13 / 1,361
十三話 冷静ではない相手に効く
しおりを挟む
ノーラスの解体ショーを見終えた後、再び丁度良いモンスターを探し始める。
「いや~~~~、にしても本当に圧勝だったっすね。まさかあんなに強いとは思ってなかったっす」
「俺もちょっと上手くいき過ぎて少し驚いた。ただ、三人とも俺が対人戦で糸を使い辛いって言った意味解かっただろ」
「えぇ、良く解かりました。スレッドサークル、でしたか。ああいったスキル技が多いのであれば、対人戦では十全に能力を発揮できませんね」
うっかり模擬戦中に殺してしまうのは遠慮したい。
今後決闘という戦いに挑む場合もあるだろう。
決闘であれば模擬戦違って殺しても咎められることはない……ないが、殺さないことに越したことはない。
「ドラングとの模擬戦でもちょっと試してみようかと思ったが、やっぱり危ないなと思ったから使わなかった」
「……その判断で正解かと。今のドラング様にスレッドサークルを防ぐ手段はありません」
魔力を纏えるのであれば、首を切り裂かれずに済むかもしれない。
だが、ドラングの魔力操作レベルでは、まだ体に魔力を纏うことができない。
なので、スレッドサークルを使われたら首が綺麗に切り落とされてしまう。
「アラッド様、他にも何か凄い技があるっすか?」
「あぁ、庭で色々と試してみたが、攻撃系のスキル技はまだ他にもある。今日、それを全て使うか分からないけどな。ただ、この糸は攻撃よりも妨害に適している……スキル技を使わない場合を除いてな」
「そういえば、先程直ぐには糸が見えませんでした」
「そうだろ。だから突っ込んでくる相手をノーモーションで引っかけることも出来る」
これが何気に戦いでは使えるのではとアラッドは考えていた。
「そう、ですね。接近戦メインの者と戦う時は有利な妨害かと」
「そうだろそうだろ。今度ドラングまた模擬戦を挑んできたら、開始早々転ばそうと思うんだ」
アラッドがドラングに糸による妨害を仕掛け、それに引っ掛かるドラングの姿が容易に思い浮かんでしまった三人は自然と苦笑いを浮かべた。
「ど、ドラング様は直線的な方っすからね。そういった相手にはより効きやすそうっすね」
「あいつはそういった妨害系に疎そうだしな」
ドラング疎いのではなく、アラッドが知り過ぎているのだ。
「それに……近づいて来ようとしない相手の妨害方法も考えている」
「えっ、そうなのですか?」
メイジであるユーナはバリバリ後衛職なので、アラッドが思い付いた方法に少々恐れを感じた。
「さて、次の相手が見つかったみたいだな……これまた可愛らしいが」
アラッドの前に現れたモンスターはスライム。
数は二体だが、動きは遅い。
しかし成長した個体であれば体内の酸を吹き出すことも出来るので、ホーンラビットと同じくあまり侮っていい相手ではない。
「今回も手を出さなくていい」
アラッドを餌だど認識した二体はのっそりのっそりと近づくが、二体がアラッドに近づくよりも速くアラッドの指から二本の糸が放出された。
その糸には魔力が纏われており、スライムの体内に侵入しても溶かされない。
そしてその糸はモンスターの第二の心臓である魔石に巻き付く。
「よっと」
指で糸を引くと、魔石はスライムの体内から引き抜かれた。
体から魔石を抜かれたスライムは意識を失い、その場に崩れ落ちた。
「どうよ」
「み、見事な手際です。今回は純粋に糸に魔力を纏い、魔石に巻き付けて引き抜いた……という内容ですね」
「スライムの中は倒すまで酸だからな。普通に侵入しようとしても溶かされると思ったんだ」
溶かされない為に糸に魔力を纏わせた。
その理屈はユーナも解る。だが、その糸に魔力を纏わせた技量を見て固まってしまった。
(……ま、魔力操作が得意というのは話しを聞いていて知っていましたが、まさかここまで無駄なく操るとは……)
アラッドは糸に纏う部分と量を最小限に留め、魔石を抜き取った。
効率よく倒したことで、まだまだアラッドの魔力は余裕があった。
「まだまだ倒すぞ」
日はまだ高く、屋敷に戻らなければならない時間までたっぷり余裕があるので、アラッドのモンスター討伐は夕方になるまで続いた。
「いや~~~~、にしても本当に圧勝だったっすね。まさかあんなに強いとは思ってなかったっす」
「俺もちょっと上手くいき過ぎて少し驚いた。ただ、三人とも俺が対人戦で糸を使い辛いって言った意味解かっただろ」
「えぇ、良く解かりました。スレッドサークル、でしたか。ああいったスキル技が多いのであれば、対人戦では十全に能力を発揮できませんね」
うっかり模擬戦中に殺してしまうのは遠慮したい。
今後決闘という戦いに挑む場合もあるだろう。
決闘であれば模擬戦違って殺しても咎められることはない……ないが、殺さないことに越したことはない。
「ドラングとの模擬戦でもちょっと試してみようかと思ったが、やっぱり危ないなと思ったから使わなかった」
「……その判断で正解かと。今のドラング様にスレッドサークルを防ぐ手段はありません」
魔力を纏えるのであれば、首を切り裂かれずに済むかもしれない。
だが、ドラングの魔力操作レベルでは、まだ体に魔力を纏うことができない。
なので、スレッドサークルを使われたら首が綺麗に切り落とされてしまう。
「アラッド様、他にも何か凄い技があるっすか?」
「あぁ、庭で色々と試してみたが、攻撃系のスキル技はまだ他にもある。今日、それを全て使うか分からないけどな。ただ、この糸は攻撃よりも妨害に適している……スキル技を使わない場合を除いてな」
「そういえば、先程直ぐには糸が見えませんでした」
「そうだろ。だから突っ込んでくる相手をノーモーションで引っかけることも出来る」
これが何気に戦いでは使えるのではとアラッドは考えていた。
「そう、ですね。接近戦メインの者と戦う時は有利な妨害かと」
「そうだろそうだろ。今度ドラングまた模擬戦を挑んできたら、開始早々転ばそうと思うんだ」
アラッドがドラングに糸による妨害を仕掛け、それに引っ掛かるドラングの姿が容易に思い浮かんでしまった三人は自然と苦笑いを浮かべた。
「ど、ドラング様は直線的な方っすからね。そういった相手にはより効きやすそうっすね」
「あいつはそういった妨害系に疎そうだしな」
ドラング疎いのではなく、アラッドが知り過ぎているのだ。
「それに……近づいて来ようとしない相手の妨害方法も考えている」
「えっ、そうなのですか?」
メイジであるユーナはバリバリ後衛職なので、アラッドが思い付いた方法に少々恐れを感じた。
「さて、次の相手が見つかったみたいだな……これまた可愛らしいが」
アラッドの前に現れたモンスターはスライム。
数は二体だが、動きは遅い。
しかし成長した個体であれば体内の酸を吹き出すことも出来るので、ホーンラビットと同じくあまり侮っていい相手ではない。
「今回も手を出さなくていい」
アラッドを餌だど認識した二体はのっそりのっそりと近づくが、二体がアラッドに近づくよりも速くアラッドの指から二本の糸が放出された。
その糸には魔力が纏われており、スライムの体内に侵入しても溶かされない。
そしてその糸はモンスターの第二の心臓である魔石に巻き付く。
「よっと」
指で糸を引くと、魔石はスライムの体内から引き抜かれた。
体から魔石を抜かれたスライムは意識を失い、その場に崩れ落ちた。
「どうよ」
「み、見事な手際です。今回は純粋に糸に魔力を纏い、魔石に巻き付けて引き抜いた……という内容ですね」
「スライムの中は倒すまで酸だからな。普通に侵入しようとしても溶かされると思ったんだ」
溶かされない為に糸に魔力を纏わせた。
その理屈はユーナも解る。だが、その糸に魔力を纏わせた技量を見て固まってしまった。
(……ま、魔力操作が得意というのは話しを聞いていて知っていましたが、まさかここまで無駄なく操るとは……)
アラッドは糸に纏う部分と量を最小限に留め、魔石を抜き取った。
効率よく倒したことで、まだまだアラッドの魔力は余裕があった。
「まだまだ倒すぞ」
日はまだ高く、屋敷に戻らなければならない時間までたっぷり余裕があるので、アラッドのモンスター討伐は夕方になるまで続いた。
457
あなたにおすすめの小説
母は何処? 父はだぁれ?
穂村満月
ファンタジー
うちは、父3人母2人妹1人の7人家族だ。
産みの母は誰だかわかるが、実父は誰だかわからない。
妹も、実妹なのか不明だ。
そんなよくわからない家族の中で暮らしていたが、ある日突然、実母がいなくなってしまった。
父たちに聞いても、母のことを教えてはくれない。
母は、どこへ行ってしまったんだろう!
というところからスタートする、
さて、実父は誰でしょう? というクイズ小説です。
変な家族に揉まれて、主人公が成長する物語でもなく、
家族とのふれあいを描くヒューマンドラマでもありません。
意味のわからない展開から、誰の子なのか想像してもらえたらいいなぁ、と思っております。
前作「死んでないのに異世界転生? 三重苦だけど頑張ります」の完結記念ssの「誰の子産むの?」のアンサーストーリーになります。
もう伏線は回収しきっているので、変なことは起きても謎は何もありません。
単体でも楽しめるように書けたらいいな、と思っておりますが、前作の設定とキャラクターが意味不明すぎて、説明するのが難しすぎました。嫁の夫をお父さんお母さん呼びするのを諦めたり、いろんな変更を行っております。設定全ては持ってこれないことを先にお詫びします。
また、先にこちらを読むと、1話目から前作のネタバレが大量に飛び出すことも、お詫び致します。
「小説家になろう」で連載していたものです。
「俺が勇者一行に?嫌です」
東稔 雨紗霧
ファンタジー
異世界に転生したけれども特にチートも無く前世の知識を生かせる訳でも無く凡庸な人間として過ごしていたある日、魔王が現れたらしい。
物見遊山がてら勇者のお披露目式に行ってみると勇者と目が合った。
は?無理
【読切短編】処刑前夜、地下牢に現れた王女は言った。「お前でなければ駄目なんだ」滅びの未来を覆す、騎士との契約
Lihito
ファンタジー
王国騎士団の副長ヴェルドは、無実の罪で投獄され、明日処刑される運命にあった。
腐敗した国に絶望し、静かに死を待つ夜。
地下牢に現れたのは、実権を持たない「傀儡」と噂されるイゾルデ王女。
彼女はヴェルドに仮死毒を渡し、こう告げた。
「死んで、私の影になれ」
彼女は知っていた。
この国が三年後に滅ぶこと。誰が裏切り者か。
そして——ヴェルドこそが、国を救うための唯一の「切り札」であることを。
これは、滅びの未来を知る孤独な王女と、一度死んで生まれ変わった騎士が、裏から国を救う「共犯」の物語。
〈完結〉この女を家に入れたことが父にとっての致命傷でした。
江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」アリサは父の後妻の言葉により、家を追い出されることとなる。
だがそれは待ち望んでいた日がやってきたでもあった。横領の罪で連座蟄居されられていた祖父の復活する日だった。
十年前、八歳の時からアリサは父と後妻により使用人として扱われてきた。
ところが自分の代わりに可愛がられてきたはずの異母妹ミュゼットまでもが、義母によって使用人に落とされてしまった。義母は自分の周囲に年頃の女が居ること自体が気に食わなかったのだ。
元々それぞれ自体は仲が悪い訳ではなかった二人は、お互い使用人の立場で二年間共に過ごすが、ミュゼットへの義母の仕打ちの酷さに、アリサは彼女を乳母のもとへ逃がす。
そして更に二年、とうとうその日が来た……
授かったスキルが【草】だったので家を勘当されたから悲しくてスキルに不満をぶつけたら国に恐怖が訪れて草
ラララキヲ
ファンタジー
(※[両性向け]と言いたい...)
10歳のグランは家族の見守る中でスキル鑑定を行った。グランのスキルは【草】。草一本だけを生やすスキルに親は失望しグランの為だと言ってグランを捨てた。
親を恨んだグランはどこにもぶつける事の出来ない気持ちを全て自分のスキルにぶつけた。
同時刻、グランを捨てた家族の居る王都では『謎の笑い声』が響き渡った。その笑い声に人々は恐怖し、グランを捨てた家族は……──
※確認していないので二番煎じだったらごめんなさい。急に思いついたので書きました!
※「妻」に対する暴言があります。嫌な方は御注意下さい※
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げています。
【完結】勇者と国王は最悪。なので私が彼らを後悔させます。
凛 伊緒
ファンタジー
「お前はこのパーティーに相応しくない。今この場をもって、追放とする!それと、お前が持っている物は全て置いていってもらうぞ。」
「それは良いですわね、勇者様!」
勇者でありパーティーリーダーのゼイスに追放を宣言された。
隣にいる聖女メーシアも、大きく頷く。
毎日の暴行。
さらに報酬は平等に分けるはずが、いつも私だけかなり少なくされている。
最後の嫌味と言わんばかりに、今持っている物全てを奪われた。
今までの行いを、後悔させてあげる--
【完結】そして、誰もいなくなった
杜野秋人
ファンタジー
「そなたは私の妻として、侯爵夫人として相応しくない!よって婚約を破棄する!」
愛する令嬢を傍らに声高にそう叫ぶ婚約者イグナシオに伯爵家令嬢セリアは誤解だと訴えるが、イグナシオは聞く耳を持たない。それどころか明らかに犯してもいない罪を挙げられ糾弾され、彼女は思わず彼に手を伸ばして取り縋ろうとした。
「触るな!」
だがその手をイグナシオは大きく振り払った。振り払われよろめいたセリアは、受け身も取れないまま仰向けに倒れ、頭を打って昏倒した。
「突き飛ばしたぞ」
「彼が手を上げた」
「誰か衛兵を呼べ!」
騒然となるパーティー会場。すぐさま会場警護の騎士たちに取り囲まれ、彼は「違うんだ、話を聞いてくれ!」と叫びながら愛人の令嬢とともに連行されていった。
そして倒れたセリアもすぐさま人が集められ運び出されていった。
そして誰もいなくなった。
彼女と彼と愛人と、果たして誰が悪かったのか。
これはとある悲しい、婚約破棄の物語である。
◆小説家になろう様でも公開しています。話数の関係上あちらの方が進みが早いです。
3/27、なろう版完結。あちらは全8話です。
3/30、小説家になろうヒューマンドラマランキング日間1位になりました!
4/1、完結しました。全14話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる