265 / 1,361
二百六十五話 その思いは否定しない
しおりを挟む
(おそらく、フローレンス・カルロストさんのことだね。あの人なら……アラッドが戦ってみたいと思う実力は確かにあるけど……でも、わざわざ学園に入学したのはなんでだろ)
アラッドが進む道は冒険者。
そして、十五歳になった翌年から冒険者になると宣言していた。
そんなアラッドが何故フローレンス・カルロストと戦って勝つために、わざわざパロスト学園に入学したのか。
ベルやマリアでも、直ぐには思い付かなかった。
「他学園に目標がいるとなると、大会に出ることがとりあえずの目的か」
「そうだな。そういう場じゃないと、バチバチに戦うのは無理だろ」
公式の場でフローレンス・カルロストを倒す。
それがパロスト学園の学園長と契約した、約三か月で学園を卒業する契約。
「ふ~~~ん…………なぁ、アラッド。何か隠してるだろ」
「何って、何をだ?」
「何かだよ」
リオは見た目の割に勘が鋭く、アラッドがただフローレンス・カルロストを倒す為だけ、パロスト学園に入学したのではないことに気付いていた。
「……分かった、分かった。ちゃんと答えるからその鋭い目は止めてくれ」
何かを隠しているということ自体は確信されてしまっているので、アラッドは諦めて自分がパロスト学園に入学した目的を伝えようとした。
その時……残り数人のSクラスの生徒が教室に入ってきた。
「よう、久しぶりだな」
「ッ……なんで、お前がここにいるんだよ!!!!!」
そう、その人物とはドラング・パーシブル。
アラッドの弟にあたる人物。
ドラングが学園入学してからアラッドと衝突することは一切なくなったが、それでもドラングはアラッドに対し、気に入らないという感情を抱いていた。
「……あれだ、騎士の爵位を貰おうと思ってな」
リオやベルたちも何故、冒険者になるはずなのに学園に入学したのか気になっている為、ドラングの質問に答えることにした。
当然…………アラッドの素直な答えを耳にし、全員が固まった。
ベルやレイだけではなく、弟であるドラングも意味が理解出来ずに固まった。
「おい、お前……どういう意味だ」
「そのまんまの意味だ。騎士の爵位を貰おうと思ってな……だから、今年の大会でフローレンス・カルロストを倒すんだ」
アラッドの説明を聞き、ベルたちは頭の中で色々と繋がった。
(そういうことか。おそらく、アラッドは学園と何かしらの契約をしたんだね……あまり良いこととは言えないかもしれないけど、アラッドの実力を考えればそういった契約を結べてもおかしくない)
(なぁ~るほどな……つまり、大会に参加してフローレンス・カルロストを無事に倒せたら騎士の爵位を貰えて、特別に学園を卒業できるって訳か……確か、そういう例がゼロではなかったし、無理な話ではないか)
(えっと……そ、そっか。そういうことか。アラッドは本当に凄いことを考えるな~)
ベル、リオ、ルーンの三人はアラッドの言動から、アラッドの周囲でどういう契約が行われたのかを理解した。
「……はっ!? お前が騎士だと……ふざけてんのか」
「落ち着け。騎士になるんじゃなくて、騎士の爵位を貰うんだ。過去に例はあるからな」
過去に例があるから……だからといって、気に入らない兄が学園にやってきたという現実は……容易に受け入れることは出来ない。
「お前……やっぱりふざけてるだろ」
「…………ドラングからすれば、そう思えるかもな。でも、もう決めた道だ。それに、学生の中で最強の存在には興味がある」
二年生の時に、当時の三年生をも含めた大会で優勝した。
二連覇も夢ではないと言われている最強の学生。
少し調べた結果……決して人として気に入る人物ではないが、学生最強という名誉を持つ存在には、嘘偽りなく少々興味を持っている。
「てめぇ……」
ドラングが怒りでわなわなと震えている中、ドラングと一緒に教室へ入ってきた生徒が一歩前に出た。
アラッドが進む道は冒険者。
そして、十五歳になった翌年から冒険者になると宣言していた。
そんなアラッドが何故フローレンス・カルロストと戦って勝つために、わざわざパロスト学園に入学したのか。
ベルやマリアでも、直ぐには思い付かなかった。
「他学園に目標がいるとなると、大会に出ることがとりあえずの目的か」
「そうだな。そういう場じゃないと、バチバチに戦うのは無理だろ」
公式の場でフローレンス・カルロストを倒す。
それがパロスト学園の学園長と契約した、約三か月で学園を卒業する契約。
「ふ~~~ん…………なぁ、アラッド。何か隠してるだろ」
「何って、何をだ?」
「何かだよ」
リオは見た目の割に勘が鋭く、アラッドがただフローレンス・カルロストを倒す為だけ、パロスト学園に入学したのではないことに気付いていた。
「……分かった、分かった。ちゃんと答えるからその鋭い目は止めてくれ」
何かを隠しているということ自体は確信されてしまっているので、アラッドは諦めて自分がパロスト学園に入学した目的を伝えようとした。
その時……残り数人のSクラスの生徒が教室に入ってきた。
「よう、久しぶりだな」
「ッ……なんで、お前がここにいるんだよ!!!!!」
そう、その人物とはドラング・パーシブル。
アラッドの弟にあたる人物。
ドラングが学園入学してからアラッドと衝突することは一切なくなったが、それでもドラングはアラッドに対し、気に入らないという感情を抱いていた。
「……あれだ、騎士の爵位を貰おうと思ってな」
リオやベルたちも何故、冒険者になるはずなのに学園に入学したのか気になっている為、ドラングの質問に答えることにした。
当然…………アラッドの素直な答えを耳にし、全員が固まった。
ベルやレイだけではなく、弟であるドラングも意味が理解出来ずに固まった。
「おい、お前……どういう意味だ」
「そのまんまの意味だ。騎士の爵位を貰おうと思ってな……だから、今年の大会でフローレンス・カルロストを倒すんだ」
アラッドの説明を聞き、ベルたちは頭の中で色々と繋がった。
(そういうことか。おそらく、アラッドは学園と何かしらの契約をしたんだね……あまり良いこととは言えないかもしれないけど、アラッドの実力を考えればそういった契約を結べてもおかしくない)
(なぁ~るほどな……つまり、大会に参加してフローレンス・カルロストを無事に倒せたら騎士の爵位を貰えて、特別に学園を卒業できるって訳か……確か、そういう例がゼロではなかったし、無理な話ではないか)
(えっと……そ、そっか。そういうことか。アラッドは本当に凄いことを考えるな~)
ベル、リオ、ルーンの三人はアラッドの言動から、アラッドの周囲でどういう契約が行われたのかを理解した。
「……はっ!? お前が騎士だと……ふざけてんのか」
「落ち着け。騎士になるんじゃなくて、騎士の爵位を貰うんだ。過去に例はあるからな」
過去に例があるから……だからといって、気に入らない兄が学園にやってきたという現実は……容易に受け入れることは出来ない。
「お前……やっぱりふざけてるだろ」
「…………ドラングからすれば、そう思えるかもな。でも、もう決めた道だ。それに、学生の中で最強の存在には興味がある」
二年生の時に、当時の三年生をも含めた大会で優勝した。
二連覇も夢ではないと言われている最強の学生。
少し調べた結果……決して人として気に入る人物ではないが、学生最強という名誉を持つ存在には、嘘偽りなく少々興味を持っている。
「てめぇ……」
ドラングが怒りでわなわなと震えている中、ドラングと一緒に教室へ入ってきた生徒が一歩前に出た。
333
あなたにおすすめの小説
母は何処? 父はだぁれ?
穂村満月
ファンタジー
うちは、父3人母2人妹1人の7人家族だ。
産みの母は誰だかわかるが、実父は誰だかわからない。
妹も、実妹なのか不明だ。
そんなよくわからない家族の中で暮らしていたが、ある日突然、実母がいなくなってしまった。
父たちに聞いても、母のことを教えてはくれない。
母は、どこへ行ってしまったんだろう!
というところからスタートする、
さて、実父は誰でしょう? というクイズ小説です。
変な家族に揉まれて、主人公が成長する物語でもなく、
家族とのふれあいを描くヒューマンドラマでもありません。
意味のわからない展開から、誰の子なのか想像してもらえたらいいなぁ、と思っております。
前作「死んでないのに異世界転生? 三重苦だけど頑張ります」の完結記念ssの「誰の子産むの?」のアンサーストーリーになります。
もう伏線は回収しきっているので、変なことは起きても謎は何もありません。
単体でも楽しめるように書けたらいいな、と思っておりますが、前作の設定とキャラクターが意味不明すぎて、説明するのが難しすぎました。嫁の夫をお父さんお母さん呼びするのを諦めたり、いろんな変更を行っております。設定全ては持ってこれないことを先にお詫びします。
また、先にこちらを読むと、1話目から前作のネタバレが大量に飛び出すことも、お詫び致します。
「小説家になろう」で連載していたものです。
「俺が勇者一行に?嫌です」
東稔 雨紗霧
ファンタジー
異世界に転生したけれども特にチートも無く前世の知識を生かせる訳でも無く凡庸な人間として過ごしていたある日、魔王が現れたらしい。
物見遊山がてら勇者のお披露目式に行ってみると勇者と目が合った。
は?無理
【読切短編】処刑前夜、地下牢に現れた王女は言った。「お前でなければ駄目なんだ」滅びの未来を覆す、騎士との契約
Lihito
ファンタジー
王国騎士団の副長ヴェルドは、無実の罪で投獄され、明日処刑される運命にあった。
腐敗した国に絶望し、静かに死を待つ夜。
地下牢に現れたのは、実権を持たない「傀儡」と噂されるイゾルデ王女。
彼女はヴェルドに仮死毒を渡し、こう告げた。
「死んで、私の影になれ」
彼女は知っていた。
この国が三年後に滅ぶこと。誰が裏切り者か。
そして——ヴェルドこそが、国を救うための唯一の「切り札」であることを。
これは、滅びの未来を知る孤独な王女と、一度死んで生まれ変わった騎士が、裏から国を救う「共犯」の物語。
〈完結〉この女を家に入れたことが父にとっての致命傷でした。
江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」アリサは父の後妻の言葉により、家を追い出されることとなる。
だがそれは待ち望んでいた日がやってきたでもあった。横領の罪で連座蟄居されられていた祖父の復活する日だった。
十年前、八歳の時からアリサは父と後妻により使用人として扱われてきた。
ところが自分の代わりに可愛がられてきたはずの異母妹ミュゼットまでもが、義母によって使用人に落とされてしまった。義母は自分の周囲に年頃の女が居ること自体が気に食わなかったのだ。
元々それぞれ自体は仲が悪い訳ではなかった二人は、お互い使用人の立場で二年間共に過ごすが、ミュゼットへの義母の仕打ちの酷さに、アリサは彼女を乳母のもとへ逃がす。
そして更に二年、とうとうその日が来た……
授かったスキルが【草】だったので家を勘当されたから悲しくてスキルに不満をぶつけたら国に恐怖が訪れて草
ラララキヲ
ファンタジー
(※[両性向け]と言いたい...)
10歳のグランは家族の見守る中でスキル鑑定を行った。グランのスキルは【草】。草一本だけを生やすスキルに親は失望しグランの為だと言ってグランを捨てた。
親を恨んだグランはどこにもぶつける事の出来ない気持ちを全て自分のスキルにぶつけた。
同時刻、グランを捨てた家族の居る王都では『謎の笑い声』が響き渡った。その笑い声に人々は恐怖し、グランを捨てた家族は……──
※確認していないので二番煎じだったらごめんなさい。急に思いついたので書きました!
※「妻」に対する暴言があります。嫌な方は御注意下さい※
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げています。
【完結】勇者と国王は最悪。なので私が彼らを後悔させます。
凛 伊緒
ファンタジー
「お前はこのパーティーに相応しくない。今この場をもって、追放とする!それと、お前が持っている物は全て置いていってもらうぞ。」
「それは良いですわね、勇者様!」
勇者でありパーティーリーダーのゼイスに追放を宣言された。
隣にいる聖女メーシアも、大きく頷く。
毎日の暴行。
さらに報酬は平等に分けるはずが、いつも私だけかなり少なくされている。
最後の嫌味と言わんばかりに、今持っている物全てを奪われた。
今までの行いを、後悔させてあげる--
【完結】そして、誰もいなくなった
杜野秋人
ファンタジー
「そなたは私の妻として、侯爵夫人として相応しくない!よって婚約を破棄する!」
愛する令嬢を傍らに声高にそう叫ぶ婚約者イグナシオに伯爵家令嬢セリアは誤解だと訴えるが、イグナシオは聞く耳を持たない。それどころか明らかに犯してもいない罪を挙げられ糾弾され、彼女は思わず彼に手を伸ばして取り縋ろうとした。
「触るな!」
だがその手をイグナシオは大きく振り払った。振り払われよろめいたセリアは、受け身も取れないまま仰向けに倒れ、頭を打って昏倒した。
「突き飛ばしたぞ」
「彼が手を上げた」
「誰か衛兵を呼べ!」
騒然となるパーティー会場。すぐさま会場警護の騎士たちに取り囲まれ、彼は「違うんだ、話を聞いてくれ!」と叫びながら愛人の令嬢とともに連行されていった。
そして倒れたセリアもすぐさま人が集められ運び出されていった。
そして誰もいなくなった。
彼女と彼と愛人と、果たして誰が悪かったのか。
これはとある悲しい、婚約破棄の物語である。
◆小説家になろう様でも公開しています。話数の関係上あちらの方が進みが早いです。
3/27、なろう版完結。あちらは全8話です。
3/30、小説家になろうヒューマンドラマランキング日間1位になりました!
4/1、完結しました。全14話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる