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八百五話 どう思われてるんだ?
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(殺さなければ、調子に乗って何度も挑めると勘違いするバカが現れる。逆に挑戦者を全員殺せば、縁者が復讐心を燃やして襲い掛かってくる…………最悪過ぎる悪循環だな)
雪竜が抱えている問題に対し、アラッドはなんとか良い案がないかと頭をフル回転させるが、中々これといった内容が思い付かない。
「……難しい問題、ですね」
「そうなんですよ。私としては、この雪原……雪山付近の街を全て破壊しても良いのですが、そうなるとアラッドたちと戦うことになるでしょう」
「そう、ですね。申し訳ないですが、それはさすがに」
アラッドたちとしても、街を潰そうとする行為までは見過ごせない。
(グレイスさんの場合、特に人間と仲良くしたいという訳ではないからな…………まぁ、モンスターからすれば、なんでわざわざ人間とって気持ちが先に出てくるだろう)
「…………申し訳ない。これといって良い案が思い浮かびません」
「僕もです」
「私もかな~~~。やっぱり騎士とか冒険者はドラゴンスレイヤーの称号? に憧れるものだし、モンスターの事情なんて知らねぇ!!! って、後先考えず挑む人が絶対にどこかにいるだろうし」
ガルーレが語った事と同じ事をアラッドとスティームも考えていた。
仮に領主がグレイスに攻撃してはならないと命令を下しても、バカは「ぶっ殺せば俺たちが正義になる!!!!」なんて考えを暴走させ、挑んでしまう。
「やはりそうですか……そうですね。私たちドラゴンも、誰かから命令されたり、何かを強要されたからといって、素直に従うことはありませんからね」
(……モンスターであるドラゴンがこれだけ理解ある考えを持ってくれてるというのに…………ただ、俺のこの考えは、それはそれで傲慢なのかもしれないな)
人と争う気がないモンスターがいる。
それはモンスターと対面する機会が多い冒険者や騎士の一部は知っており、一定の理解がある者もいる。
ただ、基本的に人間たちの共通認識として、モンスターは人類の敵である。
モンスターを従魔にして戦うテイマーという戦闘スタイルはあるものの、従魔となったモンスターが主人の命で人を襲うことがないだけで、モンスターはモンスター人間を敵と……もしくは餌と認識している。
「申し訳ありません、グレイスさん」
「大丈夫ですよ、アラッド。あなた達の様な強者が理解ある方というだけで、私としても幾分楽になりました」
グレイスの身体能力、スキル、レベルは雪竜のそれではない。
オーアルドラゴンがグレイスを見れば「アラッドと同じ何かしらの毛皮を被った存在だな」と答える。
故に、アラッドたちでも余裕を持って倒せる相手ではない。
仮に本気で殺し合う様な事態に発展すれば……とりあえず雪山が崩壊してしまう。
雪山が崩壊すれば……雪崩が起き、現在アラッドたちが拠点として活動しているウィラーナが飲み込まれる可能性は十分にある。
「グレイスさんが基本的に人間と争うつもりはないという考えは、自分の父にも伝えておきます」
「それはありがたいですね。ボレアスを単騎で倒した男にその気がない……そう思うだけで、更に余裕を感じられます」
(…………父さんって、知性あるドラゴンたちが、どういう風に思われてるんだろうな)
鋼竜、オーアルドラゴンが知っていた。
雪竜、グレイスドラゴンも知っていた。
そして暴風竜ボレアスの息子である風竜ストールも知っており、フールとその息子であるギーラスを潰そうとした。
(ドラゴンスレイヤー……それは間違いないんだろうけど、もしかして死神的な感じに捕らえられたりしてるのかな)
アラッドも実際に進化したばかりとはいえ、クロと共に轟炎竜と戦い、Aランクドラゴンの強さは身に染みていた。
(もしかして、父さんはボレアスを討伐した後も、それなりに余裕を残してた?)
息子は改めて父親の強さを感じ取り……その強さに憧れた。
「さて、まだ他のドラゴンの情報を伝えていませんでしたね。あなた達の相手になるドラゴンとなると…………因みに、全員で挑みますか? それとも、一人で挑みますか?」
「場合によっては俺はクロと、スティームはファルと組んで戦いますね。ガルーレは……やっぱり一人か?」
「勿論!!!!」
「だそうです」
「分かりました……そうなると…………アラッドたち限定になるかもしれませんが、やはりボレアスの血など関係無く、風竜は容赦なく襲い掛かってくれるでしょう。後は……雷竜も良さそうですね」
「雷竜、ですか」
アラッドの頭の中で、以前対峙した雷の獣、雷獣という存在が思い浮かんだ。
「素早さと力。これら二つに優れているのは雷竜です。性格、凶暴性なども考えれば、まず逃げることはないでしょう。自分たちの攻撃力を試したいのであれば、やはり土竜やその系統のドラゴンが良いかと」
グレイスは他属性の特徴と、自分の記憶に残っている強者と呼べるドラゴンたちの情報を全て伝えた。
「……といったところですね」
「貴重な情報、本当にありがとうございます」
「私の要望を聞き入れてくれたお礼です。それと、伝えたドラゴンたちと出会った時、私の名前を出さないでもらえると助かります」
「分かりました」
グレイスが悩んでいる問題を知ったということもあり、三人は絶対に口に出さないと誓った。
ただ、ウィラーナへ戻る道中、アラッドはグレイスが自分に付いている匂いから、ある程度事情を察したことを思い出す。
(待てよ……俺たちはグレイスさんと会って話したんだから、結局はバレてしまうんじゃないか?)
