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八十八話 外見は優男でも
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「アラッド、ガントレットの類などは買わないのかい?」
「ガントレットですか? そうですね……今のところ買う予定はありません」
「アラッドは剣や魔法だけじゃなく、体技も優れてる。僕としてはガントレットや脚甲を買うことをお勧めするよ」
体技がメインではないが、前世の記憶を持つアラッドは格闘技に関してそれなりに知識を持っていた。
そしてこの世界では既に前世の身体能力を超えており、動かしたいように体を理想通り動かせる。
故に、前世では漫画の中でした再現できないような技を見事再現できる。
「そうですか……少し考えておきます」
「そうした方が良い。ガントレットや脚甲を身に着けておいた方が相手に与えるダメージが上がるのは勿論、攻撃の際に体に響く衝撃を軽減できる。ガントレットが重苦しく感じるなら、グローブもお薦めだよ。手の甲や指の部分だけ鉱石などを仕込めば動かしやすいし、軽い」
「……なるほど、確かにそれは良さそうですね」
グローブであれば邪魔にならない。
そう思ったティールは本気でオーダーメイドのグローブを頼もうか考え始めた。
「ところで、復活した鉱山からどういった鉱石が採れそうなんですか?」
「今のところ一般的な鉄鉱石から属性魔力を含んだ鉱石や零体のモンスターに有効な力を持つ鉱石や、希少な鉱石……ミスリルが少量ではあるが、採れたよ」
「ミスリルっ!!?? そ、それは本当ですか?」
「あぁ、勿論本当だよ。僕も心底驚いたよ」
ミスリル鉱石は鉱石の中でも最上位に位置する鉱石の一つ。
軽いが堅い。
武器の素材として基本的に有難い効果を持ち、そして魔力を通しやすい。
この様な効果を持つ鉱石は他にもあるが、ミスリルは群を抜いて高い効果を持つ。
ミスリルをメインの素材として造られた斬撃系の武器の切れ味は高く、打撃系の武器の威力は重さ以上に高い。
「……いずれ他領にもバレるとは思います。その対策をしておいた方が良いかと」
「うん、そうだね。せっかく鉱山が復活したんだ。相手が誰であれ……盗人に容赦するつもりはないよ」
鋭く、刃物のような殺気が零れた。
「「「「ッ!?」」」」
アラッドも含め、騎士たちもフールから零れた殺気を感じ、身震いした。
普段は温厚で優しい領主だが、改めて認識した。
目の前にいる領主は王国に仕える騎士団で副団長を務めていた男なのだと。
「おっと、すまない。少々殺気が零れてしまった。さぁ、あまり時間を掛けず進もう」
体力の消耗を考えて休憩を挟みながらオーアルドラゴンの元に進むが、アラッドの体力面も考えるとなるべく早く終わらせたい。
だが、鉱山に入ってから一度鉱山を捜索したことがある騎士たちは違和感を感じていた。
前回探索した時よりも襲って来るモンスターの数が多い。
一日の間にモンスターと遭遇する数は日によって変わる。
敵の気配をバレずに察知し、躱しながら行動すれば遭遇する数は減るが、その前に気配を察知されて襲われる場合もある。
それでも、今日は前回と比べて襲って来る数が多い。
全員がそう判断した。
とはいえ、戦闘に関して不安は感じない。
自分たちの力を超える個体と遭遇することはなく、自分たちの主にして最も頼りになる元副騎士団長がいる。
そして今回オーアルドラゴンと交渉するにあたってキーマンとなる人物、アラッドの実力は既に戦闘者の一般レベルを超えていた。
七歳の子供ながらモンスターに怯えることなく自ら従魔のブラックウルフと立ち向かい、危なげなく勝利を収める。
正直なところ……フールと同じく頼もしい存在と感じると同時に、自分たちはあまり必要ないのではと思ってしまう。
(アラッド様と普段同行している兵士やメイジたちの気持ちが良く解かる……果たして自分たち護衛という存在がアラッド様に必要なのか……いや、今そういったことを考えるのはよそう)
