204 / 1,361
二百四話 圧倒的な判断速度
しおりを挟む
(こやつ……分かってはいたが……うむ、色々とおかしいな)
純粋な剣技だけでは熟練の剣技を持つ老騎士には敵わないと解り、攻撃魔法を使い始めたアラッド。
剣技を使いながら魔法も使う……魔法剣士という存在は実在する。
実際に冒険者でも騎士でもそういったスタイルで戦う者はいる。
だが、バイアードの経験上……アラッドの年齢でハイレベルな剣技と攻撃魔法を同時に扱う者はいない。
いなくて当然だが、目の前の小僧は平気な顔で攻撃魔法を連発しながら剣技スキル技を発動する。
「アッドスラッシュ!!!」
「ぬぅぅ!! ふっ!!」
一つの斬撃に複数の斬撃の威力を乗せた一撃を放つが、バイアードは余裕でそれを受け止め……弾き飛ばす。
だが、背後からファイヤーランスが放たれていた。
しかしそこは歴戦の騎士らしく、神速の速さで察知して上に跳んで躱した。
「ぜあああッ!!!!」
そこでアラッドは躱され、自分の方向に飛んでくるファイヤーランスを上に蹴り飛ばした。
「ッ!? せい!!!!」
魔法を素手で消し飛ばす、もしくは方向転換させるものは存在する。
ただ……何度でも思ってしまう。
まだ十にも達していない子供がそれをするのかと。
アラッドが放ったファイヤーランスは未熟な大きさや密度ではなく、しっかりと形と質が保たれたプロの炎槍。
しかし、そんな炎槍もバイアードは一太刀で粉砕。
「はっはっは!!!! 本当に君は面白いな!!!!」
「それはどうも、ありがとうございます!!!!!!」
バイアードは心の底から自分に対し、勇猛果敢に……多種多様な方法で攻めてくる子供に賛辞を送った。
そして賛辞を送られたアラッドはそれが本当に心の底から思っているのか、それでもお世辞なのかは分からないが……それでも人生の、戦闘者としての先輩に褒められるのは素直に嬉しかった。
嬉しいが、まだ一つも有効打を与えられていない状況がアラッドの闘争心を更に燃え上がらせる。
「ふん、やっ!!! おらっ!!!」
「ぬっ!?」
追加で腕力強化のスキルを使用し、魔力の残り残量を気にせずに攻め続ける。
(持っているスキルの数も多い……これも、アラッド君の努力の結晶なのだろうな)
一太刀一太刀を受け止めるごとに、今までどれだけアラッドが鍛錬を重ねてきたのか感じる。
(そろそろ……私からも攻めさせてもらおうか!!!!)
今まで殆ど守りや回避に徹してきたバイアードだが、ここでギアを上げて攻撃に転じる。
「くっ!!??」
一撃一撃が重く、受け止めるのは得策ではない。
直ぐにそう判断したアラッドはチェーンやウォール系の魔法を多用し始め、バイアードの動きを妨害。
そしてバイアードの動きがほんの少し乱れた瞬間を狙い、渾身の一太刀を入れていく。
(この人……ヤバ過ぎるだろ!!!!)
妨害や防御魔法を駆使し、渾身の一太刀が入ったと思った。
だが……その一撃でバイアードの鎧に掠り傷すら入らなかった。
「ッ…………バイアード様、さすがに堅すぎませんか」
「ふっふっふ……君なら、からくりが解るだろ」
「まぁ、なんとなく予想は出来ますが」
アラッドが渾身の一撃を入れた場所には、魔力が一点集中されており……更には硬化のスキルが使われていた。
(そりゃ剣になんも属性魔力を付与してない状態じゃな……けど、あんな高速戦闘の間に狙われる個所を一瞬で判断できるか?)
バイアードは狙われた箇所以外にも魔力を集めていた……訳ではなく、狙われた左わき腹にしか硬化を付与した魔力を集めていなかった。
「だからって……いや、とにかく凄過ぎますよ」
「それはこちらのセリフだ。君の様な七歳児はこの先一生現れないだろう」
存在自体が特殊過ぎる為、それは間違いなかった。
(褒めてくれるのは嬉しいけど、それでもやっぱり良い感じの一撃は入れたい、な!!!!!)
体技スキル技、縮地を使用してもう一度果敢に攻める。
(まだ糸は使わないか……だが、それも良し!!!!)
真っ向からの勝負は大好物であり、獣の様な好戦的な笑みを浮かべながら迎え撃つ。
純粋な剣技だけでは熟練の剣技を持つ老騎士には敵わないと解り、攻撃魔法を使い始めたアラッド。
剣技を使いながら魔法も使う……魔法剣士という存在は実在する。
実際に冒険者でも騎士でもそういったスタイルで戦う者はいる。
だが、バイアードの経験上……アラッドの年齢でハイレベルな剣技と攻撃魔法を同時に扱う者はいない。
いなくて当然だが、目の前の小僧は平気な顔で攻撃魔法を連発しながら剣技スキル技を発動する。
「アッドスラッシュ!!!」
「ぬぅぅ!! ふっ!!」
一つの斬撃に複数の斬撃の威力を乗せた一撃を放つが、バイアードは余裕でそれを受け止め……弾き飛ばす。
だが、背後からファイヤーランスが放たれていた。
しかしそこは歴戦の騎士らしく、神速の速さで察知して上に跳んで躱した。
「ぜあああッ!!!!」
そこでアラッドは躱され、自分の方向に飛んでくるファイヤーランスを上に蹴り飛ばした。
「ッ!? せい!!!!」
魔法を素手で消し飛ばす、もしくは方向転換させるものは存在する。
ただ……何度でも思ってしまう。
まだ十にも達していない子供がそれをするのかと。
アラッドが放ったファイヤーランスは未熟な大きさや密度ではなく、しっかりと形と質が保たれたプロの炎槍。
しかし、そんな炎槍もバイアードは一太刀で粉砕。
「はっはっは!!!! 本当に君は面白いな!!!!」
「それはどうも、ありがとうございます!!!!!!」
バイアードは心の底から自分に対し、勇猛果敢に……多種多様な方法で攻めてくる子供に賛辞を送った。
そして賛辞を送られたアラッドはそれが本当に心の底から思っているのか、それでもお世辞なのかは分からないが……それでも人生の、戦闘者としての先輩に褒められるのは素直に嬉しかった。
嬉しいが、まだ一つも有効打を与えられていない状況がアラッドの闘争心を更に燃え上がらせる。
「ふん、やっ!!! おらっ!!!」
「ぬっ!?」
追加で腕力強化のスキルを使用し、魔力の残り残量を気にせずに攻め続ける。
(持っているスキルの数も多い……これも、アラッド君の努力の結晶なのだろうな)
一太刀一太刀を受け止めるごとに、今までどれだけアラッドが鍛錬を重ねてきたのか感じる。
(そろそろ……私からも攻めさせてもらおうか!!!!)
今まで殆ど守りや回避に徹してきたバイアードだが、ここでギアを上げて攻撃に転じる。
「くっ!!??」
一撃一撃が重く、受け止めるのは得策ではない。
直ぐにそう判断したアラッドはチェーンやウォール系の魔法を多用し始め、バイアードの動きを妨害。
そしてバイアードの動きがほんの少し乱れた瞬間を狙い、渾身の一太刀を入れていく。
(この人……ヤバ過ぎるだろ!!!!)
妨害や防御魔法を駆使し、渾身の一太刀が入ったと思った。
だが……その一撃でバイアードの鎧に掠り傷すら入らなかった。
「ッ…………バイアード様、さすがに堅すぎませんか」
「ふっふっふ……君なら、からくりが解るだろ」
「まぁ、なんとなく予想は出来ますが」
アラッドが渾身の一撃を入れた場所には、魔力が一点集中されており……更には硬化のスキルが使われていた。
(そりゃ剣になんも属性魔力を付与してない状態じゃな……けど、あんな高速戦闘の間に狙われる個所を一瞬で判断できるか?)
バイアードは狙われた箇所以外にも魔力を集めていた……訳ではなく、狙われた左わき腹にしか硬化を付与した魔力を集めていなかった。
「だからって……いや、とにかく凄過ぎますよ」
「それはこちらのセリフだ。君の様な七歳児はこの先一生現れないだろう」
存在自体が特殊過ぎる為、それは間違いなかった。
(褒めてくれるのは嬉しいけど、それでもやっぱり良い感じの一撃は入れたい、な!!!!!)
体技スキル技、縮地を使用してもう一度果敢に攻める。
(まだ糸は使わないか……だが、それも良し!!!!)
真っ向からの勝負は大好物であり、獣の様な好戦的な笑みを浮かべながら迎え撃つ。
361
あなたにおすすめの小説
〈完結〉この女を家に入れたことが父にとっての致命傷でした。
江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」アリサは父の後妻の言葉により、家を追い出されることとなる。
だがそれは待ち望んでいた日がやってきたでもあった。横領の罪で連座蟄居されられていた祖父の復活する日だった。
十年前、八歳の時からアリサは父と後妻により使用人として扱われてきた。
ところが自分の代わりに可愛がられてきたはずの異母妹ミュゼットまでもが、義母によって使用人に落とされてしまった。義母は自分の周囲に年頃の女が居ること自体が気に食わなかったのだ。
元々それぞれ自体は仲が悪い訳ではなかった二人は、お互い使用人の立場で二年間共に過ごすが、ミュゼットへの義母の仕打ちの酷さに、アリサは彼女を乳母のもとへ逃がす。
そして更に二年、とうとうその日が来た……
母は何処? 父はだぁれ?
穂村満月
ファンタジー
うちは、父3人母2人妹1人の7人家族だ。
産みの母は誰だかわかるが、実父は誰だかわからない。
妹も、実妹なのか不明だ。
そんなよくわからない家族の中で暮らしていたが、ある日突然、実母がいなくなってしまった。
父たちに聞いても、母のことを教えてはくれない。
母は、どこへ行ってしまったんだろう!
というところからスタートする、
さて、実父は誰でしょう? というクイズ小説です。
変な家族に揉まれて、主人公が成長する物語でもなく、
家族とのふれあいを描くヒューマンドラマでもありません。
意味のわからない展開から、誰の子なのか想像してもらえたらいいなぁ、と思っております。
前作「死んでないのに異世界転生? 三重苦だけど頑張ります」の完結記念ssの「誰の子産むの?」のアンサーストーリーになります。
もう伏線は回収しきっているので、変なことは起きても謎は何もありません。
単体でも楽しめるように書けたらいいな、と思っておりますが、前作の設定とキャラクターが意味不明すぎて、説明するのが難しすぎました。嫁の夫をお父さんお母さん呼びするのを諦めたり、いろんな変更を行っております。設定全ては持ってこれないことを先にお詫びします。
また、先にこちらを読むと、1話目から前作のネタバレが大量に飛び出すことも、お詫び致します。
「小説家になろう」で連載していたものです。
「俺が勇者一行に?嫌です」
東稔 雨紗霧
ファンタジー
異世界に転生したけれども特にチートも無く前世の知識を生かせる訳でも無く凡庸な人間として過ごしていたある日、魔王が現れたらしい。
物見遊山がてら勇者のお披露目式に行ってみると勇者と目が合った。
は?無理
異世界に転生した社畜は調合師としてのんびりと生きていく。~ただの生産職だと思っていたら、結構ヤバい職でした~
夢宮
ファンタジー
台風が接近していて避難勧告が出されているにも関わらず出勤させられていた社畜──渡部与一《わたべよいち》。
雨で視界が悪いなか、信号無視をした車との接触事故で命を落としてしまう。
女神に即断即決で異世界転生を決められ、パパっと送り出されてしまうのだが、幸いなことに女神の気遣いによって職業とスキルを手に入れる──生産職の『調合師』という職業とそのスキルを。
異世界に転生してからふたりの少女に助けられ、港町へと向かい、物語は動き始める。
調合師としての立場を知り、それを利用しようとする者に悩まされながらも生きていく。
そんな与一ののんびりしたくてものんびりできない異世界生活が今、始まる。
※2話から登場人物の描写に入りますので、のんびりと読んでいただけたらなと思います。
※サブタイトル追加しました。
【読切短編】処刑前夜、地下牢に現れた王女は言った。「お前でなければ駄目なんだ」滅びの未来を覆す、騎士との契約
Lihito
ファンタジー
王国騎士団の副長ヴェルドは、無実の罪で投獄され、明日処刑される運命にあった。
腐敗した国に絶望し、静かに死を待つ夜。
地下牢に現れたのは、実権を持たない「傀儡」と噂されるイゾルデ王女。
彼女はヴェルドに仮死毒を渡し、こう告げた。
「死んで、私の影になれ」
彼女は知っていた。
この国が三年後に滅ぶこと。誰が裏切り者か。
そして——ヴェルドこそが、国を救うための唯一の「切り札」であることを。
これは、滅びの未来を知る孤独な王女と、一度死んで生まれ変わった騎士が、裏から国を救う「共犯」の物語。
処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜
放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!?
「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」
不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。
【完結】勇者と国王は最悪。なので私が彼らを後悔させます。
凛 伊緒
ファンタジー
「お前はこのパーティーに相応しくない。今この場をもって、追放とする!それと、お前が持っている物は全て置いていってもらうぞ。」
「それは良いですわね、勇者様!」
勇者でありパーティーリーダーのゼイスに追放を宣言された。
隣にいる聖女メーシアも、大きく頷く。
毎日の暴行。
さらに報酬は平等に分けるはずが、いつも私だけかなり少なくされている。
最後の嫌味と言わんばかりに、今持っている物全てを奪われた。
今までの行いを、後悔させてあげる--
ユニークスキルの名前が禍々しいという理由で国外追放になった侯爵家の嫡男は世界を破壊して創り直します
かにくくり
ファンタジー
エバートン侯爵家の嫡男として生まれたルシフェルトは王国の守護神から【破壊の後の創造】という禍々しい名前のスキルを授かったという理由で王国から危険視され国外追放を言い渡されてしまう。
追放された先は王国と魔界との境にある魔獣の谷。
恐ろしい魔獣が闊歩するこの地に足を踏み入れて無事に帰った者はおらず、事実上の危険分子の排除であった。
それでもルシフェルトはスキル【破壊の後の創造】を駆使して生き延び、その過程で救った魔族の親子に誘われて小さな集落で暮らす事になる。
やがて彼の持つ力に気付いた魔王やエルフ、そして王国の思惑が複雑に絡み大戦乱へと発展していく。
鬱陶しいのでみんなぶっ壊して創り直してやります。
※小説家になろうにも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる