スキル「糸」を手に入れた転生者。糸をバカにする奴は全員ぶっ飛ばす

Gai

文字の大きさ
612 / 1,361

六百十一話 嘘だったかも?

しおりを挟む
「チッ! 違う蛇だったか」

「シャアアアアアアアッ!!!!」

レストからのお誘いを断ってから数日後……今日も今日とてソルヴァイパーを探し続けているが、中々お目当ての個体には遭遇出来ない。

地中を糸で捜索するという手段は悪くないのだが、地中を移動するモンスターはなにもソルヴァイパーだけではない。
他の蛇系のモンスターやモグラなども地中移動しており……ときおりワームといった体型だけは蛇に似た気色悪さマックスなモンスターとも遭遇する。

「ジャっ、ァ……ァ」

「ん~~~、もしかしてもうソルヴァイパーは別の地域に移っちゃったのかな」

赤雷を纏わず……普通の雷を纏って本気で動き、双剣であっさりと切断してしまうスティーム。

(この蛇、確かCランクだったと思うんだが……集中力が高まってる状態で本気を出したスティームなら、やっぱり相手にならないか)

コンディションとしては最高と言える状態である。

しかし……それをソルヴァイパーとの戦闘時に持ってこれなければ意味がない。

「さぁ、どうだろうな。俺の糸は存在を把握出来るだけで、触れた相手の詳細までは解らない。もしかしたら……可能性はゼロではないかもな」

「そっか。それなら、もしかしたらの可能性は考えておいた方が良いね」

ソルヴァイパーと戦えないことは非常に残念である。

しかし……ソルヴァイパーと戦ったとギルドに報告を行っている冒険者たちの会話の中に、白蛇が白雷を使ったという情報はない。

スティームとしては、白雷を習得したソルヴァイパーに赤雷を操る自分が挑む……この構図に期待を寄せていたこともあり……白雷を使えないのであれば、今回の様に戦えないのも致し方ないと考えていた。

(白蛇とは戦えないとなると、次は……そうだなぁ。前回ドラゴンと戦えなかったから、属性持ちのドラゴンかな? どうせなら、防御力が高いゴーレムに挑むのもありかな? もしくは……この前戦ったホワイトタイガーのような四足歩行の獣タイプもありだね)

完全に諦めてるわけではないが、それでも見切りを付けて次の目標に眼を向けるのも大事ではある。

強敵と戦うチャンスは、今回限りの話ではない。

「……まっ、ソルヴァイパーがいなくなってたら、また闘争心が燃え上がる様な相手を探そう」

「うん、そうだね。ありがとう、アラッド」

「この前は俺が我儘を言って譲ってもらったからな。当然だ」

この日も結局ソルヴァイパーを発見して強制バトルに持ち込むことは出来ず、街へ帰還。

しかし酒場で夕食を食べている途中で、先日アラッドたちに共闘を提案してきた獅子の鬣に属する冒険者、レストたちがソルヴァイパーと接触したという話が耳に入ってきた。

「ふ~~ん。あの人たち、ソルヴァイパーと遭遇出来たんだな」

「ソルヴァイパーと遭遇出来た上に、誰も死んでないというのを考えると、色々と運が良いね」

運が良い連中だと思いながら、相変わらず自分たちは運がないなと思い、少し凹む二人。

「……まだソルヴァイパーがこの辺りから移動してないことが解ったわけだけど、やっぱりそろそろ移動するかな」

「…………レストさんたちがどの程度、ソルヴァイパーとバチバチに戦ったのか解らないが、かなり真っ向から戦えたのであれば……もうこの辺りは住み心地が良くても平穏な地ではないと判断して移動するかもな」

狙い始めたのだから、どうせなら逃したくない。
そんな気持ちはあるが……ソルヴァイパーが別の地域に移動するとしたら、何処に向かうなど解るほど蛇系のモンスターに……ソルヴァイパーに詳しくないため、移動されてはもうお手上げである。

「ねぇ、アラッド。僕……やっぱり戦えるなら、ドラゴンと戦ってみたいかな」

「良いね。まぁ、あれだよな。ドラゴンとのバトルは、一種の夢って感じだったもんな」

「その夢を叶えた気持ちはどんな感じ?」

「そうだな…………ドラゴンゾンビとの戦いでは、ただ無我夢中で……クソ魔法使いの好きにさせない為に戦ってたところもあるから、純粋に一種の夢を叶えられたとは思えなかったが、轟炎竜との戦いでは……心の底から死闘を楽しめた気がする」

クロと共闘での戦いであるため、次こそは一人で討伐したいという思いはあるが、それはそれでこれはこれ。

あの激闘に対し、非常に満足しているという気持ちに噓偽りはない。

「それを考えると……ギーラス兄さんはあの風竜……ストールとの戦いでは、心の底から俺みたいな満足感は感じてないかもな」

「なんて言うか、あのドラゴンは凄い小狡いというか小者と言うか……いや、勿論強かったのは強かったんだけど、なんというか……本当にドラゴンなのかと疑いたくなるところがあったかな」

「だな。ぶっちゃけた話、あいつがかつて父さんと戦った暴風竜、ボレアスの子なのか疑わしいとすら思ったよ」

「……あれだけ小狡い部分があるから嘘を付いて自分はボレアスの子供だって宣言してビビらせようと考えてたかもしれないね」

「はっはっは!!! あり得そうだな」

最初の頃よりソルヴァイパーに対する意識が薄れていた二人だったが……この翌日、ついに二人にツキが回ってきた。
しおりを挟む
感想 480

あなたにおすすめの小説

母は何処? 父はだぁれ?

穂村満月
ファンタジー
うちは、父3人母2人妹1人の7人家族だ。 産みの母は誰だかわかるが、実父は誰だかわからない。 妹も、実妹なのか不明だ。 そんなよくわからない家族の中で暮らしていたが、ある日突然、実母がいなくなってしまった。 父たちに聞いても、母のことを教えてはくれない。 母は、どこへ行ってしまったんだろう! というところからスタートする、 さて、実父は誰でしょう? というクイズ小説です。 変な家族に揉まれて、主人公が成長する物語でもなく、 家族とのふれあいを描くヒューマンドラマでもありません。 意味のわからない展開から、誰の子なのか想像してもらえたらいいなぁ、と思っております。 前作「死んでないのに異世界転生? 三重苦だけど頑張ります」の完結記念ssの「誰の子産むの?」のアンサーストーリーになります。 もう伏線は回収しきっているので、変なことは起きても謎は何もありません。 単体でも楽しめるように書けたらいいな、と思っておりますが、前作の設定とキャラクターが意味不明すぎて、説明するのが難しすぎました。嫁の夫をお父さんお母さん呼びするのを諦めたり、いろんな変更を行っております。設定全ては持ってこれないことを先にお詫びします。 また、先にこちらを読むと、1話目から前作のネタバレが大量に飛び出すことも、お詫び致します。 「小説家になろう」で連載していたものです。

「俺が勇者一行に?嫌です」

東稔 雨紗霧
ファンタジー
異世界に転生したけれども特にチートも無く前世の知識を生かせる訳でも無く凡庸な人間として過ごしていたある日、魔王が現れたらしい。 物見遊山がてら勇者のお披露目式に行ってみると勇者と目が合った。 は?無理

【読切短編】処刑前夜、地下牢に現れた王女は言った。「お前でなければ駄目なんだ」滅びの未来を覆す、騎士との契約

Lihito
ファンタジー
王国騎士団の副長ヴェルドは、無実の罪で投獄され、明日処刑される運命にあった。 腐敗した国に絶望し、静かに死を待つ夜。 地下牢に現れたのは、実権を持たない「傀儡」と噂されるイゾルデ王女。 彼女はヴェルドに仮死毒を渡し、こう告げた。 「死んで、私の影になれ」 彼女は知っていた。 この国が三年後に滅ぶこと。誰が裏切り者か。 そして——ヴェルドこそが、国を救うための唯一の「切り札」であることを。 これは、滅びの未来を知る孤独な王女と、一度死んで生まれ変わった騎士が、裏から国を救う「共犯」の物語。

〈完結〉この女を家に入れたことが父にとっての致命傷でした。

江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」アリサは父の後妻の言葉により、家を追い出されることとなる。 だがそれは待ち望んでいた日がやってきたでもあった。横領の罪で連座蟄居されられていた祖父の復活する日だった。 十年前、八歳の時からアリサは父と後妻により使用人として扱われてきた。 ところが自分の代わりに可愛がられてきたはずの異母妹ミュゼットまでもが、義母によって使用人に落とされてしまった。義母は自分の周囲に年頃の女が居ること自体が気に食わなかったのだ。 元々それぞれ自体は仲が悪い訳ではなかった二人は、お互い使用人の立場で二年間共に過ごすが、ミュゼットへの義母の仕打ちの酷さに、アリサは彼女を乳母のもとへ逃がす。 そして更に二年、とうとうその日が来た…… 

授かったスキルが【草】だったので家を勘当されたから悲しくてスキルに不満をぶつけたら国に恐怖が訪れて草

ラララキヲ
ファンタジー
(※[両性向け]と言いたい...)  10歳のグランは家族の見守る中でスキル鑑定を行った。グランのスキルは【草】。草一本だけを生やすスキルに親は失望しグランの為だと言ってグランを捨てた。  親を恨んだグランはどこにもぶつける事の出来ない気持ちを全て自分のスキルにぶつけた。  同時刻、グランを捨てた家族の居る王都では『謎の笑い声』が響き渡った。その笑い声に人々は恐怖し、グランを捨てた家族は……── ※確認していないので二番煎じだったらごめんなさい。急に思いついたので書きました! ※「妻」に対する暴言があります。嫌な方は御注意下さい※ ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇なろうにも上げています。

なんか修羅場が始まってるんだけどwww

一樹
ファンタジー
とある学校の卒業パーティでの1幕。

【完結】勇者と国王は最悪。なので私が彼らを後悔させます。

凛 伊緒
ファンタジー
「お前はこのパーティーに相応しくない。今この場をもって、追放とする!それと、お前が持っている物は全て置いていってもらうぞ。」 「それは良いですわね、勇者様!」 勇者でありパーティーリーダーのゼイスに追放を宣言された。 隣にいる聖女メーシアも、大きく頷く。 毎日の暴行。 さらに報酬は平等に分けるはずが、いつも私だけかなり少なくされている。 最後の嫌味と言わんばかりに、今持っている物全てを奪われた。 今までの行いを、後悔させてあげる--

【完結】そして、誰もいなくなった

杜野秋人
ファンタジー
「そなたは私の妻として、侯爵夫人として相応しくない!よって婚約を破棄する!」 愛する令嬢を傍らに声高にそう叫ぶ婚約者イグナシオに伯爵家令嬢セリアは誤解だと訴えるが、イグナシオは聞く耳を持たない。それどころか明らかに犯してもいない罪を挙げられ糾弾され、彼女は思わず彼に手を伸ばして取り縋ろうとした。 「触るな!」 だがその手をイグナシオは大きく振り払った。振り払われよろめいたセリアは、受け身も取れないまま仰向けに倒れ、頭を打って昏倒した。 「突き飛ばしたぞ」 「彼が手を上げた」 「誰か衛兵を呼べ!」 騒然となるパーティー会場。すぐさま会場警護の騎士たちに取り囲まれ、彼は「違うんだ、話を聞いてくれ!」と叫びながら愛人の令嬢とともに連行されていった。 そして倒れたセリアもすぐさま人が集められ運び出されていった。 そして誰もいなくなった。 彼女と彼と愛人と、果たして誰が悪かったのか。 これはとある悲しい、婚約破棄の物語である。 ◆小説家になろう様でも公開しています。話数の関係上あちらの方が進みが早いです。 3/27、なろう版完結。あちらは全8話です。 3/30、小説家になろうヒューマンドラマランキング日間1位になりました! 4/1、完結しました。全14話。

処理中です...