自分の仕事は主人のフールとその息子であるアラッドを脅威から身を挺して守ること。
その想いを再度刻み、周囲を警戒しながら進む。
「ガントレットですか? そうですね……今のところ買う予定はありません」
「アラッドは剣や魔法だけじゃなく、体技も優れてる。僕としてはガントレットや脚甲を買うことをお勧めするよ」
体技がメインではないが、前世の記憶を持つアラッドは格闘技に関してそれなりに知識を持っていた。
そしてこの世界では既に前世の身体能力を超えており、動かしたいように体を理想通り動かせる。
故に、前世では漫画の中でした再現できないような技を見事再現できる。
「そうですか……少し考えておきます」
「そうした方が良い。ガントレットや脚甲を身に着けておいた方が相手に与えるダメージが上がるのは勿論、攻撃の際に体に響く衝撃を軽減できる。ガントレットが重苦しく感じるなら、グローブもお薦めだよ。手の甲や指の部分だけ鉱石などを仕込めば動かしやすいし、軽い」
「……なるほど、確かにそれは良さそうですね」
グローブであれば邪魔にならない。
そう思ったティールは本気でオーダーメイドのグローブを頼もうか考え始めた。
「ところで、復活した鉱山からどういった鉱石が採れそうなんですか?」
「今のところ一般的な鉄鉱石から属性魔力を含んだ鉱石や零体のモンスターに有効な力を持つ鉱石や、希少な鉱石……ミスリルが少量ではあるが、採れたよ」
「ミスリルっ!!?? そ、それは本当ですか?」
「あぁ、勿論本当だよ。僕も心底驚いたよ」
ミスリル鉱石は鉱石の中でも最上位に位置する鉱石の一つ。
軽いが堅い。
武器の素材として基本的に有難い効果を持ち、そして魔力を通しやすい。
この様な効果を持つ鉱石は他にもあるが、ミスリルは群を抜いて高い効果を持つ。
ミスリルをメインの素材として造られた斬撃系の武器の切れ味は高く、打撃系の武器の威力は重さ以上に高い。
「……いずれ他領にもバレるとは思います。その対策をしておいた方が良いかと」
「うん、そうだね。せっかく鉱山が復活したんだ。相手が誰であれ……盗人に容赦するつもりはないよ」
鋭く、刃物のような殺気が零れた。
「「「「ッ!?」」」」
アラッドも含め、騎士たちもフールから零れた殺気を感じ、身震いした。
普段は温厚で優しい領主だが、改めて認識した。
目の前にいる領主は王国に仕える騎士団で副団長を務めていた男なのだと。
「おっと、すまない。少々殺気が零れてしまった。さぁ、あまり時間を掛けず進もう」
体力の消耗を考えて休憩を挟みながらオーアルドラゴンの元に進むが、アラッドの体力面も考えるとなるべく早く終わらせたい。
だが、鉱山に入ってから一度鉱山を捜索したことがある騎士たちは違和感を感じていた。
前回探索した時よりも襲って来るモンスターの数が多い。
一日の間にモンスターと遭遇する数は日によって変わる。
敵の気配をバレずに察知し、躱しながら行動すれば遭遇する数は減るが、その前に気配を察知されて襲われる場合もある。
それでも、今日は前回と比べて襲って来る数が多い。
全員がそう判断した。
とはいえ、戦闘に関して不安は感じない。
自分たちの力を超える個体と遭遇することはなく、自分たちの主にして最も頼りになる元副騎士団長がいる。
そして今回オーアルドラゴンと交渉するにあたってキーマンとなる人物、アラッドの実力は既に戦闘者の一般レベルを超えていた。
七歳の子供ながらモンスターに怯えることなく自ら従魔のブラックウルフと立ち向かい、危なげなく勝利を収める。
正直なところ……フールと同じく頼もしい存在と感じると同時に、自分たちはあまり必要ないのではと思ってしまう。
(アラッド様と普段同行している兵士やメイジたちの気持ちが良く解かる……果たして自分たち護衛という存在がアラッド様に必要なのか……いや、今そういったことを考えるのはよそう)
自分の仕事は主人のフールとその息子であるアラッドを脅威から身を挺して守ること。
その想いを再度刻み、周囲を警戒しながら進む。
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