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九話 望む希望は闘争
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「アラッドも座りなさい」
「はい」
フールに言われた通りアラッドもソファーに腰を下ろす。
「紅茶です」
「ありがとう」
メイドが入れた紅茶を一杯口にする。
(紅茶なんて何が美味いのか前世では分からなかったけど、貴族の家に生まれたからか多少なりと美味いと解るようになったな)
当然、淹れる者によって質は変わる。
アラッドが紅茶が美味いと感じるのは、淹れたメイドの技量によるところもある。
「それで、俺に何の用ですか。父さん」
「今日の昼、ドラングと模擬戦を行って勝ったようだね……しかも圧勝で」
「そうですね……ただ、あれはあまりにも早く決着が着きすぎたので、自分が強くなったのか。それともドラングが思ったよりも弱かったのか、いまいちその辺りが解りませんでした」
「……ふふ、そうかい」
傲慢にも思えるセリフだが、アラッドにそういった感情がないのは知っている。
だが、今のセリフをドラングが聞けば一気に顔が沸騰すると確信した。
(ドラングは決して弱くない。五歳の誕生日に剣技のスキルを得てから更に訓練に力を入れていると聞いている。そんなドラングを開幕速攻とはいえ、一撃で沈めてしまった。それはアラッドの強さが規格外という他ならない)
グラストからの報告を聞き、ほんの一瞬ではあるが話を持っているのではないかと思ってしまった。
それほど現時点でアラッドの強さはずば抜けている。
「アラッド、君が色々と学び始めてから数年が経った。そして今回、ほぼ同い年であるドラングを圧倒した。その成長を褒める、という意味を込めて何か一つ……アラッドの希望を叶えてあげたいと思っている」
「俺の希望、ですか……」
「そう、アラッドが何か欲しい物や体験したい事があれば是非叶えようと思っている」
例えアラッド専用の剣が欲しいと言われても、直ぐに素材を用意して領地一の鍛冶師に造ってもらおうと考えている。
だが……アラッドの口から出てきた頼みは物、ではなく体験の方だった。
「それでは父さん、俺がモンスターと戦うことを許可してください」
「ッ!!!! ……なるほど、そういう願いか」
頭の中に、もしかしたらそれを希望するかもしれないという考えはあった。
だがその割合は微々たるもの。
おそらく実際に斬れる武器などを欲すると思っていた。
「勿論、一人で領地から出てモンスターと戦おうとは思いません。パーシブル家に仕える兵士を二人連れて、森の中に入ろうと思っています」
「……それなりに渡しを心配させない方法は考えていたんだね」
「はい。さすがに勝手に屋敷を抜け出して森の中に入ったら怒られると思ったんで」
「そうだね。さすがに僕は怒るよ。アリサは勇気と根性があってよろしいと褒めるかもしれないけど」
血の繋がった母親の性格を考えると、あり得なくはない結果なので苦笑いを浮かべた。
(母さんな案外褒めてくれるかもしれないな。ただ、心配をかける人が父さんだけじゃなくて多くの人に迷惑をかけてしまうかもしれないからな)
モンスターと戦うには屋敷を抜け出して街を乗り越え、森の中に入るのが一番だと思っていたが、そういった理由から一先ず選択肢から消していた。
「そうか……それがアラッドの希望か」
「そうですね。低ランクのモンスターであれば一人で倒せると思います。自分が想像していたよりも、五歳の誕生日に手に入れた糸というスキルは有能でしたので」
「使えるかどうか実験してるんだね。それは良いことだ……それで、戦闘において実用性は高かったかい」
「はい。十分に戦闘で使えるスキルでした」
フールが考えていた内容は的中しており、エクストラスキルである糸は裁縫などに役立つだけではなく、戦闘にも使えるスキルだった。
「はぁ~~~~~~……分かったよ。兵士二人と同行するなら、モンスターとの戦闘を許可するよ」
「ありがとうございます」
(全く、大人しそうに見えて血気盛んだよね……ちょっとまって、これだと自動的にアラッドの剣を用意しないと駄目だよね)
その通りなので、結果的にアラッドは外出してモンスターと戦う権利だけではなく、自身の真剣まで手に入れた。
「はい」
フールに言われた通りアラッドもソファーに腰を下ろす。
「紅茶です」
「ありがとう」
メイドが入れた紅茶を一杯口にする。
(紅茶なんて何が美味いのか前世では分からなかったけど、貴族の家に生まれたからか多少なりと美味いと解るようになったな)
当然、淹れる者によって質は変わる。
アラッドが紅茶が美味いと感じるのは、淹れたメイドの技量によるところもある。
「それで、俺に何の用ですか。父さん」
「今日の昼、ドラングと模擬戦を行って勝ったようだね……しかも圧勝で」
「そうですね……ただ、あれはあまりにも早く決着が着きすぎたので、自分が強くなったのか。それともドラングが思ったよりも弱かったのか、いまいちその辺りが解りませんでした」
「……ふふ、そうかい」
傲慢にも思えるセリフだが、アラッドにそういった感情がないのは知っている。
だが、今のセリフをドラングが聞けば一気に顔が沸騰すると確信した。
(ドラングは決して弱くない。五歳の誕生日に剣技のスキルを得てから更に訓練に力を入れていると聞いている。そんなドラングを開幕速攻とはいえ、一撃で沈めてしまった。それはアラッドの強さが規格外という他ならない)
グラストからの報告を聞き、ほんの一瞬ではあるが話を持っているのではないかと思ってしまった。
それほど現時点でアラッドの強さはずば抜けている。
「アラッド、君が色々と学び始めてから数年が経った。そして今回、ほぼ同い年であるドラングを圧倒した。その成長を褒める、という意味を込めて何か一つ……アラッドの希望を叶えてあげたいと思っている」
「俺の希望、ですか……」
「そう、アラッドが何か欲しい物や体験したい事があれば是非叶えようと思っている」
例えアラッド専用の剣が欲しいと言われても、直ぐに素材を用意して領地一の鍛冶師に造ってもらおうと考えている。
だが……アラッドの口から出てきた頼みは物、ではなく体験の方だった。
「それでは父さん、俺がモンスターと戦うことを許可してください」
「ッ!!!! ……なるほど、そういう願いか」
頭の中に、もしかしたらそれを希望するかもしれないという考えはあった。
だがその割合は微々たるもの。
おそらく実際に斬れる武器などを欲すると思っていた。
「勿論、一人で領地から出てモンスターと戦おうとは思いません。パーシブル家に仕える兵士を二人連れて、森の中に入ろうと思っています」
「……それなりに渡しを心配させない方法は考えていたんだね」
「はい。さすがに勝手に屋敷を抜け出して森の中に入ったら怒られると思ったんで」
「そうだね。さすがに僕は怒るよ。アリサは勇気と根性があってよろしいと褒めるかもしれないけど」
血の繋がった母親の性格を考えると、あり得なくはない結果なので苦笑いを浮かべた。
(母さんな案外褒めてくれるかもしれないな。ただ、心配をかける人が父さんだけじゃなくて多くの人に迷惑をかけてしまうかもしれないからな)
モンスターと戦うには屋敷を抜け出して街を乗り越え、森の中に入るのが一番だと思っていたが、そういった理由から一先ず選択肢から消していた。
「そうか……それがアラッドの希望か」
「そうですね。低ランクのモンスターであれば一人で倒せると思います。自分が想像していたよりも、五歳の誕生日に手に入れた糸というスキルは有能でしたので」
「使えるかどうか実験してるんだね。それは良いことだ……それで、戦闘において実用性は高かったかい」
「はい。十分に戦闘で使えるスキルでした」
フールが考えていた内容は的中しており、エクストラスキルである糸は裁縫などに役立つだけではなく、戦闘にも使えるスキルだった。
「はぁ~~~~~~……分かったよ。兵士二人と同行するなら、モンスターとの戦闘を許可するよ」
「ありがとうございます」
(全く、大人しそうに見えて血気盛んだよね……ちょっとまって、これだと自動的にアラッドの剣を用意しないと駄目だよね)
その通りなので、結果的にアラッドは外出してモンスターと戦う権利だけではなく、自身の真剣まで手に入れた。
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