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七百九十八話 激情に駆られて
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「ふぅ~~、どんなもんよ」
「…………」
飛び膝蹴りを食らったアサシンは仮面どころか頭蓋骨まで割れており、当然脳の一部も凹み……あの世へ逝ってしまった。
「あっ、そういえばこいつらって……もしかしなくても、殺さない方が良かった感じかな」
何となく、アサシン二人に対して心当たりがあった。
だが、立体感知のスキルを会得し、ゾーンに入った状態のガルーレであっても、二人が装備しているマジックアイテムの効果もあって、生け捕りにすることは不可能に近かった。
「ワフっ!!!」
「わっ! っとっと。ごめんね、クロ。無茶な注文をして」
「ワフ~~~~~」
ガルーレに飛び掛かり、「心配したよ~~」と自慢の毛をぐりぐりと押し付けるクロ。
勿論、直前まで周囲の警戒は忘れておらず、この状況から新たな襲撃者が現れ、不意を突かれるという最悪の事態は起こらない。
「それにしてもこいつら、ガチガチに私を殺すつもりで襲い掛かって来たわね。武器には毒が絶対に付いてたし」
周辺に毒付きの針や短剣、斬撃刃の液体などが散らばっており、あまり足場がなかった。
「もしかしたらだけど、クロを倒せる秘密の毒的なやつも持ってたのかしら…………っていうか、もしかしてこいつらの仲間が、アラッドたちの方にも襲撃を仕掛けてる? はぁ~~~~、せめてそこだけでも情報を引き出すべきだったわね」
再度、アサシン二人を殺してしまった事に対して、失敗したと反省するガルーレ。
だが……仮に過去に戻れたとしても、集中力が最絶頂まで高まっていたため、反省を生かしてアサシン二人を生け捕りしようとしても、再度殺ってしまうのがオチである。
「あれ? もしかしなくても……割と天気が良い感じ?」
洞窟の外に目を向けると、一応雪は降っていなかった。
「ん~~~~~……ねぇ、クロ。どう動くのが正解だと思う?」
「…………」
主人であるアラッド、主人の友人であるスティーム。
同じ従魔であり、友であるファルを思い出すクロ。
「……ワゥ」
地面を軽く叩くクロ。
「待ってた方が良いってことね」
「ワゥっ!!!」
「確かに互いに探し始めて、すれ違ったりするのは最悪よね~~。それじゃあ、アラッドたちが見つけてくれるのを信じて待ちましょうか」
洞窟の中では毒の影響で多少は異臭がするものの、アラッドたちを待ち続ける分には問題無かった。
「……っ、ワゥ!!!!」
「ん? どうしたの、クロ」
二人のアサシンとの戦闘を終えてから十数分後、突然クロが吠えた。
「ガルーレっ!!!!!! クロっ!!!!!! いるかっ!!!!!?????」
すると、大きな大きな……洞窟内にアラッドの声が響き渡る。
(アラッドの声……ふふ、本気で心配してくれてたね)
何度も名前を呼ばれてきた。
だが、今回ほど心配の色を含む声で名前を呼ばれるのは初めてのガルーレ。
「いるわよ!! アラッド、スティーム、ファル!!」
心なしか、返事を返す言葉には嬉しさが含まれていた。
数秒後にはアラッドたちがダッシュで到着。
「ガルーレもクロ無事みた…………チっ!!!! やっぱり、あいつが言ってた通りだったか」
疲労感は見えるものの、ガルーレは無事。
クロは完全に無傷。
しかし、二人の周囲には多数の毒が付与されていた武器が散らばっていた。
「もしかしなくても、二人の方にも黒衣を纏ったアサシンが襲い掛かって来た感じ?」
「一部アサシンらしくない奴もいたが、俺たちも襲撃された」
雪崩に巻き込まれたガルーレとクロの探索を始めたアラッド達だったが、直ぐにガルーレが倒したアサシン二人と同じ組織に属している者たちが四人現れた。
「生け捕りにするのが一番良かったんだろうが、うっかり……いや、がっつり殺してしまった」
「仕方ないよ。あの四人……余裕を持って良い相手じゃなかった」
私情を爆発させてアサシンたちを殺してしまったことを悔やむアラッドを慰めるスティームだが……実のところ、スティームはスティームで激情に駆られていた。
当然の事ながら、アサシンが合計で四人、二人を襲おうとした時……二人の戦闘力を考慮し、主人であるスティームを援護しようと動いた。
だが……ファルが思わず躊躇うほど、スティームの心は激情の炎で燃えていた。
ガルーレにはあのクロが付いている。
Aランクのモンスターに運悪く襲撃されても、生き残る確率の方が高い。
心配するよりも目の前の戦闘に集中した方が良い……そういった理屈は解っていた。
ただ、理解出来たとしても、納得して行動出来るか否かは別。
鑑定スキルなどなくとも、一目でアサシンたちが並の実力者ではないことを把握。
その様な人物たちがガルーレの元にも向かっている可能性が高い。
そう思った瞬間、スティームの脳内には最悪のケースが浮かんだ。
「そうだな……余裕を持てる状態でもなかった。お互いに、な」
「っ、はは。やっぱりバレてたか」
スティームは一切の躊躇いを捨て、赤雷を全身に纏い……アサシンたちを瞬殺した。
