スキル「糸」を手に入れた転生者。糸をバカにする奴は全員ぶっ飛ばす

Gai

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三百七十六話 利用させない

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「ん? あれって」

マジリストンへ向かう道中、アラッドはクロの背中に乗りながら一応道となっている道を走……らず、一直線に森など関係無しに一直線。

普通に考えればアホ過ぎる移動だが、クロ程の脚力と持久力。
そして強さがあれば問題無い。

途中で決して雑魚ではないモンスターと遭遇することもあるが、体を動かしたいと思う時以外は、アラッドが糸で瞬殺してしまう。

そんな中……道中でモンスター遭遇することがあれば、途中で盗賊のアジトを見つけてしまうこともある。

「……どうせなら、潰しておくか」

「ワゥ!」

アラッドの戦意を理解したクロは、気配と足音を消しながら、ギリギリ気付かれない場所まで接近。

そしてアジトの見張りを行っている三人の奴隷に向かって、スレッドチェンジによって鉄製に変化された少し太めの糸が放たれる。

「がっ!?」

「いっ、だぁ……」

「ぎっ!? あっ、が」

目を狙って放たれた鉄糸に反応出来ず、糸はそのまま脳を貫いた。

それだけで十分致命傷となるが、大声を叫ばれる可能性が残っている。
アラッドは目と脳にダメージ食らって怯んだタイミングで、今度は喉に鉄糸の針を放った。

そもそも初撃すら避けられなかった三人だが、初撃の影響で更に回避能力が下がり、三人の見張りはあっさりと死に追い込まれた。

「クロ、盗賊らしい人物はサクッと殺して良いからな」

「ワゥ!!!」

主人の命に元気良く声を上げ、いざ突入。

「なんだてめぇら!!!!」

いきなりの侵入者に声を荒げる盗賊たちだが、当然アラッドがその言葉に応えることはなく、次々とスレッドサークルを発動し、首をぶった切っていく。

「このクソガキが! 俺様の部下に何してんだ!!!!」

「……まっ、盗賊らしいか」

頭目である男は、ギリギリCランクに入る実力を持っていたが、対人戦の経験はアラッドの方が圧倒的に上。

お前らが盗賊だから殺しに来たんだよ、というツッコミが入ることはなく、勝負は十秒と経たずあっさりと終わった。

(もしかしたらとは思ったけど、特に手掛かりはなしか)

盗賊たちを全滅させた後、アジト内をくまなく探したが、墓荒しに関する情報は一つもなかった。

(別に書類で頼むような内容でもない、か。であれば、とりあえずこいつらは完全に消しとかないとな)

アラッドは一か所に盗賊の死体を集め、糸でバラバラに切断。
その後、フレイムランスをぶち込み、灰になるまで燃やした。

(これで、こいつらがまた人様に迷惑を掛けることはないだろ)

万が一の可能性を考え、墓荒しの犯人に利用されないように、死体はしたいとして利用価値がない程に潰し終え、再びマジリストンへ向かう。


「……クロ、やっぱりお前凄いな」

「ワフ!」

主人に褒められ、上機嫌なクロ。

結局道中で、もう二回盗賊のアジトを発見し、綺麗さっぱり潰したアラッド。
勿論、全ての死体は何処かに潜んでいる墓荒し野郎に利用されないよう、切り刻んで灰にした。

そんなことを行いながらでも、無事に日が沈む前に到着。

ゴルドスからマジリストンまでかなり距離があったが、クロからすれば悪くないドライブと変わらない距離だった。

(……ちょっと、ピリピリしてるな)

最悪な雰囲気、とは言えないが……検問に並ぶ列からも、ほんの少しピリつきを感じたアラッド。

それもその筈であり、墓荒しをされたとあっては、外部から入っていく人間に対して敏感にならざるを得ない。
ただ、それでもアラッドは現在、ただの冒険者。

身分を証明するギルドカードも落とさず無くさず持っているので、あっさりと入れた。

「これは……初めて王都を見たときとは違った衝撃だな」

王都は基本的な大都市とは違う、別の意味でファンタジー色が濃い街並み。

そんな景色に感動を覚えながらも、まずは今日泊まる宿を探し始める。
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