134 / 1,361
百三十四話 再現不可能?
しおりを挟む
モンスターとどう戦うのか。
そして、その恐怖心をどう乗り越えるかなどの話の後は、アラッドがポロっと漏らした従魔についての話に変わった。
「ブラックウルフを従魔に……それは羨ましいね」
「まだ子供だったからというのもある。だが、あの背中に乗って走る感覚は馬とはまた違う良さがある」
アラッドはまだまだ子供なので軽く、クロもアラッドの家で暮らすようになってから毎日動き回り、十分な食事を摂っていることで、体は出会った当初よりも大きくなっている。
なので、余裕でアラッド一人を背中に乗せて走り回ることが出来る。
「その、ブラックウルフの毛はサラサラなのかしら」
「毎日魔法のブラシを使っているから、勿論サラサラだ」
野性のブラックウルフであれば、恐怖心を抱いても仕方ない。
ランクはCと高く、その爪と牙や容赦なく敵を抉る。
だが、そんなブラックウルフが自身の仲間……従魔になってモフモフする光景を想像したエリザ。
(……羨ましいですわね)
サラサラな毛を持つブラックウルフをモフモフ出来る。
対象がブラックウルフ限定ではないが、エリザ以外の者たちも従魔をモフモフ出来ることに興味を持った。
「ですが話を聞く限り、珍しい状況だったようですね」
「あぁ、その通りだ。俺の気まぐれというのもある」
コボルト四体とコボルトナイト一体にブラックウルフの子供が襲われている。
一般的な冒険者や兵士、騎士であればブラックウルフの子供もコボルトたちと同じモンスター。
一緒に倒してしまうと考えても決しておかしくない。
仮にブラックウルフの子供に歩み寄ろうとしても、拒否される可能性だってある。
アラッドの気まぐれとクロの気持ちがかみ合ったからこその成功パターンといえるだろう。
(少々難しいですわね)
なるべく自分好みのモフモフ出来るモンスターを従魔にしたい。
そういった気持ちが湧き上がってきたエリザだが、それでもアラッドの成功例を聞く限り、自分が同じ内容を実行したとしても上手くいく可能性が高いとは思えない。
(そもそも、都合良く他のモンスターに襲われているとも限りませんし)
アラッドが遭遇した状況と同じ状況に遭遇できるのか。
そもそもそこが怪しく、自身の従魔にするのであれば自身の手でモンスターに手を差し伸べなければならない。
アラッドからモンスターに対する恐怖心の克服方法を教えてもらい、それには納得できた。
ただ、傷ついたモンスターに手を差し伸べようとして、自分が殺されない可能性が決してゼロではない。
エリザは冷静にそうなるかもしれないと判断し、別の方法で好みの従魔を手に入れようと決めた。
(ブラックウルフの従魔までいるのかよ。本当にこう……あれだな、異次元だな)
話を聞く限り、両親の力や権力を借りて手に入れたのではなく、自身の力だけでブラックウルフの子供を仲間にした。
レイとの模擬戦で観た強さも加味すると、今の自分では到底追いつけない存在という認識。
ドラングから聞いていた話とは随分と違う。
そう思ってしまったガルシアだが、そこは辺境伯の令息。
エリザと同じく冷静な考えを持っていた。
(こりゃドラングの奴が敵視してしまうのも仕方ない気がするな。正直、俺がアラッドの兄弟なら絶対に色々と嫉妬するぜ)
体技のスキルを授かったガルシアだが、レイとの模擬戦を観た後では殴り合いでもアラッドに勝てるとは思えなかった。
違う家に生まれた第三者だからこそ、アラッドの生活内容を聞いてその強さに納得出来る。
同じ生活を送れるかと尋ねられれば、途中でギブアップしてしまうと答えてしまう。
あいつも苦労しているんだな。
そう思うと同時に、いずれアラッドの実力が貴族界隈で広まった時、ドラングがどう対処するのか。
ガルシアはそこが心配だった。
そして、その恐怖心をどう乗り越えるかなどの話の後は、アラッドがポロっと漏らした従魔についての話に変わった。
「ブラックウルフを従魔に……それは羨ましいね」
「まだ子供だったからというのもある。だが、あの背中に乗って走る感覚は馬とはまた違う良さがある」
アラッドはまだまだ子供なので軽く、クロもアラッドの家で暮らすようになってから毎日動き回り、十分な食事を摂っていることで、体は出会った当初よりも大きくなっている。
なので、余裕でアラッド一人を背中に乗せて走り回ることが出来る。
「その、ブラックウルフの毛はサラサラなのかしら」
「毎日魔法のブラシを使っているから、勿論サラサラだ」
野性のブラックウルフであれば、恐怖心を抱いても仕方ない。
ランクはCと高く、その爪と牙や容赦なく敵を抉る。
だが、そんなブラックウルフが自身の仲間……従魔になってモフモフする光景を想像したエリザ。
(……羨ましいですわね)
サラサラな毛を持つブラックウルフをモフモフ出来る。
対象がブラックウルフ限定ではないが、エリザ以外の者たちも従魔をモフモフ出来ることに興味を持った。
「ですが話を聞く限り、珍しい状況だったようですね」
「あぁ、その通りだ。俺の気まぐれというのもある」
コボルト四体とコボルトナイト一体にブラックウルフの子供が襲われている。
一般的な冒険者や兵士、騎士であればブラックウルフの子供もコボルトたちと同じモンスター。
一緒に倒してしまうと考えても決しておかしくない。
仮にブラックウルフの子供に歩み寄ろうとしても、拒否される可能性だってある。
アラッドの気まぐれとクロの気持ちがかみ合ったからこその成功パターンといえるだろう。
(少々難しいですわね)
なるべく自分好みのモフモフ出来るモンスターを従魔にしたい。
そういった気持ちが湧き上がってきたエリザだが、それでもアラッドの成功例を聞く限り、自分が同じ内容を実行したとしても上手くいく可能性が高いとは思えない。
(そもそも、都合良く他のモンスターに襲われているとも限りませんし)
アラッドが遭遇した状況と同じ状況に遭遇できるのか。
そもそもそこが怪しく、自身の従魔にするのであれば自身の手でモンスターに手を差し伸べなければならない。
アラッドからモンスターに対する恐怖心の克服方法を教えてもらい、それには納得できた。
ただ、傷ついたモンスターに手を差し伸べようとして、自分が殺されない可能性が決してゼロではない。
エリザは冷静にそうなるかもしれないと判断し、別の方法で好みの従魔を手に入れようと決めた。
(ブラックウルフの従魔までいるのかよ。本当にこう……あれだな、異次元だな)
話を聞く限り、両親の力や権力を借りて手に入れたのではなく、自身の力だけでブラックウルフの子供を仲間にした。
レイとの模擬戦で観た強さも加味すると、今の自分では到底追いつけない存在という認識。
ドラングから聞いていた話とは随分と違う。
そう思ってしまったガルシアだが、そこは辺境伯の令息。
エリザと同じく冷静な考えを持っていた。
(こりゃドラングの奴が敵視してしまうのも仕方ない気がするな。正直、俺がアラッドの兄弟なら絶対に色々と嫉妬するぜ)
体技のスキルを授かったガルシアだが、レイとの模擬戦を観た後では殴り合いでもアラッドに勝てるとは思えなかった。
違う家に生まれた第三者だからこそ、アラッドの生活内容を聞いてその強さに納得出来る。
同じ生活を送れるかと尋ねられれば、途中でギブアップしてしまうと答えてしまう。
あいつも苦労しているんだな。
そう思うと同時に、いずれアラッドの実力が貴族界隈で広まった時、ドラングがどう対処するのか。
ガルシアはそこが心配だった。
364
あなたにおすすめの小説
母は何処? 父はだぁれ?
穂村満月
ファンタジー
うちは、父3人母2人妹1人の7人家族だ。
産みの母は誰だかわかるが、実父は誰だかわからない。
妹も、実妹なのか不明だ。
そんなよくわからない家族の中で暮らしていたが、ある日突然、実母がいなくなってしまった。
父たちに聞いても、母のことを教えてはくれない。
母は、どこへ行ってしまったんだろう!
というところからスタートする、
さて、実父は誰でしょう? というクイズ小説です。
変な家族に揉まれて、主人公が成長する物語でもなく、
家族とのふれあいを描くヒューマンドラマでもありません。
意味のわからない展開から、誰の子なのか想像してもらえたらいいなぁ、と思っております。
前作「死んでないのに異世界転生? 三重苦だけど頑張ります」の完結記念ssの「誰の子産むの?」のアンサーストーリーになります。
もう伏線は回収しきっているので、変なことは起きても謎は何もありません。
単体でも楽しめるように書けたらいいな、と思っておりますが、前作の設定とキャラクターが意味不明すぎて、説明するのが難しすぎました。嫁の夫をお父さんお母さん呼びするのを諦めたり、いろんな変更を行っております。設定全ては持ってこれないことを先にお詫びします。
また、先にこちらを読むと、1話目から前作のネタバレが大量に飛び出すことも、お詫び致します。
「小説家になろう」で連載していたものです。
「俺が勇者一行に?嫌です」
東稔 雨紗霧
ファンタジー
異世界に転生したけれども特にチートも無く前世の知識を生かせる訳でも無く凡庸な人間として過ごしていたある日、魔王が現れたらしい。
物見遊山がてら勇者のお披露目式に行ってみると勇者と目が合った。
は?無理
【読切短編】処刑前夜、地下牢に現れた王女は言った。「お前でなければ駄目なんだ」滅びの未来を覆す、騎士との契約
Lihito
ファンタジー
王国騎士団の副長ヴェルドは、無実の罪で投獄され、明日処刑される運命にあった。
腐敗した国に絶望し、静かに死を待つ夜。
地下牢に現れたのは、実権を持たない「傀儡」と噂されるイゾルデ王女。
彼女はヴェルドに仮死毒を渡し、こう告げた。
「死んで、私の影になれ」
彼女は知っていた。
この国が三年後に滅ぶこと。誰が裏切り者か。
そして——ヴェルドこそが、国を救うための唯一の「切り札」であることを。
これは、滅びの未来を知る孤独な王女と、一度死んで生まれ変わった騎士が、裏から国を救う「共犯」の物語。
〈完結〉この女を家に入れたことが父にとっての致命傷でした。
江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」アリサは父の後妻の言葉により、家を追い出されることとなる。
だがそれは待ち望んでいた日がやってきたでもあった。横領の罪で連座蟄居されられていた祖父の復活する日だった。
十年前、八歳の時からアリサは父と後妻により使用人として扱われてきた。
ところが自分の代わりに可愛がられてきたはずの異母妹ミュゼットまでもが、義母によって使用人に落とされてしまった。義母は自分の周囲に年頃の女が居ること自体が気に食わなかったのだ。
元々それぞれ自体は仲が悪い訳ではなかった二人は、お互い使用人の立場で二年間共に過ごすが、ミュゼットへの義母の仕打ちの酷さに、アリサは彼女を乳母のもとへ逃がす。
そして更に二年、とうとうその日が来た……
授かったスキルが【草】だったので家を勘当されたから悲しくてスキルに不満をぶつけたら国に恐怖が訪れて草
ラララキヲ
ファンタジー
(※[両性向け]と言いたい...)
10歳のグランは家族の見守る中でスキル鑑定を行った。グランのスキルは【草】。草一本だけを生やすスキルに親は失望しグランの為だと言ってグランを捨てた。
親を恨んだグランはどこにもぶつける事の出来ない気持ちを全て自分のスキルにぶつけた。
同時刻、グランを捨てた家族の居る王都では『謎の笑い声』が響き渡った。その笑い声に人々は恐怖し、グランを捨てた家族は……──
※確認していないので二番煎じだったらごめんなさい。急に思いついたので書きました!
※「妻」に対する暴言があります。嫌な方は御注意下さい※
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げています。
【完結】勇者と国王は最悪。なので私が彼らを後悔させます。
凛 伊緒
ファンタジー
「お前はこのパーティーに相応しくない。今この場をもって、追放とする!それと、お前が持っている物は全て置いていってもらうぞ。」
「それは良いですわね、勇者様!」
勇者でありパーティーリーダーのゼイスに追放を宣言された。
隣にいる聖女メーシアも、大きく頷く。
毎日の暴行。
さらに報酬は平等に分けるはずが、いつも私だけかなり少なくされている。
最後の嫌味と言わんばかりに、今持っている物全てを奪われた。
今までの行いを、後悔させてあげる--
【完結】そして、誰もいなくなった
杜野秋人
ファンタジー
「そなたは私の妻として、侯爵夫人として相応しくない!よって婚約を破棄する!」
愛する令嬢を傍らに声高にそう叫ぶ婚約者イグナシオに伯爵家令嬢セリアは誤解だと訴えるが、イグナシオは聞く耳を持たない。それどころか明らかに犯してもいない罪を挙げられ糾弾され、彼女は思わず彼に手を伸ばして取り縋ろうとした。
「触るな!」
だがその手をイグナシオは大きく振り払った。振り払われよろめいたセリアは、受け身も取れないまま仰向けに倒れ、頭を打って昏倒した。
「突き飛ばしたぞ」
「彼が手を上げた」
「誰か衛兵を呼べ!」
騒然となるパーティー会場。すぐさま会場警護の騎士たちに取り囲まれ、彼は「違うんだ、話を聞いてくれ!」と叫びながら愛人の令嬢とともに連行されていった。
そして倒れたセリアもすぐさま人が集められ運び出されていった。
そして誰もいなくなった。
彼女と彼と愛人と、果たして誰が悪かったのか。
これはとある悲しい、婚約破棄の物語である。
◆小説家になろう様でも公開しています。話数の関係上あちらの方が進みが早いです。
3/27、なろう版完結。あちらは全8話です。
3/30、小説家になろうヒューマンドラマランキング日間1位になりました!
4/1、完結しました。全14話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる