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七百八十九話 本人は悪くないものの
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「……ねぇ、今笑われたのって、私たち?」
小声で話していようと、ある程度の会話は聞き取れるガルーレの聴力。
意識していなかった為、細かい内容までは聞き取れなかったが、何となくどういった言葉を、感情を向けられているのかは把握。
「だろうな」
「…………アラッドは大人ねぇ~~」
「多少のイラつきはある」
人生二周目とはいえ、前世での年齢は二十を越えておらず、今世でもまだ二十歳を越えていない。
やはり、笑われれば……嗤われれば、大なり小なりイラつかざるを得ない。
「おそらく、この地域での戦闘経験が長いのだろう。であれば、新顔である俺たちが語る内容がバカらしく感じる……そんな流れは容易に想像出来る」
「そこまで解るからこそ、大人な対応が出来るってこと?」
「それもあるが、実際問題として、彼らは俺たちの実力を読めないのだろう。その差を考えれば…………少し言葉にするのが難しいな。とにかく、今の彼らはそういう存在なのだと認識するしかない、というのが俺の考えだ」
人によっては、見下しているとも捉えられる考え方。
ただ、現に……実際問題として、先程アラッドたちの会話を嗤った者たちと、三人では戦闘力に大きな開きがある。
簡単に言ってしまうと、格が違うのだ。
故に、アラッドが彼らの態度を見て……見下ろす様な考えを持ってしまうのも、致し方なかった。
「実際に面倒な絡み方をして来たならともかく、彼らは離れた場所から嗤っているだけ。敢えてなのか、それとも……それだけしか出来ないのか否か、それは解らないがな」
「あぁ~~~~、なるほどね。そういう見方をすれば、幾分怒りも抑えられるわね」
ガルーレとしては、あまり他人を見下ろすことに良い気はしない。
ただ、今現在はアラッドがリーダーであるパーティーに加入している立場であり、勝手に一人で問題を起こして良い対場ではない。
(……ヤッても良いな~~って思えるオスもいなさそうだし、そういうメンタルで対応しても良さそうね)
遠くから吠えるこしか出来ないオスなど、アマゾネスが最も興味を持てないタイプである。
「とりあえず、肩慣らし程度にこの依頼を受けようと思うんだが、どうだ?」
アラッドが指さした依頼は、スノーウルフの毛皮三体分の納品。
「確かに、肩慣らしには丁度良さそうね」
「異論なしだね」
「よし」
三人は依頼書を受付嬢の元に持っていき、無事承諾してもらい、冒険者ギルドを出た後、早速街の外に出てスノーウルフを探し始めた。
そんな中……アラッドのギルドカードを確認した受付嬢は、ギリギリ声にこそ出さなかったが、目の前の人物があのアラッドだという事実に……驚きを隠せていなかった。
「? ねぇ、大丈夫? ちょっと顔色悪いわよ」
「う、うん、大丈夫」
「……それ、絶対に大丈夫じゃない大丈夫でしょ。ねぇ、本当に何があったの?」
声を掛けられた受付嬢、声を掛けた受付嬢の二人はほぼ同期であり、既に五年以上受付嬢として働いている。
今更威圧感が強い冒険者の対応をすることになっても、特に驚くことはない胆力を身に付けている。
「…………私が、さっき対応した冒険者……あの、アラッドだったの」
「アラッドって……えっ、あの?」
「うん、苗字やランクも同じだった」
当然と言えば当然ながら、アラッドの名は冒険者たちの間だけではなく、受付嬢たちギルド職員の間でも広まっていた。
貴族の令息であり、騎士の爵位を持っている。
だが、その立場を乱暴に振るうことはなく、職員たちに対する態度は至って良識的なもの。
適度に依頼を受けており、冒険者たちが参戦しなければならない依頼にしっかりと参戦し、結果を残している優秀なルーキー。
そんな認識自体は間違っていない。
ただ……それと同時に、アラッドは行く先々の街で問題の発端になっている、という噂も同時に流れていた。
「アラッド……さんと、今パーティーを組んでる二人がクエストボードの前で話してる時に、離れた場所にいた人たちが彼等のことを嗤ってたの」
「ッ!!!! も……もも、問題は起きなかったのよ、ね?」
アラッドの逆鱗の隣をなぞる様な絡みををした新人冒険者が、冒険者資格を剥奪されて追放された話は、職員たちの間では有名な話。
勿論、そもそもそういう絡み方をすれば、自分に跳ね返ってくるかもしれない事を考えろよという話でもあるが、それでも結果として同業者を追放させる切っ掛けになったという事実は変わらない。
「多分、アラッドさんが大人の対応、をしたんだと思う。ただ、仲間の……アマゾネスの冒険者は、確かにイラついた表情を浮かべてた」
「っ……と、とりあえず問題にはならなかったのね」
ウィラーナの冒険者ギルドで働く受付嬢たちにとって、アラッドとウィラーナを拠点に活動する冒険者、どちらの方が大切かと問われれば……大きな声では言えないが、間違いなく後者だった。
アラッドがウィラーナを拠点として活動するのであれば話は別だが、当然ながらアラッドにそのつもりは一切ない。
ウィラーナに危機が訪れたい際に戦力となるのは、やはりウィラーナを拠点として活動する冒険者たち。
そのため、彼らが冒険者資格を発動されて追放されてしまえば……ウィラーナの冒険者ギルドとしては非常に困ってしまう。
そんな事態を危惧した受付嬢たちは、今回の件を直ぐに上へ報告したのだった。
小声で話していようと、ある程度の会話は聞き取れるガルーレの聴力。
意識していなかった為、細かい内容までは聞き取れなかったが、何となくどういった言葉を、感情を向けられているのかは把握。
「だろうな」
「…………アラッドは大人ねぇ~~」
「多少のイラつきはある」
人生二周目とはいえ、前世での年齢は二十を越えておらず、今世でもまだ二十歳を越えていない。
やはり、笑われれば……嗤われれば、大なり小なりイラつかざるを得ない。
「おそらく、この地域での戦闘経験が長いのだろう。であれば、新顔である俺たちが語る内容がバカらしく感じる……そんな流れは容易に想像出来る」
「そこまで解るからこそ、大人な対応が出来るってこと?」
「それもあるが、実際問題として、彼らは俺たちの実力を読めないのだろう。その差を考えれば…………少し言葉にするのが難しいな。とにかく、今の彼らはそういう存在なのだと認識するしかない、というのが俺の考えだ」
人によっては、見下しているとも捉えられる考え方。
ただ、現に……実際問題として、先程アラッドたちの会話を嗤った者たちと、三人では戦闘力に大きな開きがある。
簡単に言ってしまうと、格が違うのだ。
故に、アラッドが彼らの態度を見て……見下ろす様な考えを持ってしまうのも、致し方なかった。
「実際に面倒な絡み方をして来たならともかく、彼らは離れた場所から嗤っているだけ。敢えてなのか、それとも……それだけしか出来ないのか否か、それは解らないがな」
「あぁ~~~~、なるほどね。そういう見方をすれば、幾分怒りも抑えられるわね」
ガルーレとしては、あまり他人を見下ろすことに良い気はしない。
ただ、今現在はアラッドがリーダーであるパーティーに加入している立場であり、勝手に一人で問題を起こして良い対場ではない。
(……ヤッても良いな~~って思えるオスもいなさそうだし、そういうメンタルで対応しても良さそうね)
遠くから吠えるこしか出来ないオスなど、アマゾネスが最も興味を持てないタイプである。
「とりあえず、肩慣らし程度にこの依頼を受けようと思うんだが、どうだ?」
アラッドが指さした依頼は、スノーウルフの毛皮三体分の納品。
「確かに、肩慣らしには丁度良さそうね」
「異論なしだね」
「よし」
三人は依頼書を受付嬢の元に持っていき、無事承諾してもらい、冒険者ギルドを出た後、早速街の外に出てスノーウルフを探し始めた。
そんな中……アラッドのギルドカードを確認した受付嬢は、ギリギリ声にこそ出さなかったが、目の前の人物があのアラッドだという事実に……驚きを隠せていなかった。
「? ねぇ、大丈夫? ちょっと顔色悪いわよ」
「う、うん、大丈夫」
「……それ、絶対に大丈夫じゃない大丈夫でしょ。ねぇ、本当に何があったの?」
声を掛けられた受付嬢、声を掛けた受付嬢の二人はほぼ同期であり、既に五年以上受付嬢として働いている。
今更威圧感が強い冒険者の対応をすることになっても、特に驚くことはない胆力を身に付けている。
「…………私が、さっき対応した冒険者……あの、アラッドだったの」
「アラッドって……えっ、あの?」
「うん、苗字やランクも同じだった」
当然と言えば当然ながら、アラッドの名は冒険者たちの間だけではなく、受付嬢たちギルド職員の間でも広まっていた。
貴族の令息であり、騎士の爵位を持っている。
だが、その立場を乱暴に振るうことはなく、職員たちに対する態度は至って良識的なもの。
適度に依頼を受けており、冒険者たちが参戦しなければならない依頼にしっかりと参戦し、結果を残している優秀なルーキー。
そんな認識自体は間違っていない。
ただ……それと同時に、アラッドは行く先々の街で問題の発端になっている、という噂も同時に流れていた。
「アラッド……さんと、今パーティーを組んでる二人がクエストボードの前で話してる時に、離れた場所にいた人たちが彼等のことを嗤ってたの」
「ッ!!!! も……もも、問題は起きなかったのよ、ね?」
アラッドの逆鱗の隣をなぞる様な絡みををした新人冒険者が、冒険者資格を剥奪されて追放された話は、職員たちの間では有名な話。
勿論、そもそもそういう絡み方をすれば、自分に跳ね返ってくるかもしれない事を考えろよという話でもあるが、それでも結果として同業者を追放させる切っ掛けになったという事実は変わらない。
「多分、アラッドさんが大人の対応、をしたんだと思う。ただ、仲間の……アマゾネスの冒険者は、確かにイラついた表情を浮かべてた」
「っ……と、とりあえず問題にはならなかったのね」
ウィラーナの冒険者ギルドで働く受付嬢たちにとって、アラッドとウィラーナを拠点に活動する冒険者、どちらの方が大切かと問われれば……大きな声では言えないが、間違いなく後者だった。
アラッドがウィラーナを拠点として活動するのであれば話は別だが、当然ながらアラッドにそのつもりは一切ない。
ウィラーナに危機が訪れたい際に戦力となるのは、やはりウィラーナを拠点として活動する冒険者たち。
そのため、彼らが冒険者資格を発動されて追放されてしまえば……ウィラーナの冒険者ギルドとしては非常に困ってしまう。
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