アサシンたちの視界には……赤い線しか見えず、ほんの数秒間のみ耐えることに成功したが、赫き閃光に抗うことは出来なかった。
「…………」
飛び膝蹴りを食らったアサシンは仮面どころか頭蓋骨まで割れており、当然脳の一部も凹み……あの世へ逝ってしまった。
「あっ、そういえばこいつらって……もしかしなくても、殺さない方が良かった感じかな」
何となく、アサシン二人に対して心当たりがあった。
だが、立体感知のスキルを会得し、ゾーンに入った状態のガルーレであっても、二人が装備しているマジックアイテムの効果もあって、生け捕りにすることは不可能に近かった。
「ワフっ!!!」
「わっ! っとっと。ごめんね、クロ。無茶な注文をして」
「ワフ~~~~~」
ガルーレに飛び掛かり、「心配したよ~~」と自慢の毛をぐりぐりと押し付けるクロ。
勿論、直前まで周囲の警戒は忘れておらず、この状況から新たな襲撃者が現れ、不意を突かれるという最悪の事態は起こらない。
「それにしてもこいつら、ガチガチに私を殺すつもりで襲い掛かって来たわね。武器には毒が絶対に付いてたし」
周辺に毒付きの針や短剣、斬撃刃の液体などが散らばっており、あまり足場がなかった。
「もしかしたらだけど、クロを倒せる秘密の毒的なやつも持ってたのかしら…………っていうか、もしかしてこいつらの仲間が、アラッドたちの方にも襲撃を仕掛けてる? はぁ~~~~、せめてそこだけでも情報を引き出すべきだったわね」
再度、アサシン二人を殺してしまった事に対して、失敗したと反省するガルーレ。
だが……仮に過去に戻れたとしても、集中力が最絶頂まで高まっていたため、反省を生かしてアサシン二人を生け捕りしようとしても、再度殺ってしまうのがオチである。
「あれ? もしかしなくても……割と天気が良い感じ?」
洞窟の外に目を向けると、一応雪は降っていなかった。
「ん~~~~~……ねぇ、クロ。どう動くのが正解だと思う?」
「…………」
主人であるアラッド、主人の友人であるスティーム。
同じ従魔であり、友であるファルを思い出すクロ。
「……ワゥ」
地面を軽く叩くクロ。
「待ってた方が良いってことね」
「ワゥっ!!!」
「確かに互いに探し始めて、すれ違ったりするのは最悪よね~~。それじゃあ、アラッドたちが見つけてくれるのを信じて待ちましょうか」
洞窟の中では毒の影響で多少は異臭がするものの、アラッドたちを待ち続ける分には問題無かった。
「……っ、ワゥ!!!!」
「ん? どうしたの、クロ」
二人のアサシンとの戦闘を終えてから十数分後、突然クロが吠えた。
「ガルーレっ!!!!!! クロっ!!!!!! いるかっ!!!!!?????」
すると、大きな大きな……洞窟内にアラッドの声が響き渡る。
(アラッドの声……ふふ、本気で心配してくれてたね)
何度も名前を呼ばれてきた。
だが、今回ほど心配の色を含む声で名前を呼ばれるのは初めてのガルーレ。
「いるわよ!! アラッド、スティーム、ファル!!」
心なしか、返事を返す言葉には嬉しさが含まれていた。
数秒後にはアラッドたちがダッシュで到着。
「ガルーレもクロ無事みた…………チっ!!!! やっぱり、あいつが言ってた通りだったか」
疲労感は見えるものの、ガルーレは無事。
クロは完全に無傷。
しかし、二人の周囲には多数の毒が付与されていた武器が散らばっていた。
「もしかしなくても、二人の方にも黒衣を纏ったアサシンが襲い掛かって来た感じ?」
「一部アサシンらしくない奴もいたが、俺たちも襲撃された」
雪崩に巻き込まれたガルーレとクロの探索を始めたアラッド達だったが、直ぐにガルーレが倒したアサシン二人と同じ組織に属している者たちが四人現れた。
「生け捕りにするのが一番良かったんだろうが、うっかり……いや、がっつり殺してしまった」
「仕方ないよ。あの四人……余裕を持って良い相手じゃなかった」
私情を爆発させてアサシンたちを殺してしまったことを悔やむアラッドを慰めるスティームだが……実のところ、スティームはスティームで激情に駆られていた。
当然の事ながら、アサシンが合計で四人、二人を襲おうとした時……二人の戦闘力を考慮し、主人であるスティームを援護しようと動いた。
だが……ファルが思わず躊躇うほど、スティームの心は激情の炎で燃えていた。
ガルーレにはあのクロが付いている。
Aランクのモンスターに運悪く襲撃されても、生き残る確率の方が高い。
心配するよりも目の前の戦闘に集中した方が良い……そういった理屈は解っていた。
ただ、理解出来たとしても、納得して行動出来るか否かは別。
鑑定スキルなどなくとも、一目でアサシンたちが並の実力者ではないことを把握。
その様な人物たちがガルーレの元にも向かっている可能性が高い。
そう思った瞬間、スティームの脳内には最悪のケースが浮かんだ。
「そうだな……余裕を持てる状態でもなかった。お互いに、な」
「っ、はは。やっぱりバレてたか」
スティームは一切の躊躇いを捨て、赤雷を全身に纏い……アサシンたちを瞬殺した。
アサシンたちの視界には……赤い線しか見えず、ほんの数秒間のみ耐えることに成功したが、赫き閃光に抗うことは出来なかった。
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