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四百三十四話 雀の涙ほど
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「アラッド、なんで君が……ここに?」
「一応昇格試験? らしいからな」
兄からアラッドのランクを詳しく聞いていなかったスティームからすれば、ここにいる理由が全く理解出来ない。
「もしかして、まだDランク、なのか?」
「あぁ、そうだよ。冒険者になったのはここ最近だからな」
「そ、そうなんだね」
ここ最近冒険者になってDランクまで上がったのであれば、それはそれで上等な結果。
(なるほど、それならまぁ……ってならないよ)
Cランクである自分をタイマン勝負で圧倒した少年が、まだDランクというこの現実は……容易に納得出来るものではない。
スティームとしては、冒険者ギルドに彼はわざわざ試験を受ける必要がないと進言したい。
なんなら、彼一人で盗賊団、山嵐を討伐出来ると断言する。
この場にいる冒険者たちに失礼になるので口には出さないが、正直言いたい……Aランクモンスターを討伐出来る怪物が、わざわざ彼らと一緒に行動する意味はあるのかと。
「えっと、とりあえず僕の自己紹介をしようか。僕の名前はスティーム・バリアスティ―。Cランクの冒険者で、今回の討伐に同行する監督? ってところだ」
ストームファルコンを従魔として従える冒険者が、最近ラダスを訪れた。
それがスティームだという話はそれなりに広まっているため、これに対してジョウグたちを侮りの目を向けるのを止めた。
「とりあえず、訓練場で自分たちが何を出来るのかを見せ合おう」
訓練場に向かうまでに、アラッドは同じ参加者たちから声をかけられ、彼らの名前を直ぐに覚えた。
(人族のパロン、鬼人族のジョウグにエルフのエスティーナと、狼人族のルイーゼか……いきなり俺に絡んできた件は置いといて、特に困ることはなさそうだな)
訓練場に到着し、早速各々の力を見せ合う。
そしてアラッドの予想通り、彼らはDランクの中では確実に平均以上の実力を有していた。
戦力を考えれば前衛過多に思えなくもないが、そこはアラッドが後衛に回れば問題解決。
「アラッド、少しだけ僕と模擬戦をしてくれないか」
「了解」
先日にリベンジと言う訳ではなく、監督であるスティームの実力と、改めてアラッドの実力を軽く説明するために行う。
時間は三分。
武器は木製で、スキルや魔力の使用はなし。
特に勝者を決める戦いではないため、結果はドロー。
しかし、パロンたちに二人の実力を示すには、十分な戦闘内容。
「スティームさん、俺は戦闘の際は後衛で動いた方が良いですか?」
「えっと……できれば、その方がバランスは取れるかな。もしかして、剣技だけじゃなくて魔法も結構得意?」
「……そうですね。それなりに得意です」
後で謙虚を越えて嫌味と思われたくないため、得意だと名言。
そしてその腕を早速披露。
訓練場には魔法の試し打ちが出来る超頑丈な人形があるため、その場で試し打ちが出来る。
「「「「っ!!??」」」」
「わぉ……これは、想像以上だね。いや、本当に……うん」
中級魔法や初級魔法を複数展開し、連続で放つアラッドに顎が外れそうなほど驚く四人。
そしてスティームは先日、アラッドに負けを認めざるを得なかった状況時は悔しさを感じたが、今では同僚と勝手に弟勝負を始めた兄のディックスに恨み言を言いたくなった。
(あれだけ剣技の腕があって恐ろしい切り札まで持ちながら、平気な顔して威力が平均以上の攻撃魔法を連発って……はぁ~~~~~、色々と自信なくすな~)
盗賊という存在に憐みも同情もない。
そんな感情を少しでも持ってしまえば、仇となって自身を殺すことになる。
スティームもそんな事は重々承知している。
しかし……今回ばかりは、アラッドというAランクモンスターの従魔がいなくても十分に怪物である強者に狩られる彼らを、雀の涙ほど可哀想だと思った。
「一応昇格試験? らしいからな」
兄からアラッドのランクを詳しく聞いていなかったスティームからすれば、ここにいる理由が全く理解出来ない。
「もしかして、まだDランク、なのか?」
「あぁ、そうだよ。冒険者になったのはここ最近だからな」
「そ、そうなんだね」
ここ最近冒険者になってDランクまで上がったのであれば、それはそれで上等な結果。
(なるほど、それならまぁ……ってならないよ)
Cランクである自分をタイマン勝負で圧倒した少年が、まだDランクというこの現実は……容易に納得出来るものではない。
スティームとしては、冒険者ギルドに彼はわざわざ試験を受ける必要がないと進言したい。
なんなら、彼一人で盗賊団、山嵐を討伐出来ると断言する。
この場にいる冒険者たちに失礼になるので口には出さないが、正直言いたい……Aランクモンスターを討伐出来る怪物が、わざわざ彼らと一緒に行動する意味はあるのかと。
「えっと、とりあえず僕の自己紹介をしようか。僕の名前はスティーム・バリアスティ―。Cランクの冒険者で、今回の討伐に同行する監督? ってところだ」
ストームファルコンを従魔として従える冒険者が、最近ラダスを訪れた。
それがスティームだという話はそれなりに広まっているため、これに対してジョウグたちを侮りの目を向けるのを止めた。
「とりあえず、訓練場で自分たちが何を出来るのかを見せ合おう」
訓練場に向かうまでに、アラッドは同じ参加者たちから声をかけられ、彼らの名前を直ぐに覚えた。
(人族のパロン、鬼人族のジョウグにエルフのエスティーナと、狼人族のルイーゼか……いきなり俺に絡んできた件は置いといて、特に困ることはなさそうだな)
訓練場に到着し、早速各々の力を見せ合う。
そしてアラッドの予想通り、彼らはDランクの中では確実に平均以上の実力を有していた。
戦力を考えれば前衛過多に思えなくもないが、そこはアラッドが後衛に回れば問題解決。
「アラッド、少しだけ僕と模擬戦をしてくれないか」
「了解」
先日にリベンジと言う訳ではなく、監督であるスティームの実力と、改めてアラッドの実力を軽く説明するために行う。
時間は三分。
武器は木製で、スキルや魔力の使用はなし。
特に勝者を決める戦いではないため、結果はドロー。
しかし、パロンたちに二人の実力を示すには、十分な戦闘内容。
「スティームさん、俺は戦闘の際は後衛で動いた方が良いですか?」
「えっと……できれば、その方がバランスは取れるかな。もしかして、剣技だけじゃなくて魔法も結構得意?」
「……そうですね。それなりに得意です」
後で謙虚を越えて嫌味と思われたくないため、得意だと名言。
そしてその腕を早速披露。
訓練場には魔法の試し打ちが出来る超頑丈な人形があるため、その場で試し打ちが出来る。
「「「「っ!!??」」」」
「わぉ……これは、想像以上だね。いや、本当に……うん」
中級魔法や初級魔法を複数展開し、連続で放つアラッドに顎が外れそうなほど驚く四人。
そしてスティームは先日、アラッドに負けを認めざるを得なかった状況時は悔しさを感じたが、今では同僚と勝手に弟勝負を始めた兄のディックスに恨み言を言いたくなった。
(あれだけ剣技の腕があって恐ろしい切り札まで持ちながら、平気な顔して威力が平均以上の攻撃魔法を連発って……はぁ~~~~~、色々と自信なくすな~)
盗賊という存在に憐みも同情もない。
そんな感情を少しでも持ってしまえば、仇となって自身を殺すことになる。
スティームもそんな事は重々承知している。
しかし……今回ばかりは、アラッドというAランクモンスターの従魔がいなくても十分に怪物である強者に狩られる彼らを、雀の涙ほど可哀想だと思った。
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