無意味なのでは? と思いつつも、とりあえず約束は破らない。
それだけは守るが……それ以外の部分で知られたとしても、アラッドにはどうしようも出来ない。
雪竜が抱えている問題に対し、アラッドはなんとか良い案がないかと頭をフル回転させるが、中々これといった内容が思い付かない。
「……難しい問題、ですね」
「そうなんですよ。私としては、この雪原……雪山付近の街を全て破壊しても良いのですが、そうなるとアラッドたちと戦うことになるでしょう」
「そう、ですね。申し訳ないですが、それはさすがに」
アラッドたちとしても、街を潰そうとする行為までは見過ごせない。
(グレイスさんの場合、特に人間と仲良くしたいという訳ではないからな…………まぁ、モンスターからすれば、なんでわざわざ人間とって気持ちが先に出てくるだろう)
「…………申し訳ない。これといって良い案が思い浮かびません」
「僕もです」
「私もかな~~~。やっぱり騎士とか冒険者はドラゴンスレイヤーの称号? に憧れるものだし、モンスターの事情なんて知らねぇ!!! って、後先考えず挑む人が絶対にどこかにいるだろうし」
ガルーレが語った事と同じ事をアラッドとスティームも考えていた。
仮に領主がグレイスに攻撃してはならないと命令を下しても、バカは「ぶっ殺せば俺たちが正義になる!!!!」なんて考えを暴走させ、挑んでしまう。
「やはりそうですか……そうですね。私たちドラゴンも、誰かから命令されたり、何かを強要されたからといって、素直に従うことはありませんからね」
(……モンスターであるドラゴンがこれだけ理解ある考えを持ってくれてるというのに…………ただ、俺のこの考えは、それはそれで傲慢なのかもしれないな)
人と争う気がないモンスターがいる。
それはモンスターと対面する機会が多い冒険者や騎士の一部は知っており、一定の理解がある者もいる。
ただ、基本的に人間たちの共通認識として、モンスターは人類の敵である。
モンスターを従魔にして戦うテイマーという戦闘スタイルはあるものの、従魔となったモンスターが主人の命で人を襲うことがないだけで、モンスターはモンスター人間を敵と……もしくは餌と認識している。
「申し訳ありません、グレイスさん」
「大丈夫ですよ、アラッド。あなた達の様な強者が理解ある方というだけで、私としても幾分楽になりました」
グレイスの身体能力、スキル、レベルは雪竜のそれではない。
オーアルドラゴンがグレイスを見れば「アラッドと同じ何かしらの毛皮を被った存在だな」と答える。
故に、アラッドたちでも余裕を持って倒せる相手ではない。
仮に本気で殺し合う様な事態に発展すれば……とりあえず雪山が崩壊してしまう。
雪山が崩壊すれば……雪崩が起き、現在アラッドたちが拠点として活動しているウィラーナが飲み込まれる可能性は十分にある。
「グレイスさんが基本的に人間と争うつもりはないという考えは、自分の父にも伝えておきます」
「それはありがたいですね。ボレアスを単騎で倒した男にその気がない……そう思うだけで、更に余裕を感じられます」
(…………父さんって、知性あるドラゴンたちが、どういう風に思われてるんだろうな)
鋼竜、オーアルドラゴンが知っていた。
雪竜、グレイスドラゴンも知っていた。
そして暴風竜ボレアスの息子である風竜ストールも知っており、フールとその息子であるギーラスを潰そうとした。
(ドラゴンスレイヤー……それは間違いないんだろうけど、もしかして死神的な感じに捕らえられたりしてるのかな)
アラッドも実際に進化したばかりとはいえ、クロと共に轟炎竜と戦い、Aランクドラゴンの強さは身に染みていた。
(もしかして、父さんはボレアスを討伐した後も、それなりに余裕を残してた?)
息子は改めて父親の強さを感じ取り……その強さに憧れた。
「さて、まだ他のドラゴンの情報を伝えていませんでしたね。あなた達の相手になるドラゴンとなると…………因みに、全員で挑みますか? それとも、一人で挑みますか?」
「場合によっては俺はクロと、スティームはファルと組んで戦いますね。ガルーレは……やっぱり一人か?」
「勿論!!!!」
「だそうです」
「分かりました……そうなると…………アラッドたち限定になるかもしれませんが、やはりボレアスの血など関係無く、風竜は容赦なく襲い掛かってくれるでしょう。後は……雷竜も良さそうですね」
「雷竜、ですか」
アラッドの頭の中で、以前対峙した雷の獣、雷獣という存在が思い浮かんだ。
「素早さと力。これら二つに優れているのは雷竜です。性格、凶暴性なども考えれば、まず逃げることはないでしょう。自分たちの攻撃力を試したいのであれば、やはり土竜やその系統のドラゴンが良いかと」
グレイスは他属性の特徴と、自分の記憶に残っている強者と呼べるドラゴンたちの情報を全て伝えた。
「……といったところですね」
「貴重な情報、本当にありがとうございます」
「私の要望を聞き入れてくれたお礼です。それと、伝えたドラゴンたちと出会った時、私の名前を出さないでもらえると助かります」
「分かりました」
グレイスが悩んでいる問題を知ったということもあり、三人は絶対に口に出さないと誓った。
ただ、ウィラーナへ戻る道中、アラッドはグレイスが自分に付いている匂いから、ある程度事情を察したことを思い出す。
(待てよ……俺たちはグレイスさんと会って話したんだから、結局はバレてしまうんじゃないか?)
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