士はスピードタイプの騎士であり、冒険者から伝えられた内容を即座に戦場の流れから把握。
悟られないように一瞬だけ気配を消すことに集中し、素早く動き……フローレンスの背後を取った。
戦いである以上、基本的に戦闘で完璧に背後を取られれば、訪れる未来は敗北か死、のみ。
「させないわよ」
「なっ!!??」
しかし、騎士が放った雷の斬撃は突如として現れた光の精霊……ウィリスによってはじき返されてしまった。
「助かりました、ウィリス」
「契約者を助けるのは、当たり前のことよ」
フローレンスの切り札、その二。
精霊との契約。
基本的に精霊と契約できるのは親和性が高いエルフだけだが、稀に人間……人間以外の種族も契約を結ぶことが出来る。
ただ、フローレンスが契約した精霊は、精霊の中でも非常に珍しい人型の個体。
フローレンスは騎士として活動し、直ぐに新米騎士には難易度が高い仕事を任せられるようになった。
それは彼女の上司が自分の手柄を手に入れるために、部下に無茶な仕事を振っているという訳ではない。
上司はフローレンスの実力は理解しているが、寧ろ本当に良いのか? と何度も心配していた。
だが、彼女は強くなるためにと、無茶とも思える依頼を受け続けていた。
そうなれば必然的に契約した精霊のウィリスに頼ることも多くなる。
そうして親和性を更に高めたことで、ウィリスの方からフローレンスの現状を覗けるようになっていた。
(くっ!!! どうして俺は、忘れてたんだ!!!!)
フローレンスが光の人型精霊と契約を結んでいるというのは、そこまで秘匿性の高い情報ではない。
アラッドとの試合で召喚しており、任務でも召喚して共に戦っていた。
同僚の騎士たちや討伐任務などで鉢合わせてしまった冒険者たちに姿を見られており、当然ゴリディア帝国もその情報は得ていた。
(けど、どうしてフローレンス・カルロストは、俺の接近に、気付いたんだ!!!)
超特殊なマジックアイテムを持つ冒険者がやらかした、とは思わない。
一瞬だけ姿を確認したが、九割もの魔力を消費したことで色濃い疲労が浮かんでいるのが見えていた。
実際のところ……フローレンスは騎士の接近に気付くのが遅れ、致命傷には至らずとも、フローレンスの体勢を崩し、戦況を傾ける流れに繋がる。
ただ、ウィリスが気付いてしまった。
冒険者が見た未来は正しいものだったが、騎士が背後を取ったことでウィリスが危機的状況だと判断し、人間界に現れた。
未来を見ることが出来たとしても、フローレンスと契約しているウィリスが待機しているのか、といったところまでは見通せない。
「どうする、の」
「このまま、戦い、続けます」
「了解。任せ、なさい」
強くなり続けているフローレンスの影響を受け、ウィリスもアラッドとクロたちと激突した時よりも強さが増していた。
フローレンスの死角を完全に補い、迫る攻撃を対処する。
(これが、光の精霊、か)
(厄介なのは、知っていたが、ここまで、かッ!!!!!)
彼らの中にはエルフと契約している精霊と戦ったことがある者もいる。
だが、その精霊たちは全て異形の姿をした個体たち。
それほど人型の精霊というのは珍しい。
人型であれば、寧ろ戦いやすいと思われるかもしれないが……人型だからこそ知能が高く、こちらがやられて嫌なことを理解している。
(くっ!! なんと、姑息な手、を)
攻撃を捌きながら、フローレンスの邪魔にならない程度に騎士たちの前に光源を展開させ、視界を妨害する。
この場にいる戦闘者たちは、視界が塞がれたところで戦い続けることができる。
ただ……見えない状態であることを事前に確認した状態から戦うのと、いきなり視覚という五感の一つを妨害されるのとでは訳が違う。
「がっ!!!???」
その瞬間、赤い閃光が通り過ぎ、腕を切り落としていく。
死者数は爆発的に増えずとも、ゴリディア帝国の戦力が徐々に……確実に削られ始めていく。
アラッド、スティーム、ガルーレ、フローレンス。
自分たちが死ぬとしても、ただで死ぬのではなく、確実に一人は削っておきたい。
可能であればアラッドを削りたい。
アルバース王国から参戦する猛者たちの内、何名かは戦争終了後に交渉として使えるという理由で、捕獲が推奨されている。
アラッドに関しても……勧誘に応じれば戦う必要はないが、敵対するのであれば確実に殺せという命が下っていた。
ただ、フローレンスに関してはその見た目や強さ、公爵家の令嬢という立場から、捕虜としての価値が非常に高い。
そのため、最初は可能ならば捕えようと考えられていた。
しかし実際に戦ってみれば、その強さが普通でないことが判明。
捕えようという動きでは死者が増えるだけと判断。
そして……アラッドを除くメンバーの中では総合的な戦闘力が一番高く、その高い戦闘力の持続性が高いと判断され、一人の冒険者がモノクルタイプのマジックアイテムを発動。
(っっっっ、よし!!!)
