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千三百四十話 ようやく返せた
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「アラッド兄さん」
「ん? どうした」
木竜との感謝、謝罪。
シルフィーへおそらくトーナメント参加禁止になるだろうという話を終えた後、アラッドは再び移動。
向かう場所は……ユニコーンたちが滞在している場所。
ユニコーンたちはクロたちが滞在している場所で睡眠を取っているが、普段は王城内にある庭園で過ごしていた。
(…………なんとも絵になる光景だな)
花畑の一部に腰を下ろし、二体のユニコーンが日向ぼっこをしながら過ごしていた。
その光景は見る者に神秘さを感じさせる光景であり、アラッドだけではなくスティームたちもその光景に見入ってしまっていた。
周囲には、そんなユニコーン親子を前に、両手を合わせて祈りを捧げる者たちもいた。
(これは……いいのか?)
ユニコーンは聖獣と呼ばれる存在ではあるが、カテゴリーとしてはモンスターである。
そんなモンスターに祈りを捧げるのは、宗教的によろしいものなのか解らないが……ひとまずそれは置いておき、アラッドは親子の元へ近づく。
「……っ、~~~~~♪」
「ふふ」
アラッドが近づくと気配に気づいた子ユニコーンは身を起こして自ら近づき、その頬をアラッドに摺り寄せた。
「ありがとう……ありがとうございます。あなた方のお陰で、俺の体は無事に動かせるようになりました」
「…………」
アラッドの言葉を、親ユニコーンは薄く目を空けたまま聞き続ける。
「本当に、心から感謝いたします」
先程、木竜に対して行ったように、アラッドは深々と頭を下げた。
木竜はシルフィーとアッシュの命の恩人だが、ユニコーン親子は同じく二人を気にかけてくれた存在であり、なにより自分の命を救う手助けをしてくれた存在。
アラッドとしては、土下座するレベルで感謝の言葉を、気持ちを伝えたいところではあるが、一応身内以外の人目もあるという事で、深々と頭を下げるという体勢に留めた。
「ブルルルゥ……ルルゥ」
「…………本当に、ありがとうございます」
気にするなと……助かったのであれば良かったと、親ユニコーンが何を伝えたいのか、脳内に伝わる。
親ユニコーンとしては、当然の事を下までであった。
それこそ、ようやっとアラッドたちに恩を返せたと思っていた。
アラッドとしては、アルバース王国側として参加してくれるだけではなく、アッシュとシルフィーの面倒を見てくれただけでも、十分恩を返してもらったと感じている。
しかし、それはあくまでアラッドの感想。
親ユニコーンとしては、アラッドを直接助けられてこそ、恩を返せたと考えていた。
「ルルゥ……ブルルル」
「はは、そうですね。対峙した相手も覚悟が決まっていて、俺たち全員追い込まれてしまって」
「…………ルルルウ。ルルゥ」
「えぇ、本当ですよ。それでどうしようもないってなって、彼女……フローレンスが契約している光の精霊の力を借りたんです」
紹介されたフローレンスは先ほどのアラッドと同じく、ユニコーンに深々と頭を下げた。
周囲で時たま祈りを捧げている者たちとは違い、フローレンスはただ紹介されただけというだけではなく……大切な人物であるアラッドを助けることに協力してくれた存在として、ユニコーン親子には深く感謝していた。
「……ルルゥ」
「座ってくれて構わない、ってよ」
「そ、それでは、失礼します」
ユニコーンを必要以上に神聖視しているわけではないフローレンスだが、アラッドのように親しく話せるほどの関係ではないということもあり、非常に緊張しながら……珍しく薄っすらと緊張の汗を流しながらその場に腰を下ろした。
「ルル、ルルルルゥ」
「物知りですね。こう……直感でいけるんじゃないかと思いまして。ウィリスも同じ感覚だったらしく、数秒程度ですがなんとか上手くいき、イゼリオ・ガノーバという強者を倒すことが出来ました」
「……ルルゥ」
「えぇ……そうですね。どうやら、少し減ってしまったみたいです。とはいえ、あそこでその選択を取っていなければ、俺も……仲間たちも間違いなく命を落としていました。それを考えれば、多少の寿命ぐらい安いものかと」
「…………ブルルゥ」
「かもしれませんね。ですが、これから先も同じようなことが起こったとしても……いや、そうですね。次はそういった危険な真似をせずとも乗り越えられるよう、改めて鍛え直そうかと思います。それと、減ってしまった寿命に関しては使い捨てのマジックアイテムなどでどうにかなるかもしれませんので、相変わらず冒険は続けます」
「ルルゥ……ブルル」
「そうですね。その先に色々と待っていそうですが、それでも俺は冒険者なので……どうしようもない、冒険者の性というものかもしれません」
「ルル?」
「ふふ、そうだな。楽しい事が色々とある。君も、彼と共にする度は楽しいだろ」
「~~~♪」
楽しそうに、時折呆れた表情を零しながらも語り合うアラッドとユニコーン親子。
フローレンスは自ら会話に参加しようとはしないものの、その光景を微笑ましい表情で眺める。
そんな彼らの様子は、ユニコーン親子が日向ぼっこを楽しんでいる以上に、一つの絵に収めたくなるような光景だった。
「ん? どうした」
木竜との感謝、謝罪。
シルフィーへおそらくトーナメント参加禁止になるだろうという話を終えた後、アラッドは再び移動。
向かう場所は……ユニコーンたちが滞在している場所。
ユニコーンたちはクロたちが滞在している場所で睡眠を取っているが、普段は王城内にある庭園で過ごしていた。
(…………なんとも絵になる光景だな)
花畑の一部に腰を下ろし、二体のユニコーンが日向ぼっこをしながら過ごしていた。
その光景は見る者に神秘さを感じさせる光景であり、アラッドだけではなくスティームたちもその光景に見入ってしまっていた。
周囲には、そんなユニコーン親子を前に、両手を合わせて祈りを捧げる者たちもいた。
(これは……いいのか?)
ユニコーンは聖獣と呼ばれる存在ではあるが、カテゴリーとしてはモンスターである。
そんなモンスターに祈りを捧げるのは、宗教的によろしいものなのか解らないが……ひとまずそれは置いておき、アラッドは親子の元へ近づく。
「……っ、~~~~~♪」
「ふふ」
アラッドが近づくと気配に気づいた子ユニコーンは身を起こして自ら近づき、その頬をアラッドに摺り寄せた。
「ありがとう……ありがとうございます。あなた方のお陰で、俺の体は無事に動かせるようになりました」
「…………」
アラッドの言葉を、親ユニコーンは薄く目を空けたまま聞き続ける。
「本当に、心から感謝いたします」
先程、木竜に対して行ったように、アラッドは深々と頭を下げた。
木竜はシルフィーとアッシュの命の恩人だが、ユニコーン親子は同じく二人を気にかけてくれた存在であり、なにより自分の命を救う手助けをしてくれた存在。
アラッドとしては、土下座するレベルで感謝の言葉を、気持ちを伝えたいところではあるが、一応身内以外の人目もあるという事で、深々と頭を下げるという体勢に留めた。
「ブルルルゥ……ルルゥ」
「…………本当に、ありがとうございます」
気にするなと……助かったのであれば良かったと、親ユニコーンが何を伝えたいのか、脳内に伝わる。
親ユニコーンとしては、当然の事を下までであった。
それこそ、ようやっとアラッドたちに恩を返せたと思っていた。
アラッドとしては、アルバース王国側として参加してくれるだけではなく、アッシュとシルフィーの面倒を見てくれただけでも、十分恩を返してもらったと感じている。
しかし、それはあくまでアラッドの感想。
親ユニコーンとしては、アラッドを直接助けられてこそ、恩を返せたと考えていた。
「ルルゥ……ブルルル」
「はは、そうですね。対峙した相手も覚悟が決まっていて、俺たち全員追い込まれてしまって」
「…………ルルルウ。ルルゥ」
「えぇ、本当ですよ。それでどうしようもないってなって、彼女……フローレンスが契約している光の精霊の力を借りたんです」
紹介されたフローレンスは先ほどのアラッドと同じく、ユニコーンに深々と頭を下げた。
周囲で時たま祈りを捧げている者たちとは違い、フローレンスはただ紹介されただけというだけではなく……大切な人物であるアラッドを助けることに協力してくれた存在として、ユニコーン親子には深く感謝していた。
「……ルルゥ」
「座ってくれて構わない、ってよ」
「そ、それでは、失礼します」
ユニコーンを必要以上に神聖視しているわけではないフローレンスだが、アラッドのように親しく話せるほどの関係ではないということもあり、非常に緊張しながら……珍しく薄っすらと緊張の汗を流しながらその場に腰を下ろした。
「ルル、ルルルルゥ」
「物知りですね。こう……直感でいけるんじゃないかと思いまして。ウィリスも同じ感覚だったらしく、数秒程度ですがなんとか上手くいき、イゼリオ・ガノーバという強者を倒すことが出来ました」
「……ルルゥ」
「えぇ……そうですね。どうやら、少し減ってしまったみたいです。とはいえ、あそこでその選択を取っていなければ、俺も……仲間たちも間違いなく命を落としていました。それを考えれば、多少の寿命ぐらい安いものかと」
「…………ブルルゥ」
「かもしれませんね。ですが、これから先も同じようなことが起こったとしても……いや、そうですね。次はそういった危険な真似をせずとも乗り越えられるよう、改めて鍛え直そうかと思います。それと、減ってしまった寿命に関しては使い捨てのマジックアイテムなどでどうにかなるかもしれませんので、相変わらず冒険は続けます」
「ルルゥ……ブルル」
「そうですね。その先に色々と待っていそうですが、それでも俺は冒険者なので……どうしようもない、冒険者の性というものかもしれません」
「ルル?」
「ふふ、そうだな。楽しい事が色々とある。君も、彼と共にする度は楽しいだろ」
「~~~♪」
楽しそうに、時折呆れた表情を零しながらも語り合うアラッドとユニコーン親子。
フローレンスは自ら会話に参加しようとはしないものの、その光景を微笑ましい表情で眺める。
そんな彼らの様子は、ユニコーン親子が日向ぼっこを楽しんでいる以上に、一つの絵に収めたくなるような光景だった。
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