そのモノクルは発動すれば、対象の数秒先の未来が見える。
ただし、発動者の魔力を九割ほど消費し、再発動するまでには一日のリキャストタイムが必要となる。
燃費や使い勝手が悪そうに思えるが、彼らほどの実力者たちが行う戦いとなれば、その数秒が大きなアドバンテージとなる。
そして発動した冒険者、事前にセットの通信マジックアイテムを装備していた騎士に、これから数秒先の未来を伝えた。
(了解ッ!!!)
冒険者から未来を伝えられていた騎士はスピードタイプの騎士であり、冒険者から伝えられた内容を即座に戦場の流れから把握。
悟られないように一瞬だけ気配を消すことに集中し、素早く動き……フローレンスの背後を取った。
戦いである以上、基本的に戦闘で完璧に背後を取られれば、訪れる未来は敗北か死、のみ。
「させないわよ」
「なっ!!??」
しかし、騎士が放った雷の斬撃は突如として現れた光の精霊……ウィリスによってはじき返されてしまった。
「助かりました、ウィリス」
「契約者を助けるのは、当たり前のことよ」
フローレンスの切り札、その二。
精霊との契約。
基本的に精霊と契約できるのは親和性が高いエルフだけだが、稀に人間……人間以外の種族も契約を結ぶことが出来る。
ただ、フローレンスが契約した精霊は、精霊の中でも非常に珍しい人型の個体。
フローレンスは騎士として活動し、直ぐに新米騎士には難易度が高い仕事を任せられるようになった。
それは彼女の上司が自分の手柄を手に入れるために、部下に無茶な仕事を振っているという訳ではない。
上司はフローレンスの実力は理解しているが、寧ろ本当に良いのか? と何度も心配していた。
だが、彼女は強くなるためにと、無茶とも思える依頼を受け続けていた。
そうなれば必然的に契約した精霊のウィリスに頼ることも多くなる。
そうして親和性を更に高めたことで、ウィリスの方からフローレンスの現状を覗けるようになっていた。
(くっ!!! どうして俺は、忘れてたんだ!!!!)
フローレンスが光の人型精霊と契約を結んでいるというのは、そこまで秘匿性の高い情報ではない。
アラッドとの試合で召喚しており、任務でも召喚して共に戦っていた。
同僚の騎士たちや討伐任務などで鉢合わせてしまった冒険者たちに姿を見られており、当然ゴリディア帝国もその情報は得ていた。
(けど、どうしてフローレンス・カルロストは、俺の接近に、気付いたんだ!!!)
超特殊なマジックアイテムを持つ冒険者がやらかした、とは思わない。
一瞬だけ姿を確認したが、九割もの魔力を消費したことで色濃い疲労が浮かんでいるのが見えていた。
実際のところ……フローレンスは騎士の接近に気付くのが遅れ、致命傷には至らずとも、フローレンスの体勢を崩し、戦況を傾ける流れに繋がる。
ただ、ウィリスが気付いてしまった。
冒険者が見た未来は正しいものだったが、騎士が背後を取ったことでウィリスが危機的状況だと判断し、人間界に現れた。
未来を見ることが出来たとしても、フローレンスと契約しているウィリスが待機しているのか、といったところまでは見通せない。
「どうする、の」
「このまま、戦い、続けます」
「了解。任せ、なさい」
強くなり続けているフローレンスの影響を受け、ウィリスもアラッドとクロたちと激突した時よりも強さが増していた。
フローレンスの死角を完全に補い、迫る攻撃を対処する。
(これが、光の精霊、か)
(厄介なのは、知っていたが、ここまで、かッ!!!!!)
彼らの中にはエルフと契約している精霊と戦ったことがある者もいる。
だが、その精霊たちは全て異形の姿をした個体たち。
それほど人型の精霊というのは珍しい。
人型であれば、寧ろ戦いやすいと思われるかもしれないが……人型だからこそ知能が高く、こちらがやられて嫌なことを理解している。
(くっ!! なんと、姑息な手、を)
攻撃を捌きながら、フローレンスの邪魔にならない程度に騎士たちの前に光源を展開させ、視界を妨害する。
この場にいる戦闘者たちは、視界が塞がれたところで戦い続けることができる。
ただ……見えない状態であることを事前に確認した状態から戦うのと、いきなり視覚という五感の一つを妨害されるのとでは訳が違う。
「がっ!!!???」
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死者数は爆発的に増えずとも、ゴリディア帝国の戦力が徐々に……確実に削られ始めていく。
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